住民投票により、「大阪都」構想は終了した。
議会にかかわった人間として、大阪市の住民投票には、大きな関心をもっていた。北海道からみていた状況であるが、彼の「乱暴」な手法にはあきれるとともに、市民の不満、閉塞感を利用して、大阪市を解体することに懸念をもっていた。なぜなら、北海道は道州制を知事が掲げているから。違いは、道州制は国が掲げている。
橋下氏の手法に、かなりの国民が危機感を持っているのではないか。
なかには、ドイツのヒットラーが政権をとるにあたっての手法に似ている、また市民の声を聞かず、マスコミを利用し、上からの破壊をすすめる手法など、自治体関係者からも不安の声が聞かれた。
自・公政権による新自由主義路線から、自治体を「住民福祉の増進」ではなく、大企業に「奉仕」する仕組みに変える流れが強まっている。
「地方創生」といいながら、町村を中核都市に集約し、町村の自治を失わせていく流れも強まっている。本来の地方自治を衰退にむかわせることにつながる。
橋下政治と安倍首相の政治手法はかなり似ている側面がある。
国民の生活をいっそう引き下げていきながら、そこから来る閉塞感を、逆手にとり、マスコミを利用しながら、いっそうの強権政治をつらぬく。
今度は国会。
「戦争法」がついに国会に上程された。
これが3~40年以上前なら、労働組合のゼネストが起きてもおかしくはないと思う。憲法9条を持つ国が、世界のどこにでも、自衛隊を派遣できるとなると、なんのための憲法なのか、わからなくなる。国の憲法をここまで貶める首相は初めてである。
派遣法の改悪も、可決されればいっそう労働者の生活は低下する。そこから来るさらなる閉塞感。
自由と民主主義の危機を感じるのは私だけではない。
国民的反撃がいよいよ求められている。