社会はかわるし、かえられる!

格差社会の縮小めざして、誰もが安心できる社会をめざして!
 

松吉の過去が明らかに・・・

2020-11-24 12:45:51 | 日記

夕日が赤いのは「お天道様が今日あった辛え
ことや悲しいことを、燃やしてくれてんだっ
てよ。だから明日にになりゃ、そんなことは
忘れて頑張れるってことらしいや」

これは本所おけら長屋の第13巻「ゆうぐれ」
の松吉の話す一節だ。

夕日をながめる子どもをはげますすばらしい
言葉だ。

ここで「万松は災いのもと」という松吉の過
去が明らかにされる。それは、義姉を母親と
思ってきた松吉の思いがたくさん表出してい
る。そしてお栄と・・・

藤沢周平著「本所しぐれ町物語」の裏店の人
間模様や今回の「おけら長屋」におけ人間関
係は、私の子どものころの隣近所を思い出す。

祭りの練習が毎年交代で、家の中で行われ、
その時はいつも酒盛りであった。また年に1
回持ち回りで食事会もあった。

私自身が三軒両隣の親に育てられた思いが残
っている。

そうした記憶が、長屋の物語に共感するので
はないかと。

長屋の人たちは、みな欠点だらけで失敗もす
るし、バカばかりする。しかし最後はまとま
ってしまい大団円となる。その喜怒哀楽がお
もしろいし、人間てすばらしいと思う。

ふり返って、現代はネット社会であり、小さ
な子どもの時から人のなかで揉まれていない。

とりわけ「スマホ」が子どもたちの心にいす
わっている。

それは子どもの成長にあわせた、それぞれの
年代の文化が無くなっていく過程ではないか。

小さな子どもが、いっきに大人社会の文化を
吸収してしまう。

人間としての成長が心配だと思うのは、私だ
けではないと思う。

スマホのあるネット社会はどうあるべきか。
難しい問題だ。
「おけら長屋」を読みながらふっと考える。