ルックはショードッグとしての素質はあまりなかったと言えます。ショーに向いているのは、見た目、触った時の骨格構成・お顔や身体の美しさ・歩様の美しさ・ショーのリンク上にて、アピールできるキャラクター。明るくものおじしない性格など。それらをハンドラーが上手く魅せることにより、よい成績へと繋がります。
ルックは繊細な性格だったので、CHを完成するまでには時間がかかると思って覚悟をしていました。長い目で育てていこうとの気持ちでした。お外にどんどんと連れていき、世の中に馴染ませようと努力しました。
初詣、北海道神宮にも連れていきました。境内内は入れません。
雪の中でも歩かせました。これも練習です。
その甲斐もあって、リンクを歩くことは平気になりました。
楽しそうでした。
オランジーナパパさん、いつも応援ありがとうございました。
11年前ですね。インターCHへのキャシブカードをいただきました。
千葉、幕張にて開催されたイタリアングレーハウンド単独展にてM・カードをいただきました。
この時から一か月ほど経って、JKCから通知が届きました。JKC・CHへの資格であるカードが揃いました。CHへの登録手続きをしてくださいとの内容でした。
当時、CHへのルールを把握していなかった私は・・えっ ルックはCHへのカードが揃っていないはず? ウソでしょう 悪い冗談はやめてよ~ とヘンな気持ちになって・・須〇会長に電話をして・・調べてもらいました。
そしたら、カードが発生した試合に、スチュワートさんが私にカードを渡すのを忘れていたそうです。それが2回もあったそうです。なんだぁ~!そんなことがあったのか~
普通は、CHへのカードが揃った時点で⇒やった~よかった!おめでとうと喜ぶのですが。ルックの時は、拍子抜けした感じのCH完成となりました。ショーを始めた夏場から~完成した11月まで、わずか数か月でした。ですから、ショーに関しては運が良い子だと思います。
CHまでは時間がかかると思った子が早くに完成したり~反対に、この子はいけるよ!早いだろうと思った子が、なかなか完成できなかったり、分からないものです。
しかしその後が右王曲折でした。人間の理想通りにはいきませんでした。ワンにも意思があり、イヤなことはイヤなのです。
私は念願の濃いレッドの女の子が来てくれたので、CH完成後はルックに赤ちゃんを産んでもらい、イノセントに残すことを楽しみにしていました。
初めてエニオと交配をした後、お腹がどんどんと大きくなったので、妊娠したと思いました。嬉しくてワクワクが止まらずに、お腹に毎日話しかけていました。
しかし日にちが経つにつれその喜びが、不安へと変わりました。お腹の大きさが尋常ではなくパンパンに膨れたのですこれは妊娠ではないわ!!そう直感した私はすぐに病院へ行き診察しました。
そしたら予感は当たり、妊娠ではなく子宮蓄膿症との診断でした。子宮蓄膿症は、比較的年齢が高くなったアダルトからシニアの女の子がなる病気です。ルックはこの時、まだ2歳半でした。ありえないです。
通常なら子宮を摘出する手術を行うのですが。私は先生にお願いしました。この子はまだ若いです。外国から輸入した子です。この子の子供・血筋が欲しいです。外科的な手術ではなく、内科的なお薬で治療できるなら、その方法でお願いしますと。
先生は、まずはお薬で治療しましょう。しかし様態が良くならなければ、すぐに手術に変更しますよと。ハイお願いします。そう答えて、ルックは入院しました。子宮に膿が貯まる病気なので、処置が遅れると命にもかかわります。命が大事なので、私は・・いつでも手術に切り替えてくださってよろしいですよ、と申しました。
そして点滴にて毒素というか膿を外に出す治療です。ルックは頑張りました。ゲージの中で横たわり、ずっと点滴を受けていました。元々おとなしい子なのでガマンしていました。
そして一週間ほどすると先生は、松村さん、膿が外に出て減っています。子宮内はキレイになっていますよ。このようすだと手術は必要なく完治できそうですね。
嬉しかったです。ルックも回復して元気になりましたし、この子の子供が欲しいという私の夢も叶うと思いました。そして無事に完治して退院して一年間は身体を休めました。
一年が過ぎ、先生からも交配をしても大丈夫ですよとのお墨付きをいただきました。待ちに待ったルクレチアの子供、レッドの子を見ることができると期待していました。
しかし~ルックはなかなか妊娠しませんでした。発情は半年ごとにきちんと来るのですが。男の子を誘うしぐさも健在でした。でも赤ちゃんを授かることはできない。そこで、札幌では不妊治療を手伝ってくださる病院を探しました。
その病院で検査したところ、この子は排卵が少ないです。普通の自然交配では、まずは妊娠は難しいです。とのお言葉でした。それまでの経過で、だいたいは予想していた結果ですので、落胆はしませんでした。
その病院には不妊を専門としている先生がいらして、熱心にしてくださいました。その先生は、北大の獣医学部で不妊を学んできた先生です。犬だけでなく、馬をされていたそうです、サラブレッドも血筋を残すために色々とあるそうです。
その病院でルックは、排卵を促すホルモン注射を打ってもらいました。それを行うと、今までできなかった子が50%の確率で授かったそうです。
しかしそれを行ってもルックは授かりませんでした。その半年後の発情の時に同じようにホルモン注射を行いましたが・・2回目もできませんでした。先生は・・おかしいなぁ~50%の確率なので2回に1回はできるはずですが。わざわざ輸入されたのですから。次は北大の動物病院・獣医を紹介しましょうか?とおっしゃいました。
でも私の気持ちは決まっていました。それは望みませんでした。そこまでして、子供を授かったとして、それは自然に逆らって人間が行ったことになります。子供を産むためだけに輸入したのではないの。ルックが来てくれただけで、沢山の幸せをもらいました。ブルーカラー中心のイノセントにレッドの子が来てくれただけで画期的でした。
ホルモン注射は、痛いそうです。注射した時、ルックは悲鳴を上げて痛がり、肛門腺からも液体が飛び散りました。可哀想に こんな思いはもうしなくていいよ。帰りの車の中で、ぐったりと疲れて寝ているルクレチアを見て・・涙がこぼれ落ちました。
来日してからも、ワン見知り人見知りで、主人にもなついていません。私だけになついて好き好き攻撃で膝に乗ってきます。
あとから考えたら、2歳の若さで子宮蓄膿症になるのもおかしいです赤ちゃんができない要素があったのだと思います。
ルックちゃん、このままイノセントでゆったりと過ごしてくれればそれだけでいいから。仔犬が欲しいという気持ちは人間・私のエゴでした。
今までイノセントに残した女の子に不妊の子はいませんでした。ママ犬たちはどの子も安産で、お産も軽くて子育ても上手でストレスなく過ごしていました。私が十分にケアーするし、たくさん褒めていたから。そのような安産ママにしか産んでもらっていません。
ですが、ママになりたくない子もいるのです。ルックはそれを身をもって教えてくれました。ワン達にも意思があります。それ以降はまだ若かったルックは交配することもなく、ゆったりと過ごしています。
彼女は大きな病気はしたことはなかったけれど、女の子に良くあるお乳の回りに腫瘍ができました。
3年前に腫瘍を取る手術を受けました 👇
その時の写真です。洋服で隠れていますが、左の乳首の回りに数か所の腫瘍ができて全部取りました。現在の13歳とあまり変わっていない姿です。
現在の13歳のルクレチアです。ずっと若いままです。
可愛い可愛いルクレチア。とても元気です。長生きしますよ。
でもオペラと仲が悪いです。きっかけがあると、すごい大喧嘩をします。おとなしいルックによくそんなパワーがあるものだと感心します。女同士の喧嘩もすごいですよ!たまに首回りに傷があって血が出ていますから
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