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カジノで地域の衰退!

2017-11-19 06:17:53 | 日記

カジノ問題で、鳥畑与一静岡大学教授によ
る講演会が開かれた。

  11月18日、釧路市にて

鳥畑与一先生はもともと「金融」の専門家。
それがカジノをめぐる地域経済の研究に。

1時間ほど、この間のカジノ、そして政府
の「取りまとめ」を中心にお話しし、そし
てようやく本題に。

カジノを合法化すれば、ものすごいお金が儲かる。
このお金を使って統合型リゾートをつくると観光客が世界中から来る。カジノだけでなく、いろいろなところに足をのばして、お金を落としてくれるに違いない。地域経済は元気になる。
本当にそうなのか。
これは観光事業者自身が失敗例も多い、かならず成功するわけではない、認めざるを得ない現実があると。
アメリカで2番目にカジノを合法化し、成功例として報道されていたアトランティックシティ。アメリカの東海岸、人口が4~5万人という小さい町。そこに年間3000万人がくる。4~5万人の町は繁栄したのか。
ところが人口減少が続いている。平均所得は州平均の6割。
貧困率は州平均の3倍、犯罪率も高い。失業率も高い。
こういう現実がある。

アトランティックシティはニューヨークか
ら車で2時間ちょっと。きれいな海岸線が
ありリゾート地としてお客が多い。
そこにカジノを合法化した。
あのトランプ大統領のカジノホテルがあっ
たところ。(今は閉鎖された)

観光で有名なボードウォークも人がいない。
地元の「アトランティック誌2014年8月7日」
では、
A Good Way to Wreek a Local Economy
: Build Casinos
地域経済を難破させる良い方法?
それはカジノを建設することさ!

まさに自嘲気味な言葉だ。

 

ネットで、アトランティックシティの旅行
ブログを検索してみると、(下記をクリック)
2016年12月
アメリカ最大のゴーストタウンアトランテ
ィックシティー
2015年2月
東海岸で最大規模カジノ・アトランティッ
クシティの落日

これがカジノで地域振興を計った結果だ。

隣の韓国のカンウォンランドも人口減少が
続いている。

なぜこうなったのか、の説明が数字を使っ
て続いていく。
納得した。

釧路市でも以前は、MICE(マイス)で人
を集める政策を掲げた。市内には国際会議
場もあり、その後のアフターMICEとして、
阿寒湖畔の温泉地を利用しようとした。

ところがIRから話がおかしくなっていった。
阿寒湖畔にMICE+カジノのIR構想によっ
て、釧路市内がアフターMICEになってしま
ったのでは。逆転?

となると、アトランティックシティと同じ
運命をたどるのでは?

心配はつきない。

政府の「取りまとめ」をしっかり読み込ん
で、カジノ誘致はきっぱりあきらめるべき
だ。
地域経済発展の本来の道を歩むべきでは
ないか。

日本でも、博打で地域崩壊の事例がある。
2014年11月14日北海道新聞に「ばくちは
地域社会を壊す」、国立歴史民俗博物館名
誉教授 高橋敏氏が寄稿している。
その要旨は、
下総(しもうさ)の故事から学ぼう
ばくちほど家族を苦しめる悪はない。
しょうゆと干鰯(ほしか)が増産され、河岸や浜は好況に沸き、村人にかつてない現金収入をもたらした。
豊かさをもたらすはずの現金収入が、亭主の「飲み・打つ・買う」の放蕩(ほうとう)に雲散霧消。
40軒あった家数が24軒まで減少し、残りも名主を除き他は皆出稼ぎという窮地に立った。

これを救ったのが農民指導者・大原幽学であった。


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