呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

今時の小学生

2005-11-20 | 徒然なるままに
★11月某日 こいつの親は何を考えているんだぁ~!
 今日は朝から仕事が立込んでいたため6時半には家を出た。いつもの時間よりは多少空いている川崎駅のホームに降りていったら、黒い詰襟に半ズボンと制帽に大きなランドセルを背負った小学生1~2年生ぐらいの男の子が電車を待っていた。まだこの時間高鼾で寝ている我が息子を思い遣り「なんとも偉い子供だなぁ~」と感心した。
 目黒の社宅にいた時もたまに会社に早出したのだが、6時半過ぎの始発バスにはきちんと紺色のセラー服に身を包み、学校のノートや本を膝の上に広げているいかにもお嬢様風の小学生低学年の女の子が何人も乗っていたものだ。そんな小学生と一緒になると『子供は義務教育中は公立に通い、伸び伸びと勉強に遊びに励むべき』という方針の私には、とても不憫に見える。『この時間にバスに乗るということは、この子達はいったい何時に起きるんだ?それでホントに幸せなの?幸せな将来はホントにくるの?』などと余計な事を考えてしまう。川崎の駅で制服姿の男の子を見かけてそんなことを思い出しながら、『でも偉いよな。がんばれよ。後悔のない人生にしろよ!』などと応援する気持ちも湧いてきた。
 ところが、だ!その男の子の脇を通り抜け、いつもの乗車位置に向かいながら気が付いた。「お前の立ってる位置はグリーン車じゃね~かよ。てめーの両親、いったい何考えてるんだよぉ~!世の中間違ってるゾ~!!!」


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呑む気父さんの読書感想文・その6 「いっぽん桜」

2005-11-20 | 本の話
「いっぽん桜」 (山本一力 新潮社文庫)
 「明日の記憶」のあとに「東京タワー(リリーフランキー)」を読もうと買っていたのに、根っからの活字中毒の呑む気父さんは、今日の帰りの電車で読む本がないのが耐えられず思わず山本一力の新刊文庫本を買ってしまった。たとえ10分の病院の待ち時間、たった9分の東海道線の中、極端な話5分のトイレの中でも、何か読み物もしくは『音』がないとダメなタイプ。だから本もしくは新聞、携帯ラジオは私の必携アイテムだ。裏返せば、落ち着きのない自律神経失調症気味の性格なんだな。
 で、思わず買った「いっぽん桜」だが、やっぱり山本一力はいいなぁ。解説では同氏の小説のことを「人情時代小説」といっていたが、江戸時代(江戸文化)ほど「人情」と言う言葉が似合う時代は日本にはなかったのではないか。庶民にだけではなく、武家社会にも「人情」があったのだと思う。この「人情」が、日本人の、その中でも中年以降の人々の琴線に触れるわけで、その「人情」を見事に上手な文章で表現されれば、面白くないわけがない。おじさんはついつい同氏の本を買ってしまうんですなぁ~。
 さて、この本では4種類の花木が登場し、その花木にまつわるそれぞれの物語が展開する。ひとつめの「いっぽん桜」はなかなか泣かせるね。まさに現代社会にも在りがちな話で、大企業を定年になったエリートサラリーマンの悲哀に通ずる物語である。いつまでも昔の看板を背負っていたのでは回りの人は迷惑なんだな。でも人はなかなかそこに気づかない。この主人公は気づいてよかったね。
 他に3つの短編が続くのだが、「話し」としては私にはいまひとつだった。まさに「人情」と言う面では少々物足りなさを感じた。好きな作家の作品でも、すべてが満足と言うわけには行かない。よく「期待して読んだのに面白くなかった」とか「時間を無駄にした」などと批判する人がいる。でもひとりの小説家を気に入って通読するときには、そのようなこともあるだろう。それもまた小説を読む楽しさではないかと思うのだが・・・。

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