今回のママ犬はお腹は大きくなったのですが、触るとプヨンと余裕があるので子犬の数は2匹から3匹だとみていました。出産が近づいてくると、だいたいのママ犬は食欲が落ちて食べなくなるのですが、今回のママ犬は産む前まで食欲旺盛でした。私は予定日は28日だとみていました。しかし~28日の朝ご飯をペロリ!そして~お昼のおやつもササミとヨーグルトを食べました。 この調子ならまだまだ・・・と思ってると、午後の2時30分くらいから騒ぎだしました。
お母さん~陣痛がきてる
きてる
と私にアピールしてきました。私は他のわんこたちをハウスに入れて出産体制に臨みました。。その後4時50分に破水。それから定期的にいきみました。そして胎児が下まで降りてきて足先が見えました。あらっ!逆子です。逆子は、珍しくありません。しかしこの逆子ちゃんは、胎児をつつんでいる膜が少し破れているようです。 ↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/96/f211792cfeae547139229fae37e0e04e.jpg)
肛門から陰部の間が突起しています。これはそこまで胎児が来ているからです。一生懸命にいきむママ犬ですが、なかなか世に出ることができません。私は早く取り出してあげようと胎児の足をつかみながら段々と指を入れ、おしり・お腹あたりまでたぐり寄せ、胎児の身体が子宮に戻らないように持っていました。持ったまま、いきみに合わせて少しずつ引っ張ります。あせってグイグイと引っ張ったらダメです。子犬とママ犬の身体を痛めないように・・・ゆっくりと・・・でもあまり時間がかかってもよくないのです。それでも20分くらいはかかったでしょうか。 午後6時5分 第一子・男の子180gが生まれました。 時間がかかったので男の子は最初のうち元気がありませんでした。圧迫されてしまうのですよ。私はこの子の心臓をマッサージしました。しばらくして1時間ほど経つと第一子は元気になりました。
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そして誰に教わることもなく、お乳を探して上手に飲でいます。すごいね!いつも感動します。
ここまでは順調でしたが・・・この後が大変でした。このあともママ犬はずっといきんでいました。私はハウスの前にマットレスを敷きママ犬の前にいてずっと話しかけて勇気づけていました。いきみに合わせてお腹をさすり、胎児が陰部の近くまで移動できるように手助けをしました。夜10時半くらいに胎児の頭が肛門の下まできたので、よしっ!出してあげよう!といきみに合わせて陰部のほうへと導きましたが・・・下までは降りてきません。ママ犬も苦しそうです。このママはガマン強くて、いたそうな顔をしたり悲鳴をあげたりは決してしません。ひたすらおとなしくいきむだけ。
そのような陣痛の中、日付がかわって29日となりました。この頃になると私は長年の経験から、胎児は子宮内で何かのトラブルがあり亡くなっているかもしれない・・・と考えました。昼間なら病院へ行くところですが夜中です。すでに一匹産んでいるので道はできている。しかも、このママ犬は前回のお産の時、超~安産でした。 同じく夜中の出産で前ぶれの陣痛もないので、私がうたた寝している間に⇒何と!私の布団の中で、第一子を産み、へその緒も綺麗に処理していました。
ママちゃんはずっといきんでいるので、この子は無事に自分の力で産んでくれると信じていました。その間、第一子の子のお世話をして、子犬を離さずに自分の身体によせつつ・・・苦しい陣痛に耐えながら何時間もいきんでいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/dc/f8b2a0ad04b8c363b74e6cbba2dbef59.jpg)
そして~夜中というか朝方です。4時ころです。本格的に産む体制になってきました。普通のいきみとはようすが違うので、あっ!いよいよきたな!と分かります。このママの場合・・普通のいきみの時は、部屋の中を行ったり来たりする時もありますが、いよいよ産むときは悟ったように落ち着きます。そして朝方の5時半頃、胎児の頭が陰部のところまでおりてきました。私は頭から首の部分まで指を入れて、中に戻ってしまわないように持っていました。第一子の誕生からすでに12時間が経っていました。これだけ時間がかかると言うことは、この子は生きてはいないと覚悟していました。というのも、胎児が生きていれば自分も誕生しようと働くので、赤ちゃんも自ら産道へと向かうのです。これは人間の赤ちゃんと同じです。人間の赤ちゃんも苦しみながら産道をめざして進んでいきます。
これだけいきんでも出てこれないと言うことは、胎内で膜が破れて呼吸することが出来なくなり亡くなっているのでしょう。自力で産道まで降りてくるのが難しいのです。 しかし~ママ犬がこんなにも諦めないでいきみ続けているから、今やっと陰部まで降りてくることができたのです。母犬の力ってすごい!です。この子にあらためて感動しました。
そして頭の部分が出てきました。思った通り羊膜にはつつまれていません。よくここまできてくれたね。これでまた胎内に戻ってしまったら、もう産まれてくることができない。絶対に出してあげるよ!ママ犬は一晩中頑張ったんだもの。帝王切開の手術をすることだけはさけてあげたい。その気持ちがメラメラとわき、私は第二子の頭から首にかけてしっかりとつかみました。やはり胎児はすでに亡くなっており、膜もはがれていたのでお口が開いた状態でした。この開いたお口が産道でぶつかって前に進めなかったと思われます。第二子の首までは体外に出てきたのですが、その下の身体が出てきません。この頃には、12時間いきみ続けたママ犬の身体も疲れ切っていて、いきむ力も小さくなっていました。本当に可哀相で![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ase.gif)
こんな辛い思いをさせたことを申し訳なく思いました。しかし~この子犬をこの世界に出してあげなくては。そしてママ犬をこの苦しみから解放してあげたい。そう念じながら、首から下の胴体がでてくるまで時間がかかりましたが、朝方6時に第二子・男の子200gが産まれました。残念ながら死産でした。次男君、助けてあげられなくてごめんね。200gの、イセントとしては大きな子。せっかく胎内でこんなにも立派に育ってくれたのにね。助けてあげることができなくてごめんなさい。ママ犬ちゃん、こんなにも頑張ってくれてありがとうね。これからもますます大切にしますよ。
今回のお産は、イタグレの繁殖を始めてからは1番・2番に残る大変なお産でした。過去には未熟児が生まれてその後亡くなったことはありましたが、胎内で死産というのは初めてのように記憶します。二匹ともに産まれる直前までよく動いていましたので、早くから亡くなったのではなく出産時のトラブルです。その原因は私は分かっています。私が悪かったのです。このお産でまた新たに勉強させてもらいました。
きっと 神からのお声で⇒ マツムラ、初心にもどれ! 犬のお産は命がけだよ。安産が続いたからと、あなどることなく、これからも日々精進しろ!と言われ頭をガツン(>_<)とやられ目が覚めた感じです。
犬は自分の意思で出産するのではありません。私のところに居るために、このように身体をはって命がけで子犬を産んでくれるわんたち。健康で安産な子を選んで出産してもらっています・・・普通の愛犬家と同じようにわんたちとリビングで生活し、夜は一緒に私のお布団で寝ています。私のお布団は犬臭いです
でもこのようなことがあると深く考えてしまします。ママ犬達に、こんなに辛い経験をさせてしまっているのです。13年ほど前ですか~初めて帝王切開の手術をしたのはイタグレでした。そのとき獣医さんから、マツムラさん、あなたはお産の怖さをまだ分かっていない・・・といわれたことがありショックでした。 あれから自分なりに勉強してきたつもりでしたが、まだまだ修行中ですね。お産は何が起こるか分かりません。10年ぶりくらいに大変な経験をさせていただきました。わたくし~このお産で~胸の苦しみが続いていて一気に3kg痩せましたよ。 クタクタ
でも前向きです。これからもママ犬たちをフォローして安産でいけるように努力していきます。
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