世相を斬る あいば達也

「デモクラシーの限界 その先にあるもの」という視点に立って世相を斬る。唯我独尊の誹り怖れず

●W選で安倍が勝利すると 日本は地獄の一丁目から奈落の底に

2016年05月30日 | 日記
福島第一原発廃炉図鑑
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太田出版


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●W選で安倍が勝利すると 日本は地獄の一丁目から奈落の底に

現代ビジネスの官邸提灯記事屋、長谷川幸洋の ≪ 伊勢志摩サミットは成功しても、「幸福なサミット」はこれが最後になるはずだ 世界各地で始まる「ミニ・トランプ」の暴走 ≫、歳川隆雄の ≪ 伊勢志摩サミット「成果」は想定以上。これなら「ダブル選」の可能性も! ≫のコラムには、期せずして「伊勢志摩サミット成功!」の文字が踊る。この二人、安倍政権が潰れた後のことを考えているのだろうか。それとも、老後の資金までが手当てされたのだろうかと思うほど、物書きとしての節操をかなぐり捨てている。他人事ながら心配だが、蛇の道は蛇で生きていけるのだろう。

あの出鱈目顰蹙サミットが成功だと云うのであれば、何を持って「失敗」と判定するべきか、基準を伺いたいものである(笑)。それでも、多少読む価値があるのが長谷川の方のコラムだ。先ずは読んでみよう。


≪ 伊勢志摩サミットは成功しても、「幸福なサミット」はこれが最後になるはずだ
  世界各地で始まる「ミニ・トランプ」の暴走 
■「協調の時代」の終焉
・伊勢志摩サミットが5月26日、G7の「協調」をアピールして開幕した。 だが、各国が足並みを揃えられるのは、今回が最後になるかもしれない。米大統領選で共和党のトランプ候補が躍進しているのをはじめ、世界で「自国優先主義」が勢いを増しているからだ。
・1975年、フランスのランブイエから始まったサミットの時代は、一言で言えば「協調の時代」だった。石油ショック(73年)への対応を話し合うために集まった首脳たちは、それぞれの国益をひとまず横へ置いても、結束して景気をテコ入れする必要に迫られた。
・その後、冷戦が終結し91年にソ連が崩壊すると、旧ソ連圏諸国の民主主義的移行を後押しするために、94年からロシアが政治討議に参加する。それからしばらくは世界がユーフォリア(幸福感に満ちた楽観主義)に包まれた時代だった。
・ところが、そのロシアは2014年3月にクリミア半島に侵攻する。その結果、同年6月にロシアのソチで開かれるはずだったサミットは中止され、代わりにブリュッセルで開かれたサミットでロシアの除名を決めて現在に至っている。
・G7各国はロシアのクリミア侵攻を一致して非難したが、世界を見渡すと、残念ながら事態は改善するどころか悪化の一途を辿っている。
・中国は尖閣諸島を脅かす一方、東シナ海の上空を「防空識別圏」と称して縄張り化を目論んだ。南シナ海では次々と人工島を建設し、軍事要塞化を進めている。中ロの無法はテロリストに伝染して、中東では「イスラム国」が暴虐の限りを尽くしている。
・米大統領選でトランプ候補が健闘したり、フランス地方選でル・ペン党首率いる右翼の国民戦線が躍進したのは、中ロやテロリストたちの無法が広がっているのと裏腹の関係にあるとみていい。
・テロリストが難民に混じって欧州に浸透している。その恐怖が「国境の壁を高くして国を守ろう」という主張に共感しているのだ。

■「ミニ・トランプ」たちの暴走がはじまる
・英国で欧州連合(EU)離脱論が勢いを増しているのも、同じ潮流である。ロンドンや隣のパリはテロに見舞われた。人の自由移動がEUの重要な柱になっている。テロへの恐怖が自由移動のEUから脱退して国境を高くしようという議論に勢いを与えている。
・もしも英国がEUを脱退すれば、英国は関税同盟(=EU)の下で関税ゼロだったEU諸国とはもちろん、100ヵ国近い国々と関税協定を結び直さざるをえない。相手国の関税引き上げ圧力に加えて自国への投資減退から、目先の景気だけでなく中長期的にも成長力が衰える。
・それでも「島国で孤立していた方が安全」と考える人々が増えている。オーストリアでも、結局は敗北したが右翼の大統領候補が大善戦した。トランプはけっしてトランプだけではなく、あちこちに「ミニ・トランプ」が出現している。
・先週も触れたが、もしもトランプ候補が11月の大統領選に勝利すれば、来年のサミットは様変わりするだろう。
・トランプ氏は環太平洋連携協定(TPP)に反対し、日本や中国に高関税を課すと公言している。それは、いまのG7が掲げる自由貿易主義と相容れない。
・外交面でもトランプ氏は「中国をサミットに加えよう」と言い出すかもしれない。トランプ氏は中国とは互いの縄張りを認め合えば、共存共栄できると考えているようだから、サミットを縄張り確認の場にしようと考える可能性がある。もちろん中国は大歓迎するだろう。
・英国がEUから離脱すれば、英国だけでなくEUにも打撃になる。自国優先主義がEUの中で勢いを増すきっかけになる。ル・ペン党首が出馬するとみられている来年のフランス大統領選にも影響を与えるのは間違いない。

■日本にも「日本中心主義」勢力がいる
・こうした中で、日本はどうふるまうのか。 ・安倍政権が昨年成立させた一連の安全保障関連法は、米国との同盟関係を強化して、中国や北朝鮮の脅威に対抗しようという狙いだった。オーストラリアやベトナム、フィリピン、インドなどとも安保協力を強化している。
・その路線は周辺国との協力関係を強めて共同で脅威に対処しようとする国際協調主義であり、自分の城を固めて閉じこもる「自国優先主義」とは正反対と言っていい。
・では、日本で自国優先主義を唱えているのは、どういう勢力か。それは野党勢力である。
・彼らは基本的に「日本が攻められた時に日本が守ればいい」という考え方に立っている。言い換えれば「他国が攻められても、それは日本に関係ない」。あくまで日本が優先なのだ。実は、そういう考え方の米国版がトランプ氏の主張である。
・野党が言うように「他国は知らない。日本は日本のことだけやる」という考え方を貫くなら、トランプ氏の「米国は米国を守るだけで精一杯だから、日本が米軍駐留費用を全額負担しないなら米国は出ていく」という主張に反対できないだろう。
・それはそうだ。日本は日本のことしか考えないというのに、どうして米国が米国のことだけ考えるのに反対できるのか。野党はトランプ氏の主張に反対するのではなく、賛成して「米国は日米安保条約を破棄して日本から出て行ってもらっても結構だ」と言うべきではないか。
・日本共産党はそう主張しているが、民進党はどうなのか。民進党は日米安保に賛成している。自分は「他国のことは関係ない」と言いながら「米国が日本 から出て行っては困る」というのは、辻褄が合わない。そんな民進党が共産党と一緒に選挙を戦うのも、まったく辻褄が合っていない。
・自国優先主義という亡霊が世界を彷徨いだした。国際協調主義に立つG7サミットが今後、どうなるか。いまは分岐点だ。
・日本は自国優先主義ではやっていけない。国土が25倍、人口は10倍、国内総生産は2倍、軍事力は4倍の「中国という脅威」を隣に抱えて、自国だけでは対抗できないのだ。

■安倍首相は日本の針路を問うべき
・もしも自国だけで対抗しようとすれば、とてつもない軍事国家を目指す話になってしまう。加えてエネルギー資源もない。だから日本は安保防衛はもちろん、経済面でも国境の壁を低くして他国と協調しながら生きていくほかはない。
・伊勢志摩サミットは自国優先主義が勢いを増す中、日本が世界でどう生きていくのかを見直す絶好の機会である。サミットが終われば、日本は参院選を控えている。サミットで他国に財政出動を促しながら、当の日本が消費税増税するなどという身勝手は許されない。
・増税はもちろん先送りだろう。衆参ダブル選はどうするのか。永田町ではダブル選見送り論が強まっている。だが、大きな時代の潮流を見れば、安倍政権 はサミットを終えるいまこそ、野党勢力に「あなたたちは日本をどういう方向に導こうとするのか」戦いを挑む絶好の機会ではないか。
・安倍首相は衆参ダブル選で日本の針路を問うべきだ。  ≫(現代ビジネス:長谷川幸洋「ニュースの深層」)


長谷川の論は、日米同盟が確固たるものだと云う認識に齟齬があるわけで、そもそも日米同盟を神話のように信じた結果の「はしご外し」であり、今さら、日米関係が不安定になるなんて嘆く方がおかしいのだ。長谷川の認識だと、中露もテロリストも同列に論じているし、欧米至上主義者と云う、トンデモナイ時代錯誤男である。ただ、この男、詭弁と捏造が上手なので、嘘を本当のように話せるのである。世界に紛争を齎す元凶の一つが、アメリカの独善主義なのだ。自由と民主主義?聞いて呆れるではないか。1%の富裕層と残りすべては無産化階級と云う世の中を作っているのは、どこのどの国だ。アメリカだろうが!

でなければ、トランプ不動産王が大統領候補になることはなかったし、サンダースが絶対本命ヒラリーを追詰めるような社会現象が起きるわけがないのだ。ただ、桃太郎のように、突然トランプが生まれたわけではない。そのトランプにしても、大統領候補決定前後から、ウォール街と手打ちするような方向転換が見られる。つまり、現実のアメリカの汚い稼ぎ方には目を瞑ると云うコンセンサスが出来つつあるのだから、過激なトランプ発言を元に、来年の世界は大変だなどと云うものではない。その癖、トランプ大統領を説得できる日米同盟を構築した安倍は先見の明があうと言いたいようだ。海外派兵しない集団的自衛権など、トランプが理解するわけがない。長谷川、オマエが自衛隊の海外派遣広報で出陣せよ!

世界がどんどん内向き政権になり、自分の国さえ良ければいいになっては、中露やテロリスト達の思うがままだと、またまた馬鹿を言う。アメリカネオコンが、NGOを通じて世界中に政変のタネを撒いているのを止めるだけで、内向き世界がロックしても、平和共存は成り立つ。長谷川が困るのは、軍産複合体や金融世界が稼ぎの場を失うことへの心配に過ぎない。IMFが予想している世界の経済成長のリストを見ながら、話をするべきだ。安倍の経済政策で、僅かな成長さえ失われ、角を矯めて牛を殺したではないか。何頭殺せば気が済むのだ。何もしない方が、余程日本は平穏だった。それが真実だ。

たしかに、内向き主義が台頭している。それは認めよう。しかし、右派的リーダーの抬頭だけが、世界の潮流ではない。社会主義者も、同じ勢いで、世界の政治の場に出てきている。この件は、数日中にまとめて書くつもりだが、「自由と民主主義、そして金融資本主義」これで良いのか?と云う疑問府は、国民の側から、明確に突きつけられている。まさか、長谷川は、こちらの動きはないことにしようとでも云う積りなのか?プロパガンダジャーナリズムもここまでくれば、病気の域だ。竹中平蔵より悪質だよ。

米大統領選で、トランプに勝てる民主党候補は、実はバーニー・サンダースなのだ。社会主義者で、社会的共通資本に重きを置く政治こそ、21世紀の政治なのである。オーストラリア自由党の党首選で、リベラル派のマルコム・ターンブル前党首がアボット現首相を破って返り咲き、その2日前のイギリス労働党の 党首選では、当初泡沫扱いされていた「民主社会主義者」を自称する党内最左派ジェレミー・バーナード・コービンが圧勝した。フランスでは、社会党など糞喰らえ、オランドなどはマヤカシだ。「新自由主義からの脱却」(NuitDebout:ニュイ・ドゥブー)が盛んになり、スペインの「ポデモス」と連携を強くしている。日本でも、野党共闘で、筋が通って、強敵は共産党だと自民党自身が認めているではないか。この話は数日中に・・・。今夜は長谷川の捏造ジャーナルにひとくされ!

改悪「盗聴法」その危険な仕組み
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●世界の首脳を内政茶番につき合わせた “浅ましき安倍晋三”

2016年05月29日 | 日記
自民党と創価学会 (集英社新書)
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集英社


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●世界の首脳を内政茶番につき合わせた “浅ましき安倍晋三”

報道の自由度が世界で72番目とか、色々と酷評されている安倍政権だが、今度は、こともあろうかG7サミットの主催国の立場を利用して、各国首脳がのけ反るような「珍説」を安倍首相が披露した。既にネット上ではあきれ果てたコメントに満たされているが、「リーマン・ショック前夜に似ている」は酷すぎるだろう(笑)。いくら自分の政権のご都合があるからと言って、G7の席上で、自己を正当化する屁理屈を吹聴するのは、浅ましすぎる。日経などは、“理論武装”などと名づけて、茶坊主ぶりを発揮しているが、何が理論武装なものか!「リーマン・ショック並」に無理矢理結びつけようとする、ヤクザの屁理屈だ。しかし、マスメディアは、サミットで否定された「危機前夜」を安倍政権の理論武装と持ちあげることになるようだ(笑)。

 ≪ 首相、増税延期へ理論武装 「危機回避」など
  安倍晋三首相は27日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げの延期を検討すると初めて表明した。同日に閉幕した主要国首脳会議(伊勢志摩 サミット)で、増税延期への理由付けが得られたと自信を深めたためだ。採択した首脳宣言を支えに、週明けから政府・与党内の調整に着手する。ただ、財政健 全化や社会保障の財源確保など課題は多い。
 首相は増税延期を早くから検討していた。背景には、自身の経済政策「アベノミクス」の先行きへの危機感がある。
  金融緩和を足がかりに続いていた円安・株高基調は年初から変調。国内総生産(GDP)の6割を占める消費は、14年4月の消費増税がいまだに足を引っ張っ ている。こうした状況下で再び増税すれば当面の景気はさらに失速し、政権の最重要課題に掲げたデフレ脱却が遠のくおそれがある。
 「高い支持率はひとえにアベノミクスへの評価だ」(首相周辺)との声があるなか、どうやって増税を延期するか。首相は自身の2つの発言に縛られていた。
 一つは1年半前に先送りした際に「再び延期することはない」と断言し、成長戦略の実施などにより「消費税率引き上げに向けた環境を整えることができる」と言い切ったことだ。
  国内景気の不振を理由に増税を再び先送りすれば、道半ばのアベノミクスは失敗だったとの批判を浴び、政権の土台が揺らぎかねない。首相が27日の記者会見 で「有効求人倍率はかなり高い水準で推移している」「賃上げも今世紀で最も高い水準だ」などと説明し、「決してアベノミクスは失敗していない」と強調した のはそのためだ。
 もう一つが「リーマン・ショックや大震災のような事態でない限り実施する」との発言だ。  だがいまはリーマン・ショックのような危機とはいえない。国内経済では、1〜3月期のGDP速報値は年率1.7%のプラス成長。熊本地震も東日本大震災に匹敵する大震災とはいいにくい。
 活路を見いだしたのが国際舞台であるサミットだった。世界経済はいま危機的状況ではないが「危機に陥るリスクがある」とはいえる――。首相は新興国経済の不振を指摘しつつ「現在はリーマン・ショック前に似た状況」と説明する資料を手に各国首脳に訴えた。
 英国からは異論も出たが、首脳宣言では「新たな危機を回避するため」と明記できた。27日の記者会見で首相は「大きな危機に陥ることを回避するため、協力して対応すると国際的に合意した。この事実は大変重い」と強調した。
 財政出動の合意にもこだわった。需要創出のため財政出動が必要だと各国で確認できれば「消費にマイナスになる消費増税は政策矛盾だからやらない、と言える」(経済官庁幹部)からだ。首脳宣言には「財政戦略」や「全ての政策手段を用いる」との文言を示した。
 「あらゆる政策と申し上げている以上、消費税の扱いも検討する」。首相は記者会見でこう語った。「経済危機の回避」と「政策の総動員」の2つを主要7カ国(G7)で確認したことで「都合のよい解釈」との批判をかわせるし、議長国として合意を履行する責任も強調できる。
 焦点は延期幅だ。19年4月までの2年延期を軸に、1年半や2年半などの案もある。再々延期の懸念にどう答えるかもポイントだ。増税延期の条件が空文化することで、財政への市場信認の確保策も求められる。
  財政健全化計画は20年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標は堅持する方向だが、中間目標を含め再設計する必要がある。消費増税を財 源に当て込んでいた介護保険料の軽減対象拡大なども課題だ。公明党は増税を延期しても実施を求める構えで、新たな財源を捻出しなければならない。 ≫(日経新聞)


政府の直近5月の月例報告では「このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」。「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、海外経済で弱さがみられており、中国をはじめとするアジア新興国や資源国などの景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。こうしたなかで、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市 場の変動の影響に留意する必要がある。また、熊本地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある。」。「海外の景気も、弱さがみられるものの、全体としては緩やかに回復している。」と、リーマン・ショックとか、コモディティー相場の下落とか、これっぽっちも触れていない。単に、都合の良いデータを繋ぎ合わせただけで、経済理論とはかけ離れた「法螺ッチ」なのである。

サミットの会場にどこの記者であろうと入場は出来ないので、世耕報道官のブリーフィングに沿って、記者クラブメディアは書かざるを得ない。否、それで、報道の仕事は一丁上がりと云うのが、今のマスメディアのイデオロギーである。誰一人、他国の首脳にコンタクトを取って、安倍首相の「リーマンショック前に似ている」発言に対する、各国首脳の反応はどうだったのか、取材する素振りを見せたメディアは一社もない。あまりにも酷すぎるので、仏・「ル・モンド紙」が笑い話のように報じたとリテラが叩いている。


≪ 安倍首相のサミット発言「リーマンショック級の危機」に世界中から失笑! 仏「ル・モンド」は「安倍のお騒がせ発言」と
 日本の安倍晋三首相の“デマ発言”が世界の失笑を買っている。たとえば、フランスの高級紙「ル・モンド」は、26日夕方、こんな見出しの記事を掲載した。 「安倍晋三の無根拠なお騒がせ発言がG7を仰天させた」
 これはもちろん、伊勢志摩サミットの世界経済に関する討議での発言を指してのものだ。安倍首相は、この会議でいきなりこう切り出した。 「みなさん、世界経済はいま、不透明感が増大し、さまざまな下振れリスクを抱えています。このリスクから目をそらしてはいけません」
 そして、「リーマンショック直前の洞爺湖サミットでは危機を防ぐことができなかった。私は、その轍を踏みたくない」と言って、各国首脳に4枚の ペーパーを配った。そこには商品価格や新興国経済に関する指標が示されていて、各ページごとにいちいち「リーマンショック」という文字が書かれていた。安 倍はこのペーパーをもとに、世界経済の現状は「リーマンショック前の状況とそっくりだ」と言い、各国が揃っての一斉財政出動を促したのだ。
 エネルギーや食品など世界の商品価格がリーマン危機の直前と同じく「55%下落」している。新興国・途上国の経済指標の伸び率、資金流入、成長率予測の推移もリーマン危機の前後と似ている。安倍は、これをもって「政策対応を誤ると通常の景気循環を超えて危機に陥るリスクがある」と警告したのである。  たしかに新興国は厳しい状況にあり、世界経済の先行きに「下振れリスク」があるのは事実だ。日本も場合によっては、財政出動も必要かもしれない。 しかし、都合のいい指標だけをかき集めて、世界経済全体が「リーマンショック級の緊急事態」というのは、明らかに事実ではない。安倍はそんなデマの扇動をサミットという舞台でやってしまったのだ。
 いったいなぜか。それは、参院選を前に、いよいよ明らかになってきたアベノミクスの失敗を隠すためだ。日本経済が円高・株安で息切れしているのは、明らかにアベノミクスという政策の失敗であり、世界経済が“不透明”だからではない。しかし、それを認めたくないために、世界経済のせいだとアピールしているのだ。
 さらにもうひとつ、消費税増税延期の大義名分にするという目的もある。安倍首相が消費増税延期を決断したのは、参院選で改憲に必要な3分の2を確保 するためだ。つまり、改憲という政治的野望のために消費税増税をあきらめた。しかし、そうは言えない。何しろ、安倍は先の増税見送り以降、ずっと「リーマ ンショック級の経済危機が起きない限りもう消費税延期はない」と言い続けてきた。だから、サミットを利用して、無理やり「リーマンショック級の事態が起き ている」ということを喧伝しようとしたのだ。  だからこそ、海外メディアはあきれ返り、名指しで安倍発言に冷水を浴びせかけたのだろう。
 いや、メディアだけではない。実はマスコミはあまり報じていないが、各国首脳はそのトンチンカンな主張に困惑を隠さなかったという。それでも、フランスのオランド大統領をはじめ複数の首脳は大人の対応で表立った批判は控えたが、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相は「世界経済は安定成長への兆しをみせている」と安倍発言をバッサリ切り捨 てた。
 また、安倍が事前に各国を回って根回ししていたにもかかわらず、キャメロン首相は「財政出動は各国の事情に応じてやればいい」と従来からの姿勢を 一歩たりとも譲らず、オバマ米大統領も、「各国がそれぞれの必要性と余力に基づき成長を加速することに注力する」と、各国の独自判断を強調した。
 27日付の日本経済新聞によれば、そもそも安倍が配ったペーパーについては自民党執行部内からも「世界からどんな反応が出るか心配だ」との声が漏れていたという。その心配は的中したというわけだ。
 しかし、これはあくまで海外での話だ。このサミットという場所でのトンデモデマ発言について、日本国内のマスコミからはほとんど批判が聞かれない。それどころか、「消費増税延期という結論は与野党同じなんだから、野党がサミットの安倍発言を批判するのはおかしい」などと言っているテレビ番組まであった。  こいつらはいったいどこまで安倍政権に尻尾をふるのか。
 たしかに、筆者も消費増税は延期すべきだと考えるし(むしろ5%に戻して、法人税と所得税の累進課税を強化すべきだ)、ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者・ジョセフ・スティグリッツやトマ・ピケティらの言う、社会保障や福祉への財政出動を推し進めることが格差是正と経済活性化につながるという主張には強く賛同する。
 しかし、それとこれとは別だ。安倍政権は、選挙対策で消費税減税を先送りにしているだけで、格差是正は露ほども考えていない。しかも、自分が公言した「消費税増税延期はしない」という言葉を選挙のために 平気で破り、さらにそれをごまかすために、国際社会の重要な会議を利用した。普通なら「日本のトップが恥ずかしいことをするな」と厳しい批判の声があがって当然だろう。
 ところが、こんなデマ首相をメディアは擁護し、世論も支持しているのだ。息をするように嘘をつく首相を長くのさばらせた結果、もしかしたら、日本という国全体が国際的信用なんて一顧だにしない“恥知らずな国”になりつつあるということなのか。  ≫(リテラ:野尻民夫)


IMFの2016年4月発表の各国経済見通しでも明らかだが、2017年のGDPがマイナス成長に陥るのは、「日本だけ」と明示している。米国2.5%、ユーロ圏1.6%、英国2.2%、アジア6.3%、中国6.2%‥等で、マイナス成長に陥るのは、日本だけなのだ。世界全体でも「3.5%」の経済成長が見込めるとなっている。つまり、経済成長がゼロどころか、マイナスになると云う事実は、日本人が仕事もせずに遊びほうけているか、政府の経済政策が、トンデモナイ頓珍漢をしているかの、どちらかでしかあり得ない。筆者の見る限り、物見胡散で職場を放棄している人間等一人も知らない。つまり、経済政策が、異常な方向に走っている証左だ。

おそらく、アベノミクスと云う、金融経済の枠組みに捉われすぎた咎めだけが残ってしまった経済政策だったのだ。この調子だと、理論武装は整ったと云うことで、安倍は選挙前の財政出動に手を掛ける。つまり、赤字国債の乱発である。それを日銀が吸い込んで、中央銀行のバランスシートをグチャグチャにしてしまう。此のままでも、充分破たん国家になる可能性があるのに、その死期を早めようとする陰謀にさえ見えてくる。しかし、新聞もテレビも報じない。「法螺っちょ」に蹂躙された日本と云う国。いやはや、おぞましいと同時に、喜劇的過ぎて、悲劇に似てきた。

最後に、流石にビデオニュースドットコムは、この問題を厳しく取り上げていた。来年のG7の顔ぶれが、妖怪の会議になりそうだと昨日書いたのだが、成り行きとはいえ、デモクラシーと云うものは、「徳」のない人間たちに利用されてしまうと、酷く脆いものなのだなと思い知る今日この頃だ。ひと言、個人的につけ加えるなら、本来の保守と云うのは、堂々たる潔さを標榜するものなので、安倍晋三の生き様は、保守でも、国家主義でもなく、単に浅ましいだけの姑息政治としか論評出来ない。


≪ 「リーマンショック前夜」を裏付ける資料を作ったのは誰か
  未遂に終わったサミットを国内政争の道具にする計画
ニュース・コメンタリー (2016年5月28日)
安倍首相のサミットを国内政争の具に利用する計画は、失敗に終わった。
 一部メディアが報じているように、安倍首相はサミットの討議の場で、「リーマンショック直前の洞爺湖サミットで危機の発生を防ぐことができなかっ た。その轍は踏みたくない。世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると、危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」と話し、積極的な財政出動の必要性を訴えたという。
 しかし、イギリスのキャメロン首相らから、「危機は言い過ぎだ」などの指摘が出たために、サミットの共同声明の世界経済に対する認識のくだりはか なりトーンダウンした内容になっていた。実際、海外のメディアでは、安倍首相の世界経済の「危機」に関する認識が、他の首脳との間で温度差があったことを指摘する記事や論説が目立つ。
 安倍首相は来年4月に予定される消費増税について、「リーマンショックや大震災のような事態が発生しない限り実施する」と国会などで発言してき た。世界の指導者が集まるサミットの場で、現在の世界の経済情勢がリーマンショック前に似ているとの同意を得ることができれば、晴れて増税先送りの口実にできたはずだった。
 しかし、さすがに世界の首脳たちは、さしたる根拠もなくリーマンショック前夜の危機を吹聴することには慎重だった。  それにしても、世界の指導者たちが世界的な問題を討議する場であるサミットを、小手先の国内政治目的で利用しようなどと考えるのは恥ずかしいことだ。特に議題を設定する強い権限を持つホスト国の首相が、そのようなことをしていては、サミットを主催する資格が疑われる。
 しかし、今回、安倍首相がサミットの場でリーマンショックを持ち出した背景には、もう一つ根深い問題が潜んでいた。それは、今回のサミットでは安 倍首相並びに首相官邸が、自らの政治目的達成のために、他の政府の部局とは無関係に単独で暴走していた疑いがあるということだ。そして、それが露呈したのが、27日に国会内で行われた民進党による外務省のサミット担当者へのヒアリングだった。
 民進党のサミット調査チームは、サミットの討議の場で首相が唐突にリーマンショック前夜を持ち出した際に各国の首脳に提示した4枚の資料の出どこ ろを問題視した。首相には日本の指導者として、自らの政治的な判断で様々な交渉を行う権限があることは言うまでもない。しかし、今回首相が「政治的判断」でリーマンショック前夜を持ち出した際に使われた資料には、日本政府が正規の手続きで採用し発表していた世界経済の状況判断とはかけ離れた内容のことが書かれていた。
 首相がサミットの場で持ち出した「リーマンショック前夜」の認識の前提は、政府の正規の経済判断とは全く無関係に一部局が独断で単独で作成したデータに基づくものだったのだ。
 そのペーパーにはIMFのコモディティ・インデックスや新興国の経済指標などが印刷されており、それらのデータがリーマンショック前のそれと似ていることを指摘する注釈が書き込まれていた。現在の世界経済がリーマンショック前の状況と似ていることを無理やりこじつけるために、使えそうなデータを恣 意的に引っ張ってきただけの、およそサミットの場で首脳たちに配布するに値するとは言えない、やや怪文書に近い代物だった。
 民進党のチームはサミットを担当する外務省経済局政策課の担当者を国会内の会議室に呼びつけ、その資料の出どころを問い質した。なぜならば、その 資料に反映されていた世界経済の現状認識は、その僅か3日前に政府が月例経済報告で示した認識と180度異なる内容だったからだ。
 安倍政権は5月23日に開かれた「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の場で、世界経済は「全体としては緩やかに回復している。先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される」とする2016年5月の月例経済報告を了解していた。  5月23日に安倍首相自らが出席した関係閣僚会議で「全体としては緩やかに回復している。先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される」とする判断を決定しておきながら、3日後のサミットの場では、「リーマンショック前と似ている危機的な状況」と説明し、誰が作ったかもわからない資料 が各国首脳に配布されていたのだった。
 民進党のチームに呼ばれた外務省経済局政策課の浪岡大介主席事務官は、資料の作成者は誰かを問われると当初、「自分も直前に見せられたので知らな い」と回答したが、途中から事の重大さに気づくと前言を翻し、「自分たちが作ったものだが、詳細は言えない」との回答を繰り替えした。同じくヒアリングに 呼ばれた内閣府の月例経済報告の担当者は、サミットで配られた資料の内容が政府が正規に作成した世界経済の現状認識とは大きく異なることを認めた上で、内閣府は問題となった資料の作成には関与していないことを明らかにした。同じくヒアリングに参加した財務相の担当者らも、「サミットのことは外務省に聞いてほしい」と繰り返すばかりだった。
 安倍首相がサミットの討議の場でリーマンショックを持ち出した背景に、国内の政治的な思惑があったことは間違いないだろう。すなわち、サミットの 共同声明に何らかの形でリーマンショックの文言を滑り込ませることで、消費増税延期の口実にしようというわけだ。有権者が嫌がる増税を選挙前に発表することで、7月10日にも予定されている参議院選挙や、場合によっては衆議院解散による同日ダブル選挙を優位に戦いたいという思惑だ。
 しかし、かといっていきなり経済学者でもない日本の首相が、唐突に討議の場でリーマンショックを持ち出しても、誰も賛同はしてくれない。そこで、 急遽、何者かに命じて、それを裏付ける資料を作らせたというのが事の真相なのではないか。そして、政府の経済見通しに直接関与する内閣府は無論のこと、サミットの討議の裏方を務める外務省でさえ、討議の直前までその資料の存在を知らされていなかったというのが事の真相のようなのだ。
 サミットを国内政争を勝ち抜くための政治目的に利用することが、サミットに対する冒涜であることは言うまでもない。しかし、より深刻な問題は、仮 にサミット参加国の首脳たちがホスト役の安倍首相の国内政治的な立場に理解を示し、「世界経済は危機的な状況にある」との認識を示す共同宣言が採択されてしてしまった場合、市場がそれに反応し、実際に危機を生んでしまう危険性があったことだ。世界の首脳たちが揃って「危機」を認定すれば、その判断には何らかの根拠があると市場が受け止めても不思議はない。
 何にしても、首相が政府の公式見解とは全く無関係に、そしておそらく純粋に国内政治の党略的な動機から、サミットの場で危機を売り込もうと考え、 何者かがそれを裏付ける資料を急ごしらえで作成していたのだとすれば、日本政府のガバナンスという点からも大きな問題がある。その真相は明らかにされる必要があるだろう。
 ところが首相の記者会見では、そのような質問をする記者が質問の機会を与えられるはずもなく、国会は6月1日で閉幕してしまう。民進党は急遽国会 での緊急の審議を求めたが、無論与党はこれに応じないため、この問題の真相はこのまま藪の中に置かれたまま封印されてしまう可能性が大きい。
 サミットの政治利用を目論んだ挙句、他の首脳からこれを諫められ、阻止されたたという事実があったのかどうか、また、政府の公式見解とは全くかけ 離れたところで官邸の暴走があったのかどうかを質す記者会見や国会が機能しない状況といい、日本の政治はどこまで劣化を続けるのか。ジャーナリストの神保 哲生と社会学者の宮台真司が議論した。  ≫(ビデオニュースドットコム)

http://www.videonews.com/commentary/160528-02/


使える地政学 日本の大問題を読み解く (朝日新書)
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●オバマは広島でG7に花を添えた が、来年G7は妖怪勢揃い?

2016年05月28日 | 日記
嫌韓問題の解き方 ステレオタイプを排して韓国を考える (朝日選書)
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●オバマは広島でG7に花を添えた が、来年G7は妖怪勢揃い?

オバマの花道、「核なき世界」に関して、特別感動する気はないが、被爆者の方々が歓迎したのであれば、それ以上言及するには及ばないだろう。まあ、バラク・オバマも、ノーベル平和賞受賞の負い目を糊塗出来たと云う点では、彼の為に良いことだったろう。もう、安倍の伊勢志摩G7も終わった。祭りは終わったのだ、現実に戻ろう。これからの、遠い世界の話ではなく、ごく近いG7に思いを馳せようではないか。さて、来年のG7に出席する、各国首脳は誰なのだろうか、そこが問題だ。実は、そこにこそ、今の世界の問題が隠されている。

20世紀が終わり、21世紀の初期に入っているわけだが、今回の伊勢志摩サミットが、20世紀型世界の最後の先進国サミットになるのだと思う。来年、イタリア・タオルミーナで開かれるG7又はG8サミット(主要国首脳会議)の顔ぶれによっては、先進欧米日諸国にとっては、悪夢のような主要国首脳会談になっている可能性が濃厚である。つまり、米英を中心とする資本主義の末期症状と言われる「金融経済」にトドメが刺されたサミットになり、天を仰ぐような首脳たちの姿が目に浮かぶ。

筆者自身、こんなにも早く、20世紀型資本主義の終焉を目の当たりにするとは思ってもいなかった。グズグズと、これから10年くらいは「欧米巨人」が、無駄な抵抗をするのだろうと思っていたが、内なる叫びによって、エスタブリッシュ層の牙城が引き裂かれると云うのだから、不思議な感慨を憶える。最長でも、“英米資本主義”の余命は、後4年に過ぎない。上述のように断言しても構わない程の現実が、今現在、世界中で起きていると云うのに、日本と云う国は、本当に変れないのだ。驚異的にハンドルのないF1マシーンなのである。アイルトン・セナではないが、壁に激突して、大破するのではないかと、些か不安になる。

個人的には、とばっちりを受けても、生き永らえる幾つかの手段を準備しているが、筆者程、懐疑的に世の中を見ていない場合、青天霹靂も充分にあり得ると考えている。今さら、ここで、その予想の説明する必要もないが、初めて、拙ブログを読む人のために、敢えて簡単に説明しておく。一つは、金融経済とグローバル経済の総本山、アメリカが、内なる叫びを制御できなくなっている。ワシントンも、ウォール街も、手出しの出来ない国民の怒りが沸点に達しているのだ。この現象を、対岸の火事のように眺めているのは、馬鹿だ。我が国の自慢の霞が関官僚組織は、有能だが、過去問に有能なだけで、創造的問題への対応力はゼロなのだ。ここが、酷くヤバイ。その状況を報じる新聞記事を幾つか羅列しておく。


 ≪ トランプ氏、過半数の代議員確保=名実共に指名確実−米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選の共和党候補指名争いに出馬している実業家ドナルド・トランプ氏(69)の獲得代議員数が過半数の1237人を突破した。米 メディアが26日報じた。対立候補は既に全員撤退しているが、トランプ氏が指名確保に必要なラインをクリアし、名実共に指名獲得を確実にした。
  トランプ氏の獲得代議員数は24日のワシントン州予備選を終えた時点で過半数まで100人以下に迫っていた。予備選などの結果に縛られない自由投票の代議 員を米メディアが取材したところ、トランプ氏を支持する代議員が積み上がり、半数を超える1238人に達した。 ≫(時事通信)


≪ トランプ氏、クリントン氏を逆転=本選想定の世論調査−米大統領選
【ワシントン時事】米FOXニュースが18日発表した世論調査の結果によると、11月の大統領選本選が共和党の実業家ドナルド・トランプ氏(69)と民主 党のヒラリー・クリントン前国務長官(68)の争いになると想定した場合、トランプ氏に投票すると答えた人は45%に上り、クリントン氏支持の42%を上回った。 1カ月前の調査はトランプ氏41%、クリントン氏48%という結果だったが、トランプ氏がクリントン氏より先に党の指名獲得を確実にした勢いに乗り、逆転を果たした形だ。 ≫(時事通信)


 ≪ クリントン氏は「ルール違反」=メール問題で国務省監察官
【ワシントン時事】米国務省の監察官は25日、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が私用のメールアドレスを公務に使っていた問題に関連し「クリント ン氏は(公文書保存に関する)国務省のルールに従わなかったことになる」とする報告書を連邦議会に提出した。米メディアが一斉に報じた。 クリントン氏は大統領選で民主党の指名獲得をほぼ確実にしつつあるが、私用メールの使用はルール違反ではなかったと釈明してきた経緯があり、共和党の攻撃材料になりそうだ。
  報告書は、公務関係のメールは公文書に当たるとの立場から「クリントン氏は送受信したメールを印刷して保存しておくべきだった」と指摘。「少なくとも退任 前に全てのメールを国務省に引き渡すべきだった」とも記し、こうした義務を怠ったことがルール違反に当たると明記した。
 クリントン氏は2013年2月に退任したが、メール約3万通を国務省に提出したのは同省から要請を受けた後の14年12月だった。
 報告書はまた、クリントン氏には「個人メールを使うことを(国務省の担当部局と)相談する義務」があったが、「クリントン氏が承認を求めた証拠はない」と説明。報告書作成に当たり、クリントン氏が事情聴取を拒否したことも記した。 ≫(時事通信)


現時点で、米共和党の大統領候補は、ドナルド・トランプ氏で決着がついた。民主党は、ヒラリー・クリントン氏でほぼ決まりなのだが、どんでん返しがゼロとは言い切れない。何故かと云う問題だが、ヒラリーの評価は、メール問題もさることながら、アメリカの1%の味方と云う評判は高まるばかりで、99%の国民の敵だと云うイメージは強くなるばかりだ。アメリカの大統領本選は、ヒラリーが民主党の本命候補になっているマジック(高下駄)がないわけだから、トランプと「差しの勝負」をしなければならない。多くの世論調査で、ヒラリーでは本選敗北と云う調査結果が出ている。

民主党は、本当にそれで良いのか。バーニー・サンダース候補よりも、トランプの方が大統領に相応しいと思うのだろうか。ここが、ギリギリの民主党特別代議員の矜持の問題になる。世論調査によると、サンダース対トランプなら、サンダースが有利。ヒラリーとトランプなら、トランプ有利と云う解が出ている。筆者も、この調査結果に納得している。サンダースは、民主社会主義であるとしても、政治家としてのキャリアから考えれば、議会との調整に腐心するだけの矜持がある。しかし、トランプは、一世一代の4年間だけで良いと思えば、エスタブリッシュメントの破壊に精を出すだろう。

まさか、米大統領選で21世紀の悲喜劇が、覇権国アメリカで起きるとは思わなかったが、あれよあれよという間に、ドナルド・トランプ氏が共和党候補に決定したのだ。移民排斥とウォール街殲滅が、トランプに与えられた有権者からのメッセージなのだから、「暗殺」されない限り、アメリカの政治は“しっちゃかめっちゃか”になるのだろう。オバマも、酷く怖れているようだ。口汚く、現職大統領が、次期大統領候補を誹謗中傷するなど、民主国家として、あるべきではないが言ってしまった。トランプは「「世界情勢に関する無知をさらけ出している」、「(首脳らは)どれだけ真剣に(トランプ氏の)発言を受け止めたらいいのか分からないでいる。彼らが混乱しているのはもっともなことだ」‥等。しかし、ヒラリーが対立候補なら、トランプが65:35の確立で勝利する。もう一つ、面白い記事があった。


 ≪ トランプ氏、来年参加?…サミットで話題さらう
 オバマ米大統領が参加する最後の主要国首脳会議となった伊勢志摩サミットでは、米大統領選で共和党指名候補に確定した不動産王ドナルド・トランプ氏が話題をさらった。 「米国第一主義」を掲げ、過激な発言を繰り返すトランプ氏が次回、米大統領として参加するシナリオが現実味を帯び始めたからだ。
 ユンカー欧州委員長の側近は26日、トランプ氏に加え、英国の欧州連合(EU)離脱を支持するボリス・ジョンソン前ロンドン市長、フランスの極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首の名を挙げ、「来年のG7に彼らが参加するというのが最悪のシナリオだ。だからこそ、ポピュリズムと戦う価値がある」とツイッターに投稿した。
 オバマ氏は26日の記者会見で、「米大統領選について各国首脳とどんな会話を交わしているか」と記者に問われ、「(トランプ氏の)指名獲得に驚き、彼の意見をどれだけ真剣に受け止めればいいのか(各首脳は)戸惑っている」と明かした。 ≫(読売新聞)


EU離脱のボリス・ジョンソン英国首相、フランス極右ルペン大統領、ドイツのメルケル首相も、オバマなき世界情勢で生き抜く能力、気力なく退陣となれば、相当怖ろしい主要国首脳会議になる(笑)。アメリカ大統領がトランプ、その上に、我が日本が、ファシズム安倍首相の続投となれば、これは壮観だ。これは拙いと、G8にすると、プーチン大統領が加わる。一番、プーチン大統領が民主的に見えてくるから、こりゃ愉快だね。イグノーベル賞ではないが、裏サミットが表サミットになるような世界なんだね。

個人的な願望を言っておけば、サンダース的アメリカ大統領。志位和夫的日本の首相。そして、ロシア、中国、インドの首脳を加えた、G10サミットの方が、世界は経済成長を停滞させ、何が本当に人類にとって「普遍的価値」なのか、討議するサミットになることを望んでいるが、まあ、これはこれで、露中の露出が強すぎ、異なる反動も出てくるのかもしれない。

兎角、人の棲む世界は悩ましい。筆者が言いたいことは、このような裏サミットのような風情になることも、一皮剥けば起きるほど、世界は不安定だと云うことなのだ。どの国が良いも悪いもない。すべての国が、今のマネーに“金●握られた”ような為政を繰り返し、人類にとって、マネー(経済)が一番なのだとシャカリキになっている間に、トンデモナイ反撃が、内なる国民の側から噴出してしまう。そう云う状況と紙一重でエスタブリッシュメントが存在している事を、既得権勢力自体が、早々に気づき、許しを乞うべき時代が、まさに接近していると云うことだ。いま、信じ込まされていることの、50%は完璧に嘘であると……。

米中抗争の「捨て駒」にされる韓国
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●悩ましい沖縄問題 海兵隊教本、沖縄県民を“原住民?”扱い

2016年05月27日 | 日記
琉球王国と戦国大名: 島津侵入までの半世紀 (歴史文化ライブラリー)
黒嶋 敏
吉川弘文館


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●悩ましい沖縄問題 海兵隊教本、沖縄県民を“原住民?”扱い

ホワイトハウスが頼んでもいないのに、自国の軍隊である自衛隊を、屁理屈は色々語っているが、米軍の傭兵化(集団的自衛権行使)を進んで申し出る日本政府が、米軍属の民間アメリカ人の性犯罪を首脳会談に持ちだしたことに、オバマは呆れていたのだろう。怒りを現すくらいなら、辺野古基地新設は難しくなったとでも言って恫喝するのかと思いきや、「辺野古は唯一」とか言い出す。つまり、“内政上のパフォーマンスなので、一応言わせてください”と、絶対に断りを入れた上でお話申し上げただけである。状況証拠が、安倍がまったく抗議する気がないことを証明している。翁長知事の皮肉も当然だ。


 ≪ 日本は「放置国家だ」 日米「辺野古が唯一」で翁長知事
 翁長雄志知事は26日午後、県庁で会見し、日米首脳会談で安倍晋三首相がオバマ大統領に対し、米軍普天間飛行場の移設問題は「辺野古が唯一」と伝達したことについて「二十歳の夢あふれる娘さんがああいう状況になった中で、辺野古唯一と日本のトップが米国のトップに話すこと自体が、沖縄の民意を含め県民に寄り添うことに何ら関心がないということが見透かされている」と厳しく批判した。
 その上で「政府は繰り返しわが国は法治国家だというが、今のありようでは『法治』という字は県民を放っておくという意味での『放置国家』と言わざるを得ない」と政府姿勢を痛烈に皮肉った。
 米軍属女性死体遺棄事件を受けて政府が犯罪抑止のための作業部会を設置したことについて「具体的な中身が分からない中で判断は難しい。今日まで、県民を(再発防止策に)がっかりさせるような長い年月があった。これをするからには政府もよっぽどの覚悟を持ってやっていただかないといけない。しっかりと対応してもらわないとかえって複雑になるのではと懸念もある」と注視する考えを示した。
 女性遺棄事件に対する県議会の抗議決議で盛り込まれた全海兵隊の撤退を知事として政府に要請するかについては「県議会が主体的に判断されたことには尊重し敬意を表する。県議会の良識が表れている。議会と行政は二人三脚なので、こういったことも含めて議論する必要がある。条件整備とかいろいろある。基地問題を前進させるときに私なりのいい形での考えもあったりするので、議会とすり合わせながら、思いは一つなので、どう政治的に表していくか議論していきたい」と述べるにとどめた。  ≫【琉球新報電子版】


現在でも、沖縄米軍基地には、ケビン・メア氏の「魂」が生きているようだ(笑)。彼も、この「沖縄文化認識トレーニング」のスライド教育の研修を受けたか、もしくは政策の側であったのだろうと推測する。多くの真実と、古臭い情報が混在したシロモノで、誤解を招く部分も多いようだ。ただ、一定の範囲で、本土の人間が抱いている感覚が、米軍の関係者に伝聞されている面もあるような解説が混入している。しかし、本質的に沖縄の住民に対して「現地人的」先入観で見ている点は、大いに問題だ。

おそらく、歴史的にも、琉球王朝から琉球処分、第二次大戦米軍上陸、米軍統治、日本返還と云う、歴史的な経緯から生まれた多くの言説が、何らかの形で残っている事は、想像がつく。そのことは、駐留するアメリカ人にとって問題点であるかもしれない。本土の人間から見ても、沖縄県民に独特の感情移入が強くあることは、問題かもしれない。しかし、沖縄を日本の領土だと当然のように主張するのであれば、それらの問題も包摂する決意なしに、領土化したことの方が問題だ。歴史的に、米軍は統治者であったと云う意識が強すぎ、今現在の沖縄県人の被統治から脱却し、自主独立の精神が芽生えている点に目を向けていない。

日本政府も、多かれ少なかれ、この「沖縄文化認識トレーニング」と同様の認識に立っている部分が大いにある。筆者も、会社を経営していた時代に、何人か沖縄の人を雇用したが、たしかにノンビリしていた(笑)。業務は7割、権利は10割、そんな感じだった。しかし、それは沖縄県人だからと云うものではなく、暖かい地方の県民性として、一定の範囲説明がつく。その上、隷属させられていた歴史的時間があるわけだから、被害に対して過敏性があるのは当然だと認識すべきだ。しかし、第二次大戦後の沖縄米国統治と云う犠牲は、敗戦後の処置として、喉に刺さった小骨のような後味の悪さは否めない。

しかし、日本は、琉球を1609年、薩摩藩が侵攻して以来、日本の領土と見做した以上、自国であることを、政府は特に意を図るべきである。或る意味で、他の県以上に、神経を使うのは当然のことで、それが、侵攻し領土化した国の責任である。アメリカから、単に譲り受けた領土と云う認識では、沖縄を理解し、日本社会として包摂しているとは言い難い。米軍は、他所者として沖縄に居るのだから、些か歪んで古臭いが「沖縄文化認識トレーニング」と云う注意書きマニュアルを作成していたのだから、安倍官邸の掲示板にも、別途、「沖縄文化認識訓示」マニュアルを作る必要がある。特に、菅官房長官は、沖縄の琉球王朝からの歴史を勉強し直すべきである。

いま、沖縄県民は、米軍基地などに頼ることのない生活を取り戻しつつある。翁長知事らの総意は、そのことを、日本政府に、本土の日本人に、時に世界の人々に伝えようと努力している。我々本土の人々は、本気になって、沖縄の現実を見てやるべきだ。自尊の精神を取り戻そうと情熱を持っている琉球の人々を包摂するのか、見離すのか。それは、或る意味では、日本人の武士の志をも試されている。いや、武士ではなく、人の心かもしれない。沖縄と青森の言葉に縄文の血が流れて考古学的事実まで遡れば、先祖返りなのだが、このことを話すと長くなるので切り上げる。東北地方と沖縄には縄文発音が色濃く残っているのは言語学上の事実だ。

■特集:沖縄米海兵隊員研修マニュアル(沖縄タイムス)

 ≪ 沖縄県民を見下す海兵隊の新人研修  「世論は感情的」「米兵はもてる」
 在沖縄米海兵隊が新任兵士を対象に開く研修で、米兵犯罪などに対する沖縄の世論について「論理的というより感情的」「二重基準」「責任転嫁」などと教えていることが分かった。英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で発表用のスライドを入手した。米軍が事件事故の再発防止策の一つと説明してきた研修の偏った内容が明らかになり、実効性に疑問が高まりそうだ。
 スライドは2014年2月のものと、民主党政権時代(2009〜12年)とみられる時期のものの二つ。「沖縄文化認識トレーニング」と名付けられている。
 「『(本土側の)罪の意識』を沖縄は最大限に利用する」「沖縄の政治は基地問題を『てこ』として使う」などとして、沖縄蔑視をあらわにしている。
 事件事故については、「米軍の1人当たりの犯罪率は非常に低い」と教育。「メディアと地方政治は半分ほどの事実と不確かな容疑を語り、負担を強調しようとする」と批判する。
 特に沖縄2紙に対しては「内向きで狭い視野を持ち、反軍事のプロパガンダを売り込んでいる」と非難。一方で、「本土の報道機関は全体的に米軍に対してより友好的だ」と評する。
 また、1995年の米兵暴行事件について「その後の日本政府の対応が島中、国中の抗議を引き起こした」と責任の大半が日本側にあるかのように説明する。
 兵士に対しては、異性にもてるようになる「外人パワー」を突然得るとして、我を忘れないよう注意している。
 ミッチェル氏は「米軍が沖縄を見下してもいいと教育し、何も知らない若い兵士の態度を形作っている。『良き隣人』の神話は崩壊した」と批判した。自身のウェブサイトでスライドを公開することにしている。  ≫(沖縄タイムス)


 ≪ 再発防止どころか差別意識を拡大 沖縄海兵隊の新人研修
【解説】明らかになった在沖米海兵隊の新任兵士研修の資料は、沖縄に対する侮辱に満ちている。事件や事故を起こしておきながら、それに対する県民の怒りを「感情的」「責任転嫁」などと退けている。 組織がこういう姿勢であれば、構成員である兵士が沖縄に敬意を払えるはずがない。再発防止どころか、まさに事件、事故の温床となる差別意識を拡大、再生産していることになる。
 元海兵隊員の軍属による女性遺体遺棄事件について、来日したオバマ米大統領は25日、再発防止を約束した。この新任兵士研修を本当の再発防止策として機能させたいなら、沖縄側に内容を公開して点検してもらうほどの抜本的な見直しが必要になる。
 一方、資料は「内輪の言いたい放題」で、だからこそ分かった本音もある。米軍が県民の怒りを肌で感じていること。だからこそいら立ち、理由を探しているということだ。その矛先が地元メディアなどに向けられている。
 資料には、「米軍基地反対の言説は偏っているとしても、うそではない」という一節がある。米軍の弱気がのぞいている。 ≫(沖縄タイムス:北部報道部・阿部岳)


 ≪ 「良き隣人」の本音あらわ… 沖縄海兵隊の新人研修
在沖米海兵隊が作成した新任兵士向け研修のスライドには、「(日本)政府は代替地を本土で見つけられないため、兵士と基地を(沖縄に)残したいと考えている」など、正確な分析も含まれている。日ごろ表さない本音が見え隠れする。
 名護市辺野古の新基地建設については、「特に滑走路がサンゴ礁の上に建設され、漁業やジュゴンを危機にさらすことから、もはや評判の良い案ではない」と率直に語る。
 2000年に名護市で主要国首脳会議(九州・沖縄サミット)が開かれたことについては「普天間代替施設を受け入れることへの感謝を示すため、政治的に決定された」と論評する。
 また、民主党政権時代に作られたとみられるスライドでは基地の地元自治体の態度を色分け。名護市、沖縄市、読谷村、北中城村を「過敏、反対」とし、嘉手納町、金武町を「より穏健」、浦添市、うるま市、伊江村、東村などを「過敏でない」と分類した。
 政権党だった民主党に対して、「どうすればもっと現実的で責任ある態度を取れるようになるか学ばなければならない」と、他国の内政に介入するコメントもあった。
 このほか、沖縄の歴史を先史時代から琉球王朝時代、沖縄戦と順を追って解説。米軍統治については「病院、新聞、司法や政治制度を創設した」と貢献も記しつつ、「自治は制限された」と認める。
 特に土地接収については「補償は小さく、契約期間は長かった。このことが1956年の島ぐるみ闘争、復帰闘争につながった」と解説する。
 「沖縄は遅れていて日本人でないとみる本土の人や組織によって差別されてきた」ことや、「言語の抑圧」についても触れている。  ≫(沖縄タイムス)


日本にとって沖縄とは何か (岩波新書)
新崎 盛暉
岩波書店
沖縄と海兵隊 駐留の歴史的展開
屋良 朝博,川名 晋史,齊藤 孝祐,野添 文彬,山本 章子
旬報社


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●泥縄、「安倍・オバマ会談」 目を覆うばかりの“すれ違い”

2016年05月26日 | 日記
徹底検証 安倍政治
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●泥縄、「安倍・オバマ会談」 目を覆うばかりの“すれ違い”

米元海兵隊員による、「米元海兵隊員強姦殺人事件」を受け、サミット開催の前日と云う慌ただしさで、日米首脳会談が無理矢理セットされた。そして、日米の首脳が、あらゆる問題で、絶望的な温度差をたがいに持っていることを披露する会談になったようだ。外務官僚の手腕が酷すぎた。自国の首相をピエロに仕立てたと同様の振付けが目立った。個人的には、安倍が一人相撲を取ったのは愉快だが、外交としては、大失敗だった。朝日新聞は、以下のように、日米首脳会談を“おざなりに”報じている。

≪ 安倍首相、沖縄事件に抗議し再発防止要求 日米首脳会談
 安倍晋三首相は25日夜、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の開幕を前に、オバマ米大統領と会談した。首相は沖縄県で起きた米軍属の男による死体遺棄容疑事件について米側に抗議し、実効性のある再発防止策を講じるよう求めた。オバマ氏は事件を受け、哀悼と遺憾の意を表明した。 首相は、同日夜に来日して三重県のサミット会場に入ったオバマ氏と約1時間会談した。会談後の共同記者会見で、安倍首相は19日に米軍属の男が女性の死体遺棄容疑で逮捕された事件に関し、「オバマ大統領に日本の首相として断固抗議した」と述べた。
 首相は「沖縄だけでなく、日本全体に大きな衝撃を与えており、こうした日本国民の感情を、オバマ大統領にはしっかりと受け止めて頂きたい」と語った。また、事件が再発しないよう「実効性のある再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めた」と述べた。
 そのうえで、首相は「米軍再編にあたっても、沖縄の皆さんの気持ちに真に寄り添うことができなければ、前に進めていくことはできない」と指摘。日米で沖縄の基地負担の軽減に取り組む考えで、両首脳が一致したと明らかにした。
 一方、オバマ氏は「心の底からの哀悼の気持ちと深い遺憾の意を表明した。米国は継続的にこの捜査に協力していく。日本の司法制度のもとで捜査が行われることを確保するために、私どもは全面的に協力する」と述べた。
 沖縄県側からは、米軍人・軍属らが犯罪を起こした場合、米側に刑事事件の裁判権が優先される日米地位協定の見直し要求が出ている。これに対し、米側は、今回の事件の容疑者が現役の軍人ではなく、日米地位協定の適用を受けていないことなどから、地位協定の改定には応じない意向を示している。
 首相は会見で「地位協定のあるべき姿を不断に追求していく」と述べるにとどめ、オバマ大統領も「日米地位協定が、日本の法体系のもとでの完全な捜査や司法に必要な措置を何ら妨げてはいないと指摘しておきたい」と、改定に否定的な見方を示した。  ≫(朝日新聞デジタル)


“日米で沖縄の基地負担の軽減に取り組む考えで、両首脳が一致した”等と言っているが、いつもの儀礼的言葉の羅列で、何ら実効性などある筈もない。安倍は、「地位協定のあるべき姿を不断に追求していく」と、絶対に追求は実行できないと白状したようなものだった。だいたいが、安倍は沖縄強姦殺人事件を語り、オバマは8年間の外交成果を吹聴していた。まったく、乗っている土俵が別次元で、取り付く島もない状況だったようだ。オバマの言いぐさを聞いていたら、米軍は世界中で命を張って、世界平和に貢献し、多くの犠牲を払っている。言外に、「軍属米国人の個人的犯罪に、大統領が興味を持つわけがないだろう)と明確なメッセージを発している。猛烈に高飛車な態度に終始した。

このような態度になるのも、予見することは可能だったろう。安倍の、対米外交は、ホワイトハウス無視、ネオコン主導の米議会重視外交だったからである。オバマは、安倍を無視していると云うよりも、幾分に憎んでいるのだろうと云う推量が、正解であったと証明してくれたような共同会見の雰囲気だった。揉み手をして、立憲主義を踏みにじってまで、「集団的自衛権行使」を容認し、米軍と共に戦争できる国を作ったのだから、きっと、オバマは、内心喜んでくれていると云う安倍官邸の思惑は、完膚なきまで打ちのめされた。それが、今回の日米首脳会談の中身だ。

オバマにしてみれば、最後のサミット出席であり、本心はどうあれ「広島訪問」まで腹を括り、「核なき世界」の演出を締めくくろうと云う時に、『たかが、軍属米国人の個人犯罪に、俺を突き合わせるつもりか!』と云うスタンスなのは間違いがない。かたや安倍の方は、伊勢志摩サミットの成功と消費増税凍結宣言で、気分次第では、衆参W選で、憲法改正発議までの道筋(期間)を長めに取ろうと皮算用していた。ところが、突如突きつけられた「米元海兵隊員強姦殺人事件」への対応次第では、沖縄全体ばかりではなく、日本全体に、「隷米主義」の印象が残ることは、直近の選挙のためにも避けたかったのが本音だろう。

しかし、オバマは、安倍と云う属国の首相の都合など一顧だにする積りはない。俺は、世界平和の為に存在する米大統領だ。安倍政権が滅びても、何の痛痒もない。そう主張していた。そして、揉み手までして、集団的自衛権行使を決定した政治判断の次元から推察するに、些細な事件で「日米地位協定」??ふざけんじゃない!と云うのが、昨夜の会談の答えだ。つまり、相手から、望まれてもいない内から、忖度外交で、先回りする「オベンチャラ外交」は、オバマには通用しなかった、そう云うことだ。

この「オベンチャラ(忖度)外交」は典型的なわけだが、オベンチャラ報道も、オベンチャラ審議会も、すべてが、自己満足的帰結になると云う証左だ。今までも、これからも、日本と云う国が、世界に本気で門戸を開くに積りがあるのなら、「オベンチャラ(忖度)……」と云う発想と云うか、性癖を治してから開くべきを開く態勢でない限り、悪い面だけが国を覆い、良い面が、インク消しのように消えていくのだろう。さて、安倍の伊勢志摩サミットは、それ程愉しい効果を上げる事はなくなったようだ。ただ、窮地に立てば立つほど、安倍は解散に傾きそうだ(笑)。

死を笑う うさぎとまさると生と死と
クリエーター情報なし
毎日新聞社


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