世相を斬る あいば達也

「デモクラシーの限界 その先にあるもの」という視点に立って世相を斬る。唯我独尊の誹り怖れず

●”数字は踊る”安倍経済対策28兆円 ヘリマネ同調で日本崩壊

2016年07月29日 | 日記
言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)
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●”数字は踊る”安倍経済対策28兆円 ヘリマネ同調で日本崩壊

 安倍は27日、来週とりまとめると云う、“「」つき「経済対策」”を前週の27日水曜日に、わざわざデカイ面してテレビ画面を占領するのか、不愉快極まりなかったが、何ちゅうことはない、31日日曜日の東京都知事選をターゲットにした、「番宣」だったようだ。知事選、増田は無理そうだが、万が一、小池が取りこぼししないためにも、側面支援という曰く付きの「番宣」と云うことのようだ。文春、新潮両面作戦で醜聞を仕込んであるので、大丈夫だとは思うが、死んでも、鳥越を都知事にするわけには行かない、と云う安倍官邸の強い邪な権力振り回しが鼻につく。

 事業規模28兆円なんて、虎の威をふくらし粉で膨らまし、尚且つ、さも壮大な経済対策であるような28兆円を強調し、三百代言並みの得意の舌足らず自信満々口調で、テレビ画面一杯に、膨らんだ首相の顔が映る。なんか、遠目に見ていると“ノ・ムヒョン”が生き返ったのかと勘違いした。まあ、それはさて置き、28兆円の対策など、嘘っぱちなのは常識だ。赤字国債発行と云う聞こえの悪いワードを使わない為に、「財源措置」等という新手の詐欺言辞を編み出した。詐欺師官邸のやることは抜け目ない。しかし、本質的に、アベノミクスは頓挫しているのだから、嘘っぱち政策であっても、やればやるほど、それ相当に悪化する。2200万人に1万5千円?何が目的のバラマキなのか、その目的すら不明瞭になっている。

 この「財源措置」ってのは、「財政投融資」が含まれているので、民間企業が設備投資や研究開発費に投資する場合の低利で貸付をする。「財政投融資」は、その時の企業の事業負担分も含めた、事業規模をカウントした予算額イコールを政府の経済対策総額にカウントしているのだから、財政用語の曖昧さを利用した「詐術言説」である。そもそも、この「財政投融資」は、民間企業がこの制度を利用して、設備投資等々を実行した場合に、初めて発生するもので、積極的対策費ではない。あきらかに、“ふくらし粉効果”を狙ったものである。

 安倍が27日の講演で「事業規模で28兆円を上回る総合的かつ大胆な経済対策をまとめたい」と、大風呂敷を広げたのが、野党連合候補を絶対に勝たせたくないと、白状したような感じもあるが、日銀黒田への牽制球である可能性もある。29日金曜日、本日だが、日銀金融政策決定会合の 結果発表を控えているからだ。安倍のふくらし粉であっても大胆な経済対策規模に見合う、追加金融政策を催促していると読むことも可能だ。しかし、これ以上の金融緩和と云うのは、日銀の限界を超えている。仮に、無理をしたとしても、「財政ファイナンス」と解釈されるのがオチで、容易に選択できる金融政策ではない。仮に、黒田が毒を喰らい皿までもと腹を括れば、あり得るのは「ヘリコプターマネー」の出番と云うことだが、ヘリマネの常識論から考えると、日銀マンの選択できる政策ではない。

≪ 要するに何が違うの? 「ヘリマネ」と日銀異次元緩和  
  編集委員 清水功哉
 日銀が2013年4月以降実施してきた「異次元緩和」とヘリコプターマネー(ヘリマネ)の違いはどこにあるのか――。28日から2日間の日程で開く日銀 金融政策決定会合を前に、そんな議論が熱を帯びている。追加緩和が決まった場合、それがヘリマネに該当するのかが注目されそうなので、基本的なポイントを 確認しておこう。
 ヘリマネとは、中央銀行が「返済不要」の永久的(あるいは半永久的)な資金供給で財政を支えるものといっていいだろう。例えば、満期も利子もない政府発行の永久債を中銀が引き受けたり、すでに中銀が保有する国債を永久債に換えたりする形態が考えられる。
  無利子永久債なら国は利払いをしなくて済む。元本を返す満期も来ない。つまり中銀に買ってもらった国債については「返済不要」ということになり、人々が将 来の増税の心配をする必要もなくなる。あたかもヘリコプターからお金をばらまくようなものであり、財政支出の効果がいい意味でも悪い意味でも大きくなると いう理屈だ(ちなみに、国の日銀への利払いは最終的に納付金という形で国に戻ると考えれば、無利子か有利子かはあまり本質的でないという指摘も出そう だ)。

 ■今の日銀の政策には一応の期限がある
  これに対して、日銀が手掛けてきた緩和政策(当初は量的・質的緩和、現在はマイナス金利付き量的・質的緩和)で購入している国債には満期がある。そして、 より重要なのは今の日銀の政策には一応の期限がある点だ。「日本銀行は、2%の『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時 点まで、『マイナス金利付き量的・質的金融緩和』を継続する」と日銀公表文にある。物価2%の安定的な持続が実現すれば日銀はマネーを引き揚げる可能性が あるのだ。とすれば永久的な資金供給ではない。この点がヘリコプターマネーと異次元緩和の違いだろう。
 といった説明をすると、専門家から反論が来そうだ。「日銀が持つ国債が永久債か否かという仕組みの問題は必ずしも本質論ではない」と。重要な指摘ではある。
  池尾和人慶応大学教授も、週刊エコノミスト最新号(8月2日号)で次のようなコメントをしている。「たとえ永久債を日銀が買い入れたとしても、マネーの恒 久的な増加を人々に予想させることができるとは限らない。永久債であっても、繰り上げ償還したり、普通の国債に切り替えたりすることはいつでもできるから だ」
 要するに、永久債か否かという仕組みの問題より重みを持つのは、日銀の政策について人々が「マネーの恒久的な増加」という予想を持つか否かということだ。
 仮に日銀が永久債を持っても、繰り上げ償還などの可能性を人々が意識するなら、ヘリマネとはいいにくくなるかもしれない。逆に日銀が買う国債に満期があっても、満期に再購入を強いられるなどしてマネーの引き揚げが難しい状態になるなら、ヘリマネに近くなりそうだ。
 もちろん、仕組みの違いには全く意味がないとするのは言い過ぎだ。中銀が普通の国債ではなく永久債を持ったケースの方が、政策の自由度は下がると 考えられるからだ。人々の受け止め方(予想)も違うだろう。とはいえ、より本質的な論点は、脱デフレという目的を達した後、中銀がしっかりと緩和政策から 手を引けるか否かである。ある日銀中枢部門スタッフとヘリマネの定義について議論したときも、そのような認識を示していた。
 既に日銀は実 質的にヘリマネを手掛けていると指摘する論者は、政策の出口が本当に訪れるのかに不安を持っているのだろう。ただし、仮に大半の人がそう思っているならイ ンフレ期待がもっと強まっていても不思議はない。デフレ心理がなお根強いのは、不安がそれほど広がっていないからかもしれない。

 ■「財政との連携」と「財政への従属」の違い  
 もっとも、筆者も不安を全く持っていないわけではない。先ほど「今の日銀の政策には一応の期限がある」と書き、あえて「一応の」という言葉を入れたのも、 そのためである。日本の厳しい財政状況を考えれば、仮に2%物価目標の「安定的な持続」が実現できても、日銀が国債買い入れから手を引いたり、国債保有を 減らしたりできるかには不透明感がある。長期金利が跳ね上がるのを防ぐため、国債購入・保有を続けざるを得なくなる恐れもある。いわゆる「金融抑圧シナリ オ」だ。そうなればインフレが待っているかもしれない。
 政府が「大型」の経済対策を決めるのと足並みをそろえて、日銀が今回の政策会合で行動を起こすことにはそれなりの意味があるだろう。人々のデフレ心理の強さを考えれば、できるだけ効果的なタイミングを選んだ方がいいと日銀が考える可能性はある。
  ただし、「財政との連携」は「財政への従属」とは別物であるとしっかりと説明し、理解を得られなければ、追加緩和を実質的なヘリマネと受け止める空気が広 がるだろう。その方が、短期的には円安・株高を促す効果が大きいとする声もあるかもしれないが、長い目で見て日本経済にプラスかどうかは別問題である。
  最後に書いておきたいことがある。仮にヘリマネがインフレ心理に火をつければデフレ脱却実現の可能性が見えてくるが、最終的に高インフレを招いた場合には 人々にとって物価上昇の負担が重くなる点だ。いわゆるインフレタックス(通貨価値の下落による政府債務の実質的な圧縮)が課されるようであれば、中銀が供給したマネーが本質的な意味で「返済不要」だったのかに疑問も生じる。だからこそ筆者は念のためにカギカッコ付きで「返済不要」と書いているのだ。「タダほど高いものはない」という結果にならなければいいのだが、果たしてどうだろうか。  ≫(日経新聞電子版)


 ≪ コラム:ヘリマネは非現実的、失望の円高に要警戒=亀岡裕次氏
[東京 27日] - 対ドルで100円近辺まで円高が進んでいた為替が、7月11日に突如、円安へと切り返し、21日には107円台をつけた。最近の世界株高に示されるリスクオンの動きが円安をもたらした面もあるが、ヘリコプターマネー(ヘリマネ)政策導入の期待が浮上したことが円安に寄与した面も大きい。
 ヘリマネの提唱者であるバーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長が訪日し、11日に黒田東彦日銀総裁、12日に安倍晋三首相と会談したことが、きっかけとなった。 政府はヘリマネに関する具体的なやり取りはなかったとし、バーナンキ氏が金融政策と財政政策のポリシーミックスの必要性と、日銀には緩和手段がまだいろいろ存在すると指摘したことを明らかにした。
 政府はヘリマネを検討している事実はないとしたが、市場はヘリマネ導入の可能性をやや織り込んだ。 折しも与党が参院選に勝利した後で、政府がアベノミクス強化の姿勢を示し、大型経済対策が月内をめどに打ち出される見通しとなったうえ、28―29日に日銀金融政策決定会合が控えていることが、市場の憶測を強める原因となったようだ。
<ヘリマネ導入による円安リスクは制御不能>
  一部報道によれば、バーナンキ氏が4月に訪米した本田悦朗前内閣官房参与(現駐スイス大使)に対し、デフレ克服の最も強力な手段としてヘリマネに言及し、政府が市場性のない永久国債を発行、日銀が直接引き受ける手法などを選択肢の1つに挙げたとされる。
 また、政府と日銀が協定を結んで、日銀が市場で買い取った国債を半永久的に保有する一方で、政府が取り決めの範囲内で国債を発行するという方式も一部で報道されている。
 日銀が 国債を直接引き受けようと、別枠の基金や市場を経由して間接的に引き受けようと、いずれにせよ日銀が紙幣を増刷して財政支出を賄うことに変わりはない。政府が「永久に(あるいは半永久的に)債務返済の必要のない資金」を日銀から調達し、財政支出として市中にばらまくことになる。
 ヘリマネはこれまでとは違い、「実質的に資産の裏付けのない円」が出回り始めるようなものであるから、それがたとえ小規模であっても、円の信認が低下し、円は売られるだろう。また、財政規律の低下とみなされ、国債が格下げされたり、売られたりもするだろう。
  そもそも、ヘリマネの目的はどこにあるのだろうか。実質的に国の借金を増やさずに財政支出をすると、将来的な増税や社会保障削減への不安が後退して需要創出効果が高まり、デフレ克服に役立つからだろうか。それより、通貨安(円安)効果がデフレ克服に役立つからではないだろうか。
 ただし、ヘリマネ導入によってどの程度円安が進むのかは、事前にわからない。デフレ克服のための金融・財政の一体化策と言っても、円の信認と価値を低下させる政策に他ならないので、円安が大幅に進む可能性がある。
 当初は円安を背景に日本の株高が進むとしても、いずれ国債価格が下落(金利が上昇)して、株価や不動産価格にマイナス圧力がかかるだろう。また、円の価値が大幅に下落する見通しとなれば、海外勢が日本への投資を引き揚げて、円資産価格にマイナス圧力がかかる可能性もある。
  つまり、当局がコントロールできないような円安となれば、様々なリスクを伴うことになる。もし円安効果が小さければ、円安効果が大きくなるまでヘリマネの規模を拡大することにもなるだろう。
<狭まる追加緩和余地、円安効果は限定的>
  ヘリマネを導入した場合の円安効果は大きく、導入の可能性はゼロではないと市場がみているからこそ、円安が進んだはずだ。しかし、政府・日銀がヘリマネ導入に踏み切る可能性は非常に低い。
 すでに、黒田日銀総裁の「ヘリコプターマネーの必要も可能性もない」との発言などを受けて、円高に振れている。 一方、日銀が 7月の政策決定会合で追加緩和を行うとの市場の期待は強い。日銀当座預金のマイナス金利幅拡大は、民間銀行の収益悪化効果と市場金利低下効果が相殺し、円安効果は乏しいだろう。
 日銀が貸出支援基金から民間銀行に貸し出す金利にマイナスを適用した場合、銀行の利ざや縮小を抑えるものの、貸し出し規模が限定的なために金融緩和効果と円安効果もさほど大きくないとみられる。 また、国債買い入れ増額とマネタリーベースの増加ペースアップは、短期的に円安効果はあっても、量的緩和の終わりが近づくとの見方から中長期的には円高効果を持つはずだ。上場投資信託(ETF)などの買い入れ増額も、短期的に株高効果は望めても、世界的に市場がリスクオフに傾いてしまえば、効果は長続きしないだろう。
  上記緩和策を複数組み合わせて実行する可能性もあるが、資金需要が弱いなかで資金供給を増やしたり、市場金利を低下させたりしても、金融緩和効果は限られ、金融機関の運用金利と調達(預金等)金利の利ざや縮小が金融引き締め効果をもたらす。量的緩和の拡大余地が限られるとの見方は、強まることはあっても弱まることはないだろう。
  つまり、日銀金融政策に有効な追加緩和余地が十分に残っているとの期待は後退する方向にあるため、追加緩和をしても円安効果は限定的であり、金融緩和への期待変化が今後も次第に円高に作用していくとみられる。
 政府・日銀がヘリマネ導入に否定的な姿勢を示し続けた場合に一段と円高に振れる可能性と合わせて、円安よりも円高の進行を警戒すべきだろう。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。 (編集:麻生祐司) *本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。 ≫(ロイターコラム)


 「緩和でも株安」との悲観シナリオが市場関係者の間に根深く残っている。しかし、政府の財政政策を睨んで、歩調を合わせることが黒田総裁の就任の重責であることは確定的ファクトなので、何らかの追加緩和を行う可能性は残されている。麻生財務金融担当が、「2%の物価安定目標の実現に向けて引き続き最大限の努力を続けることを大いに期待している」と言っているのだから、幻想的インフレターゲット2%に向かっている同調圧力は、相当に強い。ロイターが伝えるところでは、≪ 最近の閣僚発言から日銀は量・質・金利の3次元で追加緩和に踏み切ると予想。「『政府は国内総生産(GDP)600兆円、日銀は2%の物価上昇をやり抜く』という趣旨の共同声明が出てくる可能性がある」≫と、矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト語っている。筆者も、大向こうを唸らせるのが大好きな役者の黒田のことだから、お茶濁し程度の、有効性がゼロに等しい緩和策を出してくるような気がする。

 しかし、その金融政策がお座なりなものであれば、市場関係者の間では、金融緩和アリが優勢なのだから、「期待は裏切られた」と受けとめる確率の方が高い。その瞬間から、市場は「失望売り」に転ずるだろう。最近の上昇相場においては、「ヘリコプターマネー論」や「返済無期限の永久国債の発行」など、禁じ手論が優勢になった時に起きている。しかし、黒田も、ヘリマネの選択はあり得ないと言っていたのだから、サプライズは安手の「お化け屋敷」の水準になり、「失望売り」の要素の方が優勢だ。

 こう考えると、都知事選用リップサービス発言と云う、前述の筆者の推測は外れているようだ。経済対策規模28兆円のふくらし粉発言が、小池、増田両睨み与党候補に有利に働く意味合いは薄れる。下手を打てば、魔の金曜日と云う惨状もあり得るわけで、やはり、幻想的経済成長、GDP600兆円達成に向けてと云う詐術的シナリオに拘泥するのだろう。現実的希望を失った人間は、案外、自虐的に自分の立場と逆さまな人に親密性を憶えたりするようだから、人間とは不思議なものだ。虐げられている人種ほど、より過酷な環境に向かって集団的に突き進む。理論上、あり得ないことが発生するのが、人間が営むゆえの社会、そう云うことかもしれない。

田中角栄を葬ったのは誰だ
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●“露中関係"牛歩の歩みだが 米大統領選後に正体を見せるのか

2016年07月28日 | 日記
中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書 490)
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●“露中関係"牛歩の歩みだが 米大統領選後に正体を見せるのか

 以下に参考引用するコラムは、『日本の若者は本当に「右傾化」しているか?無責任なレッテル貼りが「無用な対立」を生んでいる』は、興味あるタイトルにも関わらず、著者の主張がまったくもって語られていない駄作である。にもかかわらず、なぜ載せるのだと怒られるが、テーマが面白いので、コピーしたのだから載せておく。読み飛ばしても、支障のないコラムだ。筆者が感じる、“若者の右傾化論”は語るほどの水準の話ではないと認識している。限られた参加者による“メジャーもどきの言説作り”であり、実体として動く様子もない。右翼系の参加者の顔を眺めれば、滅多に自発的若者を目撃することはない。アルバイト動員が多く見受けられるのだから、自民党サポータークラブの領域に過ぎない。ただ、勘違いして、メジャーな右傾化と思われ、潮流が出来る危惧は残っているだろう。ゆえに、日本会議系の団体が、カネをかけて、メディア戦略を打つのだろう。


≪ 日本の若者は本当に「右傾化」しているか?
  無責任なレッテル貼りが「無用な対立」を生んでいる
■日本社会「右傾化」論の実像
・日本社会の「右傾化」「保守化」ということが言われて久しくなっています。
・例えばここ数年で、「ヘイトスピーチ」(憎悪扇動)や「レイシズム」(人種差別)が問題として採り上げられることが多くなりました。そのような動きを懸念して、2016年5月24日には、自民党や民進党などの賛成多数で「ヘイトスピーチ解消法」が成立しています。
・民族的、社会的マイノリティに対して扇動される憎悪について、政治を含めた日本社会全体で取り組んでいく、という姿勢が鮮明になってきています。
・保守派として知られる自民党の西田昌司議員も、この法案の成立に寄せて《ヘイトスピーチをする方は、ただちに国会が許さない(という意志を示し た)。ヘイトスピーチするなどという考えは、直ちに捨てて頂きたい》とコメントし、公明党の矢倉克夫議員も《まずはヘイトスピーチ、恐怖にかられている 方々にしっかり国の意志を示すことを早急にやらなければいけない》と述べています1。
・この法案には問題点がいくつか指摘されているものの、これを皮切りに、様々な社会階層に対する憎悪の扇動はいけないことだと考える必要があるでしょう。
・このように政治的な動きが整っていく一方で、他者に対する差別扇動はいまだに続いていると言わざるを得ないのが現状です。
・例えば「保守速報」などのような、我が国の民族的マイノリティや政治的な左派勢力、あるいは近隣諸国に対する攻撃や嘲笑の扇動を目的とした(と言わ ざるを得ない)まとめサイトが多くのPV(ページビュー)を集めるほか、「はちま寄稿」「ハムスター速報」などの主要なまとめサイトもまた同様の記事を掲載して支持を集めています(特に「ハムスター速報」に関しては、2012年に片山さつき議員が「ハム速を守ろう!」という発言をして話題になったことがある)。
・またツイッター上においては、左派勢力を嘲笑してリツイートやフォロワーを集める論客も少なくないように見えます。
・近年になって、日本社会の「右傾化」論はヘイトスピーチの解消などの具体的な社会の改善活動と繋がるようになってきました。
・しかし、それまで語られてきた「右傾化」については、その実像を捉え損ねたと言わざるを得ないというのが私の見立てです。そしてそれが、我が国のヘイトスピーチなどへの対策を遅らせてきたのではないか、とも思えます。
・今回は、「右傾化」論がどのように我が国の社会を捉え、そして捉え損ねてきたかについて見ていきたいと思います。
■「ぷちナショ」という出発点
・日本社会の「右傾化」について警鐘が鳴らされるきっかけになったのは、2002年に発行された香山リカの『ぷちナショナリズム症候群——若者たちの新ニッポン主義』(中公新書ラクレ、2002年)だというのがおおよその見方かと思います。
・この本は、2002年に日本と韓国の共催で行われたサッカーのワールドカップにおいて、若い世代が「ニッポン」を連呼するという現象に対し、それが過去に侵略戦争などを行ってきた我が国の歴史とは切り離された、「屈託のない」危険なナショナリズムの兆候なのではないかと論じたものです。
・同書においては、ワールドカップの他、当時ベストセラーとなっていた齋藤孝の『声に出して読みたい日本語』(草思社、2001年)などに見られるような日本語ブームなどのような若者文化と、当時の小泉純一郎政権における靖国神社参拝などの政治的な動きがオーバーラップされるように描かれています。
・この本が発売されたのは2002年9月。ワールドカップが開催されていたのが同年の5月から6月の間であることを考えると、実に早い出版であると言えます。
・翌年、香山は保守派の論客として知られる福田和也と『「愛国」問答——これは「ぷちナショナリズム」なのか』(中公新書ラクレ、2003年)を出したほか、ちくま新書からは『ぷちナショナリズム症候群』からの繋がりとなる『「私」の愛国心』『テレビの罠——コイズミ現象を読みとく』(それぞれ2004年、2006年)という政治関係の著書を上梓しました。『なぜ日本人は劣化したか』(講談社現代新書、2007年)や『劣化する日本人』(ベスト新書、2014年)などの社会関係の本でも若い世代の「右傾化」を述べています。
・また2015年12月には、『ぷちナショナリズム症候群』が『がちナショナリズム——「愛国者」たちの不安の正体』(ちくま新書、2015年)として再版されています。
■香山リカ、活躍の背景――雑誌から新書へ
・香山のこのような議論に対する批判については後述しますが、香山のこれらの議論が新書というメディアで行われたのは実に象徴的です。
・というのも、1990年代から2000年代にかけて、言論の方向性を決定づけるメディアが総合雑誌から新書に変わったとされているからです(なお、香山の新書メディアにおける発言については、拙著『「劣化言説の時代」のメディアと論客』で検証している2)。
・岡田章子(東海大学准教授/雑誌メディア研究)は、デフレ不況における消費者の意識の変化や、インターネットの普及による情報接触環境の変化により、論点を総合的に見せる総合雑誌から、一点集中型の新書に変化していったと指摘しています3。
・先月の私の文章(「マーケティング化する『若者論』の罪」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48919)で採り上げた三浦展は、この現在の新書ブーム、そして新書の普及による言論のアジェンダ・セッティングの変化を背景に伸張した論客の一人です。
・他にも新書メディアで日本社会の「劣化」を論じた論客は少なくありません。
・香山はそのようなメディア環境の中で、「若者(の心性)の専門家」として、日本社会の劣化言説(のみならず、社会批評から自己啓発に至るまで様々な言説。香山の新書での言論は実に多岐にわたる)を語り、また多産であったことも相まって、現代の言論のありかたそのものにフィットした論客として活躍できたと言っていいでしょう。
・香山によって引っ張られてきた「右傾化」論は、かなり長い期間、「若者論として」発展してきました。特にそれは、若い世代における「階層化」と絡めて論じられることが多くなっていったのです。
・例えば「女子供文化研究家」を自称する荷宮和子は、『若者はなぜ怒らなくなったのか——団塊と団塊ジュニアの溝』(中公新書ラクレ、2003年)などにおいて昨今の「右傾化」論やリベラル勢力の退潮が「決まってしまったものは仕方がない」という若い世代の心性の変化にあると指摘しました。
・2004年に長崎県佐世保市で起こった女子小学生による同級生殺傷事件に際して書かれた論考では、若い世代の
《「在日ではなく、女ではなく、低学歴ではないものの、しかし、低所得な人間」》による(とされる)ネット上の書き込みに注目し、《その種の意見を見かけるたびに、「戦争になったら強姦し放題 だぜ!」という彼らの声なき声が私には聞こえてくる》《だからこそ、こんな状況の中で「月刊現代」をわざわざ読んでいる、といった人たちには、「無教養な田舎者」が戦場に送られたときに何をしでかすかについての自覚と覚悟を、抱いておいてほしいと思うのである》と不信を扇動しています4。
・また金子勝は、2005年の衆議院議員総選挙(いわゆる「郵政選挙」)の結果について、同時期に発売された三浦の『下流社会』(光文社新書、2005年)と絡めてフリーターやニートに代表される「階層化した若者」が自民党を支持したと指摘5。
・吉武輝子や矢幡洋、千石保も2005年9月12日,13日付の東京新聞で当時首相であった小泉純一郎や自民党の戦術が「若者」的であったから勝ったのだという分析をしてみせましたし6、内田樹も、小泉の戦略は若い世代にアピールしたと述べました7。
・このような立場は、2005年の衆院選で自民党が取ったとされるメディア戦略、特に「B層」と呼ばれる、「IQ」が低く(ある広告代理店が自民党に 提示した資料での表現。2005年6月26日の「郵政民営化に関する特別委員会」における佐々木憲昭議員の指摘)、小泉改革に肯定的な層を動員することによって成功したのだという認識と見事に一致しています。
■「右傾化した若者」の自己肯定に使われる
・このように、左派の論客やメディアにおいては、香山による「ぷちナショナリズム」の「発見」から現在に至るまで、自分たちにとって都合の悪い政治的な動きは「若者」によるものであるというスタンスをとり続けたのです。
・2014年の東京都知事選挙や先般の参議院議員選挙においても、そのような態度をとる論客は見受けられまました。参院選では、若い世代において自民党への支持が高いという調査結果が報道されたとき、森達也が「いまの若い世代は同調圧力に流されやすくなっているために自民党を支持している」という通俗 的な認識に基づく議論を発表しました。
・左派がそのような態度をとり続けているとき、批判されている「右傾化した若者」は、「既存左派は階層化した我々を救済してくれない(ゆえに右傾化しているのだ)」と、左派の認識を逆に自己肯定に使うようになっています。
・例えば「ロストジェネレーション(ロスジェネ)」の代表的な論客である赤木智弘は左派の格差認識について、
《経済格差という現状の背景には、まず「富裕層」が存在し、その下に富裕層によって安定した役割を与えられている「安定労働層」がいて、さらに安定 労働層のために調整弁にされる「貧困労働層」が存在するという構図がある。左派はこの構図を自覚していないのか、結果として安定労働層と貧困労働層の間の格差を押し広げてしまっている。/こうした状況で、私は左派が想定する救済対象に「弱者であるはずの私」が含まれるとは決して思えない。いわば左派は「基本的な平等」をないがしろにしているのではないかとさえ感じてしまう》 と指摘しています8。
・しかし「左派が自分たち(若者)を救ってくれないこと」に拘泥することは、結果として世代間の対立を扇動することにしかならなかったと言わざるを得ません。
・このように、若者論によって主導されてきた「右傾化」論は、既存左派と「意識の高い」若い世代の論客の対立を扇動し、結果として「右傾化した若者」に絶好の言い訳を与えてしまったとしか言い様がないように思えます。
・ツイッターなどのネット上の論客においては「既存左派が若者を救ってくれないから自分たちは右傾化するのだ」という議論を繰り返して支持を集める論 客も多くいますが(なお先の参院選をはじめ、左派勢力の中には若い世代の貧困問題などに取り組む人も少なくなく、事実に反する)、「若者の右傾化」論こそがこのような態度を生んでしまったことは検討に値するでしょう。

■「若者の右傾化」論のズレと対策
・最後に、「若者の右傾化」論に対して向けられてきた批判を紹介します。
・例えば2002年に刊行された『ぷちナショナリズム症候群』をいち早く批判したのは、反権力のスキャンダリズムを掲げる雑誌『噂の眞相』のコラム「撃」でした。
・このコラムは《日本語ブームや朗読ブームの危うさを取り上げつつ、そこで検証されるべき歴史と目の前の現象とを切り離して屈託なくふるまうのが「ぷちナショナリスト」だと香山は言うのだが、他でもない香山自身の考察がまったく歴史性を欠いているのである。(略)社会的背景を考えるといっても、せいぜい数十年単位の世代論でしかない》と香山自身の分析の浅薄さを批判しました9。
・また鈴木謙介は月刊誌『世界』2005年7月号の寄稿で「右傾化」論の示す「右傾化」という議論の焦点が合っていないこと、実像としては「ネット私刑」による「左派的な形式による反左派的な主張」に近いと指摘10。
・樋口直人は右派系市民運動への参加者の中心は「貧困化した若者」ではなく正社員や自営業者などの中流の中年層が中心であると分析し11、 古谷経衡は2014年の東京都知事選挙において「20代が田母神俊雄候補を支持した」という指摘に対して、田母神の得票における20代の割合は全体として それほど多くなく(16%)、さらに2014年都知事選や朝日新聞の世論調査などから「右傾化」はあまり支持されないという結果を導出しています12。
・ネット上のヘイトスピーチの対策については、例えばツイッターに関して、高史明は、古典的、現代的レイシズム関連のツイートのおよそ2割〜2割半が、上位25のアカウントによって占められていると指摘しています13。
・インターネット上の「炎上」に参加したことのある人が、全体の2%程度に過ぎないこと14と絡めて考えると、問題は深刻であっても、現実的な対策は可能であることが示唆されます。
・若者の政治意識については、特にSEALDsに代表される左派系の若者の政治運動なども絡めて稿を改めて論じたいとは思いますが、長い間「若者論」として展開された「右傾化」論が、社会の実像を見誤らせ、若い世代への無用な対立を煽り、社会問題の解決を遅らせてきたことについては、今一度省察すべき です。

*後藤和智(ごとう・かずとも) 1984年生まれ、宮城県仙台市出身。 東北大学工学部卒業、同大学院工学研究科博士課程前期修了、修士(工学)。2004年に若者論を検証するブログを開設。 サークル「後藤和智事務所OffLine」としての活動は「コミックマーケット73」(2007年冬コミ)より。 現在は若者論研究のほか、同人誌では統計学や社会学の解説書、データジャーナリズムなども扱う。公式ブログ:
http://kazugoto.hatenablog.com/
 ≫(現代ビジネス>オトナの生活>後藤和智・賢者の知恵)


 今夜の本題は、『世界の厄介者、ロシアと中国に働く吸引力 牛歩ながら着実に進み始めた?"同盟関係"』の方だ。なるほど!と膝を叩くほど、中ロ関係の現状は判るコラムではない。筆者も、中ロ関係には非常に興味があるのだが、中露同盟的動きが、今ひとつ明確になっていないことへの疑問があった。W.C.氏のコラムが、正鵠を得ているとは言えないが、中ロ双方の現状認識の一面を理解させている。ロシアそのものは、米国のオバマ政権、ネオコン勢力から総攻撃を喰らい、必死の防戦戦争のまっただ中、屋台骨に危うさも出ている中国経済を抱えて、厄介事は、対米問題だけにしておきたい中国の立場も理解出来る。まあ、W.C.氏が、露中同盟の成立を嫌っている立場と云うことも念頭に入れながら読み解く方が良さそうだが(笑)。

 あそこまで、中国が南シナ海に拘泥する事情の真意は判らない面があるが、中国が手を出さないでいたら、アメリカの支配領域にされることが明々白々だったゆえに、確信的課題になってしまったのだろう。TPPと太平洋の軍事的支配権は、米国にとって、残された僅かなフロンティア地域であることから、触手を伸ばすのは、確実だった。その支配が確定的になることは、目と鼻のシナ海で展開されることは、看過できないファクトだったろう。EUがNATOで雁字搦めのジレンマに陥っているのを目撃している中国としては、顰蹙を買ってでも、暴挙に出る方法がベターだったと理解する。

 米大統領選の成り行きは、その二大政党制の根本から皹だらけで、四分五裂と表現しても良いほどの事態に至っている。中ロは、現状耐えきることが肝心だと考えているのだろう。アメリカ全体が、実は迷い児になっているのだから、いま、慌てふためくことはない。クリントンになるなら、現状の戦力を前進させればだけだし、トランプになった場合は、地政学上のモラトリアムに持ち込むことは可能だと考えているかもしれない。ハッキリしている事は、中ロ共に、「米国一国主義」は正しくないし、不愉快なのだ。まあ、今後の展開は、アメリカにどのようなホワイトハウスが出来るか、それ次第では、中ロ共に、自国経済の立て直しを本格的に手を着けたいと云うのが本音だろう。両国ともに、アメリカの裏に表に展開される内政干渉にウンザリしているのは確かだ。


≪ 世界の厄介者、ロシアと中国に働く吸引力
  牛歩ながら着実に進み始めた? "同盟関係"
 中国の傅瑩(Fu Ying)・全人代外事委員会主任委員が、米外交雑誌「Foreign Affairs」の1/2月号に「中国から見たロシア」と題した露中関係論を寄稿している。
 その結論から見ると、「米国の今の動きはアジアにとって危険である一方、中露には反米ブロックを形成するつもりなど毛頭ない」という米国向けのアピールが狙いだったようだ。
 中国の米国対策でロシアが出汁に使われた感がなきにしもあらずだが、露中関係は第三国を敵視することなく2国間の協力により互いの目標を達成し合って行くという、安定した戦略的パートナーシップであると誇らしげに説き、歴史を乗り越えてそのような関係構築に成功したことは、大国同士がどう平和裏 に共存できるかを示す好例である、とまで述べる。
 米国もこれに見倣ってほしい、というところだろう。それゆえ彼女に言わせれば、露中関係を否定的に捉える西側の互いに相反する2つの見方 - 露中両国の現在の関係は便宜上の結婚に過ぎず、いつかは破綻する運命にある、あるいは、戦略面や思想面で露中が反米・反西側同盟を形成する - はいずれ も的外れでしかない、ということになる。

 ■ロシアと中国で見識の差
 しかし、彼女は少なくとも1つだけ間違っている。両国関係を否定的とは言わずとも、彼女とは異なった目で見ているのは西側だけではない、ロシアの知識人やメディアも、なのだ。
 傅瑩の説くように、露中が同盟関係には立ち至っていない点には同意しつつ、カーネギー財団モスクワ・センター所長のD.トレーニンは今の露中関係を、「決して対立はしないが、常に同調とも限らない。露中の間の距離は近い、しかし近過ぎもしない」と表現する。
 そして、「中国と強固な同盟が作れなかったことは、ロシアの東進政策での失敗とは言えまい、なぜなら過度にロシアが中国に依存することを避け得たから」と付け加えることを忘れない。 
 こうした地政学的な観点は、物事を冷めた目で見るのが仕事だから、その種の表現がロシア側の対中熱気の薄れを表象、とまでは言えまい。それがあるとすれば、前回このコラムでも触れたように、両者の経済関係で、だろう。
 トレーニンの下で、カーネギー財団モスクワ・センターのアジア・太平洋方面部長を務めるA.ガブーエフは、ロシアが自国の投資環境の改善を果たさぬままに東進政策を加速し始め、それが世界の資源価格下落と中国の成長鈍化にぶつかってしまった不幸を指摘する。
 他のロシアの論者も、これらの要因で中国企業がエネルギー分野への投資に慎重になってしまったと嘆き、ロシア中銀は、中国経済の1%の減速がロシア経済の0.5%の減速をもたらすと弾く。
 昨年の露中貿易額は対前年比で約30%と大幅に減少し、ロシアは中国にとって16番目の貿易相手国でしかなくなってしまった。今年に入ってからも 1~4月で昨年同期の2.7%増に過ぎず、2020年で貿易総額2000億ドル達成の看板はまだ下ろしていないものの、ロシア政府高官からはこれに懐疑的な溜息が聞こえんばかりだ。
 貿易の減少は、それでもまだ短期的な話として片付ける余地があるかもしれない。しかし、中国の対露直接投資の額が昨年で5.6億ドルと、中国の対外直接投資全体の0.5%でしかないとかになると、ロシア側の失望感は否が応にも増してしまう。

 ■「中国経済が下り坂だから?」
 ならば、中国の対露直接投資残高が同じCIS内のカザフスタンに向けての額(2014年末で271億ドル、ユーラシア銀行の数値)の1/10強でしかない事実をどう説明できるのか?
 露中政府間委員会(双方のトップはI.シュヴァロフ/第一副首相、張高麗/第一副首相)が両国の共同投資案件として58件(総額500億ドル)を選択したものの、露紙によれば具体的に話が進んでいるのはその中でわずか12件(5件という説も)という牛歩。
 V.プーチン大統領自らが声を枯らして投資を呼び込む極東の先進特区では、案件総数166に対し、中国企業はその中の8件にしか参画しようとしていない。そして、金融分野では、在露の中国商銀子会社がすでに昨年の11~12月に資産を大きく減らした(中国銀行で45.3%減)と報じられる。
 こうなると、資源価格下落や中国経済の成長鈍化といった説明そのものまで、何やら胡散臭く見えてしまう。ロシアの失望感は、「中国にはロシアをその経済苦境から引っ張り上げる積りなどない、結局中国も融資などでは対露制裁の影響を恐れてしまう」といった評に行き着く。

 ■中国、ロシア経済を酷評
 だが、中国側にも言いたいことは山ほどある。昨年の12月に新華社のロシア語版は、ロシア経済はお先真っ暗、との論評を掲載した。その中でロシアは、経済戦略が行き詰まり、脱工業化と農業停滞の中で出口なきシステム危機に陥っている、と酷評される。
 こんな危ないところにどうして投資などできようか、だ。経済制裁を受ける身で、かつ通貨・ルーブルが大幅下落と来ては、投資を考える側のリスクは際限なく膨れ上がってしまう。
 より問題なのは、ロシアのD.メドベージェフ首相が訪中で李克強首相と経済協力拡大に向けた会談を行ったまさにその日(12月17日)に、この論評が公表されたことだろう。あからさまな中国側の意思表示とすら受け取れる。
 ロシアでは早速これに対して、露中経済関係の歩みの鈍さの原因をロシアに押し付けようとの意図だ、とかの指摘が出される。
 5月末にソチで行われた露中の経済会議では、双方から実務面での問題提起がなされ、中国側からはロシアの諸手続きでの官僚主義、特に労働許可取得の難しさが批判される。中国人は、そこにロシア官憲の対中警戒心を感じ取ってしまう。
 在露中国企業家連合の会頭は、別の場でロシア人を前にして、「君らは我々のカネを愛しても、我々を愛しているわけではないだろう」と言い放ったという。よほど日頃のフラストレーションが溜っていたようだ。
 冒頭に紹介した傅瑩は、中国からの移民問題や中央アジアが中国経済圏に飲み込まれてしまうことへロシアが懸念を持ち、そして中国も1800年代に 多くの領土をロシア帝国に奪われたことへのこだわりを持つ、という双方の問題が存在することを認めながら、それらが両者の関係を阻害するには至っていない と結論付ける。
 しかし、例えばウラジオストクがかつては中国の町であり、それがいつかは必ず中国に戻って来ると信じる向きが中国にはまだ多い、などとメディアが思い出したように書けば、それが気にならない方がおかしい。
 この点を意識してか、中国社会科学院ロシア・東欧・中央アジア研究所の李勇泉(Li Yongquan)教授は、極東での中国の拡張をロシアが懸念する限り投資流入はあり得ないと指摘する。ロシアが懸念するような材料など、実際にはない、がその趣旨だろう。
 中国の大学で働くロシアの女性学者は、「中国人の知るロシアとは、プーチン大統領とロシア美人だけ」とコメントしている。
 無知や無関心は、それはそれで問題だろうが、中国人の中にいれば、少なくとも彼らがロシアから目を離さず、近いうちに押しかけてきてその領土を持って行ってしまう、というわけでもない、と分かってくる。
 あれやこれやで露中両国民の相互理解がまだ十分ではなく、それが少なからず経済実務に支障を与えていることは、どうやら間違いないようだ。しかし、それは露中間に限った話でも別段なく、双方が付き合いの経験値を積んでいく中で、やがて時が解決してくれる部分もあると考えれば、悲観ばかりに暮れる必要もないのだろう。

■大局観と抽象化が十八番のロシア
 経済外交の分野で東進政策や対中接近が必ずしも円滑に進んでいないなら、何がロシアの根本問題なのかをロシアの論者は突き詰める。この種の大局観にあふれ、そして時には抽象化が独り歩きする分析はロシア人の十八番だ。
 ガブーエフは、東進=対中接近が、が単に反西側の反射なのか、それともそれ自体に意味があるものなのか、についてロシアが結論を出せていないことが問題だと述べる(腰が座っていないという意味では、ロシアが本気で東に向かうのかに半信半疑の中国も同様)。
 似たような趣旨を、外交雑誌編集長のF.ルキヤーノフも述べている(参照1、2)。
●ソ連崩壊以降の世界の状況は、崩壊前後のソ連・ロシアの指導層の誰もが考えもしなかった形で進んでおり、ロシアはその中で一種の自己喪失(Identity crisis)に陥っている。
●「絹の道」への中国の膨大なインフラ投資はロシアへの挑戦でもあるが、同時にロシアに参画の機会も与えるはず。だが、その中でどう自分を位置付けるかがまだ決まっていない。
●ロシアは西側への従属を拒絶するが、だからといって東方で諸々での指導的立場に立てるわけでもない。従って、その存在を発揮することも叶わないという中途半端な状態に置かれている。
 トレーニンも、ロシアにアジアに向けた戦略と呼べるものはなく、あるのは「de facto」戦略、すなわち国ごとの個別の関係だけ、と切って捨てる。プーチンの次元で、ロシアを世界的な存在とすることや、東シベリア/極東の経済を発展させ、アジア・太平洋地域での主要プレーヤーとなることが目標となってはいても、それに見合った戦略に落とし込まれてはいないということになる。
 要は何が理由であろうと、戦略不在ということなのだ。そうさせているのは、自分はこうだと他国に自信をもって主張できる何かがロシアに欠けているからなのだろう。
 その欠けているものとは恐らく、まずは経済力、そしてさらには自国への自信そのものの礎となるはずの国の一体性ではないのか。プーチンがある日突然いなくなってしまったならロシアは空中分解か、などと怯えるようでは一体性も何もあったものではない。
 だから多くの論者は、経済外交をやるならとにもかくにも自国の経済状況を改善せよ、相手が中国であろうとなかろうと、ロシアの投資環境を改善せよ、と主張する。
 また、ガブーエフやルキヤーノフは、ロシアの思考回路での問題点を以下のように衝く(参照1、2) ●偉大なロシアがアジアで単なる原料供給国であってはならない、といったロシアの確信(命題)が物事の進展を阻害している。
 ●経済力で中国の弟分になりたくはない、と言うが、中国がもし1970年代以降の対米関係で弟分に成り下がることを単なる感情論で拒んでいたなら、今の中国経済の奇蹟はなかっただろう。
●欧州もロシアに比べてはるかに経済規模は大きいが、彼らに弟分とはみなされてはいないではないか。

 ■同盟関係には程遠い
 トレーニンの“地政学的”な分野に立ち返ると、露中が将来的に同盟関係にまで進むかどうかが議論される。
 彼の論に従えば、2014年からロシアの東進政策と対中接近が喧伝されたものの、これまでのその実態は、トップ同士の相互理解進展、中国企業のロ シアの資源へアクセス拡大、ロシアによる人民解放軍への最新兵器供与、中国と欧州を結ぶ交通路確立でのロシア内インフラの利用、といった程度に終わってお り、同盟関係には程遠い。
 彼や他の多くの論者が述べるように同盟関係が成り立っていないとなれば、それはなぜか、となる。その答えには、両者間に信頼が欠如しているから、 といった厳しい発言(前駐露大使・李輝(Li Hui))や両者の経済力格差、それに中国がロシアを基本的にはアジアではなく欧州の国家とみなし、それゆえに自分がコントロールできる相手でもないと思っているから、などが出されている。
 李勇泉は、どうやらロシアが本気で東に向かっているとはあまり信じられないようで、その東進政策の意味は、せいぜいが中国の存在によるロシアのエ ネルギー資源輸出多岐化の実現、と述べている。これに対して、欧州国家であることが理由でロシアとの距離があると中国が見るなら、中国はGeo- economic playerではあっても、まだGeo-political playerではない、とトレーニンは評する。
 傅瑩もそうだが、ロシア外交評議会・アジア太平洋地域プログラム担当のL.ヴィクトローノヴァは、必要がないから同盟関係に立たないだけで、もしその必要が生じるなら2001年締結の「露中善隣協力条約」で対処可能と説く(同条約第9条 では、一方が第三国から脅威を受けた際の協議条項が規定されている)。
 できないのではなくその必要がないから、とは、俗世間でも負け惜しみで使われることが多い説明のような気もするが、自分を犠牲にしても相手のため に、が国際政治の場では夢物語にすらならない現実を踏まえれば、露中間で同盟が成るかどうか、という問いは、当の露中よりも、この2カ国に同盟を組まれたなら不都合と思う他国の詮索の産物なのかもしれない。
 それでも、対米・対西側への出方でのこれまでの両国の差が、鉄の同盟には至らない理由であったことも事実だろう。中国が主として経済でのつながりの面から、ロシアほどには米国や西側との対立を求めてはいない、とは多くのロシアの論者も認めてきた。
 米露間の冷戦思考継続に中国は驚くのみ、と書く傅瑩は、ウクライナ問題で中国は、旧ソ連内でのロシアと他国との歴史的な関係を考慮しても、同国の 独立・主権・領土の一体を尊重すべき、しかし、西側の教唆で発生したカラー革命やNATO(北大西洋条約機構)の東進には疑問を呈さざるを得ない、という 中国の姿勢を鮮明に述べている。
 国内にウイグルや民主化といった問題を抱える以上、それらを後押しするような動きや概念は、それが米露にどう関わる話であろうと片っ端から否定していくしかない。
 EUやTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への対応でも両者に差が見られる。そして、中国が「一帯一路」や「絹の道」構想を推し進める中央アジアも、露中関係が微妙な地域ということになる。
 ロシアは「絹の道」への参画に2014年までは前向きではなかったし、これに安全保障問題にも関係する上海機構が絡んでくると、即座に中国と手に手を取って、というわけにはいかなくなる。

 ■度重なる首脳会談
 そのため、この6月にウズベキスタンで行われた上海機構首脳会議が「絹の道」と上海機構の連結という点では大した成果を挙げなかったことに、ロシアは内心では安堵していると、オスロの国際平和研究所上級研究員・P.バーエフは分析している。
 こうした第三国への対応で、露中は今後接近していけるのだろうか。
 プーチンはこの6月にタシケント、北京と場所を変えて2度も続けて習近平と会談した。それにしては具体的な大型契約の新たな締結発表などがなく、ロシア側の失望も買ったのだが、今回はどうやら習近平の方がプーチンを無理矢理にでも北京に呼び込んだようだ。
 WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)は、中国が南シナ海関連でロシアを味方にせねばならない立場に追い込まれたとして、ウクライナ問題で中国が取った対応(制裁に加わらず、批判せず)と同じようにロシアが南シナ海問題で行動することを習近平が強く期待している、との観測を報じる。
 南シナ海を巡る対米・対隣国の関係が緊張する中で、仲間は1人でも多い方がいい。そして9月の杭州でのG20サミットでは、中国の株を上げるためにプーチンにも一役買ってもらわねばならない・・・。最近開催されたASEAN(東南アジア諸国連合)外相会議での中国外相のなりふり構わぬ動きを見れば、習近平がそう考えていることも容易に察しが付く。
 ロシア外務省は、公式には南シナ海での問題に対し中立の姿勢を崩してはいないが、従来に比べれば中国の肩を持つ姿勢が目立つようになる。ならば、これが首脳会談で中国側が得た最大の成果だろう。
 トレーニンは、露中間の経済関係は実利主義に基づき政治は絡まない、と断じているが、バーエフは、ロシアの南シナ海問題での協力への見返りに、ヤマールLNGへの中国からの融資120億ドルを習近平が認めた、と見る。これが“プーチンの案件”だからである。
 大西洋評議会の上級研究員・S.ブランクはつとに、「露中関係がしょせんは便宜的関係に終わる」という米国に多い見方が、中国がロシアを引き留めるために譲歩したり、ロシアも対中関係維持のために第三国との関係悪化も辞さない行動に出ている、といった最近の露中接近を見逃している、と指摘している。   物事は既成概念を超えて動き出しているのかもしれない。そして、それが南シナ海の問題のみならず、千島列島でのロシア軍基地建設や、韓国へのTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備にまでつながっているのなら、日本にとっても露中関係は他人事ではなくなる。
 もっとも、ロシアでは外交政策で指導層の意見がまとまり切っているわけでもなく、中国も対米で今のところは手一杯の状態、そして何より米国の次期 大統領がどのような外交政策に乗り出してくるのか予断を許さない以上、露中関係に当面は大きな変化はないだろう - そうロシア科学アカデミー・極東研究 所のV.カーシンは予測する。 
 動きがない、に越したことはない。それが米国の新政権が発足する来年の1月までの話でしかなくとも。  ≫(JBpress>国際>コラム:W.C.大手商社ロシア担当匿名)

アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!
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サイゾー


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●米大統領選、トランプに一票! 国民は考える機会に遭遇する

2016年07月27日 | 日記
属国民主主義論
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東洋経済新報社


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●米大統領選、トランプに一票! 国民は考える機会に遭遇する

 自ら変わることが出来そうもない「日本」と云う国は、海外の圧力によって、変ってゆくしかないだろうかと思う昨今だ。いや、明治維新以降、「日本」は、おそらく、その繰り返しだったのだろう。鎌倉、室町、江戸と幕藩政治の時代が、「日本」の最高到達点であった感慨すらあるわけだ。参議院選の結果を見ても、都知事選の状況をみても、変ろうと云う、自意識が国民の側にない雰囲気が充満しており、理論的に、その将来的リスクを説明しても、至るべき結果を見た上で、何となくの「空気」が次のフェーズを、何となく創ってくれるだろう。おそらく、今後50年以上、その傾向は変らないと確信すらしてしまう。

 情けない状況だが、それが明治以降の日本の中枢の意志であり、国民は、鬼畜米英と叫びながら、天皇陛下か、鬼畜米英が、国民を解放し、救い出してくれると、何の根拠もなく感じていたのだろう。それ程、自意識と云うものが欠落した民族なのである。ただ、筆者は、そのことを、非難もしない、自虐する気もない。世界一長い期間、国家であり続けた「日本」と云う国は、“犬が西向きゃ尾は東”当然のことを当然と受けとめ、四季折々の風情や過酷を、それなりに受け入れてしまう、自然国家独特の特性を持っている。さらに、島国であり、大陸の権力闘争からも、一歩引く独自のポジションを、地政学上与えられてきた。

 しかし、日本人の自然任せ、運任せの、或る意味で、最も美しく、争うことを是としない文化は、欧米文化が謂うところの、考える葦と云った国の動かし方とは異なる思考経路で動く傾向がある。ゆえに、欧米民主主義を持ち込み、選択の自由を与えても、その選択は、あるがままを好むことに、概ね収れんされる。自民党、民進党どちらが政権を取ろうが、第二次大戦後の日本の政権が、向いている方向は、太平洋の彼方の東を向いている。明治大正昭和においては、欧米諸国のあちらこちらを向いていたが、いまや、悪女の深情けと云う言葉がピッタリなほどアメリカ様を見つめている飼い犬だ。

 国民の国政における興味も、地方自治体に対する興味も、所詮、「生活に関わること」のみが興味の対象で、リアリティーを持って、民主主義とか、国の将来とか、憲法論や外交軍事など、興味の埒外にある。象徴化した天皇の権力が、アメリカ様に移ったのだなと云う程度の感想であり、感慨のレベルでもない。しかし、それで、上手く国が回っているのだから、「別に?」と云うのが現実だろう。どれほど、外で、政治論や社会問題を論じたとして、根っこには、権力が、実はアメリカ様に握られている現実を自然現象のように受け入れてしまうのが、日本人なのである。

 であるならば、日本の政治家も、官僚も、企業人も、国民も、興味を持つべきは“米大統領選挙”に収斂されて然るべきだ。しかし、景気だ、社会保障だ、子育てだ、消費税の数パーセント方が需要だと言い募るのである。参院選が、都知事選が……。以前にも書いたが、グローバル世界、グローバル経済と慣用句のように日常生活で使いながら、何ちゅうことはない、世界の傾向には無頓着なのだ。まあ、”ゆで蛙”になっても構わないから、自己判断で、自分の生き様が大きく変わることが嫌いなのだろう。他力で、酷くなっても、文句は言うが、それではどうしようと、自発的に動くことはしない。

 その国民性を、何度も言うが、悪いとは思っていない。自然に寄り添って生きてきた縄文人そのもであり、日本人の原点なのだから、そう云う生き方も、潔しと考えている。まあ、このように考えると、「日本」が他力の強い影響を受けて、無意識的に変わることが起きる以外、変り様はない。たまたま、筆者個人は、現状であれば、アメリカの選択に影響を受ける「日本」であるなら、既得権益の方向性を原則踏襲するクリントンでは、単なるリピート権力に縛られるだけで、安全だが、ワクワクドキドキの時を過ごせない。

 その意味では、まったくの未知数だが、ドナルド・トランプへの期待が大きい。未知数よりも毒がありそうだが(笑)。無論、日本の既得権益グループは、こぞって変りたくないのだから、ヒラリー・クリントン候補の応援だろうが、他力本願で構わないので、チェンジが欲しい。最低でも、日本人が今後とも「民主国家」として、世界の立ち位置を決めたいのであれば、生活感一辺倒から、デモクラシー的思考の世界に一歩踏み出すキッカケが欲しい。そもそも我々は、とデカンショな時間を持って貰いたいものである。トランプが大統領になれば、危機的状況も生まれるかもしれないが、喉もとに匕首を突きつけられるのだから、多少は考えるだろう。いや、それでも考えないかもしれない……。

縄文人に学ぶ (新潮新書)
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●“ポケモンGO”が教えてくれた! 「監視社会」&開発企業とCIA

2016年07月26日 | 日記
大村智ものがたり~苦しい道こそ楽しい人生
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毎日新聞出版


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●“ポケモンGO”が教えてくれた! 「監視社会」&開発企業とCIA

 “ポケモンGO”は面白そうなゲームだと思った。昨日、多くの人に遅れること一日、筆者もダウンロードした。しかし、家の中で起動させてみて、なんか奇妙な感覚があった。技術的なことは一切判らないが、嫌な予感がした。そう云うことで、筆者はアプリをアンインストールした。まあ、アンインストールしても、一定範囲は覗かれてしまっている。まあ、その辺は、スマホ生活をしている以上、SNS等々を通じて、既に下着レベルまで脱がされているわけだから、諦めるほかはない。

 筆者が、自分が「監視カメラ」に変身したような気分になったことが問題だ。最近の犯罪検挙のニュースなどを見聞きしていると、街角や店舗などに据え付けられた監視カメラ。或いは、マンションのエントランス、通路、駐車場等々に据えられた監視カメラが犯人検挙の最有力情報源として重要視されていることは理解していた。

 たしかに、監視カメラの有効性は認めよう。時代と共に、警察の捜査手法が変わって行くことも認めよう。監視カメラ一辺倒の捜査手段しかなくなるようなことのないよう祈りつつだが、捜査がデジタル化されることで、誤認逮捕は減るかもしれないが、平凡な容姿だったがゆえに、姿かたちが似ていて、素行が怪しいというだけで、任意同行を求められるような事態もあり得るわけで、一概に悦ばしいことだと手放しで「監視カメラ社会」を歓迎するのも、如何かと思う今日この頃だ。

 公式ページを読んでも、何だかチンプンカンプンだ(笑)。早い話が、ゲームに参加し、ゲームを起動すると、GPS機能によって、身の回りや移動している場所にポケモンが出没する。出没するとスマートフォンが振動して、ポケモンがいるよと知らせてくれる。
≪ マップ上に現れたポケモンをタップすると、ポケモンと遭遇。画面を通して、実際の風景の上に現れたポケモンに、画面上のモンスターボールをスワイプして投げると、捕まえることができます。慎重に、でも早く捕まえないと、逃げられてしまう≫(ガイドより抜粋)
≪ ポケモンを捕まえるために使うモンスターボールは、マップ上に現れる『ポケストップ』と呼ばれる、特定の場所で手に入れることができます。『ポケストッ プ』ではモンスターボールのほか、さまざまな道具が手に入ります。せっかくポケモンに遭遇できても、モンスターボールがなくて捕まえられない! ということがないように、多くの『ポケストップ』に立ち寄って、モンスターボールをたくさん手に入れておこう。 『ポケストップ』は、世界中のあらゆる場所にあります。名所旧跡や有名なモニュメントなどはもちろん、普段気にしていなかった身近なあの場所も、実は『ポケストップ』かも?≫(公式ガイド抜粋)

 ≪「Pokémon GO」,フィールドテスト実施に先駆けて基本的な遊び方が公開。
ゲームの雰囲気が伝わってくる最新のスクリーンショットは必見  ポケモンは,Nianticと共同開発しているスマートフォンアプリ「Pokémon GO」(iOS / Android)の最新情報を,2016年3月下旬に開始予定のフィールドテストに先駆けて公開した。  こちらの記事でお伝えしたとおり,本作はスマートフォンの位置情報を利用し,現実世界でポケモンを探したり,捕まえたりできるタイトルだ。
 今回は遊び方について紹介しよう。ゲームを起動中にポケモンが自分の近くに現れると,スマホが振動して通知してくれる。遭遇するにはマップ上に現れたポケモンをタップすればよく,ゲーム内でモンスターボールをスワイプ操作で投げると捕まえられるという。ユーザーインタフェースやマップを確認できるスクリーンショットも公開されたので,合わせて掲載しよう。
 ちなみにプレスリリースによると,湖や海の近くなら“みずタイプのポケモン”に出会えるかもしれないとのこと。
 ほかにも,マップ上に現れる「ポケストップ」でモンスターボールや道具を入手できたり,「ポケモンのタマゴ」を孵化させるには,たくさん歩かなければならなかったりと,基礎的な情報も公開された。
 また,ポケモントレーナーのレベルが上がると,3種類あるチームの中から,いずれか1つに参加するよう要請され,マップ上に現れるジムに所属できるようになる。同じチームに所属するプレイヤーと一緒にジムを守る,協力プレイの要素も盛り込まれるとのことだ。  ≫(4Gamer.net)

■公式サイト: http://www.pokemongo.jp/howto/get/


 結局、GPS機能とカメラ機能が連動しているゲームと云うことだ。つまり、そのユーザー自身の行動範囲や日時特定でプライバシーが、どこかの誰かに把握されている可能性があると云うこと。技術的には問題なく可能なようだ。まあ、この点は、プライバシーなんて知ったことかと云う人々もいるので、一概に危ないよとか、余計なお世話だ。ただ、カメラ機能は、ユーザーの行った場所をリアルタイムに映し出すわけだから、予期しない形だが、周辺の景色から、周辺の人々まで映し出されるリスクが存在する。つまり、映し出された第三者が、何らかの意味で重要な人物である場合もあるし、浮気現場が映されていることもあり得る。

 つまり、意図せず、他人のプライバシーを侵害する怖れがあるわけだ。と云うことは、そのデーターをビッグデータとして利用することは、現在の技術で充分可能と云うことになる。このことを総合的に考えると、“ポケモンGO”を起動して、遊べば遊ぶほど、どこかの誰かに、リアルタイムで情報を提供していると云うことになる。このゲームのクラウド側に、最低でも情報は流れるので、そのデータが、如何様に使われるかは、もう、ユーザーの守備範囲から離れてしまう。このゲームをすることは、自分自身を監視する「監視カメラ」であり、且つ他人をも監視する「監視カメラ」になり得ると云うことだ。こう云う仕掛けなので、筆者は、俺が「監視カメラ」に変身すると感じたわけである。

 以下は、各種情報源の見出しだ。様々な情報をランダムに掲載しておくが、これら記事を記憶しておくと、“ポケモンGO”が、驚くべき個人及び社会の情報源になってしまうかが理解出来る。賢明な読者は、この見出しの参考URLを、別途読まれることをお薦めする。時間の関係で、記事の引用は割愛する。ただ、幾つか、筆者と同様に、「監視社会用監視カメラ」であると警鐘を鳴らしているものは、記事も引用しておく。


 ≪ オリバー・ストーン監督、ポケモンGO現象に「全体主義」を危惧
【7月22日 AFP】映画監督のオリバー・ストーン(Oliver Stone)氏(69)が21日、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」の世界的なブームについて、全体主義に導かれ得る「新たな段階の侵略」と表現した。
 ストーン監督は、米サンディエゴ(San Diego)で開催中の「コミックコン(Comic-Con)2016」初日、米国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者をモデルにした同監督の新作映画の討論会で、「ポケモンGO」は「監視資本主義」のより大きな文化の一環だと述べた。
 さらに、「これは、史上最も成長スピードの速いビジネスだ。彼らは巨額の資金を、監視活動、つまりはデータマイニングに投じている」としながら、 「この部屋にいるすべての人に対し、何を買ったか、好きなものは何か、そしてとりわけ日頃の行動についての情報を収集・分析している」と指摘した。
 位置情報に基づく拡張現実ゲームの「ポケモンGO」をめぐっては、今月初めのリリース以降、世界的な大ブームを巻き起こしている。だが、グーグル(Google)の閲覧履歴やEメールへのアクセスなどが要求されるとして、一部では批判も起きている。
 アカデミー賞3度受賞の経歴を持つ同ストーン監督は、「ポケモンGO」は監視文化の「始まり」で、それが「至るところ」にあると述べ、「これは、一部で監視資本主義と呼ばれており、その新たな段階にある」とした。
 また、「率直に言って、そこにあるのは新しい形態のロボット社会だ。そこでは、皆さんがどのように行動したがっているのかが把握され、その行動に合わせたモックアップが用意・提供される。いわゆる全体主義というものだ」と警鐘をならした。 ≫(AFP(c)AFP)


≪ポケモンGOに米の陰謀論 ロシア、国内配信禁止要求も
【モスクワ共同】米国などで大ヒットしているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」について、ロシアでは「米国の特殊機関がスパイ活動のために開発した」と見なし、国家の安全保障を揺るがす恐れがある“陰謀”だとして、禁止を求める動きが出ている。
 20日のインタファクス通信によると、ロシア下院の共産党議員は、ポケモンGOが最先端の戦争で米国を利するために使われ、利用者のスマートフォンの撮影情報がスパイに悪用され得ると主張。連邦保安局(FSB)に対し、国内配信を禁止するよう文書で要求した。 ≫(東京新聞)

★「ポケモンGO」個人情報に注意を(NHK) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160722/k10010604901000.html

★“ポケモンGO”は単なる監視装置ではない~壮大な洗脳実験プロジェクトの可能性!(WANTONのブログ)
http://ameblo.jp/64152966/entry-12183266690.html

★「ポケモンGO」は“全人類奴隷化”への監視装置である可能性。ルーツを辿ると…(mixiみんなの日記)
 http://open.mixi.jp/user/14949337/diary/1954345006

★モスクワではポケモンの代わりにチャイコフスキーとガガーリンを捕まえる(テスト)(スプートニク日本)
http://jp.sputniknews.com/russia/20160725/2553467.html

★スマート化する監視カメラ(ヤフーニュース>個人>小林啓倫) http://bylines.news.yahoo.co.jp/kobayashiakihito/20121017-00022112/

★低解像度の監視カメラ映像から個人特定を可能に(RBB TODAY) http://www.rbbtoday.com/article/2016/03/08/140345.html

★Pokémon Goは日本製のゲームではない? 開発元のNiantic LabsはGoogle子会社 http://business.newsln.jp/news/201607141315520000.html


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●ロシア・ドーピング騒動 IOC、米国の陰謀工作から距離

2016年07月25日 | 日記


戦争中の暮しの記録―保存版
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●ロシア・ドーピング騒動 IOC、米国の陰謀工作から距離

 正直、今回の一連のロシア国ぐるみのドーピング疑惑と云うか、「」つき「国際社会」のメディアが決めつけるように報道する姿勢を見ていて、嫌な感じがしていた。まあ、ロシアも中国も、手かえ品かえ、選手の機能向上を目指して、あらゆる分野で、あらゆる努力をしているのは事実だろう。このことは、何も中露に限定されている話ではなく、アメリカでも中南米、アフリカ、ヨーロッパでも、それなりに実行されていると認識する。

 問題は、どうして、ロシアが特別待遇で突出した騒ぎになったのか、その地政学的外交軍事問題を背景に、ドーピング疑惑問題をあらためて検証した時、一定の同調圧力が西側諸国に存在する。“ドーピング=悪=中露”と云った構図だ。このような構図は、単なる妄想なわけではない。こう云う問題にまで、米オバマ政権が、政治的ウィングを拡大しようとしている政治的要因、疑惑が多過ぎる現実を見据えた上のことである。順不同になるが、米国が、ロシア及びプーチン憎しで、政治外交軍事に動いている傍証や状況証拠は、山のように存在する。

1、大国として、米国が突出したヘゲモニーを有する国家であることが、絶対的ではなくなっていた。

2、BRICSの抬頭を通じて、相対的に、より一層米国の覇権国としてもプレゼンスが脆弱化した。

3、その結果、中国・習近平、ロシア・プーチン、ブラジル・ルセフ等の「反一国主義」(アメリカ主義)への、反米意識が抬頭。

4、市場原理から起きたことか、或いは意図的に計画されたことか明確ではないが、世界市場において、世界的経済減速を理由に、原油や鉱物資源の価格が急落した。

5、ロシアやサウジアラビアも資源価格低下で、国力を低下させたが、特に、資源中心で抬頭したブラジルの二代にわたる左傾化は、アメリカの地続き南米であり、CIAの工作が効果的なことから、ブラジル左傾化の波を阻止する流れが、アメリカを中心に起きた。結果、ルセフ大統領は、180日間の大統領権限停止と云う意味不明な判決を受けている。まもなく始まるリオ五輪にも、経済的、治安的問題で世界的不安が共有されるに至っている。

6、BRICS、中国の経済減速も加速度的だ。ブラジルは概ねくたばった。米一国主義の継続は可能だ。しかし、アメリカ政府及びオバマ大統領にとって、戦後の世界を二分する形で対峙していた、ロシア(ソ連邦)と云う国家は、EUや日豪のヘタレとは異なり、衰えたとは謂えども、アメリカの思い通りに世界をハンドリングすることを許容しない。

7、ロシアのナショナリズムを見くびっていたアメリカは、政治的に国民の強い支持を背景にしたプーチン大統領に、ありとあらゆる世界をハンドリングする政治的軍事的行動を阻止されていた。特に、プーチンが大統領として実権を握って以降、オバマの前に、常にプーチンが立塞がっていた。このことは、米国にとって不都合なプーチンであると同時に、それ以上に、オバマ大統領にとって、不快極まりない政治的ライバル化してしまった。オバマにしてみると、常に世界で注目されるリーダーにプーチンが選ばれ、オバマは数回選ばれた状況に、あきらかに嫉妬している。

8、アフガン、イラン、イラク、リビア、エジプト、ウクライナ、シリア…。アメリカ諜報の行動を厳しく監視していたのがロシアだ。そして、その悉くにおいて、阻止、乃至は工作失敗に導いている。個人的には、アメリカの自由主義への国体の転換を標榜した「内政干渉」をロシア(プーチン)は阻止していた。現状認識だけでも、イラン、エジプト、ウクライナ、シリアは、アメリカ一国主義に同調する気配は遠ざかりつつある。最近では、トルコ・エルドアン大統領までが、反NATO、親露方向に動いている。

9、ウクライナにおけるクーデターにおいて、ヌーランド国務次官補ユーラシア担当が、ウクライナ野党の指導者を支援し、彼ら及びウクライナ国内のNPO,NGO等々に日本円で1兆円の資金を投入していた。(事実確認されている)そのような経緯でウクライナクーデターはヤヌコビッチ元大統領は命からがらロシアに亡命した。しかし、このオバマ政権の計画を察知していたロシア・プーチン政権は電光石火で、ロシア帝国の領地であったクリミア地域を、民意を背景に統合した。その上、ウクライナ南東部では、未だにウクライナ政府の行政権が及ばない独立運動の最中で、オバマ政権は、騒乱罪的行動への締め括りが出来ない事態に至っている。

 バラク・オバマの世界に君臨する世界を、ウラジミール・プーチンは、悉く邪魔と云うか、世界支配を阻止し続けた。「」つき「国際社会」に同調圧力をかけ、ロシアに対しては赤裸々な「経済制裁」を実行し、ロシア経済をズタズタにした。いまでも、ロシア経済はズタズタのままだろう。しかし、プーチンの権力は凋落するどころか、さらに盤石さを見せ、窮乏に堪えてでも、ナショナリズムが大切と云う、ロシア国民からの絶対の支持を得ている。記憶では、支持率は80%超えている。現在のオバマの支持率はルーズベルト以降の大統領では、したから三番目だ。トルーマン、カーターの次に低く、50%を切っている。あのイラク戦争ブッシュよりも低いのである。

10、NSA(国家安全保障局)による、同盟国である国々の政治リーダーや企業の情報を盗聴していた事実を暴露し、世界的センセーションを巻き起こした、エドワード・ジョセフ・スノーデン氏の亡命を引き受けたのも、ロシア・プーチンである。ウィキリークスとはニアンスが異なるが、米国にとって、爆弾の機雷を握られている苛立ちのなかにある。このことへの報復云々ではないが、ロシア陸上界の組織的ドーピング問題を告発した中距離のユリア・ステパノワ選手と、夫でモスクワの検査機関に勤務していたビタリー氏が、カナダに政治亡命を申請したようだ。また、元ドーピング検査機関所長のグリゴリー・ロドチェンコフ氏は早々と米国に亡命しているようだ。上記三名は、ロシア政府に命を狙われていると云う亡命理由のようだが、米国務省の工作で、10億ドルと、亡命保証の下、話をまことしやかに告発した可能性も充分にある。俺も、誘われたら乗りそうな条件だ(笑)。

 ざっと記憶帳をひも解いてみても、米国オバマ政権が、どれ程国家としての行動を阻害されたか、オバマ個人のメンツもどれ程潰されてきたか、それを考えると、今回のドーピング問題の根っこには、国際政治上の米露の戦いと、オバマとプーチンの闘争と云う個人的恩讐の臭いさえしてしてしまう。以下に、今回の騒動の、一応の顛末記を、ランダムに参考掲載しておく。


 ≪ 【IOC】  露、リオ排除せず 各競技団体判断
【モスクワ杉尾直哉】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、電話による緊急理事会を開き、国ぐるみのドーピング(禁止薬物使用)が指摘されているロシアをリオデジャネイロ五輪(8月5日開幕)から全面排除しないことを決めた。個々のロシア選手の出場可否の判断は、各競技の国際競技団体に委ね、IOCとしての判断は避けた。 陸上参加は困難か  過去にドーピング違反で資格停止処分を受けた経歴がある選手や、国際競技団体が出場資格を十分に満たしていないと判断した選手は出場を認められない。
 タス通信によると、ロシア・オリンピック委員会は25日に緊急役員会を開き、「反ドーピング独立委員会」を設置する。プーチン大統領が22日に提案した委員会を正式に発足させ、国を挙げてドーピングと戦う姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
 ロシアに関しては、まず陸上で組織的なドーピング疑惑が発覚。国際陸上競技連盟が昨年11月にロシア陸連を資格停止処分とし、今年6月に、ロシア国外を拠点とし潔白が証明できる場合を除いてロシア陸上選手のリオ五輪出場を禁止すると決めた。さらに世界反ドーピング機関(WADA)が今月18日、2014 年ソチ五輪や、夏季の20競技、パラリンピック競技などで国主導のドーピング隠蔽(いんぺい)があったと認定し、IOCにリオ五輪からロシア選手団を排除するよう勧告した。しかしIOCは19日の緊急理事会で、法的側面の精査が必要であるとして判断を先送りしていた。
 スポーツ仲裁裁判所(CAS)は21日、ロシア陸上選手のリオ五輪出場を禁止した国際陸連の決定を支持する裁定をした。しかし最終的にはIOCが五輪出場の可否を決断すべきだとの見解を示していた。  ≫(毎日新聞)


 ≪ ドーピング告発、ロシア2氏亡命 カナダに申請
 ロシア・メディアは17日までに、ロシア陸上界の組織的ドーピング問題を告発した中距離のユリア・ステパノワ(旧姓ルサノワ)選手と、夫でモスクワの検査機関に勤務していたビタリー氏が、カナダに政治亡命を申請したと伝えた。
 国際陸連(IAAF)はロシア陸連の暫定的な資格停止処分を決めた。ロシア陸連が2016年リオデジャネイロ五輪に出場できない可能性がある中、2人は身の危険を感じて亡命を決めたとみられる。
 昨年12月のドイツ公共放送ARDによるロシアのドーピング報道は、2人の告発に基づく。  (時事) ≫(朝日新聞デジタル)


≪ 露選手数十人が使用か 米紙が前所長証言報道
【モスクワ杉尾直哉】米紙ニューヨーク・タイムズは12日、2014年2月にロシア南部ソチで開かれた冬季五輪に参加した ロシアの選手のうち、メダル受賞者15人を含む数十人が禁止薬物を使用していたとするドーピング疑惑を報じた。世界反ドーピング機関(WADA)から認可 を受けていたロシアの検査機関の所長だったグリゴリー・ロドチェンコフ氏が同紙の取材に応じ、薬物投与の実態について詳細に語った。
 同紙はロドチェンコフ氏の証言を基に薬物を投与されたとするメダリスト3人の実名を報じた。ボブスレーで金メダルのアレクサンドル・ズブコフ▽クロスカ ントリーで金と銀メダルのアレクサンドル・レグコフ▽スケルトンで金メダルのアレクサンドル・トレチャコフ−−の3選手。
 タス通信によると、国際オリンピック委員会(IOC)広報は12日、「報道は極めて具体的であり、WADAに対して調査開始を求める」と述べた。
 ロシアのドーピング問題は、ドイツ公共放送ARDが14年12月、陸上界の組織的関与疑惑を報じ、明らかになった。これを受け、露陸上界は国際陸連から 資格停止処分を受け、8月のリオデジャネイロ五輪出場が危ぶまれている。今回、冬季五輪の選手団にまで疑惑の対象が広がり、ロシアは説明責任を厳しく問わ れそうだ。ロシアで18年に開催されるサッカー・ワールドカップ(W杯)にも影響を与える可能性がある。
 ロドチェンコフ氏は、露陸上界の問題に関する昨年11月のWADAの報告書で、組織的関与の「中心人物」と指摘されていた。同紙によると、投与対象者リ ストを露スポーツ省からもらい、アルコール飲料に複数の薬物を混ぜた「カクテル」を飲ませていた。「カクテル」は自身が発案し、吸収を速めるなどの効果が あったという。尿検査の検体は、ロシアの治安・情報機関である連邦保安庁(FSB)職員とみられる人物が、薬物投与前にあらかじめ取っていた検体とすり替 えていた。
 こうした指摘について、ムトコ露スポーツ相は12日深夜、タス通信に対し、「ばかげた話」と一蹴。「記事は法的観点から検討しなければならない」と述 べ、法的措置も辞さない構えを示した。同紙の報道について、露国営テレビは13日未明のニュース番組でトップで伝えたが、実名で報じられた選手らは同テレ ビに対し疑惑を一切否定した。
 ロドチェンコフ氏は昨年11月、露政府から検査機関の所長職を解任され、その後、「身の危険」を感じて米国に事実上亡命。現在はロサンゼルスに住んでい る。かつてロドチェンコフ氏と親しかったロシア反ドーピング機関の幹部ら2人は今年2月、あいついでロシア国内で死亡している。  ≫(毎日新聞)


≪ ステパノワの出場認めず=ドーピング告発に謝意―IOC〔五輪〕
【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、ドーピング問題を告発したことで、国際陸連からリオデジャネイロ五輪出場を認められた女子中距離のユリア・ステパノワの出場は認めないと発表した。
 ステパノワは2014年、モスクワのドーピング検査機関に所属していた夫のビタリー氏とともにロシアのドーピング問題を告発。ロシア代表ではなく、中立の立場でリオ五輪出場を要望していた。
 IOCはロシア選手の条件付き出場を認める一方で、過去に違反を犯した選手は除外する方針を決定。違反歴を持つステパノワについても例外は認めないとした。
 IOCは声明で、ドーピング問題に立ち向かったことには謝意を表明。夫妻をリオ五輪に招待し、ステパノワの競技生活を支援する意向を示した。 ≫(時事通信)


≪ 「露は国家主導でドーピング」
2016年7月19日 アレクセイ・モスコ、ロシアNOW
 ロシアでは2011年以来、陽性反応の出たサンプルを隠ぺいするシステムが行われていた――。世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームの報告書には、このように述べられている。
 7月18日(月曜日)、世界反ドーピング機関(WADA) の独立調査チームのリチャード・マクラーレン委員長は、2014年ソチ冬季オリンピックでロシア選手は集団的にドーピングを行い、関連省庁の職員が、その サンプルを陰性のものにすり替えていた、と述べた。「我々が調査したサンプルのすべてに隠ぺいの跡があった」と、マクラーレン委員長は、カナダのトロント で、ソチ五輪ののドーピングに関するWADAの調査結果を発表した際に指摘した。
 ロシアのドーピング検査機関元所長のグリゴリー・ロドチェンコフ氏のスキャンダラスなインタビューが、5月13日付け米紙ニューヨーク・タイムズ に掲載されたのを受け、WADAは調査を開始。ロドチェンコフ氏はインタビューのなかで、ソチ五輪でロシア選手が集団的にドーピングを行い、それを特殊機 関が隠ぺいしたと述べていた。
 WADAは 今回の調査で、ロドチェンコフ氏の発言に同意している。ロシア連邦保安庁(FSB)は、モスクワからドーピング検査のサンプルを、ソチ五輪前に設けられた 特別な実験室にある特殊な冷蔵庫に持ち出していた。FSBはこのような秘密の活動を行っていた」。マクラーレン委員長はこう語った。
 同委員長によると、同様のシステムは、2011年以来行われており、2013年のモスクワ開催の世界陸上、昨年のカザン開催の世界水泳選手権でも用いられたという。 情報漏えい  WADAの調査結果が公表される1日前、ニューヨーク・タイムズそ の他、いくつかの報道機関に、次のような記事が載った。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に対し、米国反ドーピング機関 (USADA)のトラビス・タイガート会長のほか、ドイツ、スペイン、フランス、ノルウェイ、日本、デンマーク、ニュージーランド、カナダ、スイスの9カ 国の反ドーピング機関、および20のスポーツ団体が書簡を作成して支持を求めているというもの。
 その書簡は、ロシアの国ぐるみのドーピング疑惑が立証された場合、リオデジャネイロ五輪でロシア選手団の締め出しを呼びかける内容だという。ロシア・オリンピック委員会は、USADAのこの要求に対し、IOCとWADAへの書簡で答え 、そのなかで、USADA の行為は五輪憲章違反であると非難したうえ、WADAの調査結果の詳細が発表前に漏れていたのではと推測している。
 なお、潔白なロシア選手までリオ五輪から締め出されかねないことについて、国際体操連盟 (FIG)、国際水泳連盟(FINA)、国際レスリング連盟(FILA)、国際バレーボール連盟(FIVB)は、懸念の意を表明している。
ロシア選手団はリオ五輪から締め出されるか
 形式的には、WADAの調査結果(マクラーレン報告)は、夏季五輪には関係がない。WADAの法務専門家も、ロシア選手団のリオ五輪への参加問題について、IOCに勧告を与えるつもりはないと述べている。
 一方、ロシア・オリンピック委員会は、ロシア選手団を排除し得るのは、IOCの執行委員会で多数決で表決された場合のみだと指摘している。「だが、これも理論上の話だ。近代オリンピック史上、また五輪憲章制定以来、このような措置が適用されたケースはない」と、ロシア・オリンピック委員会のアレ クサンドル・ブリリアントフ法務局長は、タス通信のインタビューに対し指摘している。
 また、ロシアから選出されたIOC委員 であるヴィタリー・スミルノフ氏は、IOCがそのような行動に出ることはないだろうと考えている。「IOCがそうした挙に出るとは思えない。私はIOCで 既に45年間働いており、その勢力図を承知しているし、IOC幹部にははっきりした立場がある。バッハ会長は、冬季五輪参加者の責任を他の五輪や種目に転嫁することはできないと述べている」。スミルノフ氏は、テレビ局「マッチTV」に出演してこう語った。  ≫(ロシアNOW)


 ≪ プーチン大統領がWADA報告で声明
 プーチン大統領の声明が18日、クレムリンの公式ウェブサイトに掲載された。WADA特別委員会の報告書で指摘されたロシアの役人を、調査が終了するまで一時的に外すという。同時に、もう少し完全で客観的な情報を提示するようWADAに求めた。
スポーツへの政治介入
 プーチン大統領は同時に、今回のドーピング騒動について、スポーツに再び(冷戦時代のような)政治的介入が入り始めていると考えている。
  「スポーツへの政治的干渉の危険な再開を目の当たりにしている。干渉の形は確かに変わったが、スポーツを地政学的圧力、国とその国民の悪いイメージ づくりの道具にするという本質は昔と同じ。(中略)今日、ドーピング使用が発覚したといって、潔白な選手たちの利益を守るとみせかけて、彼らを含めた選手 全員に対して、制裁を加えようという試みが行われ、いわゆるドーピング騒動が利用され始めている」と記されている。
 ロシアのスポーツ選手を非難するWADA特別委員会の結論は、「スキャンダラスと評判」の一人の主張にもとづいて構築されている。これがモスクワ反ドーピング研究所のグリゴリー・ロトチェンコフ元所長のことを指しているのは明らかだ。
ロシアはオリンピズムの原則を大切にしている
 プーチン大統領の声明によれば、ロシアは以前からずっと、「スポーツにドーピングが存在する余地はない」という自国の立場を明確に示してきた。  「ロシアは一貫してこの悪を根絶し、国内法を改善し、関連国際機関や国際オリンピック委員会とオープンに協力し、自国の義務を厳格に遵守している」とプーチン大統領。  ≫(ロシアNOW)

 ≪ ロシアのリオ五輪除外に米国反ドーピング機関の“横やり”
 リオ五輪への参加の可否が注目されるロシア選手団。国際オリンピック委員会(IOC)は24日に臨時理事会を開いて最終的に判断することになった。
 IOCはロシア政府主導でのドーピング違反、検体の隠蔽を問題視しているが、リオ五輪からの締め出しを図る裏に米国反ドーピング機関(USADA)の関与も指摘されている。
 USADAはIOCに対してロシアの出場を認めるべきではないとの書簡を送ったというのだ。タス通信が20日、ロシアオリンピック委員会のアレクサンダー・ジューコフ会長の話として伝えている。
 記事によるとソチ五輪でのロシア選手団の不正を暴いた世界反ドーピング機関(WADA)特別調査チームによる報告書の公表が18日。それに先がけて16日にはIOC宛てのUSADAの草案文書が一部メディアで報じられた。
 ジューコフ会長は報告書の内容が明らかになる前にUSADAがロシアの出場停止を訴えたことを疑問視し「(五輪からの締め出しを画策する)IOCによる我々への圧力ではないかと感じた」と話している。
 ロシアと米国は五輪では毎回、メダル数を争うライバル関係にある。前回のロンドンまでのメダル獲得総数は米国は金976個を含む2404個でトップ。ロ シアは1123個(金440個)で続いている。多くの競技で互いにしのぎを削る間柄だけに、米国にとってはロシアの欠場が追い風となるのは間違いない。  ロシアの出場資格問題には政治的な陰謀も渦巻いている。 ≫(日刊ゲンダイ)

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