新型コロナによるパンデミックは、人間の生活の多くのものを奪っている。
人が集まる文化・芸術、飲食店や旅館などさまざまな小規模・個人業者の生活を聞きに陥れている。
8日付のしんぶん赤旗に日本腹話術普及協会理事長のしろたにまもるさんが登場し、「去年の4カ月間に60件のキャンセル、それ以後1年間も仕事がほとんど入ってきません。国の支援金40万円ではどうにもならない」と苦境を述べ、「芸を『不要不急』にしないでください」と訴えていた。
会館やホールを使っての文化・芸術は危機的状況だ。
さまざまな分野の苦境が続く中、高齢者も外出しづらくなって自宅にいる機会が増えている。
そうしたなか、江戸時代の長屋を題材にした「本所おけら長屋」シリーズをお薦めしたい。題名の「おけら」とは昆虫ではなく「おけらになる」=一文無しのことであろう。
涙あり笑いありの人情ものだ。漫才や落語の世界だ。
3巻の「あいえん」と4巻の「あかいと」が恋愛ものだが、若い人からいえば胸キュンという言葉ではないだろうか。4巻の「すりきず」は、ハラハラドキドキの捕り物だ。
いずれも「万松は災いのもと」で、てんやわんやのドタバタ喜劇の笑いと涙のお話だ。
作者は畠山健二氏で小説や笑芸作家でもある。このような小説を書くことに納得。
少しでも自粛生活のストレスを軽減してほしい。
ところで中心的な主人公である万造と松吉、合わせて万松と呼んでいるが、「万松は災いのもと」と騒動の中心だ。
ひるがえって、今の政治をみると「自公は災いのもと」といえるのではないか。違う点は、国民の福祉や生活を破壊し、戦争できる日本へ進めていること、もっとひどい災いといえる。