世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●官僚と官邸 どちらを信じるかといえば、当然官僚機構だ

2017年06月21日 | 日記

 

お笑い自民党改憲案
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国民のしつけ方 (インターナショナル新書)
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宗教と政治の転轍点 保守合同と政教一致の宗教社会学
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●官僚と官邸 どちらを信じるかといえば、当然官僚機構だ 







 




 必ずしも筆者の好みにあわない日本の官僚機構の姿だが、「日本の官僚の優れているところは、会議などでの発言メモを正確に残していること。記録を残して上司も含めて共有することは政策を進める上でのごく通常の仕事で、内容が不正確なら官僚組織が成り立たない」と云うのは事実である。

 官僚らの抵抗に遭い、多くの政治家が煮え湯を飲まされてきたのは事実だ。しかし、彼らの強みは、政治家のファクトな弱味を握り、口封じをするのが手口である。加計問題では、官邸お抱えの公安警察勢力(これも官僚組織)と文科省のバトルでもあるが、警察権力をフル活動している事実を、国民に開示することが出来ない分、官邸側は不利である。今さら、安倍晋三や菅官房長官や萩生田官房副長官の弁明などは、嘘の上塗りだろう、そう云う雰囲気が国民共通認識になりつつあるようだ。

 「日本会議」と云う似非右翼集団(天皇に矢を放つ)に約束したらしい「憲法改正」に向けた“自民党憲法改正推進本部(本部長・保岡興治元法相)”の動きなど、もう先々の映像が消えたようなもので、おそらく、改憲手続きなどの動きが始まるところまで、安倍政権が持ちこたえる可能性は、かなり低くなってきたようだ。

 大阪地検特捜部が、籠池(森友問題)で強制捜査したらしいが、あんな事件は、地元警察案件であって、到底特捜の出番などある筈もない。この大阪特捜のガサ入れの真意がどこにあるか判らないが、加計問題に通じる資料等々を入手できるのであればヒットだが、大阪地検特捜が東京地検特捜に協力するとも思えないので期待薄だ。しかし、森友にせよ、加計にせよ、安倍晋三夫婦と、その取りまきらの「あっせん収賄或は贈収賄」は明らかで、官邸と云う権力がなければ一瞬にお縄な話なのだから、司法にも多くは期待できないだろう。

 最近では、随分と薄汚れてしまった民主主義における選挙だが、それでも、幾ばくかの効能は残っているわけだから、国政の最大勢力である与党・自民党に自浄能力を発揮するよう促す、世論であり、選挙による選択を通してメッセージを発信することは可能だろう。安倍首相肺がん説まで流れる永田町だが、今の安倍一強に面と向かい逆らえる腹の座った実力者は自民党にもいない。その根性なしな連中の背中を押すのが「世論」であり「選択選挙」だ。各メディアの世論調査の動向如何では、根性無しの自民党内でも、自浄能力は発揮されるだろう。以下は、朝日が報じる「虎の威を借りる狐」ならぬ野ブタのような萩生田案件に関する報道である。


≪ 加計新文書、追い込まれ公表 政権動揺「都議選が…」
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり、新たな文書が明らかになった20日、安倍政権は内容の否定に追われた。だが、首相が具体的な開学時期に触れていたと記されるなど、文書の内容はこれまでに発覚した一連の文書と符合するところもある。野党は説明責任を問う構えで、与党内には、23日告示の東京都議選への影響を懸念する声も出ている。
 「政策と関係ない議論に多くの時間が割かれ、国民に大変申し訳ない。つい強い口調で反論する私の姿勢も深く反省している」
 20日朝、自民党本部で開かれた党役員会。安倍晋三首相は前日の記者会見の発言をなぞるように、自らの国会対応を「反省」した。さらに、こんな言葉で党内の引き締めも図った。
 「築城三年、落城一日。創業はできても、続けることは難しい」
 獣医学部新設をめぐり、首相側近の萩生田光一官房副長官の関与を疑わせる新たな文書の存在が発覚したのは、19日夜のNHK「クローズアップ現代+」の放送。官邸幹部は「怪文書に近い類いのもの。紙が出てきたからって、政府が対応するような話じゃない」と不快感をあらわにしたが、一夜明けた20日、松野博一文部科学相が文書の公表に追い込まれた。
 19日夕の首相会見でこの問題に区切りをつけるどころか、さらなる対応を迫られた格好で、告示が迫る都議選への影響が現実味を帯びてきた。それだけに、野党は攻勢を強める。
 民進の蓮舫代表は20日の党会合で「首相は説明責任を果たすと言った。堂々と国会で答弁してもらいたい」と強調。共産の志位和夫委員長も記者会見で「これは疑惑の核心だ。野党4党が結束し、集中審議と関係者の証人喚問を強く求め、真相究明のために手を尽くしたい」と訴えた。
 政権は火消しを図るが、動揺も見え隠れする。菅義偉官房長官は20日の会見で「総理はまったく関与していないと明快に申し上げている」と強調。ただ首相自身による会見などでの説明は「考えていない」と否定した。
 萩生田氏側は同日午前、記者団の取材にいったん応じる姿勢をみせたが、直前になって取りやめ。午後になり、書面で文書の内容を全面否定するコメントを発表した。政権内には「加計問題をめぐる情報はこの文書で最後だ」(官邸幹部)との見方もあるが、国政と都議選が連動しかねない状況に、与党は危機感を強めている。
 小池百合子都知事との全面対決を避ける狙いもあり、国政と都議選を切り分ける言いぶりが目立っていた自民の二階俊博幹事長。20日に都内であった同党衆院議員のパーティーでこう発破をかけた。「東京は日本のシンボルだから、あまり無様な選挙結果を迎えると都政だけでなく国政にも影響してくる」(久永隆一)

 ■萩生田氏と生々しいやりとり
 「文科省だけが怖(お)じ気(け)づいている」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」――。
 文科省内で見つかった新たな文書には、萩生田官房副長官と常盤豊・文科省高等教育局長の間で昨秋に交わされたとされる生々しいやりとりが記されている。
 文科省の担当の課長補佐が局長から聞き取って作成したという文書の内容について、萩生田氏は反論コメントの中で「伝聞など不確かな情報を混在させて作った個人メモ」などと課長補佐を非難した。
 松野文科相は、職員で共有されていた新文書を見つけて公表しながらも、「内容は正確性を著しく欠いていた」とし、課長補佐の確認不足を理由に萩生田氏に陳謝した。
 では、文科省の課長補佐は根拠のない「怪文書」をつくったのか。
 新文書に書かれている内容には、これまで明らかになった事実や証言と符合する部分も少なくない。  たとえば「平成30年4月」という獣医学部の開学時期。文科省の再調査で既に明らかになった文書にある「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」との文言も、開学時期をめぐり内閣府から伝えられた発言として出てくる。
 再調査の際、課長補佐は、「総理のご意向」などの発言について「こうした趣旨の発言があったのだと思う」と話しており、少なくとも文科省側は開学時期を「首相の意向」だと受け止めていた可能性がある。
 登場人物も重なる。新文書では、「怖じ気づいている」と発言したのは和泉洋人首相補佐官だと記されている。前川喜平・前文科事務次官は、和泉氏と昨秋に首相官邸で複数回会い、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」などと獣医学部新設を働きかけられたと証言している。
 萩生田氏自身の名前も、前川氏が「存在した」と証言する「10/7萩生田副長官ご発言概要」という文書(文科省調査では未確認)や、内閣府職員が文科省に送ったメールなどにたびたび登場する。
 新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は「日本の官僚の優れているところは、会議などでの発言メモを正確に残していること。記録を残して上司も含めて共有することは政策を進める上でのごく通常の仕事で、内容が不正確なら官僚組織が成り立たない」と指摘する。
 「情報が混在したメモ」だとしながら、どんな情報がどう混在しているのかの説明はない。安倍首相は19日の会見で「説明責任を果たす」と語ったが、新文書が作られた経緯について、文科省は改めて調査する必要はないとしている。(峯俊一平、土居新平)  ≫(朝日新聞デジタル)

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●安倍晋三の“戦後レジュームの脱却”は国家の衰退につながる

2017年06月16日 | 日記

 

共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)
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どアホノミクスの断末魔 (角川新書)
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偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス (岩波新書)
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岩波書店


●安倍晋三の“戦後レジュームの脱却”は国家の衰退につながる

「共謀罪」を何の為に成立させたのか、賛成した勢力も、反対した勢力も、あまり今回成立の法の法理を理解してない模様だ。実際問題、そもそも「法理」のない法案なので、理解するのが困難なのだ。取り締まる側が、現実的に、これこれ然々な捜査を、斯く斯く然々、簡便に出来たら、すごく便利だね。こんな感じで出来上がった継ぎ接ぎだらけの「共謀罪」なので、評価することが不可能な法律である。

評価の俎上に乗せられない法律は、それを悪法と云う。明治以降の日本社会は、法にせよ、社会にせよ、近代国家とは名ばかり、民主主義、三権分立等々、名ばかりにシステムを、猿真似で構築してきたわけだが、安倍晋三という鬼子の誕生で、その欠点が、如実に表れている。個別に凝視すると、それぞれの問題として分析できるが、それでは、全体が腐れはじめている事実を見逃すリスクが高いようだ。

以下引用の内山節の「国家の黄昏」に関する論考は、本質的問題に迫っている。内山の国家論のレベルを、多少低くしてみると、日本の民主主義の大欠点の幾つかが、今は見える時代になっている。現在の安倍内閣における、森友・加計問題などは、本質的に捉えれば、広義の贈収賄大疑獄事件である。本来であれば、地検特捜部の捜査が開始されて然るべきである。無論、準強姦犯を匿うような行為も、官邸の犯罪に類するだろう。しかし、官憲が動く気配はないし、後者に至っては、もみ消しに奔走している。

結局、民主主義、その原則である三権分立や法理に基づく「法解釈」と「法の執行」と云ううようなものが、民主主義における「建前」に準じて行われるべきものだが、“武士は食わねど高楊枝”“伊達の薄着”等々、佇まいを整える儒教の精神を踏みにじり、「本音」を前面に出す人々が権力を握った場合、「語るに落ちた」民主主義、権力行使が可能になる、そう云うことを、安倍政権は具現化しているということだろう。

最近は“SONTAKU”(忖度)という米語が通用するように、忖度の肝は、裁量行政がまかり通り、三権分立の精神は、完全に崩壊し、国家のあらゆる権限が、中央集権化して、人事と云う、情けない人生の一コマの為に国家が根腐れしてゆくというのだから、心底絶望的である。本質的に、民主主義は貴族社会における制度設計であったわけで、日々の生活に依拠する人々を想定していなかったものなのだから、生活者に民主主義を押しつけるのは間違いかもしれない。

内山氏が言うように、「国家」が根拠に基づいて成立している場合、その実態は、ひどく脆弱で、常に黄昏を迎える運命にある。無根拠に「国」がある場合には、自然に、そこにある、それだけなので強いが、憲法があるからとか、国家神道があるからとか、根拠づけをしようとすればする程、その基盤は脆弱になる。つまり、根拠の崩壊イコール国家に崩壊が訪れるからだ。これ以上書き続けると、無国家主義、アナーキーな方向に行きすぎるのでやめておこう。まずは、以下引用の内山節氏のコラムをお愉しみください。

 


≪ 安倍政権が「強い国家」を目指すほど、国家は結局弱くなる単純な理由
【連載】たそがれる国家(3)

■国家というもののとらえ方
国家のとらえ方は、時間幅の設定の仕方によって変化する。
:それはこういうことである。
:たとえば今日の私たちは電気のない生活など考えられない。ところが長い人類史のなかでは、人間が電気とともに暮らしたのはせいぜいこの100年間くらいのことであり、何をするにも電気が必要な生活をするようになってからは、まだ50年くらいしかたっていない。
:人類史全体をみれば、電気のない生活の方がはるかに長いが、いまの私たちにはそんなことは想像することもできない。
:国家も同じような面をもっている。50万年近い人類史をみれば、国家のない社会で人々が生きていた時間の方が圧倒的に長かった。
* * *
日本で国家の形成がはじまるのは律令制に向けた整備がはじまる頃で、乙巳の変(いっしのへん)、大化改新を起点としても、その前の冠位十二階の制定あたりを起点としたとしても、まだ1500年もたっていない。
:その前の「日本」は、権力者が発生してから以降も、朝鮮半島と結んだ豪族たちが存在していただけであって、「日本」という国家が意識されていたわけでもないし、彼らは国家の統治者でもなかった。
:しかも律令制の整備がすすめられてからも、国家を意識していたのは支配階層の人たちだけであって、普通の庶民たちにとっては国家は縁のないものであった。
:江戸時代までの日本では、人々は自分の暮らす地域を「くに」と表現していたのであって、それもまた確定された地域のことではなかった。遠方の人たちに対しては藩を「くに」として語ったが、同じ藩内の人に対しては自分の暮らす村や町、その周辺が「くに」になる。
:明治時代に入ると日本は近代国家の建設に向かうが、といっても多くの人たちは国民意識などはもっていなかった。それが芽生えてくるのは日清戦争以降であり、定着したのは日露戦争の頃だと考えてよい。
:現在の私たちは日本国民であることを意識しながら暮らしているが、その歴史は電気の歴史とあまり変わらないのである。
:にもかかわらず、電気のない生活を経験した人がほとんどいなくなったように、現在の人間たちは国家のない暮らしを経験したことがない。だから国家は絶対的に必要な基盤のように感じる。
:だが、もしも電気に変わる便利なエネルギーが開発されれば、次第に電気は衰退していくのと同じように、国家を必要としない時代や、国家の下で暮らすメリットよりもデメリットの方が大きい時代が生まれれば、国家もまた衰退へと向かうかもしれないのである。

 ■国家は本質的に無根拠である
ところでいま私は、「国家もまた衰退に向かうのかもしれない」と曖昧な言い方をしたのだけれど、なぜ曖昧なのかといえば、国家とはそもそも無根拠性を基盤にした創造物だからである。
:たとえば律令制を整備する過程で、日本の支配層は、日本という国家を形成しようとしている。しかしその動機は日本における支配権の確立であり、当時の朝鮮半島の混乱のなかで、中国とも朝鮮の国々とも違う自立した支配圏をつくりだすことにあった。
:つまりそれは、どのような統治権を確立するかという問題であり、その推進が国家を生みだしただけなのである。国家自身に成立根拠があったわけではない。統治権の確立が、結果として国家を生みだしたのであって、国家自体は無根拠性の上に成立している。
:江戸時代になれば幕府を軸にした武家国家が生まれてくるが、これもまた幕府による統治権の確立が日本という武家国家を生みだしたのであって、国家自体はやはり根拠なく形成されている。 :そしてそれは明治になっても変わることはなかった。
:欧米がもっている近代的な技術、経済、軍事力などを目にして、日本も近代国家を形成する方向にむかう。日本を取り巻く当時の国際情勢や日本の社会変化のなかで、より強力な中央集権国家として近代国家を形成する方向に、当時の日本はむかった。
:だがここでも、国家自体がそれを求めたわけではない。当時の政治に国家をよりどころにする必要性があったということであって、国家自体が近代国家をつくる根拠をもっていたわけではないのである。
:国家は、本質的に、無根拠な成立物なのである。 それは諸外国においても変わらない。ただし私たちは成立したものの内部で暮らしているがゆえに、それが根拠のある産物であるかのように感じるだけである。

■根拠がないという「強さ」
だがこのことは、国家の弱さを意味しているわけではない。むしろ逆に、そのことにこそ国家の強さがあるといってもかまわない。
:根拠があって生まれたものは、その根拠が崩れれば存続する理由がなくなる。ところが根拠なく生まれたものは、ある種の超越的な基盤をもっている。根拠を超えているという超越性である。
:すなわち、その無根拠性がゆえに国家は超越的に必要なもののように感じられてくる。
:とすると、国家はその根拠を明確にしてはいけないものだということになる。つまり、曖昧性をもっていなければならないのである。そして曖昧なものである以上は、それが衰退していくときがあるとしても、それもまた曖昧にすすむことになるだろう。
:逆に述べれば、国家に明確な根拠をつくろうとする試みは、国家を弱体化させることになるだろう。
:たとえば昭和初年代、10年代の日本をみてみよう。このとき日本は明確な国家の根拠をつくろうとした。 国民は天皇の赤子として位置づけられ、天皇のために命を捨てることは最大の「親孝行」であり、国民の美徳であるとされた。皇居遙拝が義務づけられ、皇民化教育が強化された。 そして日本人はアジアの人々を欧米の支配から解放する任務をもった優れた民族であるとされた。国内的にも対外的にも、日本が日本である根拠が明確にされたのである。
:それは、一瞬、すべての国民がひとつの方向性に向かって団結する強固な国家をつくったかにみえた。 :だがわずか20年もたたないうちに、その結果は明らかになる。国家の崩壊というかたちで。
:根拠の明確化は国家の弱体化を招いていたのである。なぜそんなことが起こるのかといえば、国家の強さはその無根拠性にあるからである。根拠の明確化は、国家が誕生したそもそもの原理に反する。
:同じことがドイツやイタリアなどのファシズム政権下でも起こった。
:ナチズムがおこなったことは、ゲルマン民族の国家という根拠の明確化であり、優れたゲルマン民族を柱とする世界の確立という、これもまた国家の根拠の明確化である。だがそれらもまた、20年ももたないうちに崩壊した。

 ■安倍政権がはまる落とし穴
逆に述べれば、戦後の日本は強い国家を形成していたといってもよい。 1950年代後半からの日本の指針は、ひたすら経済発展におかれていた。経済発展が人々の所得をふやし、そのことが豊かな暮らしを実現する。この論理が日本を支配していた。国家よりも経済だったのである。
:この雰囲気のなかでは、国家の根拠も曖昧なままにおかれた。もちろん国民は税を納めなければならなかったし、税の使い道が妥当だとみんなが思っていたわけではない。だがそういうこと以上に、経済が戦後日本の根拠だったのである。
:それは国家に根拠を求めない時代をつくりだし、その雰囲気にある程度政治も対応することによって、無根拠性がつくる強靱さを成立させていたのが戦後の日本の国家だったといってもよい。何となくつづく国家が成立していたのである。
:とするといまの日本の政権は、自分たちの意志とは逆の政治を進めようとしていることになる。
:なぜ憲法九条を改正したいのか。それは国家の姿を明確化したいからであろう。
:なぜ国家への忠誠心を高めようとするのか。国家あっての国民であることをはっきりさせたいのであろう。
:そしてそれらの先に描かれていくのは、国家としての日本の根拠の明確化である。それを成し遂げなければ戦後レジュームからの脱却はできないと考えているのだろうが、この道は国家の弱体化でしかない。 :なぜなら、くり返すが、そもそも国家は根拠があって生まれたものではないのである。ゆえに無根拠性という強さを最大限に活かすことしか、持続的な国家はつくれない。
:このような視点からみれば、今日の世界は、国家の黄昏に向かっているようにみえる。
:強い政治、根拠のある国家を求める動きが広がり、扇動政治家たちがそれをあおり立てている。その姿のなかに、私はむしろ、黄昏れる国家をみている。
 ≫(現代ビジネス:国際・内山節―たそがれる国家3)

誰も語らなかった 首都腐敗史
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【決定版】白熱講義! 憲法改正 (ワニ文庫)
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徹底追及 築地市場の豊洲移転―崩された「食の安全・安心」
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●言葉を弄び詐術・詭弁・恫喝などの限りを尽くす安倍官邸

2017年06月09日 | 日記

 

 

日本中枢の狂謀
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「軍学共同」と安倍政権
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赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢
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●言葉を弄び詐術・詭弁・恫喝などの限りを尽くす安倍官邸

 最高レベルのふたり
 


 



 ウ~ン!ここまでヒドイ政権は日本史上初なのではないだろうか。“義”は皆無で、腹の底にあるのは“利”ばかりである。安倍官邸にいる人々は、右寄りの国家主義的考えの持ち主が多く、国家神道を標榜している勢力とも親密だと公言している。都合の良い時には、儒教的言説を振りかざすのだが、儒教の肝である“義”と“利”を逆さまに理解しているフシがある。要するに、小林よしのり氏が評するように似非右翼なのだろう。あまりにも、潔さが欠落している。

 自民党と云う政党が、今後も日本政治のスタンダードとして存在したいのであれば、そろそろ詐欺内閣を潰すことに動きだすべき時が来ている。安倍晋三や菅義偉、高村正彦等という下品の塊りのような男たちに、自民党の面汚しのような振舞いをさせ続けて良いものか、本気で考えるべき時が来ている。直近では、国家戦略特区だとか称して、私利私欲三昧を、経済財政諮問会議などを隠れ蓑を通じて、存分に貪欲に追求している。

 言葉遊びに興じているだけならいざしらず、その遊びを国政の中に取り入れ、尚且つ実際の政治の中に嵌め込むのだから、そりゃあ、国が滅茶苦茶になるのは当然の帰結だろう。個別に、その案件一つ一つ吟味する積りはないが、安倍官邸がスタートした時点から、彼らが通した法案や閣議決定の数々の中には、“名称と内容の齟齬”際立っているのが判る。たしか、特定秘密保護法が始まりだった記憶がある。

 この法律、安全保障に支障を来す恐れのある情報を「特定秘密」に指定する法律だが、特定秘密が何であるかが判らない秘密と云うのだから、その秘密に触れたかどうか、当該本人にも判らないと云うのだから、運用次第で、恐怖国家管理に利用されやすい問題が指摘されている。その秘密の漏えいには、最長10年の懲役が待っているが、裁判において、その秘密が語られる事はない、又は傍聴人排除で行われるのか、まったく具体的検証が不備である。しかし、日米安保の運営にいて、非常に有益と云う喧伝材料が功を奏し、如何にも安全保障に役立つように報じられたが、NHK的理解では、ことの本質を見間違うのだろう。

 この法律の問題点は「特定秘密指定」が妥当かどうかを、充分に吟味する法整備が不足しているので、時の権力や各省庁に取って都合の悪い情報の多くを、恣意的に秘密指定することが可能であり、極秘の類はすべて60年間闇の中になる。秘密が公開された時には、社会的に慣習化されている場合が多いので、事情判決がまかり通り、合法化されてしまう。つまり、監視社会の方向性が確定する。

 第二次安倍政権は発足後直ちに、霞が関官僚人事を内閣人事局で掌握、各省庁に楔を打つ。霞が関官僚の保守的過ぎる姿勢など、行政府が立法府の立法趣旨を捻じ曲げるなど岩盤規制にタイムリーな政治を注入するには、人事権を握ることで、一定の政治力が発揮されることは、理論的に正しい面もある。しかし、その人事権の掌握が、時の内閣の我田引水や私利私欲、仲間内の利益誘導などに使われるては本末転倒となるので、内閣は、その権力行使においては、李下に冠の譬え通り、身を律する責務がある。

 しかし、安倍官邸の様は、日ごと夜ごと酷くなるばかりで、綻びが生じる毎に、ヒステリックになり、公安警察権力などを中心に、内閣情報調査室・北村滋内閣情報官、杉田官房副長官が交差する形で、安倍内閣に不利になる情報や法的行為を、まさに国家総動員的私的法網を組み立て、悪行を企てると云うより、悪評が立ちそうな事実関係を隠ぺい工作し、マスメディアの幹部たちを暗に脅したり、すかしたり、あらゆる手の限りを尽くし、内閣の偽りの安定を醸し出している。

 しかし、ここに来て、森友問題、加計問題、ジャーナリスト・山口敬之の準強姦事件もみ消しの事実、似非右翼日本会議に憲法改正宣言のメッセージ、監視社会促進の「共謀罪法案」と、あまりにも他に選ぶ内閣がないから「消極的に支持」の多くの人々からの乖離を受け、内閣支持率は、間違いなく大幅にその指示を低下させている。無論、マスメディアに対する締めつけも厳しく、NHK、朝日、毎日、共同といえども、安倍内閣の監視から逃れることは困難であり、概ね20%程度、支持率を上乗せする係数が組み込まれているものと思われる。

 言うまでもなく、読売、日経、産経は御用新聞であり、データを確認することは無意味である。信頼度から行くと、毎日、朝日、NHKの順だろう。この三つのメディアの内閣支持率マイナス20%で読み解けば、自ずと安倍内閣の支持率が見えてくる。安倍内閣の内閣支持率は、大雑把だが25%から30%と云うのが真実だろう。それでは、解散総選挙を行えば野党に有利かと言えば、必ずしもそうではない。トランプ政権ではないが、岩盤支持票と云うものがある場合、その政党は、選挙において常に強いものである。有権者の2割が自民党支持者である場合、この票は有効投票に反映されることが多いので、40%台の投票率においては、5割近い票を獲得できる大票田を持っているのと同じなのである。

 現時点で、解散総選挙が実施された場合、与党(維新含む)で、衆議院で2/3議席を獲得できるかどうかは疑問だが、選挙に勝つことは可能だ。つまり、安倍内閣の継続が実現してしまう。つまり、自民党内における自浄能力を発揮するタイミングが見いだせないわけである。ただし、憲法改正を悲願としているであろう安倍晋三は、2/3議席確保の見通しがつかない解散総選挙を打つ可能性は限りなく低いと見ていいだろう。

 となると、森友問題、加計問題、ジャーナリスト・山口敬之の準強姦事件もみ消しの事実、似非右翼日本会議に憲法改正宣言のメッセージ、監視社会促進の「共謀罪法案」と、内閣支持率が低下する材料が多過ぎて、名目40%台、実質20%台という環境が現れる可能性は大である。到底解散が打てる状況ではなくなる。

 となれば、自民党に代われる政党が論理的に日本共産党以外ないとなると、それはまだまだ先の議論になるだろうから、自民党の自浄能力とは言えないが、政治家としての利益損得勘定から、安倍総裁では次期衆議院選は臨めないと云う判断が働くことを期待する方が可能性がある。当然、党内において安倍おろしはの声は大きくなるだろう。麻生、石破、岸田などの派閥から声は上がるだろうが、これだけ謀略監視圧力が強まった官邸の力は、それら集団の切り崩しにあらゆる手段を講じるだろうから、党内正面突破には、政治家一人一人に危険が及びすぎる。

 ではどうするのか?正面突破においては、今の安倍官邸は犯罪の捏造や、読売を通じてのゴシップ報道などまで手を出しかねないわけで、前川前事務次官ほどガードが堅い人々ではないので、切り崩し、追い落としの災難に遭う危険があり過ぎる。こう云う場合の王道は「闇討ち」である。つまり、内閣不信任案を通過させ、安倍内閣を総辞職に追い込むことである。無論、安倍総理は、はらわた煮えくり返って、解散だ!党公認など出さないぞと騒ぎ立てるだろうが、有力議員に公認出さずに敗北を選ぶとは思えない。そんなことをすると、下手をすれば野党に政権が移り、志位委員長が内閣総理大臣になる恐怖を味わうことになる。まさか、そこまで安倍も馬鹿ではないだろうから、渋々公認を出すに違いない。

 もう一つが、東京地検特捜部による、安倍昭恵、加計幸太郎の事件の立件だ。まあ、これは検察による内乱のようなものだが、安倍政権の継続が日本国家にとって、あまりにもマイナスだと考え及んだ時には、ありうるシナリオだ。無論この場合には、最高裁事務総局と検察庁の上層部、法務省官僚たちの強い意志が必要だが、流石に国家が体を為さないと考えが及べば、それもありだろう。個人的には、安倍晋三夫婦がチャウシェスク夫婦までは行かないが、投獄されるなどと云う夢を見るネット雀も散見する。先ずは、自民党の自浄能力に期待するのが民主主義国家の筋と云うことになるだろう。



 PS:
流石に、加計問題の印象が支持率低下に拍車が掛かると危惧したのだろう、文科相は再調査を約した。(以下は朝日の報道)しかし、萩生田官房副長官が言うように、今度は、「中身が信用できない。官僚らの忖度から生まれたフィクションだ」と強弁することだろう。室井佑月的に評論すれば、「国民の声に真摯に答えた」と云うフレーズで、聞く耳持つフェアな政権と云うイメージ作りに利用しようとしている」となるだろう。実際、安倍官邸は、支持率を上げる事象や言葉を弄すのは常とう手段になっているのだから、上述のように受けとめるのが正しい。


≪文科相「国民に納得いただけなかった」 加計文書再調査
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡り、文部科学省が内閣府から「総理のご意向」などと伝えられたとされる文書について、松野博一文科相は9日、省内調査をやり直すと表明した。「文書は確認できなかった」としていたが、「追加調査が必要だという国民の声が寄せられ、総合的に判断した」と述べた。
 松野氏は会見で、安倍首相に調査を改めて行うことを報告して「徹底した調査を速やかに実施するよう」、指示があったと説明。当初の調査が十分だったかどうかについては「(国民に)調査の内容を納得いただけなかった。その点を踏まえたい」と述べるにとどめた。
 文書をめぐり、松野文科相は5月19日、担当の同省専門教育課長ら7人に対して調査を実施したが、「該当する文書の存在は確認できなかった」と発表した。ただ、電子データについて7人が個人で省内で使うパソコンのデータや共有フォルダーの削除履歴は調べていなかった。これに対し、前川喜平・前文科事務次官は、昨年9~10月に担当課が文書を作ったと証言。現役の同省職員も一部の文書について「省内で共有されていた」と認め、国会でも野党から調査が不十分だと批判が上がっていた。
 一連の文書には、内閣府側から「平成30年(2018年)4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」「(愛媛県)今治市の区域指定時より『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」と言われたと記載されている。 ≫(朝日新聞デジタル)


 ≪室井佑月「なにもかも信じられない」〈週刊朝日〉
共謀罪法案が衆議院本会議を通過したことや、前川喜平・前文科事務次官が人格攻撃されるなど、様々な政治的問題が起きている日本。作家の室井佑月氏は「あたしの目には、今の政権は狂っているように見える」と言い切る。
*  *  *  
共謀罪法案の衆議院本会議での採決で、元自民・現無所属の中村喜四郎議員が反対票を投じた。
 どう考えても、この人がまともだよな。ほかの議員だって、共謀罪がテロなんかじゃなく、権力に刃向かう邪魔な一般人を取り締まるためのものだってわかっているはずなのに。
 安倍首相が、「この法(共謀罪)がないと、東京オリンピックは開催できない」などといいだした。オリンピックを人質にとって、あたしたちに人権を差し出せといったのだ。
 オリンピックは平和の祭典ともいわれている。が、安倍首相はそれを真逆の意味で利用しようとしている。
 かつて、おなじことをし、世界中から憎まれている男がいる。ヒトラーだ。そんなことだって誰もが知っているはずじゃないか。
 けれど、オリンピックが絡むと、メディアは及び腰になる。金が絡んでくるからだ。それを知ってて目一杯利用しているのが、安倍政権だ。
 はっきりいう。あたしの目には、今の政権は狂っているように見える。それに追従するものも、狂っているように思える。ほかに表現のしようがない。
 加計学園の獣医学部新設について、文部科学省の「総理のご意向」と書かれた文書が出て来た。
 官邸側ははじめは怪文書扱いしていたものの、前文科事務次官の前川喜平氏が出て来て「真正なもの」と証言した。
 すると、官邸側は前川氏の人格攻撃をするようになる。天下り問題で引責辞任したから、うらみを持っているなどといいだした。
 そして、読売新聞が前川氏の出会い系バー通いを報じた。
 すでに公人でもない男の、それが法に触れることでもないことが、新聞の社会面の大きな記事となった。狂っているとしか、いいようがないだろう。
 もうなにもかもが信じられない。
 国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・カナタチ氏が共謀罪について、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と指摘した書簡を安倍首相へ送った。官邸は「特別報告者は国連の立場を反映するものではない。内容は不適切」と抗議した。カナタチさんいわく、「抗議は怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」とのこと。
 しかし、G7に出席した安倍首相は、イタリアで国連のグテーレス事務総長と会談したと一報があった。グテーレス事務総長から、「(カナタチさんの意見は)必ずしも国連の総意を反映するものではない」という言質を取ったという報道だ。でもこれって、この国の外務省によると、という報道なんだよ。
 G7で安倍首相が「事実上の議長」、なんて書いた新聞もあったしな。
 まさか、国際的な問題であっても、安倍さんに忖度したものになってやしないよね?
 そこまで考えると、とても辛くなってくる。
 ≫(AERAdot:※週刊朝日 2017年6月16日号)


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●民主主義の建前を捨てたデマゴーグ政権 まさに安倍官邸を指す

2017年06月05日 | 日記
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●民主主義の建前を捨てたデマゴーグ政権 まさに安倍官邸を指す


 『今日の政治は、ポピュリズムというよりデマゴーグの政治といった方がいいのかもしれない。デマゴーグとは自分の権力を維持し高めるためには何でもする扇動政治家のことなのだが、日本でも小泉、安倍という扇動政治家の時代がつくられている。』

 内山は、安倍政権を、ポピュリズムを超越したデマゴーグ政治だと看破している。たしかに、時代が生んだ“鬼子政権”と云う見方も可能だ。つまり、現在の極悪非道な安倍政権の振舞いは、時代の要請に応じた“鬼子政権”と云う説明になる。

 国家が、再配分を実行する器量を失うと、民主主義に内包されていたファシズム性が目覚め、その牙を剥くと云う考えは理屈の上で納得出来るが、現実の安倍政権を眺めていると、そのような理屈とは、また別次元の、醜悪さがある。これは何なのだろう。よくもまあ、あれだけ醜悪な政治家や、それをバックアップする官僚や有識者が集められたものである。これを、単に理論だけで納得させるのは、幾分問題がありそうだ。

 民主主義に内包するファシズムの抬頭と云う見方が理論的だが、戦後リベラルに封じ込められていた右翼や国家主義者(単純に戦争カッコイイ願望者)が、建前が通用しなくなった民主主義の劣化に伴って息を吹き返した状況と言う見方も可能だ。日本愛国党の山口二矢が社会党党首浅沼稲次郎を暗殺して以降、三島由紀夫が自死して以降、野村秋介が拳銃自殺して以降等々、右翼への社会的認知は忘却に近い存在だった。

 しかし、彼らは息を吹き返した。無論、民主主義の劣化に乗じて、その存在を誇示しようと現時点でも背伸びをしているわけだが、時の政権、安倍晋三を取り巻くことで、息を吹き返しかけている。日本会議が最も好例だと言える。しかし、彼らの主張を聞いていると、経済右翼的であり、真正の右翼とはかなり異なるものになっていて、現代社会において、整合的認知を得るのは、かなり厳しい状況にあるようだ。ただ、内山の言うように、近代国家が、限りなく崩壊してゆく過程において、戦争を知らない世代が増えることで、いっとき時代のあだ花を咲かせることがあることも考慮に入れておいても良いのだろう。



 ≪ 溶けていく近代社会の「建前」〜「本音」ばかりが跋扈する時代へ
【連載】たそがれる国家(2)
―― 次第に国家が意味を失っていく、いま世界はそんな時代に入りはじめたのではないだろうか……。哲学者・内山節が世界の大きな潮流を読み解く新連載第2回。はたしてトランプ勝利が意味することとは? ――
■理念より現実
1776年に出版されたトーマス・ペインの『コモン・センス』は、世界の歴史を動かした本の一冊といわれている。
:1775年にレキシントンの戦いが勃発し、イギリスからのアメリカの独立戦争がはじまった。当初はアメリカ軍は劣勢であった。その渦中でアメリカの独立を鼓舞したこの本は出版され、たちまちベストセラーになる。勇気づけられたアメリカ軍は反撃に出る。そんな役割をはたした本だった。
:ところがこの本の内容は、かなりお粗末である。
:人民の権利を述べている部分では、かたちの上ではジョン・ロック(1632~1704)の自然法思想が使われているが、重心はイギリスから独立しても経済的な利益は維持できるというところにあった。
:簡単に述べれば、独立しても利益は維持できるから大丈夫だという説得である。
:独立の大義を語るときには、普通は崇高な理念のようなものが書き込まれるものだが、そんなものは感じられない。独立しても儲かるという話なのである。そういう意味でこの本は、世にも珍なる本だといってもいい。
:理念より現実を重んじる精神。
:この精神は「アメリカ独立宣言」(1776年)や「アメリカ合衆国憲法」(1787年)、さらには1883年のリンカーンによる「ゲティスバーグ演説」にまで通底している。この演説では「by the people, for the people」の部分がよく知られていて、「人民による、人民のための」と訳されたりしてきたが、全文を読んでみると気がつくのは全体に流れている現実主義的な精神である。

■近代社会の建前
近代から現代にかけての世界は、いくつかの建前によってつくりだされてきた。
:1789年のフランス革命は自由、平等、友愛という近代の理念を宣言したし、イギリスでは議会制民主主義の実現をめざす改革が進んでいた。さらに産業革命以降の世界は、経済発展をエネルギーとし、経済が発展すれば人々は豊かになっていくという理念にもとづく社会を創り上げていく。
:それらの理念は、いわば近代社会の建前であったといってもよい。
:自由や平等が本当に実現したわけではない。議会制民主主義が民意を反映した「国民の国家」をつくるわけでもない。経済発展が人々に豊かさをもたらすとはかぎらない。経済発展が「取り残された人々」や「旧来のシステムで生きている人々」を没落させ、新たな貧困をもたらすのもしばしばである。
:だが、自由、平等、民主主義、経済発展が豊かさをもたらすといった建前を維持することによってでき上がったのが、近代社会なのである。
:この建前は、1917年のロシア革命によって強化されることになった。
:弱肉強食のような社会を放置しておけば、社会主義革命が起こるかもしれないという恐怖は、この建前を現実化する動きを高めた。
:自由や平等の実現に向けて努力すること、民主主義が機能するように努力し、経済発展が人々の豊さと結びつくように努力する。社会主義革命への恐怖は、そういう動きをひろげていくことになった。
:政治的には被抑圧者たちの権利の承認がすすんでいった。女性の権利、少数民族の権利、最近の性的マイノリティの権利などさまざまな権利が承認されることによって、自由と平等の実態化がはかられた。
:とともにもうひとつ重要だったことは、社会の再配分システムをつくりだすことだった。
:そのひとつの軸は税制と社会保険、社会保障システムの構築である。
:累進課税や財産税などの制度などが試みられ、所得に応じた社会保険料を支払うことによって誰もが平等に医療制度などを活用できるようにする。子どもたちは親の所得と関係なく学校教育が受けられるようにし、公共住宅の建設や全国的な交通網の確立、収益基盤の弱い産業への支援などがおこなわれていった。
:さらに述べれば、再配分システムにとって重要な軸のひとつに安定雇用の確立があった。日本では戦後の高度成長期に生活給的な賃金体系と終身雇用制がつくられたが、これも収益性の高い分野から低い分野への再配分システムという一面をもっていた。
:20世紀の社会は、このようなさまざまな努力を積み上げることによって、近代社会の建前に実態を伴わせようとしてきたのである。
:だがそのような努力があったとしても、建前は所詮建前にすぎない。完全なかたちで実現することはないのである。 さらに1991年にソ連が崩壊し、「資本主義の勝利」が謳歌されるようになると、私たちの社会は建前を守ろうとする努力への熱意を失っていった。
:再配分システムの強化よりも自分のものは自分で稼げといった風潮が高まり、すべてのことを市場で決めようとする市場原理主義が跋扈していく。企業や高所得者への減税などがすすめられ、社会保険、社会保障システムも劣化していくことになった。企業もまた安定雇用のために努力しなくなり、それは格差社会や非正規雇用の増大を生んでいく。
:こうして生まれてきたのが、本音の時代だったといってもよい。

■上からも下からも本音が噴出
近・現代社会は、建前と本音の衝突を内蔵させながら、建前を守ることによってつくられた社会なのである。
:建前としては自由、平等、友愛があり、民主主義や人々の豊かさをめざす経済があった。だが本音としては、自己や自分の企業活動の自由であり、それぞれの最大利益の獲得だった。簡単に述べれば、自分が勝者になればそれでよいのである。
:民主主義は多数派の横暴にすぎないし、自由は自分の自由のためのものだ。近代社会はそういう本音もまたもっている。 :建前を大事にし、本音を隠す。それが近代社会の作法だったといってもよかった。
:リベラリストたちは建前の実現に向かって努力しつづけることが人間の責務だという立場をとっていたし、ロシア革命の衝撃はこのリベラルな立場の社会化を求めた。
:今日の世界を覆いはじめているものは、この建前の虚偽性の露見である。あるいは建前を近代の理念だとしてきたことの虚偽性の露見だといってもよい。
:政治や経済も、建前よりも本音で動くようになってきた。政治家たちは自分の権力を維持するために動き、それはポピュリズム(大衆迎合主義)をもたらしていく。
:あるいは今日の政治は、ポピュリズムというよりデマゴーグの政治といった方がいいのかもしれない。デマゴーグとは自分の権力を維持し高めるためには何でもする扇動政治家のことなのだが、日本でも小泉、安倍という扇動政治家の時代がつくられている。
:経済もまた、本音の経済の時代である。格差社会やブラック企業が生みだされていくばかりでなく、労働組合もまた電力総連などが原発推進派の候補を応援するように、本音が前面に出てきている。
:だが本音の社会ができていけば、建前としての「公正」は崩れていく。そしてそれは、「取り残された人々」や「没落していく人々」を救済しない社会をつくりあげることになる。
:そうなれば人々のなかからも本音で動く人たちが前面に出てくる。こうして、「上からも」「下からも」本音の社会がつくられていく。
:今回のアメリカ大統領選挙が示したのはこのことだった。

■なぜトランプが勝ったか
建前の社会を代表したのはクリントン候補だったが、もはや彼女は建前の代弁者だとはみなされていなかった。建前を掲げることによってエリートたちの利益を代弁する本音の政治家だと思われていたのである。建前が本音の手段に使われていると思えばいい。
:それに対してトランプ候補は、ストレートに人々の本音に語りかけた。イスラム教徒や移民の排斥、アメリカ第一主義。それらは有権者の本音を揺さぶる方式だったといってもよい。こうして大統領選では、本音と本音がぶつかり合うことになった。
:ところで大統領選の得票をみると、「没落した」白人だけでなく、大学卒の白人や女性などの票もトランプ候補がかなりとっていた。おそらくそれはこういうことである。トランプ候補は、自分が当選すれは皆様は儲かる、ということを提示していたのである。
:不法移民を追放して雇用を守るというのもそのひとつだし、企業と全所得階層の減税、大規模な公共投資などを約束していた。
:この約束は上層の人たちにとっても本音では悪くない。所得税が減ることも悪くないし、企業の税引き後の利益が多くなれば分け前も増えるかもしれない。公共投資などで一時的な活況がもたらされれば、そこからも新しい収益源が生みだされるかもしれない。
:「儲かる」という本音の部分を揺さぶったのはトランプ候補だった。


 


:それに対してクリントン候補は、現状維持の政治家、既成の支配層の利益の代弁者としか有権者には映らなかった。自分にも利益をもたらしてくれる人ではなかったのである。
:本音の時代に移行すれば、本音を揺さぶる扇動政治家が支持を拡大する。アメリカはこの方向に動きやすい社会なのかもしれない。
:なぜなら『コモン・センス』をはじめとする建国の意義を書いた文章が示しているように、どちらが利益になるのかといったプラグマチズムや現実主義が、建国時から底流には流れていたからである。それがアメリカは移民の国だということの意味でもある。
:もっともそのアメリカは、とりわけ戦後になると、自由や民主主義の守護神として振る舞おうとした。だがそれもまた、建前を前面に出すことによって自分たちを脅かしかねない敵を封じ込めるという本音の部分に裏付けられていた。本音の手段として建前を利用したにすぎない。
:だが今日では、建前の利用価値は低下している。「社会主義圏」は崩壊したし、建前を掲げて世界を牛耳るだけの力もなくなっている。本音を押さえておく必要性がなくなっているのである。

■民主主義とファシズム
今日では、世界中が本音で動くようになっている。ヨーロッパでも移民などの排斥を掲げる極右勢力、国家主義政党が勢力を伸ばしている。ポピュリズムやデマゴーグの政治が跋扈し、それが世界中に広がっている。
:そしてそれは、近・現代の虚偽性を暴露していくことになる。
:そもそも近代の建前自体が虚偽性をもっている。つねに不自由や不平等が存在し、機能しえない民主主義、問題を生みだしつづける経済発展がこの時代の真の姿だといってもよい。
:だが、これまでも述べてきたように、この建前を守る、あるいはこの建前を社会化するために努力する、それがリベラル派の理念でもあった。その理念が持ちこたえられなくなっていく、建前の虚偽性によって打ち崩されていく。それがいま、世界の動きをつくりはじめているのである。
:とするとそれは、近代以降の社会や国家のあり方の黄昏を露見させているのではないだろうか。建前を維持できなくなれば、建前を守ることによってつくられてきた社会や国家は虚無化していくだろう。
:だがそれだけの動きでは、新しい時代の創造は起こらない。なぜなら虚無化されていく国家を生みだしたものは、近・現代の本音でしかないからである。それでは近・現代の原理の上に、劣悪な国家をつくりだすだけである。
:若くして亡くなってしまったが、1960年代終盤から80年代初期にかけて多くの作品をつくったドイツの映画監督に、ファスビンダー(1945~82)という人がいた。彼のテーマのひとつは、「我らの内なるファシズム」だった。我々の民主的な社会は、つねにファシズムの芽を内蔵しているという提起である。
:それは、そのとおりであって、民主主義とファシズムは対極の関係ではない。民主主義は実現しうるというのが近代以降の建前であり、しかしそれはつねに本音の前に敗北してきた。
:その本音が自分たちの利益を実現する強大な国家を求めれば、そこにファシズムがあるからである。そしてそれはますます存続できない国家を、すなわち黄昏れていく国家を成立させることになる。
 ≫(現代ビジネス:国際・内山節:たそがれる国家2)


アナキスト民俗学: 尊皇の官僚・柳田国男 (筑摩選書)
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筑摩書房
さらば、民主主義 憲法と日本社会を問いなおす (朝日新書)
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朝日新聞出版
巨悪の正体 あなたは、なぜカスなのか?
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きこ書房
反戦後論
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文藝春秋
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●世界の“原発電源”はマイナーに 孤軍奮闘??日本の原発行政

2017年06月01日 | 日記
政治を動かすメディア
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東京大学出版会
人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか
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慶應義塾大学出版会
同調圧力メディア
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創出版
作家的覚書 (岩波新書)
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岩波書店


●世界の“原発電源”はマイナーに 孤軍奮闘??日本の原発行政

 まあ、そもそも論からいっても、原子力発電を国家の主たる電源にしようなどと云う考えが、常識的に変なのだ。つまり、“なんか変?”な行政が行われている時は、国家的不正や行政のサボタージュや既得権益死守の弊害があると云うことだろう。発電事業が、完全な意味で民営化されていたら、誰一人として、原子力発電で21世紀の電力を賄おうなどと考えるものはいないと云うことだ。

 福島原発事故が弱体化していた原子力発電事業に、更なる規制が掛けられることとなり、原子力発電は完全にコスト割れ産業となってしまった。原子力発電の雄と言われたウェスティングハウス・エレクトリックが東芝に見限られ、莫大な損害を出し倒産した如く、原子力で電力を発電する理由は殆どなくなった。シェールガス革命もあるし、実際の原油安も、世界的流れとして定着している。こうなると、原子力発電は、リスクを差し引いても、グロスで採算点を割る事業になっている。

 我が国の場合、国策として原発政策を担ってきたわけなので、本来であれば、撤退シナリオを国が然るべく組み立てる責任がある筈だ。まして、今後原子力発電が純然たる計算においても採算割れした発電事業なのは歴然であり、終活しなりのに沿った行政が行われるべきである。無論、このような当然の行政が出来ないのがわが国の特性であり、特権階級には血の通った行政を分厚くと云う明治以来の、悪しき伝統文化があるのである。

 これを正当な本道に導くのは、国民の代表らが集まる立法府、つまり政治家連中の責務なのだが、与党も湯党も野党も、概ね、この原発行政に巣食っている大量の業界団体から、様々な意味で共存共栄の関係を築いている。また、意図的に構築した原発行政の業界団体相関図には、原発行政各省庁や関係地方自治体などがからみ、巨大な総合扶助シンジケートを作り上げている。この中には、意図的に優遇された電力料金の隠れ利益をプールすることで、原子力関係者の不可逆的利益相互扶助の相関図が出来ており、壊すに壊せないズブズブの腐臭漂う猥らな関係になっているのだろう。

 もうこうなると、動きだしたら止められない日本の行政の典型になっている。おそらく、原発大国であるロシアやフランスよりも原発のやめられない国になるのだろう。再生エネルギーや火力・水力・地熱の豊富な資源を持ちながら、最も穢れた、或いは責任の取れない発電方式を捨てられないと云うのだから、100年後には、後ろ指刺される、いや、面と向かった嘲笑される国家になっているのだろう。しかし、それでも自分の国なのだから、いち構成員として虚しさは感じるが詮かたなし。


 ≪ 発電「ガス・再生エネ」2強時代 原子力苦境に
2017/5/31 16:36 日本経済新聞 電子版
 電源の「主役交代」を象徴する事例が相次いでいる。30日には米国で大事故を起こしたスリーマイル島原子力発電所の閉鎖が決定。コストが安いシェールガスを燃料に使う火力発電に押され、先進国では原発の競争力が低下している。一方、一時は停滞した太陽光発電所は息を吹き返してきた。電源ではガスと再生可能エネルギーの2強時代がやってきている。

■シェール革命で苦境に陥る原子力
 スリーマイル島原発は1979年に米国史上最悪の原発事故を起こしたことで知られる。事故があった2号機はすでに廃炉となっているが、残った1号機も2019年9月末までに閉鎖することが決まった。米電力大手エクセロンが30日、発表した。
 米国では「シェール革命」の恩恵でシェールオイル・ガスの生産量が増えた。石油会社は採算のよいシェールオイルの生産増を狙うが、同じ鉱区でシェールガスも生産される。この結果、米国の天然ガスの需給が緩み価格は低い水準が続き、発電用燃料としてのガスの競争力が高まった。オバマ前政権下で石炭からガスへの転換も進んだ。原発側にとっては福島第1原発の事故以降の安全対策コストが上昇したのも逆風で、スリーマイル島以外でも廃炉が相次ぐ。
 米国ではガス優位の時代が確認された30日、欧州では太陽光発電の復活を印象づける発表があった。

 ■米中が太陽光市場をけん引
 欧州の業界団体ソーラーパワー・ヨーロッパによると、16年の世界の太陽光発電設備の新規導入量は7660万キロワット。前年比で5割増となり過去最高を更新した。1年前の16年予測(中間シナリオ)の6200万キロワットを大きく上回った。業界の想定以上にパネルや建設価格が低下し、再び拡大期に入ってきた。太陽光バブルの崩壊で市場が伸び悩んだ11~14年は過去の話になりつつある。
 けん引役は16年の新規の6割強を占めた中国と米国だ。ソーラーパワーの今後の予測でも両国は21年まで年平均で約2割の高い成長が続く見込みだ。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、太陽光の運転終了までトータルでみた発電コストは、16年の平均で1キロワット時あたり10セント(約11.1円)を割り込んだ。17年には再生エネの中で最も安い陸上風力並みにまで下がるという。
 再生エネは地域によっては石炭火力と競争できるレベルまで価格が低下。原油安で化石燃料の価格も下がったが、再生エネの普及スピードには影響がみられない。この状況下で、発電設備を提供する側、発電する側とも覚悟を決めている。
 パナソニックは米テスラと組み、19年までに米国の太陽電池の生産能力を100万キロワットに引き上げる計画。住宅用の需要を掘り起こす。欧州電力会社で時価総額最大のエネル(イタリア)のフランチェスコ・スタラーチェ最高経営責任者(CEO)は「他の火力の電源に比べ運転の立ち上げがしやすいガス火力は再生エネとの相性がよい」という。発想を変え、ガスと再生エネは対立ではなく両輪で電源を主導する時代をにらむ。

 ■政府補助の対象、再生エネから原発に
 再生エネの場合は発電量が変動しやすい。余剰電力の扱いや、電力を送る送電網の整備といった課題はある。ただ、蓄電池の性能向上やIT(情報技術)を活用した需給予測で再生エネの使い勝手も向上してきた。欧米の電力大手は人工知能(AI)などの研究にも予算を投じ、かつて遠い夢と思われたスマートグリッド(次世代送電網)も実現に近づいてきた。
 ソーラーパワーの資料では、もう一つ興味深い比較があった。対象は英政府が推進するヒンクリーポイント原発だ。英国は欧州では珍しく原発にも積極的な姿勢で知られる。電力会社の腰が引け気味ななか、政府が打ち出したのが原発の固定価格買い取り制度(FIT)。運営するフランス電力公社(EDF)は運転開始から35年間にわたり、1キロワット時あたり約0.09ポンド(約13円)で買い取ることを保証する。再生エネより割高なのは自明で、英メディアでは原発FITに批判的な報道が目立つ。
 かつて「FITで過度に甘やかされた」と批判された再生エネは自立し、オークションなど市場原理に委ねるのが世界の潮流になってきた。一方で「他の電源より圧倒的にコスト」が安いとされてきた原発が政府の補助に頼る――。ソーラーパワーの資料は電源を取り巻く逆転現象を皮肉交じりに指摘している。 ≫(日経新聞:加藤貴行)


自由なフランスを取りもどす 愛国主義か、 グローバリズムか
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花伝社
スマホ廃人 (文春新書)
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文藝春秋
素晴らしき哉、常識!
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