岸田首相は「戦争できる日本」へむけてばく進中だ。
サイバー空間でも「能動的サイバー防御」なるものを行おうとしている。
「防御」というが、実体は「攻撃」だ。
ネット空間には「国境」はない。
そして「ダークウェブ」といわれている暗号化された、通常の検索もできないサイバー空間がある。
ネットのデータはパケットというかたまりに、郵便と同じように相手先と発信元のIPアドレスがつけられる。これがないとどこにデータを届けるかわからなくなる。
このアドレスも含め丸ごと暗号化し、それも3回も繰り返し、発信元を分からなくしている。(Torなど)
さらにゾンビコンピュータで構成された「ボットネット」が無数にある。これを踏み台にすれば、さらに発信元はわからなくなる。
しかし、それでも「発信元」を特定する努力がなされている。
これを「アトリビューション(attribution)」という。
「発信元」の特定が困難なため、フォレンジックやウィルスパターンの分析などによって攻撃の「足跡」の証拠を集め、統計的に処理しながら、たぶん「この国」「この集団」だろうということは言える。
そのうえでロシアや中国であろうと推測している。
いずれにしても「発信元」の特定はこの程度だ。
このレベルで相手を決めつけ、現実的な武力行使などもってのほかだ。
もともとランサムウェアは米国のNSAからハッキングされ盗まれた攻撃プログラムが、無数の亜種を生み出したものだ。
ひとつのウィルスが作られると何百もの亜種がつくられる。
ランサムウェアの犯罪集団は、世界各国にまたがっている。
特定の国家との結びつきも推定でしかない。
そもそもアメリカが最大のサイバー空間ではないのか。
「能動的サイバー防御」の名のもとに、他国を攻撃できる計画ではなく、安全・安心できるサイバー空間の構築に力を入れるべきであろう。
サイバー攻撃と現実の武力攻撃の連動こそ「恐怖」すべきことだ。
いまの社会は「外交」が弱く、「話し合い」が少ない。
特に日本は「外交なき日本」から抜けだすときだ。
しかし、自公政治には無理だ。