立候補者は官僚たちの「血税ガブ飲み体質」をどう解消するかの具体的な方策を示せ

2005年08月31日 23時35分25秒 | 政治
主要省庁概算要求のポイント (時事通信) - goo ニュース

 本格的な景気回復はこれからという時に、官僚たちの身勝手な振る舞いを許すわけにはいかない。小泉首相は、官僚たちのこんな陋習を許していて平気なのであろうか。これでは、政治家が官僚を統御できるとは、到底思えない。無理である。ならば、何か一言あって然るべきではないか。
 2006年度政府予算の各省庁が財務省に要求する一般会計の概算要求が30日、ほぼ出揃い、総額が約85兆2700億円(今年度比3兆800億円増)に上っていることがわかった。
 国土交通省や経済産業省の要求額が今年度予算に比べて15%前後増え、今年度に続いて空港や新幹線などの「大型の公共事業」の要求、農水予算やODA(政府援助)の増額などが、要求額を押し上げている。
 財務省は、今年度予算の82兆1829億円以下に削減する方針というけれど、それにしても、総選挙の真っ最中に、各省庁の官僚たちは、一体何を考えているのであろうか。疑問になる以前に呆れ果ててしまう。
 小泉首相をはじめ民主党の岡田克也代表、そして候補者たちが巷で言っていることと、官僚たちがつくった概算要求の増額分との間に、大きな隔たりがある。
 巷では、候補者たちが、「郵政民営化賛成」「反対」、「年金制度の一本化」、「消費税3%アップ」などと叫んでいるというのに官僚たちは、丸で「ノー天気」である。概算要求が膨らんでも「知ったこっちゃない」といった手前勝手な政策を立てては、財政ピンチなどどこ吹く風といった無責任ぶりである。
 各省庁の官僚たちは、「省あって国なし」、「局あって省なし」という感覚は、いまだに変わっていない。「国益」にはおよそ無関心、「省益」よりも「局益」にしか関心がないといった感じで、自分のテリトリーと権益の拡大に全精力を傾けている。
 小泉首相は、「構造改革」の名の下で、「借金財政」からの脱却を図ろうとしているはずである。それに抵抗するかの如き「増額要求」は、およそ「小泉改革」に反する。
 国・地方を合わせての借金は、「500兆→600兆→700兆」へと膨らみ続けており、このまま放置しておくと、「1000兆円」を突破し、国民の個人金融資産1400兆円を超えてしまうのは時間の問題という事態に陥る。
 ところが、官僚たちは、国民の血税を丸で「自分のカネ」くらいにしか考えてないのであろう。ガブ飲みを続けているのである。
 小泉首相は、郵政民営化により「340兆円」が市中に流通するようになれば、景気がよくなると断言している。そうなれば、本当に喜ばしい限りである。
 だが、この論理では、いまの日本の景気が悪いのはいかにも「郵便局のせいだ」と言わんばかりに聞こえてくる。これは全くの屁理屈であり、郵便局に失礼と言うものである。郵便局に預けられる預金が多かろうと少なかろうと関係はない。財政投融資という形で郵便局に集められた資金が、大蔵省の資金運用部によって、機関産業や公共事業に投入され、この御陰で日本経済が高度成長を果たすことができたのは、歴然たる事実ではあるが、この郵政公社が自主運用できるようになったのが原因で日本経済が停滞しているわけではない。
 根本原因は、日本がアメリカとの「日米金融大戦争」に敗北したのが最大の原因だったはずである。バブル経済発生のときから、日本は、アメリカから攻勢をかけられ、約1000兆円とも言われる資金を失い、不良債権を抱えて、その処理に苦しみ、日本長期信用銀行まで失い、その最中に再び、金融大戦争を仕掛けられ、大敗北してしまったのである。この終戦処理に当たったのが、小泉首相であったことを忘れてはならない。
 大東亜戦争に敗れて半世紀、日本は、金融大戦争にも敗れて、「2度目」の敗戦を味わわされた。この戦争の最中、細川政権から森政権にかけての歴代首相が、失政を続けた結果、国民が、大変な目にあわされ、挙げ句の果てに、毎年3万2000人に上る自殺者や2万4000人ものホームレスを生み出してしまったのである。
 この間、政治家も官僚たちも、平成大不況がバブル崩壊の後遺症とは言っても、「日米金融大戦争」の結果でもあるという説明をしたことは、まったくなかった。
 それは、昭和12年7月7日、中国の蘆溝橋で日中両軍が衝突して、日中戦争が始まっていたにもかかわらず、国民に「戦争状態」を説明せず、ズルズルと戦線を拡大し、昭和16年12月8日に真珠湾を攻撃して、大東亜戦争を突入した当時の歴代政府や政治家たちの振る舞いによく似ている。
 日本の敗戦を軍閥のせいにしたり、A級戦犯の軍人たちの責任に帰してしまうのは、簡単ではあるが、日本の進路を間違えさせた本当の責任者は、政治家をはじめ東京帝国大学出身の高級官僚、そして財閥や財界人だったことを忘れてはならない。政党政治が衆愚政治に陥り、高級官僚や財閥、財界人たちが私利私欲にとらわれ、判断力も決断力も発揮してこなかったため、軍人たちの蜂起を許してしまったのである。戦争責任を追及するなら、軍人ではなく、統治能力を失った政治家や高級官僚、財閥、財界人の罪を問うべきなのである。
 これと同じような図式は、日米金融大戦争においても言える。歴代政権、政治家、高級官僚、そして経団連はじめ財界首脳陣は、一体何をしていたのかを厳しく追及しなくてはならないのである。とくに、旧大蔵官僚の罪は、最も重い。その大先輩である宮沢喜一元首相は、「A級戦犯」と断じてもよい。分裂するまでの自民党38年の最後の総裁だった。不良債権が増え続けていたにもかかわらず、これを放置した「不作為犯」でもある。これに次ぐ「A級戦犯」は橋本龍太郎元首相である。景気を押し上げる政策を果敢に打つべきところ、反対にブレーキをかけてしまった。22省庁を1府12省庁に減らしたとはいえ、2、3の省庁を合併させただけで、中身はむしろ「焼け太り」にしてしまった。国民を「数のマジック」で誤魔化したのである。この結果、景気はますます落ち込んで行ったのである。
 このように日本経済が落ち込み、国民が途端の苦しみを味わわされているというのに、官僚たちは、「我が世の春」を謳歌し続けてきた。無責任の謗りは免れない。
 小泉首相になって初めて、終戦処理が始まった。あれから4年5か月を経て、不良債権の最終処理を終えて、日本経済は、ようやく自立回復の基調に乗り、平成大不況からようやく脱してきた。それでも地方経済は、まだまだ疲弊したままである。
 景気がよくなれば、法人税、所得税などの税収が増え、国家財政も借金解消に向けて歩み出すことができる。
 だが、小泉首相は、「構造改革にくして景気回復なし」と称し、「郵政民営化」を「改革の本丸」と見て、小泉政権最後の決戦に臨んでいる。
 だから、景気が悪いのを、郵便局のせいにするのは、こじつけに聞こえるとは言え、ともかく「郵政民営化」をキッカケにして、景気回復への弾みをつけたいという小泉首相の気持ちが、分からないでもない。
 ならば、ともかく本当に景気がよくなるかも知れないと信じて、国民も小泉首相のレトリックに付き合うしかなさそうである。「景気上昇」のための「特効薬」を民主党ほかの野党が示せない以上、ともかく、「景気政策らしき方策」を示している方に賭けるしかないからである。
 その場合、いかに優秀であるからとは言え、無責任極まりなく、国民の「血税」をガブ飲みし続けて憚らない官僚たちの跳梁跋扈をいつまでも許していてはいけないのである。
 候補者たちは当面、自らの当選だけを考えるであろうが、「官僚支配の弊害」をどう解消するか、具体的な方策について、国民に向けて明快な方策を提示すべきである。


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小泉首相の選挙戦術、最後のサプライズカードがあるとすければ…

2005年08月30日 21時59分02秒 | 政治
総選挙、1132人が立候補 小選挙区制で過去最少 (朝日新聞) - goo ニュース

 小泉自民党が公明党と合わせて過半数を取れば、民主党の岡田克也代表が、その座を降りる。岡田代表の民主党が過半数を確保すれば、小泉首相は潔く退陣する。文字通りの一騎打ちである。
 第44回総選挙が、30日公示された。自民・公明党VS民主党の2大政党激突の凄まじい選挙戦となりそうである。
 まずは、博徒・小泉首相の奇手機略が、どこまで奏効するかが見物である。小泉内閣に対する支持率が60%台に上昇し、必ず選挙に行くという人と行くという人とを併せると90%前後になるとの報道機関の世論調査結果もあり、「7掛」としても63%前後の高投票率になる可能性がある。
 だが、投票率が高いというのは、無党派層のなかで選挙に行く人が増えるということであり、これが、どの党にプラスに働き、どの党にとってマイナスになるかを考慮しなくては、投票の結果を予想することはできない。
 これまで一般に無党派層が動けば、「民主党に有利に働く」と見られてきた。自民党や公明党といった「組織政党には不利」ということである。森喜朗前首相が、在任中、「無党派層が寝ていてくれればよいのに」と失言して顰蹙を買ったのが、思い出される。余りにも、正直な感想であった。
 確かに、組織政党にとっては、低投票率の方が、都合がよい。政治が投票した少数の有権者によって左右されるのは、好ましくないけれども、投票に行かない方が悪い。憲法で保障された権利を行使しなければ、政治に口を挟む権利はないのである。
 だが、今回の総選挙は、「小泉人気」と「小泉劇場の面白さ」によって、国民の耳目を集めており、心理的には、「小泉支持者」を増やしているというのが、大体の見方であろう。
 候補者は、無党派層を取り込めれば勝ち、取り込めなければ負ける。そうは言っても、「郵政民営化に賛成か反対か」の二者択一を迫られた国民・有権者が、「賛成派の自民・公明党候補者」に無条件で票を投ずるかと言えば、必ずしも、単純ではない。投票所の各「ボックス」に張り出された「候補者名簿」を見て、政党で選ぶ人がかなりいるだろうが、政党で選ぶ前に、候補者にどれだけ「親近感」を抱いているかも、大事な要素になる。だから、いわゆる「ポット出」のような候補者に何のためらいもなく投票するには、相当の抵抗を感ずる有権者も、少なくないのではないか。
 となれば、小泉首相の期待は外れてしまう。郵政民営化に賛成か反対かのどちらにも意志を示すことができない有権者は、一体どうすればよいのか。今回の総選挙では、公認候補発表から公示まで期間が短かったことから、だれを選んでよいかに迷い、困ってしまうだろう。「どこの馬の骨がわからない」ような候補者が、自民党公認候補者として名前を連ねているからである。まさか、タマやミケといったネコの名前を書くわけにはいかない。
 棄権せず投票所まで足を運んで、白紙で投票するか、どう見ても当選しそうにない泡沫候補に入れるか・・・。
 2大政党政治に慣れていない国民・有権者の多くは、実に悩ましき12日間を送ることになる。
 (ちなみに、もし、小泉首相が、総選挙中に3度目の北朝鮮訪問を敢行して拉致被害者の1人でも2人でも連れて帰れば、小泉自民党は、これだけで、圧勝する。拉致問題解決に小泉首相ほど熱心さを感じられない岡田民主党は、決定的なダメージを受けるだろう。夢想に近いが、小泉首相の最後の「サプライズ」に期待したい)
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八代英太元郵政相の身の処し方から国民・有権者の「バランス感覚」と「判官贔屓の心理」を考える

2005年08月29日 19時00分24秒 | 政治
八代英太氏、無所属での立候補を正式表明 東京12区 (朝日新聞) - goo ニュース

 「バランス感覚」
 この言葉は、日本人の特徴を最もよく表している。昭和30年(1955)の革新合同と保守合同以来、いわゆる「55年体制」の下、「2大勢力政治」が行われてきた。自民党VS日本社会党の図式である。中道政党である公明党、日本社会党から分裂した民社党、最左翼の共産党は、どちらかと言えば、「革新勢力」に含まれていた。だから、「保革2大勢力政治」と言い換えてもよい。
 いまの日本の政治は、政権交代可能な「2大政党政治」へと向かいつつあると言われるけれど、実は、「保革2大勢力政治」の時代の中選挙区制度による国政選挙でも、その気になれば、政権交代は可能であった。
 国民・有権者は、絶妙な選挙結果を示していた。つまり、保革いずれの勢力も極端に多数議席を確保するというのではなく、保革伯仲のという極めて絶妙にバランスのよい議席配分をしてみせたのである。国民・有権者が、選挙結果について、事前に打ち合わせてしたわけではなかった。だから、ちょっとした議席の移動により、革新政権が誕生しても不思議ではなかった。
 それができなかったのは、ひとえに革新勢力の中心であった社会党はもとより、民社党と中道政党の公明党の3党が、「共産党」を排除していたからである。公明党は、「盗聴問題」などをめぐり激突していた。
 革新勢力が大同団結できなかった結果、「自民党単独(もともと自民党からの家出組であった新自由クラブとの連立を含む)」の「長期政権」が、「38年間」も続いたのである。
 保革拮抗というバランスを崩したのが、現在の民主党の小沢一郎副代表であった。革新勢力が一つにまとまれない以上、革新勢力が政権を樹立することは、未来永劫にわたって不可能と思われたからである。小沢副代表は、自民党を分裂させることで、あえて、保革2大勢力のバランスを崩し、共産党を除外した議席のなかでの「2大政党政治」を実現しようとしたのである。
 政権交代により、官僚政治を打破し、政財官学の癒着のテトラ構造を強固に結びつけている「鎖」をバラバラにして、癒着が生み出す「腐敗」を撲滅し、政治家が官僚の思うままに操られるのではなく、政治家が官僚を使いこなすまさに政治家主導という本来の政治のあり方を体現しようとした。
 保革2大勢力政治における「バランス」が崩されたのであるから「2大政党政治」へと、政界を再編しなくてはならない。
 その手始めに、小沢副代表がつくった新生党、細川護煕代表の日本新党、武村正義大代表の「新党さきがけ」、それら公明党なども加わり、「8党派連立」による「細川政権」が誕生し、ゆくゆくは一つの政党にまとまるものと期待されていた。
 ところが、野党に転落した自民党が、「社会党」を抱き込み、政権に復帰してしまった。このときできた村山政権は、「野合」とさんざん不評を買ったものだった。自民党の蘇りにより、官僚政治を打破し、政財官学の癒着のテトラ構造を解体し、腐敗を撲滅するという小沢副代表の目論見は、一時、挫折してしまう。
 その後、いくつかの政党が生まれたり、消滅したり、合併したりして、今日のような自民・公明連立VS民主党という対立構図が出来上がった。公明党は、連立により自民党の「懐」に飛び込み、次第に同化されつつある。革新勢力の中心だった社会民主党(旧社会党)国会議員の大部分が、ドロ船から脱出して、民主党に逃げ込み、逃げそびれた福島瑞穂党首らが、頑なに民主党に吸収合併されるのを拒み、いま風前の灯し火となった社会民主党消滅のときを待っている。共産党は、今日もなお、排除されたままである。
 さて、今回の「小選挙区比例代表制度」の下で行われる総選挙では、自民・公明連立VS民主党という対立構図のなかで、国民・有権者は、どのように「バランス感覚」を働かせるのであろうか。自民党から「郵政民営化反対派」が弾き出され、これを補うための「刺客」が放たれるなど、「小泉劇場」が、マスコミに次々と話題を提供し、一見すると小泉自民党圧勝の予感を与えているのであるけれど、「保革2大勢力」のときのような単純な対立構図と違い、「バランス感覚」を働かせるのが、かなりややこしくなっているのではないか。しかも、純粋な「小選挙区制度」であるなら、それこそ極端に一方の政党に偏り、圧倒的に多数の議席をもたらすことも考えられるが、「小選挙区比例代表制度」という奇妙奇天烈な制度での選挙である。「比例代表制度」が、「バランス感覚」を働かせるのに役立つ面があるだけに、「小選挙区」側の投票行動と「比例代表制度」側のそれとの組み合わせとなると、「バランス感覚」がチグハグに働き、「アンバランス」な結果が出てくる可能性もある。 また、小泉首相から「郵政民営化の賛否を問う」と言われても、国民・有権者の大半が、「生活実感」を持っていない様子なので、果して小泉首相の思惑通りに「賛否を問う選挙」になるか否かも疑わしい。解散後、短時間でバタバタと候補者を立てられても、甚だ困るのである。
 候補者を単なる「リトマス紙」と割り切れれば、こんにたやすいことはない。だが、「人間の心」というものは、コンピューターのように「YES・NO」、「0・1」、「白・黒」というように働くものではない。日本人は、土壇場になれば、「義理と人情と浪花節」に涙を流す民族である。
 ちなみに、NHK大河ドラマ「義経」は9月4日、源平合戦のクライマックスである「壇の浦の決戦」の場面になる。平家を滅亡させた後、義経は「悲劇」が待ち構えている。「判官贔屓」という言葉として伝えられてきたように、兄・頼朝に追討された義経の悲劇に日本人はいまなお、心を揺り動かされ、涙腺を緩ませる。
 自民党執行部は、郵政民営化法案に反対した八代英太元郵政相を東京比例区から立候補させるか否かを検討した結果、「例外を設けることはできない」との理由から、これを断念した。このため、八代元郵政相は、東京12区から無所属で立候補するそうである。これも未練たらたらで戴けない。それよりも、国民新党か新党日本かに入り、正々堂々と「反小泉自民党」を掲げて戦い、民主党、公明党とぶつかり、仮に落選しても比例区で救われる道を選ぶべきではないか。「悲劇の主人公」の方に国民・有権者は案外と同情するはずである。

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小泉首相、岡田代表のどちらが、「潮目」を勝利に結びつけられるか?

2005年08月28日 13時05分28秒 | 政治
政界再編「望む」8割 郵政民営化支持63% 本社・FNN世論調査 (産経新聞) - goo ニュース

 「潮目」
 という言葉がある。非常に異なる潮流の境界、「しおざかい」とも言う。
 NHK大河ドラマ「義経」は、いよいよ源平合戦のクライマックスである「壇の浦の合戦」に入る。平家は関門海峡にある彦島を根拠地にしていた。関門海峡は、瀬戸内海の西、周防灘と玄海灘を結ぶ狭い水路である。潮の干満の差は大きく(最大1.6メートル)、潮流は日に2度方向を変え、時刻によって最大時速15キロにもなる。現代の艦船と違い、木造の和船でも海流にうまく乗れた方が戦いが有利になる。「潮流の知識」は、戦術上、必須条件の一つであった。ちなみに、巖流島の決闘で宮本武蔵も、潮流の知識を利用したことは、よく知られている。
 瀬戸内海の水軍を支配し、海戦に慣れていた平知盛は、一門の命運を賭けて、源義経率いる源軍を迎え討とうとした。
 義経との決戦に向けて3隊に分かれて、田の浦に出陣した平家は1185年3月24日午前6時、「集中矢戦戦法」により、一斉に矢を放った。源軍は平家軍に勝る兵力を持ちながら、思うように戦えないで苦戦を強いられる。8時半ころには、それまで静止していた潮流が東へ向かい、これに乗った平家に押されて、昼ころには、満珠まで追われてピンチに陥る。
 ところが、ここで義経は、敵の武士ではなく、船を操る水夫を討ち取るよう命じた。さすがに難局に強い武将である。
 漕ぎ手を失った平家軍は、迷走し始め、形勢が逆転、3時ごろ、潮流が「西へ」と向きが変わり、潮流に乗った源軍は、攻勢に転じ一気呵成に、壇の浦まで平家軍を追い詰め、これを亡びさせることができたのであった。
 さて、今回の総選挙である。小泉首相率いる自民・公明党軍は、8日の解散断行からこれまで、小泉首相の奇手奇略が功を奏し、岡田民主党は、「いま投票があれば、惨敗」といわれるところまで、追い詰められている。「国民世論」という潮流に乗った小泉軍は、このまま行けば、「圧勝間違いなし」の感すらあり、森喜朗前首相などは、早くも「大勝すれば、小泉総裁の任期延長」まで発言している。
 だが、8月8日解散から、9月11日投票までの1か月余の「長丁場」である。潮流がいつまでも同じ方向に向いているとは限らない。しかも、公示を目前にしていまは、「凪状態」にある。
 岡田民主党軍には、まだまだ「勝機」はある。それは、戦術家・義経が思いついたように、敵の弱点を突くことである。
 総大将の最大の務めは、「事務の圏外に立ち、超然として、つねに大勢の推移を達観し、心を策按と大局の指導に集中し、適時適切なる決心をなすこと」(統帥参考)にある。
 NHK大河ドラマ「義経」が放映中でもあり、岡田克也代表が、義経の郎党・伊勢三郎ゆかりの伊勢近郊の四日市育ちであることは、何とも因縁的である。かたや、滅ぼされる側の平家軍の将・平資盛を小泉首相の長男・孝太郎さんが演じているのも、不吉ではあるが、何かを暗示しているようでもある。
 要するに、小泉首相にしろ、岡田代表にしろ、「潮目」を巧みに利用した方が、有利になるということである。現代版「源平合戦」の本格的な戦いは、これからなのだ。


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小泉首相が初めて断行した「英国流の小選挙区・マニフェスト総選挙」をじっくり学ぼう

2005年08月26日 23時50分04秒 | 政治
 「英国の候補者選びの実態」
 と題する読売新聞26日付朝刊の解説記事は、時宜を得て秀逸であり、大変参考になった。解説者は、ロンドン支局の飯塚恵子特派員である。
 この現地報告を含む解説記事は、とくに小選挙区制度の下で、2大政党が激突する選挙がどういうものかを教えてくれており、これからの日本の政治を展望するうえでの貴重な手がかりとなる。
 見出しにもなっているように候補者は「党本部方針で踏み絵」を迫られ、「造反議員は公認せず」という。冒頭部分を引用しておこう。
 「2大政党制の基盤である単純小選挙区制の下、英国の各政党は、強い規律で造反に臨む。結論から言えば、小泉首相が今回採用した『政策に基づく政党主体の選挙』は、英国の伝統になっている」 慶応大学経済学部を卒業してロンドンに遊学していた小泉首相とが、今回のような「政策に基づく政党主体の選挙」に踏み切った政治思想のルーツが推測できる。「比例代表制度」が付け加わっているとはいえ、日本が目指してきたのは、英国のような国であり、選挙制度で言えば、「純粋小選挙区制度」であったはずである。
 だから、小泉首相の頭のなかでは、従来の「しがらみ」にとらわれた選挙のやり方から訣別して、「政策に基づく政党主体の選挙」に切り換えるのに、何のためらいもなかった。まさに「恐れず、ひるまず、とらわれず」、選挙改革を断行したのである。
 この解説記事で、面白かったところが、3か所ある。
 1つは、今春の選挙での出来事である。
 「今回の波乱は、公示直前の3月、野党・保守党のハワード・フライト副委員長が公認を取り消されたことだった。保守党は『医療、教育を向上させる』との方針を打ち出したが、フライト氏は党内右派の集まりで、『政権奪取後は公約以上に歳出を削減する』とうっかり発言、これが暴露されてしまった。ハワード党首はフライト氏解任を決め、同氏は引退に追い込まれた」
 2つ目は、マニフェストについての記述である。
 「本家の英国では実際には、有権者らほとんど読まれていない。5月の総選挙でも、労働、保守両党のマニフェストが各2.5ポンド(約500円)で書店などに並んだが、両党ともどの程度売れたか明らかにしていない」
 3つ目は、サセックス大のティム・ベール博士の見解についての記述である。
 「ただし、ベール博士は『たった一つの争点だけで総選挙を行うのは、極めて異例で危険だ』とも指摘する。博士によると、英国の総選挙で争点が1つに絞られたのは、ストが頻発した1974年の時だけ。保守党のヒース首相(当時)は『この選挙は、誰が英国を統治するかを選ぶものだ。政府なのか、労働組合なのか』と突きつけた。この選挙で、保守党は過半数を獲得できなかった」
 この部分は、小泉首相が、「郵政民営化の賛否を問う」形で争点を1つに絞って選挙戦に臨んでいる今回の総選挙の結果とも関係して、注目できるところである。
 英国では、与党・労働党が国論を2分するような「イラク戦争問題」をあえて争点化せず、ブレア首相が、「ふだんは厳しく適用する党規律を、イラク問題では和らげた」という。飯塚特派員が「全112ページのマニフェストの中で、労働党がマニフェストでイラク戦争に触れたのは、巻末近くの9行だけだった。その代わり、ブレア首相は『経済の実績』『改革前進』など〃総合点〃で勝負し、労働党初の3回連続勝利を果したのである」と指摘しているのも、興味深い。英国労働党は、案外と柔軟性のある政党のようである。 この記事は、日本政治の進路を考えるのに、数々の示唆を与えてくれている。英国流の小選挙区制度、マニフェスト選挙を繰り返していくに従い、政権交代にもスンナリと順応していくのかも知れない。
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小選挙区の候補者がほぼ出揃ったけれど、小泉首相は、国民・有権者を愚民扱いしていないか?

2005年08月25日 23時07分36秒 | 政治
衆院選勝利なら、小泉首相の任期延長を=森前首相 (時事通信) - goo ニュース 

 「小泉首相は独裁者だ」というような厳しい非難の声が聞こえてくる。独裁者であるばかりか、サディストかという声もある。
 小泉首相の今回の解散・総選挙のやり方に喝采の声を上げる国民は、少なくない。宿敵・小沢一郎民主党副代表も、「敵ながらよくやるよなあ」といった表情で、岡田民主党の劣勢を正直に認めているようである。しかし、負けてはいられないので、「正々堂々と正攻法でいく」と戦闘意欲満々である。
 いまのところ、小泉首相の「猫だまし戦術」と「怪しげな幻術」の連発が功を奏して、国民・有権者の心をすっかり虜にしている感がある。
 だが、勝負は、最後まで分からないのが、歴史が証明しているところであるから、油断は双方ともに禁物である。
 郵政民営化賛成派を300選挙区のすべてに立候補させるというのは、国民・有権者の「賛否を問う」というのはよい。だからと言って、突然、「何故、こんな人が?」と疑問に思われるような人を次々に送り込むというのは、いかがなものか。
 見栄えのする女性、高級官僚、飛び抜けた英才などというメリットを前面に打ち出して、「さあ、賛成派だから投票してくれ」という極めて居丈高な態度が鼻につき、人物はともかくとして、政治哲学も思想も、政治への志も、ましてや「郵政民営化以外の政策」も全然不明な候補者を支持してくれと言われても、国民・有権者は困るのではないか。いわゆるタレント候補とは違うとは言っても、大して変わりはない。小泉首相は、自分がミーハーだからといって、国民・有権者すべてを、ミーハー扱いするのは、失礼の極みだ。
 こんなふうな候補者の立て方は、不遜であり、国民・有権者を馬鹿にするのも甚だしい。八百屋や魚屋でさえ、奇麗な野菜や果物、美味しそうな魚を並べる場合、多少の味見をさせてくれるものだ。いきなり、「食え」と言われて、俄に食指が動くはずはない。ここまでひどい候補者の出し方に対して、不快感を抱いている国民・有権者は、少なくないはずである。それどころか、「衆愚政治もここまで来たか」と愕然とせざるを得ない。
 福沢諭吉翁は、「学問のススメ」のなかで、「愚民の上に苛き政府あり」と断じている。いまの小泉首相は、国民・有権者を愚民と侮り、奇妙奇天烈な、百鬼夜行しているような「化け物」たちを全国津々浦々に「刺客」として、送り込み、「上意打ち」しているようにしか見えない。はっきり言えば、やり過ぎであり、「もっとまともな候補者を出せ」と言いたい。
 やり過ぎと言えば、徳川家康公の遺訓の一節が、思い出される。 「怒りは敵と思え、勝つ事ばかり知りて、負けることを知らざれは、害その身に及ぶ」
 「及ばざるは、過ぎたるより、優れり」
 徳川家康公が、最も恐れ、最も尊敬した武田信玄公は、勝敗について、「7分をもって最善とせよ」と諭している。
 孫子も、窮地に追い詰められた敵を深追いするなと教えている。窮鼠は猫を噛む。国民新党や新党日本、参議院の「造反組」が、窮鼠にならないとは限らないのである。
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小選挙区制度が2大政党政治を加速するか、小党分立政治を促すかは即断できない

2005年08月24日 17時53分57秒 | 政治
新党日本「政党」格上げ 国民新党長谷川氏移籍 (共同通信) - goo ニュース

 小選挙区比例代表制度の下で、「2大政党化」がどんどん進んでいるように見える。
 だが、純粋小選挙区制度と違い、ヨーロッパ大陸型の比例代表制がついていることにより、中途半端な制度になっている。
 いまは、中選挙区制度→小選挙区比例代表制度→純粋小選挙区制度へ向かう過渡期にあると言えるだろう。純粋小選挙区制度の場合は、有権者の投票行動によって、「YES・NO」「右か左か」がはっきりする傾向が極端に強く、政権党が腐敗しようものなら、一気に政権が野党にわたってしまうという結果をもたらす可能性が高い。また、少数政党が、消滅することもあり得る。
 2大政党政治が本格化すると、政策の選択も、「YES・NO」「右か左か」という形で有権者も二者択一を迫られ、曖昧な投票行動をとりにくくなる。
 大政党が、政策を決定し、党員が一致団結し、全国組織をフル稼働させて選挙戦を繰り広げていくことにより、政治が「中央集権化」していく。党中央部の統制に従わない党員は、処分される。大政党に属する政治家は、「党の社員」のようになり、その結果、サラリーマン化していくことを止められなくなる。党中央の指導部の意向に反する政治家も直ぐに査問委員会にかけられ、除名処分などに処せられる。共産党のような組織を思い出せば、大体の未来像を描くことができるだろう。
 しかし、いかに純粋小選挙区制度が行われようと、日本民族は、この制度を「日本化」してしまうに違いない。
 小選挙区制度によって、政権移動が容易になるかも知れないが、そう単純にはいくものではない。
 その実例が、都道府県、市町村の首長選挙を想起するならば、容易に理解できる。
 首長選挙に立候補する政治家のほとんどが、わざわざ党籍から離れて、「無所属」のベールをかぶって選挙戦に臨んでいる。議会対策上、首長が特定の政党色を出せず、だきるだけ多数の有権者から票を得たいがために、「無所属」を装っているのである。
 大政党から「公認」や「推薦」が得られるか否かは、都道府県、市町村の首長選挙では、大した問題ではなくなってきている。
大政党の「紐付」がはっきりすれば、「無党派層」からの票を得にくくなるのを恐れて、「無所属」をあえて名乗る。
 都道府県、市町村の首長選挙こそ、たった1人しか当選できないのであるから、完全な小選挙区制度である。純粋小選挙区制度と言ってもよかろう。
 こういった傾向が、これからの時代、国政選挙に反映しないとは断言できない。衆院でも参院でも、「無所属」で健闘し、見事に当選を果して国政壇上に駆け上がってくる政治家は、皆無ではないのである。
 また、小選挙区制度が、2大政党政治を必然的に誘導する面はあるにしても、日本民族は、「白黒」をはっきりさせるよりも、いつしか、「グレー」な関係に流れて、やがて落着きを取り戻す傾向がある。原色よりも中間色を好む民族なのである。
 従って、これからの日本の政治が、2大政党政治化していくことが避けられない半面、次々に「新しい政党」が誕生していく可能性もある。2大政党から弾き出される政治家が出てくるばかりでなく2大政党のなかで、息苦しさを感じる政治家も出てくるであろう。 この動きが活発化すると、「第3の政党」が勢力を持ち、「キャスティング・ボード」を握って、政界を振り回すこともあり得る。 かつてのイタリアのように、「小党分立」状態が生まれて、政治が不安定になるかも知れない。国民新党や新党日本が、「選挙互助会」などとバカにされているけれど、鈴木宗男元沖縄開発庁長官が北海道で「新党大地」を旗揚げし、「地域ブロック政党」の性格を前面に打ち出しているように、今後さらに全国各ブロックで、「地域ブロック政党」が誕生しないとは限らない。そうなると、政党は、百花繚乱、あちこちで咲き乱れてくるであろう。
 何しろ、前・現含めて「5人以上」の国会議員が、まとまれば、1つの政党を立ち上げることができるのであるから、個性的な政党が、どんどん出来てくればよい。そうなれば、日本の政治は、バラエティに富み、ますます面白くなるはずである。
 中国の古典にもあるように、「鶏口となるも、牛後となるなかれ」(大きな団体で部下になっているよりも、小さな団体でも頭になった方がいい)という言葉があるではないか。
 国民新党の綿貫民輔代表、新党日本の田中康夫代表ともども、しっかり頑張って下さい!

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民主党の小沢一郎副代表の「国取り戦略」が、ようやく姿を現してきた

2005年08月23日 19時44分26秒 | 政治
反小泉派議員「拒む必要ない」 民主・小沢氏、連携示唆 (朝日新聞) - goo ニュース

 民主党の小沢一郎副代表が、ようやく姿を現してきた。22日のTBS番組「NEWS23」に生出演、23日夕のTBS番組「イブニング5」にも生出演した。
 これからの政治活動を「政治生活の集大成」として、政権獲得に命を賭けている固い決意が窺えた。
 解散・総選挙について、6月ごろ「早くなる」と予測していながら、小泉首相が「参議院での否決」をキッカケに衆議院を解散するとまでは想定していなかったようである。小泉政権が終わる1年後か2年後を「決戦場」と考えていたらしい。
 しかし、今回の小泉首相の「郵政解散」を「パォーマンス」、すなわち「奇策」と受け止め、「正々堂々と簡潔な分りやすいメッセージを送ることが対抗策」として、あくまで「正攻法」で戦おうという構えである。
 今回の総選挙の勝敗については、「民主党単独政権」を目指す決意を示しつつ、「次の解散・総選挙」を目指している様子が、滲み出ている。その際、単独政権を樹立できなければ、「みんなで力を合わせなければいけないという考え方だ」として、平成5年7月18日総選挙の結果、8月9日に「8党派」が結集して「細川政権を樹立」したときのことを念頭に置いているようである。
 国民新党に小沢副代表の腹心・田村秀昭参院議員が参加し、小沢副代表を「尊敬している」という田中康夫長野県知事が代表になり新党日本を結党、田中眞紀子元外相が小泉首相が「郵政民営化反対派」に向けて送り込んでいる「刺客」を「嫌われ者」とバッサリ切り捨てて、「政界再編」を口走っているなどの動きを総合して見れば、その背後に「小沢一郎副代表」の影を感じざるを得ない。
 23日夕のTBS番組「イブニング5」で、新党日本結党の動きについて「田中康夫知事から事前に相談や連絡があったか」との質問に、「イヤ」と否定しつつも、「周辺から聞いた」と答えてており、「事前関与」の臭いを隠せない。国民新党の長谷川正憲参院議員が、23日、兄弟党の新党日本に移籍し、「政党要件(前・現議員5人以上)」を満たした。
 以上、総合すると、小沢副代表は、今回の総選挙と次回の解散・総選挙の「2段構え」で政権獲得作戦を進めていることが、はっきりしてきた。この意味で、「反自民」の民主、国民、日本、無所属の候補者は「議席獲得」に一生懸命になることである。とりわけ、岡田民主党は、「単独政権」を最大目標にがんばってこそ、目的を達成できるというものである。
 小泉首相のメディア戦略に負けてはいられない。ヤル気満々である。小沢一郎副代表のメルマガによれば、以下のように次々とテレビ出演する。
 ○24日午後9時55分からのテレビ朝日番組「報道ステーション」
 ○25日午後10時54分からの日本テレビ番組「今日の出来事」
○28日午前10時からのテレビ朝日番組「サンデープロジェクト)
 いずれにしても、小沢副代表が、この政権獲得戦略の「最大の仕掛け人」であることは、間違いない。
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ますます面白くなる「小泉劇場」の本質は、ブッシュ大統領への「めくらまし」どんどん大騒ぎしよう!

2005年08月22日 16時22分32秒 | 政治
与野党幹部、勝利に向け一斉に街頭へ (読売新聞) - goo ニュース
 
 郵政民営化関連法案の賛否をめぐる総選挙は、視野狭窄に陥っていると、この総選挙の本質を見誤ってしまう。「郵政民営化問題」は、「国内問題」であるばかりでなく、「国際問題」であることを見逃してはならない。
 やや古い話のように聞こえるかも知れないが、「日米関係」の歴史を振り返ってみれば、事の本質と重大さがわかるのである。
 アメリカの対日要求に対して、「日本民族」を守るために「めくらまし」してきた政治家は、民主党の「小沢一郎」副代表と、もしかしたら「小泉純一郎」首相かも知れない。
 まず、「小沢一郎」である。バブル経済がピークに差しかかった昭和63年9月3日、竹下政権の下で「TOPIX-日経平均株価を先物で売買」する「裁定取引」が東京と大阪の証券取引所に導入された。平成元年12月29日、ピークとなり以後、下落が始まる。主にソロモン・ブラザーズ証券とメリルリンチ証券とにより、わずか半年で「40兆円」もの資金がアメリカに流出した。取引を中止する「サーキット・ブレーカー」がセットされておらず、資金流出を食い止められなかった。バブル経済は平成4年8月18日に終わる。「TOPIX-日経平均株価を先物で売買」する「裁定取引」は、アメリカ・レーガン政権の圧力で強要されて導入された。アメリカは、双子の赤字(財政赤字、貿易赤字)を解消させようとして、日本の株式市場から資金をアメリカに還流させた。
 (実は、昭和60年9月22日のプラザ合意により、日米英仏独5か国が、為替市場に協調介入して、1ドル=230円を一気に100円台に突入させ、日本の資金を為替市場を通じて、アメリカに還流させていた)
 小沢一郎は、「サーキット・ブレーカー」をセットするように竹下首相に要求したが、アメリカからの圧力を恐れた竹下首相は、これを拒否した。小沢一郎は、「自分でセットしなくてはならない」と考え、自民党を出て、新党をつくって、政権を樹立して、自らこれを実現しようとした。
 平成5年6月、自民党を脱党し、「新生党」を結党し、7月18日の総選挙で自民党を破り、下野させ、細川政権を樹立、平成6年2月14日、「サーキット・ブレーカー」に成功する。日本の株式市場から資金が、野放図に還流していくのが食い止められるようになった。ここで、小沢一郎は、一応目的を達した。
 だが、アメリカ・クリントン政権は、「対日金融戦争」を仕掛けてきた。保険・証券・銀行に打撃を与え、圧力に屈した橋本政権に「日本版金融のビッグバン」断行を決意し、小渕政権が平成10年4月1日から、実行し始める。日本国民を「貯蓄型民族」から「投資型民族」に改造し、個人金融資産を銀行や郵便局から、株式や投資信託、外貨預金などの投機性の高い金融商品に振り替えて、積極投資させようと誘導したのである。その総仕上げが、「ペイオフ」であった。
 アメリカ・ブッシュ政権は、クリントン政権下にFRB議長に就任したグリン・スパンを引き続いて任用し、「対日金融政策」をさらに強化させた。その中核が「郵政民営化」による「340兆円」の資本市場への解放であった。
 しかし、小泉首相は、「巧妙」にも「民営化」の実施時期を「10年先」に遅らせ、実質的にアメリカの対日要求の受け入れを先延ばしする方策を採用した。1年後には、小泉政権は次の政権にバトンタッチされており、10年先にブッシュ政権が存在しているわけではない。ましてや日本には「10年ひと昔」という言葉がある。ひょっとしたら、みんな忘れてしまっているかもしれない。
 その間に、いくらでも「骨抜き」ができる。場合によっては、「民営化」を「100年先に延ばそう」ということになるかも知れないのである。この結果、日本民族の「虎の子」とも言うべき「個人金融資産340兆円」は、まんまと守られていくことになる。
 これらのことに気づけば、何にも目くじら立てて、「郵政民営化反対者を自民党から離党しろ」とか「除名する」とか、空恐ろしい言葉を使うこともなく、「郵政民営化反対」と意地を張ることもなくなるのである。
 この「裏をかく戦術」がアメリカにバレては、時の政権は困る。そこが辛いところである。
 となれば、とりあえず、小泉劇場に付き合うしかない。劇場であるから、主役と仇役、それに脇役、エキストラなどが揃っていなくてはならない。
 演目は「戦国永田町」、作並びに演出、小泉純一郎、主役=小泉純一郎、仇役=亀井静香、忍びの者=小野次郎ほか、「くノ一」=小池百合子、片山さつき、佐藤ゆかり・・・。
 片山さつきが、財務官僚。佐藤ゆかりが、外資系証券会社勤務の経験があるのは、意味深い。アメリカの対日金融政策の意図をしっかり読み解くには、欠かせない人材である。(ただし、日本がアメリカに放った「内間」のはずの竹中平蔵郵政民営化担当相が実は、アメリカに「反間」として利用されている疑いがあるのは、要注意ではあるが・・・)
 丸で「軍鶏のケンカ」のように派手派手しくなくては、アメリカ・ブッシュ大統領の「めくらまし」は成功しない。
 「国民新党」ができる。「新党日本」ができる。もしかしたら加藤紘一や古賀誠らが、新党を立ち上げるかも知れず、「小泉劇場」はますま面白くなる。「夏祭り」から「秋祭り」へと、テンヤワンヤの大騒ぎが、拡大するほど、「煙幕」になるのだ。
 小泉首相が、田中眞紀子元外相に「能面みたいな顔になっている」とヤユされているが、とにかく、あと1年である。懸命に逃げ切ろうとしているのが、あの形相に現れているのだろう。
 なお、厳重にお断りしておくが、以上の分析は、アメリカ、とくにブッシュ大統領に知られてはならない。秘すべし、秘すべし。

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国民新党の結党時、「戦機」を失っていたが、「戦争指導」次第で「活路」と「勝機」はある

2005年08月21日 21時24分39秒 | 政治
新党「日本」を結成 代表に田中長野県知事 (共同通信) - goo ニュース

 後藤田正晴元官房長官が21日朝のTBSテレビ番組「時事放談」で、「戦機」という言葉を使っていた。戦いというのは、タイミングが大事だということを強調しているようであった。国民新党についての苦言である。「新党立ち上げが、衆議院解散から1週間も経ていたうえに、戦う意志が感じられない。解散と同時に立ち上げるべきだった。」という。
 宮本武蔵も、数ある書のなかで「戦機」というのがある。「戦機」とは、「勝機」につながる。
 確かに、反対派の面々は、いずれも選挙戦の歴戦の勇士であるから、誠に信じられないことであるが、「郵政民営化関連法案」の「反対派」の大半は、小泉首相がまさか解散するとは思わなかったようである。
 また反対派は、たとえ「自民党公認」が得られず、無派閥で立候補したとしても「自民党員」であることには変わりはないと勝手に思い込んでいるフシが多分に窺えた。
 しかし、非公認、無所属では、選挙戦に不利だと気づき、新党結党に踏み切らざるを得なくなった。「選挙互助会」と揶揄され、罵倒されようとも、ともかく「新党」立ち上げに至ったのである。
 国民新党に刺激されてか否か不明ながら、21日夕、もう一つ新しい党が誕生した。「新党日本」である。「都市型政党」という性格を持っているという。田中康夫長野県知事が代表、小林興起前衆院議員(東京10区)が代表代行の就任、このほかに青山丘衆院議員(東海ブロック比例)、滝実衆院議員(奈良2区)、荒井広幸参院議員(福島選挙区)が加わっている。前職、現職合わせて4人なので、全国組織の政党要件を欠いている。
 田中長野県知事と小林前衆院議員との結びつきは、これまだ定かではない。小林衆院議員は兄貴分の亀井静香元建設相と仲がよかったはずなのに、どうして、国民新党に参加しないのか。同じことは、荒井広幸参院議員についても言える。国民新党の綿貫民輔代表は、
 「兄弟政党としてお互いに連携していきたい」
 と歓迎しているけれど、最初から分裂状態で出発して、勝てるのであろうか。
 鈴木宗男元沖縄開発庁長官が、北海道で「新党大地」をすでに立ち上げて、「局地戦」により、自民党の武部勤幹事長や町村信之外相らを脅かそうとしていることを併せてみると、もしかしたら、それぞれの地域での「ゲリラ戦」を繰り広げようとしているのではないかと推測するしかない。
 ところで、これらの新党の前途は、一体どうなるのであろうか。開かれているのか、閉ざされているのか、明るいのか、暗いのか。まだはっきりしていない。
 後藤田元官房長官は、「活路はある」と発言している。「戦機」を失ったものの、しっかりした「戦争指導」があれば、「9・11」に向けて、チャンスはまだいくらでもあり、「勝機」を得ることは可能であるということであろう。
 それには、ともかく「郵政民営化の是非」が最大の争点であるから「郵政民営化反対」の「理論づけ」を簡単明瞭に打ち出すことに尽きるであろう。とくに、郵便局に預けられている「340兆円」もの「国民個人資産」が、「国際金融資本(ロツクフェラー財閥、ロスチャイルド財閥など)」に収奪されそうになっているという日本が直面している危機状況を国民に訴え、理解を得ることである。 郵政民営化問題には、「官から民へ」というシステムの変革という一面にのみとらわれていると、「国際金融資本から収奪される危険」を「許容するのか否か」という側面の2つの面があることをしっかりと自覚する必要がある。
 ちなみに、米国ブッシュ政権の対日要求に背くのは、かなり難しい。ヘタをすれば、何をされるかわからない。こういう「日米の力関係の差」を認識するならば、日本政府が、はっきりした「反対論」を示すことはできない。
 日本が国民金融資産340兆円をガンとして守ろうとするならば懸命に「郵政民営化の努力」をしているという涙ぐましい姿を見せつけて、「参議院での再度否決」により、「困難」という現実を突きつけて米国ブッシュ政権に諦めさせ、ひいては「国際金融資本からの収奪」を防ぐという高等戦術を駆使するしかない。
 歌舞伎やオペラが大好きな小泉首相が、「参議院での再度否決」を百も承知で総選挙に踏み切ったとしたら、大した民族主義者である。

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