杉村太蔵衆院議員が公募に合格したのは、バックの「日本歯科医師会」が持つ政治資金が狙いだったのでは?

2005年09月29日 19時04分48秒 | 政治
収入総額は1381億円 04年政治資金収支報告書 (共同通信) - goo ニュース

 迂闊にも大事なことを見過ごしていた。それは、杉村太蔵衆院議員が27日午後2時から自民党本部で記者会見していたころ、東京地裁開かれていた裁判のことである。日本歯科医師会(日歯)側から自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件で、政治資金規正法違反罪に問われた村岡兼造元官房長官の第18回公判がこの日の午後1時から開かれていた。
 この日の公判では、青木幹雄元官房長官(参議院議員)が弁護側証人として出廷していた。
 マスコミは、裁判よりも杉村衆院議員の記者会見の方に興味を示し、160人もの報道関係者が自民党本部に押しかけた。このため裁判の方は、影が薄くなった。
 自民党は、なぜこの日に、杉村衆院議員の記者会見をセットしたのか。疑えばキリがないけれど、報道陣が裁判の方により注目するのを防ぐためではなかったか? かつて、米国クリントン前大統領が、モニカルインスキーさんとの不倫疑惑をめぐり大陪審に出廷して証言しなくてはならなかったとき、オサマ・ビンラディンがケニア・タンザニアのアメリカ大使館同時爆破する事件を起こし、これに対する報復のため、同じ日に巡航ミサイルの発射させ、マスコミの目を「報復措置」に向けさせたのによく似ている。
 もう一つ、大事なことを見逃すところであった。杉村衆院議員の父親が歯科医師であるという事実である。武部勤幹事長は、公募に応募してきた杉村衆院議員の経歴書から家族構成を見て、父親の職業に目を見張ったはずである。日本歯科医師会は、日本医師会、日本薬剤師会といういわゆる「3師会」のそれぞれの政治団体が、莫大な政治資金を持っていることを当然知っている。これらの団体は会員の親兄弟が自民党政治家として立候補する場合、資金面でも支援することになっている。杉村衆院議員は、歯科医師でなくても、父親が歯科医師であることに目を向け、直ぐさま、「合格」判定したのではないか。橋本龍太郎元首相の引退に伴い、3師会への政治的影響力が低下している。利権に目敏い政治家が、これを見逃すわけがないのである。奇しくも、日本歯科医師会の政治ヤミ献金をめぐる事件の裁判が行われ、旧橋本派の重鎮・青木元官房長官が証人として出廷するとなれば、この大物政治家に恥をかかせてはならないと考えてもおかしくはない。
 と考えれば、杉村衆院議員は、自民党執行部にとって、とくに武部幹事長にとって、同郷・北海道に住む杉村一族を疎かにはできない。大変な「金づる」になるからである。うっかりして、杉村衆院議員のバックグラウンドを見過ごすところであった。杉村衆院議員が、「ニート」や「フリーター」の問題はともかく、すでに「日本歯科医師会」を背負っている「利益代表」にもなっていると見なくてはならないだろう。
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恐るべし「小泉チルドレン」杉村太蔵衆院議員

2005年09月28日 12時33分49秒 | 政治
「幼稚で無責任だった」杉村太蔵議員、言動を陳謝 (読売新聞) - goo ニュース

 杉村太蔵衆院議員が27日、自民党本部の記者会見場で「所信」を述べる会見をし、「反省と抱負」を述べた。小泉首相が26日に衆参両院で特別国会冒頭に「所信表明」をした直後の「所信表明」というのだから、滑稽ではあるが、「総理大臣級」である。
 自民党幹部から集中的に特訓され、「3連休を利用して3日3晩勉強した」と言い、これまでと打って変わって、慎重な物言いに終始した。それでも、ところどころ、「杉村衆院議員らしさ」が顔を出し、大変面白かった。
 杉村太蔵衆院議員を生み出したのは、この程度の政治家しか選べない「国民」の責任でもある。愚かな国民からは、愚かな政治家しか生まれない。政治家のレベルは、そのまま国民のレベルを示しているのだ。天にツバを吐くようなものなのだ。
 ともあれ、杉村太蔵衆院議員が本当に愚かな政治家であるか、はたまた大物政治家になるかは、まだまだ未知数である。
 衆院小選挙区比例代表制度の産物のような衆院議員だが、この制度の制定に関与した自民党自身の責任に口を拭って、杉村衆院議員一人を責めるのも酷というものである。
 北海道出身の武部勤幹事長が、同郷の誼で杉村衆院議員を抜擢したのであるから、公募してきた杉村衆院議員を将来性があると見込んで採用した以上、選別の基準や理由を開陳する責任がある。
 また、たとえ、新人議員の自由奔放な発言が気にくわないからといって、操り人形にしたのでは、右も左のわからない「若者」を抜擢した意味がなくなる。
 ましてや、「代議士」の口封じを印象づけるような処置は、自由民主党の党是に反する。
 とは言うものの、新人議員が、当選早々、総裁たる総理大臣や幹事長といった大物政治家が記者会見する自民党本部の会見場で、会見した例はいままでになく、新人相手に160人もの記者が詰め掛けたというのも異例である。
 おそらく、事前に記者との受け答えの特訓の御陰であろうか、神妙な面持ちで注意深く言葉を選んでの衆院議員は、どこか堂々としていた感すらある。
 今回の自民党執行部の「素っ頓狂な対処」で一番得をしたのは、杉村衆院議員だったのではなかろうか。初登院してきたときだったか、記者団に囲まれて、杉村衆院議員は「マスコミに囲まれて、ぐちゃぐちゃにされたい」と言っていたのが思い出される。わざとスキャンダルをつくってまでマスコミの脚光を浴びて人気を博そうとする手口は、芸能界ではよくあることである。「セレブ」に憧れ、半年もたたないうちに離婚してしまった杉田かおるさんの例も思い浮かぶ。
 マスコミの威力をうまく利用して知名度を抜群にした杉村衆院議員の「思うツボ」に自民党執行部は、まんまと嵌まってしまった。マスコミの利用上手な小泉首相が目をかけられている杉村衆院議員だけに、さすが現代っ子、恐るべし「小泉チルドレン」である。このへんは、「古い意識」にドップり漬かっているロートル政治家には到底真似のできない「新手」である。
 ちなみに、失言でマスコミにぐちゃぐちゃにされた政治家は、森喜朗前首相、消費税3%アップをうっかり漏らしてしまい、小泉首相からこっぴどく怒られた武部幹事長、トンチンカンな国会答弁で能力のなくを問われ続けている南野知恵子法務大臣などなど、数え上げたらキリがない。杉村衆院議員に徹底的に新人教育しているこの際、改めて「政治家とは何か」をテーマに森前首相をはじめ自民党の国会議員全員が研修をしてはどうか。
 ただし、新人教育もいいけれど、杉村衆院議員には、橋本龍太郎元首相が「1億円」の小切手をもらっておりながら、その処理をめぐる刑事裁判で、「むにゃむにゃ証言」したり、竹下登元首相の得意技であった「言語明瞭意味不明」といってような「狸答弁」の技術などできるような「化け物議員」に育て上げるようなマネだけは絶対に止めて欲しい。これだけは、念を押しておきたい。

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小泉首相は、闇将軍・田中角栄、金融の闇将軍・竹下登に続く「キングメーカー」なる?

2005年09月27日 22時34分40秒 | 政治
 小泉首相は、特別国会で郵政民営化法案が成立した後、内閣改造を断行し「小泉改革」の総仕上げ体制を敷く。その際、「ポスト小泉」の総裁候補を重要閣僚に登用するという。
 自民党が二九六議席獲得して歴史的圧勝を獲得し、このなかで「小泉チルドレン」と称される新人は八十三人。小泉首相は、新人が派閥入りするのを禁止しているため、「無派閥」を名乗っている。だが、だれの目から見ても「小泉直系」であることは疑いの余地はない。最大派閥の森派八十人(衆院五十四人、参院二十六人)を加えると百六十三人に達し、往時の旧橋本派を凌駕する最大集団である。
 このため、小泉首相の自民党総裁の任期が満了する来年9月、自民党総裁選挙が実施されれば、「ポスト小泉」は、小泉首相の胸三寸で決まる可能性が大となる。そうなれば小泉首相が、田中角栄元首相や竹下登元首相」に続いて、久しぶりに「キングメーカー」となるのは確実である。自民・公明連立政権下、衆院で三文の二を上回る議席をみすみす減らすような危険を冒してまで解散・総選挙は行うとは考えられないから、新首相は「最低三年間」の在任中、じっくりと改革に取り組めることになる。
 「ポスト小泉」の総裁候補の条件について小泉首相は「小泉内閣が進めてきた改革をさらに前進させる、そういう情熱を持った方になっていただければと期待している」と強調し、小泉改革の継承を求める発言をしている。  また、「ポスト小泉」の条件と明言しているわけではないけれど、所信表明演説のなかで「痛みを恐れず、既得権益の壁に怯まず、過去の慣例にとらわれず、国民の協力の下、一身を投げ出し、内閣総理大臣の職責を果たすべく全力を尽くしてまいる」と強い決意を示したうえで、「改革が成功するか否かは国民の強い意志と政治家の断乎たる行動力にかかっている」と述べている点にも注目しなければならない。煎じ詰めれば、十分条件というわけにはいかないものの、少なくとも、
 ①小泉改革をさらに前進させることができる
 ②痛みを恐れず、既得権益の壁に怯まず、過去の慣例にとらわれず、全力を尽くす勇気と情熱に溢れている
 ③断乎たる行動力がある
 の「三つ」が必要条件として数え上げられるだろう。
 いまのところ、下馬評が高いのは、谷垣禎一財務相、麻生太郎総務相、安倍晋三幹事長代理、福田康夫前官房長官である。「財務相(旧蔵相)」と「外相」の二つの重要閣僚は、中曽根内閣時代の「竹下登蔵相」と「安倍晋太郎外相」のように、首相候補の最右翼に位置づけられてきた。ダークホースとして、山崎拓元幹事長や小池百合子環境相らが取り沙汰されている。みんな意識の外に置いているけれど、最大派閥の領袖ともなれば「森喜朗前首相」が、「数の論理」で踊り出てこないとも限らないのである。
 これまで非情を通してきた小泉首相が、断乎、最後まで非情を貫き、「男の美学」を示して爽やかに有終の美を飾れるか、はたまた「私情」にほだされて「情実人事」に堕してしまうか、見物である。
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中曽根元首相の提言は、「愛国心・国を守る気概教育」という「魂」が欠けていては無意味だ

2005年09月25日 21時22分04秒 | 政治
 政治哲学や国家ビジョン、戦略好きな大勲位・中曽根康弘元首相が、読売新聞25日付朝刊の一面の「地球を読む」欄で、「小泉政権の課題」と題して、「新国家像策定の好機」と提言している。
 1918年5月27日生まれの87歳とは思えない矍鑠とした「万年青年将校ぶり」には、感心させられるやら、勇気づけられるやらで実にうれしい限りである。91歳で亡くなった後藤田正晴元官房長官を凌ぎ、100歳以上まで長生きして欲しいものである。
 だが、小泉首相圧勝の直後における提言は、聞こえはいいが、何とも女女しい感じがしないでもない。
 前回総選挙前、議員バッチをムリやり剥奪され、「これは、政治的テロだよ」と憤懣やるかたなさをあらわにしていたはずである。「泣いた烏がもう笑うた」でもあるまいに、コロリと手のひらを翻して、小泉首相を歯の浮いたような「誉め言葉」を送るのは、「変節漢」も甚だしい。むかしながらの「風見鶏」ぶりだけは、変節していなかっようである。まさに面目躍如である。
 息子の中曽根弘文参院議員(元文相)がグループごと、郵政民営化関連法案の反対票を投じ、小泉首相に衆院解散・総選挙の口実を与えた張本人になり「敗軍の将」として「斬首」を待つ身であることが、それほど心配なのであろうか。
 自民党圧勝がはっきりして、中曽根弘文参院議員は、あっさりと敗北を認め、「民意に従い郵政民営化関連法案に賛成する」と表明し、親鳥を真似て「風見鶏」ぶりを示したのは、殊勝な心掛けではあるけれど、すでにマスコミからは「変節漢」の汚名を被せられてしまっている。
 それにしても、「新国家像策定の好機」とは、ちゃんちゃらおかしい。英国の学者が「英国では、もう百年も前に国家ビジョンを持たない国になっている」と言っていた。要するに、国民を総動員するような「国家目標」など要らないということである。国民一人一人が、各々の価値観を持って自由にのびのびと生き、人生を楽しむのがよいという生き方である。
 それでいて、英国人は、いざというときには、一致団結する民族である。フォークランド島の領有をめぐって英国とアイルランドとの間で紛争が起きたとき、中曽根元殊勝も尊敬していた「鉄の女」こと、サッチャー首相が、島の領有権確保のために戦艦を派遣したとき、英国の船員たちが、自発的に立ち上がり、サッチャー首相に協力し、英国艦船を支援したのを、いまでも忘れられない。
 「新国家像策定」よりも、「愛国心」と「国を守る気概」を国民精神の背骨に叩き込む方が先である。文部科学省は、旧文部省時代から、「愛国心教育」と「国を守る気概教育」に臆病であり、教育基本法の改正問題についても、毅然とした態度を示そうとしていない。これでは、「新国家」もへったくれもない。
 杉村太蔵衆院議員が、「棚ぼた式」に当選したのを素直に喜び、小泉チルドレンであることに感激している姿が、顰蹙を買っているけれど、マユを顰めたり、批判したりしている大人の方が、はるかに悪い。そもそも、ライブドアの堀江貴文社長のような「ゼニゲバ」や杉村太蔵衆院議員らの「ノー天気」な若者たちに、「愛国心」と「国を守る気概」を教えてこなかった文教行政に責任がある。その頂点に立っている文教族のドン・森喜朗前首相の責任は、重大であり、責任は重い。「神の国」発言のような失言に比べれば、素直に感動する姿の方が、はるかに微笑ましい。
 それでも文句が言いたければ、後の松陰、吉田寅次郎が叔父・玉木文之進から教育を受けていたときの光景を想起するがよい。
 真夏のある日、下級武士の貧しい屋敷の狭い部屋で、座学の最中、額から流れる汗を思わず拭ったところ、叔父から思い切り殴り、殴られ、庭にころがり落ちてしまった。殴った理由について、叔父は、
 「お前はいま勉強している。何のためかと言えば、公のためである。それにもかかわらず、お前は、汗を拭った。汗を拭うというのは、私的なことだ。そんな心がけで公のための働けると思うのか。馬鹿者め」
 寅次郎は、素直に叔父の戒めを聞き、勉学の意義を悟り、後に若くして藩校「明倫館」の軍学教授に就任、藩主・毛利敬親公の前で立派に講義するまでになったという。明治維新前夜の話である。
 中曽根元首相は、「教育文化国家への改革を」と提言して、教育改革を小泉首相に託そうとしている。だが、中曽根元首相もかなり人が悪い。中曽根政権時代、「戦後教育の改革」を志し、教育臨時調査会まで設置して、教育改革に意欲を示したものの、文部官僚の激しい抵抗にあい、「換骨奪胎」、ほとんどの提言が骨抜きにされてしまった。その代わりに、文部官僚が与えてくれたのが、「生涯学習」という政策であった。早い話が、中曽根元首相の教育改革は失敗に終わったのである。
 御殿女中と言われる因循姑息な文部官僚は、郵政官僚に輪をかけてタチが悪い。郵政民営化に難渋してきた小泉首相が、残り1年の任期中に、中曽根首相が望むような「教育改革」に取り組めるような時間的な余裕はもはやない。それは、「ポスト小泉」に期待するしかないのである。中曽根元首相は、もっと早くから、小泉首相に協力しておくべきであった。もう遅いのである。いくら繰り言を述べても、単なる戯言にすぎない。
 それにもまして、「教育文化国家への改革を」といくら提言しても、「国家基本問題」の中核である「天皇制」や「「愛国心教育」「国を守る気概教育」を忘れていては、折角の教育改革も画竜点睛を欠く。大事なのは、「魂」である。「大和魂」と言ってもよい。
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小選挙区比例代表制度の下で「保守・中道永久政権」が保障されかねず、「民主主義の危機」!

2005年09月23日 23時50分17秒 | 政治
衆院選で「前回民主」、34%が自民に…ネット調査 (読売新聞) - goo ニュース

 もう15年も前になるけれど、「月刊TIMES」という雑誌上で、私は平成元年4月号から平成2年6月号まで「新聞記者物語」を連載した。「新聞記事の大ウソを暴く」というタイトルの本のなかに、これを収録して、平成2年7月7日付で上梓した。
 この本を久方ぶりに読み返してみた。第1章の「政府御用達の走狗と化した論説記者たちの変節」のなかで、「民主主義の危機」との見出しで始まる文章のなかで、当時、導入が検討されていた「小選挙区比例代表並立案」を厳しく批判していた。
 今回の小泉首相の下で行われた「郵政解散」による今回の総選挙の結果を、丸で予測しているかのような内容になっているのを確認し、我れながら驚いた。
 「政党本位の清潔な選挙を実現し、政権交代が行われている英国をモデルにして、日本もそれができるという甘い夢を期待して、安易に英国の小選挙区制度を猿真似しても仕方がない。バックグラウンドが全然違っているのだ。
 政権交代どころか、自民党を中心とする保守・中道永久政権さえ保障するだけの改革になる危険がある。ヘタに真似すれば、日本人の創造性の欠陥をここでも世界にさられ出すのがオチだ」( 「新聞記事の大ウソを暴く」第 1章より抜粋)
 自民党が衆議院議員480議席のうち、296議席、公明党が31議席を獲得し、「3分の2」以上を占めたこの状況を、与党は崩したくはないであろう。そうなると、「4年間」は、解散・総選挙はないということになる。小泉首相も、そう断言している。小選挙区制度は、「左右」に大きく触れる選挙結果をもたらす制度なので、永久にこのような政治状況が続くとは、いちがいに断定はできないけれど、選挙戦術によっては、「自民党・公明党連立の長期政権」が続く可能性が大である。
 1955年体制が崩壊して、いまの民主党の小沢一郎副代表が自民党が分裂させて、「自民党と社会党」による「馴れ合い政治」が打破され、「2大政党政治」に向けて、政界再編成が幾度が繰替えされた。だが、振り返ってみると、「55体制」下の日本は、すでに「自民党」と「社会党」による「2大政党政治」が行われていた。ただ、社会党が、共産党を嫌い、自らも分裂をし続けてきたがために、「革新政権」を築けなかっただけであった。まさに「敵失」のおかげで、自民党が38年間も単独長期政権を築くことができたのであった。この状況を破ったのが、自民党の分裂だった。決して、革新側からの変化が要因だったわけではない。共産党を除いた勢力のなかでの「2大政党政治」が目指されてのである。
 少なくとも、いまの政党の勢力図のなかで、「2大政党政治」が実現するには、民主党が勢力を盛り返すしかないのであるが、小泉首相が、「派閥政治」を打破して、自民党をより近代化しようとしている姿を見ると、出身母体の違いから、「7つのグループ」が、事実上「派閥的」な動きに囚われて、互いに足を引っ張り合っていたのでは、自民党には勝てないであろう。

*15年前の拙稿ですが、「新聞記事の大ウソを暴く」の第 1章を下記ジャンプ先にアップしました。
 当時の小選挙区制導入にいたる流れと、問題点をまとめてあり、今回の自民党圧勝の背景の参考になるかと思います。ご参照頂ければ幸甚です。

「新聞記事の大ウソを暴く」 第 1章
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若者たちに希望を与えている杉村太蔵衆院議員は、早めに小選挙区を選んでもらったらよい

2005年09月22日 22時06分36秒 | 政治
永田町、激変 特別国会召集 (産経新聞) - goo ニュース 

 杉村太蔵衆院議員は、宝クジを当てたかのような感じで衆院議員に当選した、まさにラッキーボーイ、シンデレラボーイだ。これも「決断力の良さ」の賜物だろう。チャンスは自分でつかまなくてはならい。自民党の公募に30分で書き上げた論文試験に応募して、面接では、あの明るさと快活さが、好感されたのであろう。アッと言う間に比例代表の末席に名簿登載され、小泉人気と神風が幸いして、ハプニング当選を果たした。
 つくづく、「右にするか、左にするか」迷った大事なときの「判断」と「決断」が人生の明暗を左右しかねないという典型的な例である。郵政民営化関連法案に「賛成か反対か」を迫られたとき政治情勢をどこまで正しく読めたか否かで、「地獄と天国」との分かれ道になった。勝負は、一瞬で決まる。
 杉村太蔵衆院議員が、若者たちに「羨望」とともに、「希望」を与えたのは、今回の総選挙の「効能」の一つであった。全国85万人もいると言われる「ニート問題」、250万人もいると言われる「閉じ籠もり問題」に、解決の風穴を開けるキッカケになれば、杉村太蔵衆院議員当選の意味は大きい。本人の口からもこうした決意が聞かれた。この点は、ベテラン議員にも真似ができないところであろう。
 杉村太蔵衆院議員の両親の言葉も、なかなか面白い。「品良く育てたつもりはない」というのは、いかにも北海道人らしくて、おおらかである。親たる者、これくらいのおおらかさがあってもよい。 任期満了まで解散がなければ、「4年」という時間がある。比例代表で当選した杉村太蔵衆院議員の将来は、「小選挙区」によって決まる。早めに武部勤幹事長にお願いして、空きのある「小選挙区」を選んでもらい、支部長としていまのうちから、ドブ板選挙をコツコツと進めていくことが大事である。マスコミにも狙われていることでもあり、知名度はすでに抜群になってきている。せっかく手に入れた「幸運」を目一杯生かすべきである。
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金正日よ、もういい加減に乞食暮しは止めにしなさい

2005年09月21日 15時05分57秒 | 北朝鮮問題
日朝政府間協議の早期再開で合意 (読売新聞) - goo ニュース 

 北朝鮮が20日、日本との対話を求めてきた。「6か国協議」でアメリカが「北朝鮮の侵掠の意図がない」と明言したので、金正日総書記が安心したようである。もちろん、ブッシュ大統領は、北朝鮮が「悪の枢軸」の一つであるというレッテルを取り外したわけではない。しかも、「暗殺命令」さえ解除されたという話も聞かないし、日本海に潜行中のアメリカ潜水艦が本国への帰還命令を受けたという情報もないから、金正日総書記が安心するのは早すぎるけれど、ともかく、「攻撃」されることはないと見たのではないか。
 折りも折り、小泉首相が、自民党を圧勝させたのが、金正日総書記には、アテが外れたようである。日本民族の精神構造を甘く見ていた。中国や韓国での反日デモ、北朝鮮による対日非難が激しくなればなるほど、日本民族の「ナショナリズム」を喚起してしまう。寝た子を起こすようなものである。とくに、戦争を知らない若い世代のなかには「ナショナリズム」を覚醒させられた者が少なくない。この若者たちが、「頑固な小泉首相」に共感を覚え、自民党に投票し、圧勝させた面がある。小泉首相にとっては、皮肉なことに中国・韓国さまさまなのである。愛国心のためなら何をやっても許される。若者たちの投票行動は、まさしく「愛国無罪」である。
 そればかりではない。小泉首相は、残すところわずか1年の任期中に北朝鮮を三たび訪問する可能性を記者団に聞かれて、「ないでしょう」とそっけなく応え、拉致被害者の家族たちをガッカリさせたが、金正日総書記は、もっとガッカリしたのではないか。
 これは、深読みすれば、小泉首相の「高等戦術」の一つとも受け取れる。小泉首相は、なかなかの曲者である。「つれない態度」を取れば、相手の方が心配になる。
 北朝鮮は、経済的に困窮している。日本は拉致被害者の救出という弱みを持ちながら、そのほかの面では、北朝鮮を経済支援したり、北朝鮮のために何かをして上げたりする義務は、何もない。せっかく1兆円か2兆円をプレゼントして、助けようとしているのに、「拉致問題」を一挙に解決しようとしない奇妙な国である。
 軽水炉の建設にしろ、経済支援にしろ、はたまた韓国が送ろうとしている電力を供給する発電所の建設にしろ、大部分の経費は、日本がもたされることになっている。いくらアメリカや韓国にせがんでも、アメリカ、韓国にすべてを依存できるはずはない。頼みの中国やロシアも、北朝鮮2000万人をただで食べさせていくほどの経済力はまだない。
 「ノドから手がでるほど日本の援助」を欲しがっているくせに、拉致問題を解決済みと強弁し続けてきた。小泉首相は、狡猾であり、冷徹であり、非情である。「だったら、もう行かないよ」と知らぬそぶりをちょっと見せただけで慌てて、「対話」を求めてきた。 この際、日本外務省は、毅然とすべきである。そして、こう言ってやればよい。
 「金正日よ、もういい加減に乞食暮しは止めにしなさい」

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後藤田元副総理が死去 「カミソリ」の異名 (共同通信) - goo ニュース

 21日朝、「後藤田正晴元官房長官、肺炎で死去」との訃報が報じられた。保安隊、自衛隊創設の功労者であり、警察庁長官として左翼退治の功労者であり、田中角栄元首相の「金権政治」を支えてきた功労者でもあった。小泉首相が「構造改革」により、旧田中派を継承してきた旧橋本派の壊滅に成功し、自民党結党50周年を間近にしたこの時期、後藤田元官房長官の死去は、「1つの大きな時代の終り」を象徴している。心よりご冥福をお祈りする。
 しかし、これはまた、「新しい時代の始まり」を意味しており、新時代の幕開けを心よりお祝いしたい。

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前原代表との就任で民主党のイメージが明るくなり、反転攻勢に向けて動き出した

2005年09月19日 22時44分11秒 | 政治
「小沢代行」持ち越し、副代表に赤松氏=前原新体制、20日に発足-民主 (時事通信) - goo ニュース

 民主党の新執行部が18日決まった。前原誠司代表、鳩山由紀夫幹事長、松本剛明政調会長、野田佳彦国対委員長という清新で強力な布陣で、これに小沢一郎副代表が、代表代行を受ければ、さらに「強力な体制」となる。
 「永田町の郷ひろみ」と言われる前原代表の就任で、民主党のイメージが一気に「陰性から陽性」に変わった。しかも、「友愛主義者」で知られる鳩山由紀夫元代表が、幹事長という要職に座り、一段と明るさが増した。松本剛明政調会長は、前原代表と同じく、「防衛族」と言われ、民主党の背骨が幾分強化されている。野田国対委員長は、どう見ても自民党議員と見紛がう容貌で、「保守・民主党色」が濃厚である。かつての東映の時代劇に登場する「悪代官面」は、頼もしい。これなら、海千山千、魑魅魍魎、鵺の巣窟のような自民党の強者たちと、互角とは言えないまでも、打々発止の論戦を交わし、存在感がグッと増すことであろう。
 ただし、問題なのは、民主党の国会議員の大半に、「生活臭」が感じられないという点である。「ぼんぼん政党・自民党」に対して「秀才揃いの政党・民主党」の色彩が強く、いずれも、庶民からは程遠い存在である。とくに、民主党の方は、どことなく、進学予備校のような雰囲気が漂う。
 生活臭をほんのちょっぴり臭わせてくれたのが、前原代表の代表選挙での演説である。
 「中2のとき、父が亡くなり、母子家庭となった。母は、仕事にでかけ子どもたちを一生懸命育ててくれた。私は、奨学金を得て高校、大学を卒業できた」
 このエピソードは、アメリカのクンリントン前大統領の境遇に似ている。クンリントンも子どものころ、実父を交通事故で失い、再婚した母と義父から深い愛情を注がれて育てられたという。ケネディ大統領に直に会ったのがキッカケで政治家を志し、アーカンソー州知事から、大統領に就任している。
 アメリカでも英国でも、国家最高の指導者に就任し、役目を終えると、若くして引退する。昭和21年生まれのクリントンは40代で大統領になり、いまは悠悠自適に生活に入り、講演活動をしている。同じ昭和21年生まれのブッシュ大統領は、50代で大統領となり、62歳には、引退する。英国のブレアは、40代で首相になり、50代初めには、引退するに違いない。
 これらの例に習えば、自民党は50歳の安倍晋三幹事長代理が、50代で首相になるとか、43歳の前原代表が4年後に47歳になっても首相に就任すれば、50代で引退の条件が整う。
 普通の国会議員の場合は、「老壮青」のそれぞれの年代がいた方がよい。衆議院議員の場合は、活発に動き回らなくてはならないので、若者が中心になるのがよい。しかし参議院には衆議院がときにより過激になるのを抑える機能と緊急集会の機能が期待されているので、高齢者の存在も必要となる。
 これからの政治家は、使命や機能の違いによって、年齢層がそれぞれに相応しい役割を果していくことが求められる。
 総務省が19日の敬老の日に合わせて発表した「65歳以上の高齢者人口」は、前年比71万人増の2556万人に達しているという。10年後には、3000万人になるという予測である。
 若い世代がこれから次第に、高齢者の問題への関心をあまり持たない状況が深まる可能性が高い。高齢者がこれに対応するには、高齢者もそれなりの政治集団をつくって、既得権益や権利の拡大に積極的にならざるを得なくなる。精神科医師である「なだ・いなだ」さんが、バーチャル政党「老人党」を立ち上げているのは、こうした不安が募ってきているからであろう。
 「高齢者の権利は、高齢者の手で」
 高齢化が進んでいけば、これが新しいスローガンになっていくかも知れない。少死高齢化がさらに深刻になり、しかも憲法9条が改正されると、正規軍の一環として「老人部隊」の編成も本気で検討しなくてはならなくだろう。いざとなれば、何でもありとなる。防衛政策の専門家である前原代表の出番は、ここにもある。
 これからの2大政党政治時代には、「高齢者」の支持をどれだけ多く受けられるか否かが、政党の消長を決めることになる。

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民主党の小沢一郎副代表の「次の出番」と「次の一手」を待とう

2005年09月17日 23時29分15秒 | 政治
「これからが大変」と民主ベテラン議員=小沢氏らお手並み拝見の姿勢-新代表選出 (時事通信) - goo ニュース 

 民主党代表選挙が、両院議員総会という国会議員のみで行われ、前原誠司衆院議員(ネクスト内閣の防衛庁長官)が、菅直人元代表を96票対94票の2票差で破って選出された。前原新代表は、「安全保障政策のプロ」であり、党内切っての「タカ派」で知られており、「挙党体制、適材適所で戦う民主党をつくる」と意欲満々で、早くも「戦闘モード」であるのは、頼もしい。40代で英国首相に就任した労働党のブレア首相のいわば「日本版ブレア」に大化けする可能性もあり、楽しみではある。
 だが、立候補する直前、松下政経塾以来の盟友・野田佳彦衆院議員から「小沢先生と手を切れるか」と聞かれ、「切れる」と答えたといい、この点は、大変気がかりなとこである。
 小沢一郎副代表の立候補を期待していた多くの「小沢一郎総理大臣待望論者」は、失望気味である。しかし、ともあれ、40代の青年リーダーが、「政権取り」に向けてどんな戦い方をするか、注目したい。負けた菅副代表は、昨年7月の参議院議員選挙の際、年金未納問題で味噌を付けて失脚、頭を丸めて四国にわたり、お遍路さん姿で、修業の旅に出たものの、「権力欲」を捨て切れず、却って、権力への情念が燃え上がり、成仏できないことを悟り、今回の代表選挙に出馬したようであった。この結果、不完全燃焼のまま、権力闘争を継続するに違いない。
 小沢副代表は、総選挙では、「一新会」のメンバーである衆院議員53人が、27人にまで減ってしまい、ガックリきていた。菅元代表が代表に返り咲けば、菅元代表の欲求不満も解消するのではないかと見て、ここは暫く鳴りを顰めて再起を図ろうとして、代表選挙への出馬を断念したらしい。再来年7月には、参議院議員選挙が行われるので、そのときこそ、最後の出番と考えて、来年秋の代表選挙で勝負をかけているようである。
 だが、「時は、人を待たず」という言葉がある。また、「光陰矢の如し」とも言う。民主党の戦闘力を高めるには、「スピード」が必要である。小沢副代表の「次の出番」と「次の一手」を待とう。

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民主党は「小沢一郎独裁体制」を急ぎ組み、危機を突破せよ!

2005年09月16日 14時03分27秒 | 政治
小沢氏、最終判断へ 民主代表選 (共同通信) - goo ニュース 

 民主党の大敗には、いくつかの原因がある。それらを思いつくままに、列挙してみよう。
 ①織田信長の奇襲攻撃に負けて首を取られた「今川義元」になってしまった。
 ②「無党派層は民主の味方」と勝手に思い込み油断していた。
 ③野党暮しに安住して「貴族化」し、政権取りの意欲が減退していた。(ネズミを取らないネコになり下がっていた)
 ④若者たちが、「小泉首相」に共感した。
 ⑤東京都議選挙の勝利に浮かれていた。
 ⑥岡田克也代表の「顔」が悪かった。
 ⑦岡田代表が、「凡庸な秀才」にすぎた。
 ⑧岡田代表が「顔」が悪いばかりでなく、「孤高の人」であり、「笑わん殿下」であり、「非情の人」であり、「酒を汲み交わさないケチな人」であり、「人付き合いが悪い人」であり、「ジャスコ、イオンのマイナス・イメージを背負った人」であり、党内の「人心収らん」を怠っていた。総じて言えば、「庶民性」に欠ける「官僚政治家」であるため、民主党に災をもたしした。疫病神になったと言ってもよい。
 ⑨挙党一致体制ができていなかった。
 ⑩小泉首相を無条件で支えている「山崎拓」「武部勤」「山本太一」「竹中平蔵」のような「旗本」「おしゃべ人形」のような「強い味方」が、岡田代表にはいなかった。
 ⑪「7つのグループ」が「派閥化」して、バラバラに活動していた。
 ⑫「日本をあきらめない」というキャッチ・フレーズが、ネガティブすぎた。前回総選挙のとき、菅直人代表が「最少不幸社会」という造語を掲げた以上に、「根暗」だった。
 ⑬海江田万里のような幹部でさえ、民主党のポスターやテレビ・コマーシャルで「日本をあきらめない」というキャッチ・フレーズが使われていたのを知らなかったと明かしており、幹部以下、自分の党に対する愛情が欠如していた。
 ⑭「マニフェスト信仰」に依存しすぎた。立派な「マニフェストづくり」に精力を注ぎ込みすぎた。しょせん、「マニフェスト」は、ツールにすぎない。
 ⑮北朝鮮による日本人拉致被害者の救出に不熱心で、無責任な政党との「マイナス・イメージ」により、国民・有権者の失望を招いた。
 ⑯「靖国神社シンパ」を敵に回した。
 ⑰中国・韓国の宣伝謀略戦に乗ぜられて、「利敵行為」に走りすぎた。
 これら以外にも、まだまだ原因があるであろう。これらの反対のことを考えれば、民主党再建の妙手が思い浮かぶはずである。
 「敗軍の将、兵を語らず」と言うけれど、民主党本部で15日午後開かれた両院議員総会で、岡田代表が、敗戦の弁をとくとくと述べている最中、議員の多くが席を立ち、まじめに聴こうとする真剣さがなかった。これでは、民主党の再建は覚束ない。
 少なくとも、「ホームルーム」で小田原評定をしている場合ではない。自民党が、「独裁者・小泉純一郎」なら、民主党も、「独裁者・小沢一郎」を立てて、小泉首相の向こうを張る必要がある。
 緊急を要する非常事態のとき、民主政治も一時的には、「独裁体制」に切り換えて、「ピンチ」を乗り越えなくてはならない。政党の代表というのは、学級委員とは違うのである。
 重ねて言うが、民主党の危機を救う政治家は、「小沢一郎」しかいない。もしくは、「田中眞紀子・小沢一郎」体制が望ましい。

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