映画「アビエイター」に感動していたライブドアの堀江貴文社長のこれからが楽しみだ

2005年04月19日 18時20分55秒 | 経済
「想定内の中でも良い方で決着できた」ライブドア堀江社長 (INTERNET Watch) - goo ニュース

 ライブドアとフジテレビ・ニッポン放送が「和解」し、日本は、いよいよ本格的な「21世紀・デジタル情報革命」は、「新たなステージ」に踊り上がり、いよいよドラスティックな展開の幕が切って落とされた。
 東京都の石原慎太郎知事が、19日のテレビ朝日の番組「ワイド!スクランブル」で大和田獏氏に直撃され、ライブドアの堀江貴文社長の今回の行動に対して、「若いからといって抑えてはならない」などと高く評価する発言をしていた。さすがに20歳そこそこで「太陽の季節」を書き、「若者文化」「大量消費時代」の幕開けを告げて芥川賞を受賞した大作家だけに、慧眼である。
 若者がしっかり頑張ってもらわないと日本の明日は開かれない。坂本龍馬は、「船中八策」を書き、大政奉還の道筋をつけた直後に凶刃に倒れたのが、32歳(奇しくも慶応3年11月15日の誕生日に暗殺された)だった。堀江社長は、昭和47年10月生まれ、現在32歳である。革命児は、これくらいの年齢で、大業を成す。 ちなみに、ソフトバンクの孫正義社長は、昭和32年8月11日生まれで47歳。創業は、昭和54年9月2日、カリフォレニア大学バークレー校近くで「ユニソン・ワールド」を設立したときで22歳だった。日本ソフトバンク設立は、昭和56年10月、24歳のときである。
 テレビ朝日株をオーストラリアのメディア王・マードックとともに買収したのが、平成8年6月20日、38歳のときで、朝日新聞社による企業防衛にあい、平成9年3月3日、テレビ朝日株を売却して撤退。つまりM&Aに失敗したのが、39歳のときだった。
 あれから8年。孫正義社長は、ライブドアを「ミニ・ソフトバンク」と評しているが、堀江社長の方が、「フジテレビ・ニッポン放送」との「資本・業務提携」により、「メディア・インターネット融合ビジネス」の橋頭堡を築くことができ、ソフトバンクを一歩リードした形となった。
 今回のM&A劇の最中、テレビやラジオなどメディアに経済専門家やM&A専門家が何人か出演して様々なコメントや解説をしていたが、堀江社長について、一つだけ見落としていることがあった。 それは、いま上映中の映画「THE AVIATOR(アビエイター)」(飛行士)である。「映画」と「飛行機」の二つの分野のパイオニアとしてアメリカの歴史に名を残した実在の実業家「ハワード・ヒューズ」の物語である。1929年の世界大恐慌のころから、第二次世界大戦が終わって間もなくのころまでの時代に、自らも航空機製造会社を買収し、逆にライバル社である「パンナム」から激しい買収攻撃にあいながら、飛行機を開発し、「未来への道」を切り開いていく姿を描いている。
 この映画をみるだけで、アメリカという資本主義社会が、いかに「M&A社会」であるかを教えられる。「企業乗っ取り」が平気で行われるこうした風土は、日本ではつい最近まで「悪」と見られてきた。
 だが、「外資襲来」が激しくなり、これからも一段と激化してくることが予想される今、「アビエイター」という昔のアメリカの物語が、いまの日本に与える衝撃は大きい。否応なく、日本も遅れ馳せながら、「M&A社会」に変質していかざるを得ず「買収」を怖がってばかりはいられない。
 この点、堀江社長は、さすがである。ニッポン放送株買収劇の渦中にありながら、3月26日に「アビエイター」を鑑賞し、その感動を自分のブログに「ハワード・ヒューズすげー!感動した」と書いていたのだ。堀江社長の感動はともかくとして、「3社和解」の「記者会見」に至っても、この映画について触れたコメンティターは一人もいなかったのは、淋しい。
 さて、世の中には、同じような風景を見ていても、新しい変化が「見えたり、聞こえたりする人」と「見れども見えず、聞けども聞こえずの人」に分かれる。見えもせず、聞こえもしないような人たちが、勝手な戯言を言っている場合が多いけれど、耳を傾けるのも煩わしい限りである。
 堀江社長が、フジテレビ・ニッポン放送にいかなる「新しいビジネス・モデル」や世間を「あッ」と驚かす「コンテンツ」を提案、提供するかが楽しみである。堀江社長は、和解交渉の最中も、渡米しGoogleとの提携話をまとめてきており、これが和解にアクセルをかける好材料になったともいえよう。
 ①「メディア・インターネット産業」は、フジテレビ・ニッポン放送・ライブドアのグループ企業体が、リーディング・カンパニーとなり、「メディア・インーネット・コンプレックス(複合体)」特有のビジネス・モデルを構築し、豊かなコンテンツを武器に壮大な市場を占有していく。このなかでもフジテレビが、メディア業界の最先端を走る。
 ②「メディア・インーネット・ファイナンス・コングロマリット」による新しいビシネス・モデルを構築する。ライブドアの堀江貴文社長がその先駆けとなり、資本主義社会における「利子生み資本」が、最高度に発展し、日本が名実ともに「金融大国」にのし上がる。
 ③「メディア・インターネット産業」におけるM&A劇に触発され、日本のあらゆる産業が、「M&A時代」に突入し、「アメリカ型の経営」が、常識化していく。「ストラテジック・バイヤー」「ファィナンシャル」の二つのタイプの買収が、活発化する。そのなかでとくに製薬業界などの合併、買収が盛んに行われるようになるだろう。
 ④堀江社長には「見えて、聞こえている新しいビジネス・モデル」が、日本だけでなく世界の「未来の道」を切り開いていくことが大いに期待される。日本の若者たちは、孫正義、三木谷浩史、堀江貴文に続こう。否、700万人といわれる「団塊の世代」も負けてはいられない。「2007年問題」を吹き飛ばそうではないか。

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