ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.1.24 今年初のオンライン瞑想ヨーガクラス無事終了、メンテもヨガも欲張って

2021-01-24 21:03:51 | ASHARE (アシェア)
 今日はASHAREさん主催「乳がん患者さんのためのオンライン瞑想ヨーガクラス」の第8回目。2021年初の実施である。
 いつもよりちょっとだけ寝坊。雪の予報だったので恐々と外を見たが、雨だ。ちょっとほっとする。それでもかなり寒い。ゆるゆる起きて朝食の支度。夫は大分夜更かしをしたようで、爆睡中である。朝食を済ませてもらわないことにはクラスが出来ないので、起こして朝食。その後リビングをクラス仕様に整え、着替えを済ませ、クラス実施の準備完了である。

 今月は、これまで一度はリアルクラスに参加して頂いたことのある〈リピーターさんOnly〉クラスだ。事前に伺っていた参加者の中には治療中で体調が優れない方もいらしたので、負担がないように、簡単でゆったり身体を解せる動きを取り入れたクラスを組み立てたのだが、体調が優れない方はキャンセルとのこと。
 実際に参加されたのはお元気な方ばかりとお見受けしたので、急遽このクラスでは初めてのちょっとチャレンジングな腹筋を鍛えるポーズも入れてみることにした。
 参加予定の方たちがPC画面上に揃い、定刻通りに代表のUさんからの挨拶。バトンを渡されて、すぐにクラススタート。今日も、リアルクラスの半分、45分目途のショートクラスである。

 参加者の皆さんとは全員顔見知りなので自己紹介も不要だ。ヨーガの智慧のお話はどうしても端折れない大事な時間である。ॐ(オーム)を唱えクラスを始める。
 長い自粛疲れを少しでも癒して頂ければ、と少し短めだがヨーガニドラーを取入れて、深くリラックスして頂くことにした。まずはショートメディテーションで、願い事(サンカルパ)を決めて頂く。

 続いてウォーミングアップで身体を温めるところから。凝り固まった首を廻し、首筋を前後左右に解す。肩を上げ下げする。足の指と手の指を握手して普段靴の中で5本一緒になっている足指をしっかり解す。ゆっくり四つん這いになってキャットアンドカウのポーズを繰り返した後は、プランクからダウンドッグに流れ、チャイルドポーズでお休みし、呼吸を整える。ここで予定時間よりちょっと時間オーバー。

 続いて、前回のリピータークラスと同じく五体投地の動き。オンラインクラスになってから2度目である。動きを思い出して頂きながら、左足右足両足と1セット。次にマントラを唱えながら左足右足両足と1セット。ゆっくり立ち上がって、すっかりルーティンになった朝ヨガの3つのポーズをさらりと復習。
 そしてヨーガニドラーで寝っ転がり瞑想。15分ちょっとの時間で、足の先から頭のてっぺんまで一つ一つのパーツを意識するようにスキャンする。瞑想から覚めてゆっくり起き上がって頂いた後は、お馴染みのハレルヤ・キールタンを歌って終了。

 今日も45分を8分ほどオーバーしてしまった。リラックスして頂こうとすると、どうしても瞑想の時間が長めになってしまう。本当はもうちょっと長く寝ていて頂けると良いのだけれど。
 クラス終了後は、代表Hさんの挨拶の後、参加者お一人お一人に一言ずつ感想を頂いた。

 久しぶりだったけれど、こういう時間が必要だと思った、すっきりした、寝てしまったが気持ち良かった、外は寒いのに家でぬくぬくと参加出来て良かった、動きは難しくないけれど足の指がなかなか開かなかった、中腰から立ち上がるのが難しかった、願い事を言う時に寝てしまった、自分の痛みを感じる部分が分かった、継続は力なりで、このクラスで教わったことを家族に伝え、当たり前に出来るようになってきた、等という嬉しいコメントを頂いた。

 自分が習ったことを自分の言葉で他の誰かに伝えるようになるということは、それを自分が体得したということだ。この患者会のネーミング通り“お裾分け”の精神の実践だ。素晴らしいことと思う。
 
 スタッフの方たち向けに最初のお試しクラスを開いてから足掛け5年目になった。冒頭の雑談でUさんが先週末にリアルクラスを開催していた会場に行ってみたところ、誰もいなくてあたかも廃墟の如く・・・だったそうだ。こう伺うとリアルでのクラス開催はまだまだ遠い先のように思える。オンラインクラスが出来て本当に有難いことだと思う。
 無事クラスが終わり、その後はお喋りタイム。お話しに花が咲き、次回の日程等を確認してミーティングが解散した。

 昼食後は簡単にランチを摂り、拭き掃除を済ませて月に一度のお楽しみマッサージを予約していたWさんサロンへ。寒かったのでしっかり厚着して出かけた。雨はすっかり小降りになっていて有難かった。今日も顔が痛かった。浮腫んでいるとのこと。いつの間にかぐっすり眠って、自分の寝息でびっくりして目が覚めるほど深くリラックス。フットマッサージもお願いしたら、施術前と比べてびっくりするほど足の指が細く長くなっていた。こちらもかなり浮腫んでいたようだ。施術後ハーブテイを頂き、吐き気と便秘対策のエッセンシャルオイルを各々作って頂き、4月までの予約を確認してサロンを後にした。

 再び最寄り駅に戻り、ボディバランスヨガのクラスに参加してたっぷり汗を流した後は、夫と合流。中華料理店で夕食を摂り、カフェでお茶をして今しがた帰宅した。緊急事態宣言中、ラストオーダーが19時、20時閉店ということでどこも閑散としている。カフェは値上げしていてびっくりしたが、そうしないとやっていけないくらい大変なのだろうな、と思う。

 明日からまた新しい一週間。瞑想ヨーガのクラスを開催したということは、一番体調の良い日曜日ということだから、次の水曜日が治療日ということだ。
10クール目、前回のCTの結果も伺う日だ。副作用にめげず、少しでも長く続けられますように。


(追記)ASHAREさんの活動レポートに取り上げて頂きました。
 
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2021.1.22-23 在宅でドッキリの金曜日、寒さにめげず体験クラス参加の土曜日

2021-01-23 21:19:09 | 日記

 金曜日、在宅勤務。
 いいお天気で最高気温が10度を大幅に超える予報だ。夫を送り出し、勤務開始まではいつものように夕飯の一品と炊飯の支度。
 午前中の勤務を終え、母に様子伺いの電話を入れる。今日は先日注文したテレビが配達される日だ。午前中の配送指定だったけれど、何の工事も要らず、15分で無事設置完了したそうだ。今までの倍くらいの大きさになったので、とても大きい、大きいを連発していた。

 ダイニングでメインに視ているテレビは小さく、応接間に置いてある大きなテレビは部屋にエアコンがないため、暖かい時間帯にしか見られない。このなんとも中途半端な環境を整備しよう、と今回の購入となった。これなら暖かいところで好きな時間にテレビを見ることが出来、快適なお家時間を過ごせるというわけである。

 昼休みはどうしても駅前のドラッグストアまで行く用事があり、母への電話をしながらダッシュで往復。自転車に乗らなくなって久しいので、駅前まで往復して買い物を済ませると昼休みは15分も残らない。帰宅後大慌ててお昼をかき込んでいるところにピンポンと玄関の呼び鈴が鳴る。うーん、居留守を使おうかどうか迷ったけれど、慌ててかつらを被り、のぞき窓から見て、宅配便かと思って開ける。

 なんと「排水管点検にまいりました。」という。わー。そんなチラシがいつ入っていたのだろうか。全くノーマークだった。そもそも平日、昼間の時間に家にいることがなかったので、これまでは土日のどちらかに変更してもらって簡易方式で点検を済ませてきたのだ。今更「いや、今日は結構です。」とも言えず、「今昼食を摂っているので10分だけ待ってもらえませんでしょうか。」とお願いすると「では上の2軒に行ってからまた来ます。」とのこと。

 ランチもそこそこに台所周りを片付け、生ごみをごみ箱に緊急避難させ、排水管が見えるように簡単に下の戸棚をぱぱっと整理する。台所だけでなく、お風呂場も洗面所も洗濯機の排水口も全て見ます、と言われたけれど、最低限の片づけでクラクラしたので、そちらの方の片づけは諦める。

 ほどなくして再度呼び鈴が鳴り、養生用の青いカーペットが敷かれる。「あと3人来ます。」とのこと。4人!も。我が家の見せたくない恥部を晒すわけで、もうトホホである。
 始まったらものの30分もかからなかったのだけれど、息を殺してリビングで待機しているのは生きた心地がしなかった。

 洗面所の排水管には、夫が使っているうがい薬が原因で、ヘドロのような塊が出ていた。清掃担当の方曰く、洗面所のパイプは一番細く、どのブランドのうがい薬でもこうなるので、こういうものを使うなら台所の流しをお薦めしますとのこと。お風呂場からも「髪の毛が詰まってました。」と言われ、「治療中で脱毛が酷くて・・・」とも言えず。下を向くことしきり。

 夫に「大変だった・・・」とこぼしたら、四半世紀以上住んでいて簡易方式でなく大きな機械で点検をやってもらえたのは初めてではないか、とのこと。確かにあんな大それた点検の記憶がない。「いてもらってよかったよ。」と言われたけれど、四半世紀分の歴史を一身に背負わされ、実に疲労困憊した。

 夕方、勤務を終えて、職場に報告メールをした後は、もうぐったり。本当は在宅勤務の日こそ時間をかけてちゃんとした夕食の支度をするべきなのだけれど、エンジンがなかなかかからず、夫が帰ってくるまで気づけばまたウトウト。慌てて予定外の手抜きメニューを滑り込みで用意した。

 食後はなんだか胃がもたれてしまい、お茶も飲めず。土日は天気が崩れるとのことで、気圧の所為か頭痛が始まる。夫が音楽を聴いている間、PCでネットサーフィンをしながらまたしても「まとめて〇%オフ!」の惹句につられて、ぽちっとお買い物をしてしまう。ストレスのはけ口が買い物。ダメだなぁ。

 その後、夫とキアヌ・リーブス主演だから面白いだろう、と録画していた映画を観たのだけれど、なんとも酷い駄作だった。映画館でお金を払って観たら怒っただろうな、というレベル。はあ。2時間無駄にした。早くベッドに入れば良かったという代物だった。

 土曜日。ロキソニンを飲んで眠ったけれど、朝起きたらまた頭痛。予報通り冷たい雨である。目覚ましが鳴ってもなかなか起きられない。夫が痺れを切らして起こしに来る。
 キッチンからはオニオングラタンスープのいい匂いがしてくる。さすがに昨日夕食を摂ってから15時間近く経っている。空腹だけれど、頭痛。ロキソニンを飲むかどうか迷ったけれど、食後のコデインでなんとなく落ち着いてくれた。洗濯機を廻し、厚地のものは乾燥機にかける。

 夫はいつものクリニックまで薬をもらいに出かけた。受付で「PCR検査を受けるにはどうしたらいいですか。」などと聞いていた方がいたらしく、帰宅後は念入りに消毒やらうがいやらをしていた。コロナウィルスはだんだん身近に、いつ罹患してもおかしくない状況になってきたのだな、と改めて思う。

 お昼は簡単に冷凍ちゃんぽんに。夕飯のラザニアを作り、あとは焼くだけにする。明日は雪が降るというのでその前に家じゅうのごみ捨ても完了。

 夕方から駅前にあるもう一つのヨガスタジオに体験予約を入れた。14年以上今のスタジオにお世話になってきたけれど、ウィズコロナでクラス数が日に4クラスだけと大幅に減り、日によっては全クラスがスクリーンの実施(リアルなインストラクターが指導するのではなく、大きなスクリーンを見ながら行う。)だったり、ちょっと信じ難い状況になっている。

 常駐インストラクターの数も半分ほどに減り、そのレベルもかつてに比べてかなり劣化している(3人中2人が歴2年以下の新人レベル)。他駅前の系列スタジオに通うと言ってもこのご時世、電車に乗ってまで通う元気はない。一方、今日体験したスタジオは5年前にオープンし、若干家から近く、評判も悪くない。実際に乗り換える人が結構いるようだ。勧誘もそれほど強くなく、鬱陶しい物販もないのが魅力らしい。

 レッスン開始前30分前に来館を、とのことで冷たい雨の中スタジオへ。フロントでもろもろ説明があり、アンケートを記入していざロッカールームへ。店内はピンクと白が基調で明るくて広い。ロッカーは消毒済、使用済と札がかかっており、一つ置きの使用で好きな所が選べる。これも良いシステムだ。スタジオにはドアが2つあり、一方通行。入り口でお絞りを頂いて自分が使うマットを拭き、終わったら再度マットを拭いて消毒してもらうためマットを折り返して席を立ち、出口でお絞りを返すシステムだ。

 今日は体験なのでインストラクターの真ん前の位置がキープしてあった。インストラクターの前には大きなビニールカーテンが設えてあるが、インストラクターを含め全員マスクが必須である。定員60名のところ、現在6割に絞っているというが、数えたら私を入れて17人だった。隣の人とぶつかる心配も全くない。女性専用で男性がいないのも、魅力だ。お借りしたウエアはTシャツとハーフパンツだった。

 寝っ転がればそのまま岩盤浴が出来るフロアの上にマットが置いてあり、床に触れるとちょっと熱いくらいの暖かさ。今回は様子見だったので星一つのビギナークラスに参加した。今通っているスタジオのように、誰が担当しても変わらないマニュアルがあるというわけではなく、インストラクターによって随分内容が違うので、色々な方を受けるとよいというアドバイスも頂いた。発汗を促すバームを塗ることもなく、最初はじわじわと汗が滲んでくる程度だったが、汗はさらさら。終わってシャワーを浴びたら肌がつるつるになっていた。

 再度フロントへ。今日すぐの入会手続きでなくとも2週間以内なら手続き料不要の特典もあるという。他スタジオからの乗り換え特典やら何やらの説明も受け、ひとまず体験料(とんでもなく安い)をお支払いしてスタジオを後にした。

 そこから階下の家電量販店に移動して夫と合流。というのも今、我が家には先日書いた通り、とっとこハム太郎のトースターしかない。それなのに、オーブントースターが必要なラザニアを作ってしまったことに出かける前に気づき、急遽買い求めることにしたのだ。私が行ったときには夫がこれかこれ、とほぼ決めてあったので、それに従ってトレーが大きい方を選んで購入した。スーパーで最低限の食料品を買い足して、ちょっと並んでタクシーで帰宅した。

 夕食も無事済ませ、片付けも終えた。身体はまだポカポカしたままでエアコンをつけなくてもいい感じ。
 明日はオンライン瞑想ヨーガの日だ。悪天候でも暖かい自宅で暮らすん参加して頂けるのはオンラインの強みであるなあと思う。
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2021.1.21 つらいだけのことをひとはやらない

2021-01-21 21:13:41 | 日記
 読売新聞の医療サイトyomiDr.の連載で高野利実先生の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」が連載されている。毎回楽しみにしているのだけれど、今回の記事はエンドレスの抗がん剤治療を余儀なくされている私にとって、惰性に流されないように、なぜ、治療をするのか、ということについて初心に帰ってしっかり頭に叩き込んでおくべき内容だと感じた。 
 迷ったらこれを読み返したいと思うので、長文だけれど、下記に転載させて頂く。

 ※  ※  ※(転載開始)

Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」2021年1月20日
 抗がん剤なんてつらいだけなのに、なんでやるんですか?

つらさを上回るものが得られるのかどうか
 もし、抗がん剤がつらいだけなら、やらない方がよいに決まっています。つらさを上回るものが得られるのかどうか、よく考えることが重要です。
 確かに、抗がん剤をやりたくてやるという人はあまりいませんし、つらい副作用もあるわけですが、副作用(マイナス)があったとしても、それを上回る「いいこと」(プラス)が期待できる場合に限って、抗がん剤を使います。
 どんな医療行為にもプラス面とマイナス面があり、そのバランスを慎重に考えて、行うかどうかを判断するのが医療の本質ですので、これは、別に抗がん剤に限った話ではありません。でも、抗がん剤には、医療の中でも特にマイナスのイメージが染みついていて、「つらいだけのもの」と思っている方も多いようです。
 もし、つらいだけでプラス面は感じられず、いやいや治療を受けているというのであれば、その治療をやめることを担当医と話し合うべきです。ただ、担当医は、「いいこと」があると期待して、その治療をしているはずですので、それをきちんと説明してもらうことが重要です。抗がん剤治療を行う医者は、「患者さんにつらい思いをさせるために治療をしている」と思われているのかもしれませんが、本当にそんな医者がいたら、すぐに医師免許を返上すべきでしょう。ほとんどの医者は、患者さんにとってプラスになることを願って、抗がん剤治療を行っています。その願いと、患者さんの認識が一致していないことが問題なんですね。

まずは、治療目標の共有を
 治療にあたって、まずすべきなのは、患者さんと、医療者と、家族やまわりの人たちで、目標を共有することです。「何のために治療をするのか」について、同じ認識を持ち、同じ目標に向かって進むことが、治療の大前提です。医者がよかれと思っていても、「何のためにやっているのかわからない治療」では、とてもプラスを感じることはできません。
 治療目標を共有した上で、次に行うのは、治療方針の話し合いです。一つひとつの選択肢について、プラス面とマイナス面を予測しながら、そのバランスを考え、患者さんの思いと、医療者の専門的な知識を出し合って、治療方針を決めます。
 ただ、プラスやマイナスをどんなに予測しても、「やってみなければわからない」という側面は残りますので、治療を開始したあとは、実際に生じているプラス面とマイナス面を慎重に評価することが重要です。マイナスよりもプラスが上回っている場合には、プラスをさらに大きく、マイナスを小さくできるように調整しながら、治療を続けます。マイナスが上回っている場合には治療中止など、治療方針の修正を検討します。

「効果」とは「治療目標に近づくこと」
 プラス面というのは、「効果」と言い換えられますが、「効果」とは、いったい何を指すのでしょうか?
 「がんが治ること」
 「がんが小さくなること」
 「腫瘍マーカーが下がること」
 「症状が楽になること」
 「いい状態で過ごせること」
 「長生きできること」
などの答えが聞こえてきます。
 状況によっても、「効果」というのはいろいろありえるわけですが、間違いなく言えるのは、効果とは、「治療目標に近づくこと」だということです。
 「がんが小さくなること」「腫瘍マーカーが下がること」は、効果を判断するときの参考にはなりますが、それが究極の目標というわけではないですので、本当の「効果」とは言えません。治療目標を共有した上で、本当の「効果」が何なのかを考えておくことも重要です。
 遠隔転移のある進行がんの場合、がんを完全にゼロにすること(根治)は難しく、それは究極の目標でもないということは、前回のコラムで書きました。でも、根治できなければ意味がないと考えている患者さんも多くおられ、その場合は、根治が難しいことを前提に治療目標を考えている医者との間で、いろいろな食い違いが生じてしまいます。

進行がんの治療目標は「がんとうまく長くつきあう」こと
 進行がんの場合、私の考える治療目標は、「がんとうまく長くつきあう」ことです。がんがあることは受け止めた上で、それが悪さをしないようにうまく抑えながら、いい状態で長生きすることを目指します。今ある症状をやわらげ、あるいは、今後生じる可能性のある症状を未然に防ぎ、生活の質(QOL)を高めること、そして、命の長さを延ばすこと、それが、「効果」ということになります。
 これまで大切にしてきたこと、今置かれている立場や役割、これからやりたいことは、患者さん一人ひとりで様々ですので、それぞれが考える治療目標も違うでしょう。そういう価値観と治療目標を医療者と共有し、その上で治療の効果や副作用を考える必要があります。
 副作用というマイナス面も、価値観によって重みが違います。たとえば、抗がん剤には脱毛という副作用がありますが、命の長さが延びるとしても、脱毛は絶対に避けたいと思う方もおられますし、脱毛はあまり気にしない、という方もおられます。指先を使う仕事をしている方にとっては、指先のしびれという副作用は特に気になります。
 間違いなく副作用がある抗がん剤ですが、副作用があるから使わない、ということではなく、マイナスがあっても、それを上回るプラスがあるのかどうか、プラスとマイナスのバランスはどうなのか、副作用を抑えるためにどういう工夫ができるのか、効果はどうやって評価するのか、そんなことを意識して、医療者とも話し合いながら治療をしていくことが重要です。
 「標準治療なのだから、やって当然だ」という説明をする医療者もいますが、治療目標や価値観によっては、標準治療だとしても受けないという選択をする場合もあるでしょう。常に、自分にとってプラスなのかという視点で治療を考え、やるとなれば、医療者と力を合わせて取り組むべきかと思います。治療目標を共有できていれば、同じ方向を目指しながら、より適切な副作用対策もできるはずです。

目標に逆行しているなら、すぐやめる
 抗がん剤を実際に使ってみて、期待した効果が得られず、「つらいだけ」で終わってしまったという患者さんもおられます。「やらなければよかった」と思う場合もありえますので、治療を試すのかどうかは、慎重に考える必要があります。また、治療を試す場合も、プラスよりマイナスが上回るような場合にはすぐにやめる、という姿勢で取り組むのがよいと思います。治療すること自体が目標なのではなく、きちんとした目標のために行うのが治療ですので、目標に逆行しているならすぐにやめるべきです。
 もちろん、抗がん剤で効果が得られて、「がんとうまく長くつきあう」という目標を達成できている患者さんはたくさんおられます。目標に近づけているという実感があり、「抗がん剤を続けたい」と思えるのであれば、副作用対策をきちんとしながら、治療を続けていきます。
 「抗がん剤を開始してから、日に日に体調がよくなってきました」
 「抗がん剤をやっていて、毎日自分らしく過ごせています」
というのが、抗がん剤治療の本来あるべき姿です。
 「つらいだけ」と思われがちな抗がん剤ですが、イメージが先行してしまっているところもありそうです。次回も、抗がん剤に関する質問を取り上げたいと思います。(高野利実 がん研有明病院乳腺内科部長)

(転載終了)※  ※  ※

 治療の目標はあくまで「がんとうまく長くつきあう」こと。この目標に近づけているという実感があるからこそ、副作用対策をあれこれ講じながら、なんとか治療を続けているのだ。
 治療後が辛いのは確かだけれど、辛い症状が治まってきて副作用から脱すれば、次の治療までは体調良く自分らしく過ごすことが出来ている。

 今年も少しでもうまく長くこの病と付き合っていきたい、と思うのである。
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2021.1.18-20 エンハーツ9クール目 さらに減量5回目投与12日-2週間後のこと 大寒までの3日間

2021-01-20 21:55:42 | 日記

 月曜日。
 在宅勤務を挟み3日ぶりの出勤。土日に行われたの初の大学共通テストは無事に終了したようだ。
 午前・午後とweb会議が2つ。仕事に忙殺されながら必死に頑張って定時に席を立ち、美腸力ヨガのクラスに参加した。今のインストラクターの中では一番キャリアが長いIさんのクラスは男性にも人気で16名の参加。スタジオはかなり一杯。強度2.5の割には腹筋を鍛えるパートもあり、思いのほかきついクラスだ。

 このところエンハーツによる遅発性の下痢はなくなったものの、吐き気止めカイトリルを投与後長く飲んでいることや痛み止めで毎朝飲んでいるコデインのせいなのか、ずっと便秘気味でなかなかスッキリしない。だから最後に寝っ転がって腸マッサージがたっぷりあるこのクラスは有難い。
 帰宅後は洗濯機を回し、休暇を取った夫が用意してくれた夕食を有難く頂く。その後、喪中欠礼を頂いていた方たちに寒中見舞いの準備。気になっていたことが出来て良かった。

  火曜日。
 終日在宅勤務。いいお天気だけれど、とても寒い一日だった。それでもずっと家にいられるので有難い。夫を送り出してから圧力鍋でおでんを仕込んだ。
 いつもどおり夕方の郵便受け行きまで一歩も外に出ず。定時に仕事を終えて、昨日のヨガレッスンのせいであちこち筋肉痛が残る中、美脚ヨガのクラスに出た。男性2名、女性7名の9名。定位置を確保出来てのびのび。強度3の割には足裏マッサージ等があり、好きなクラスだ。苦しくないというわけではないが、マスクをしながら受講するのにも大分慣れた。

 帰宅して洗濯、夕食を摂った後はタリージェのせいかどうしようもなく眠くて眠くて。リビングで夫とともに寝落ち。後はお風呂に入ってよたよたしながら就寝。変な時間に眠って無理やり起きたからか頭痛。

 と、殆ど書くことがなかった2日間を終え、今日水曜日は大寒。
 さすがに寒い。お布団から出るのが辛い季節である。朝起きてもやはり頭痛が残っている。食後コデインを飲んだけれど、頭痛は落ち着かないので久しぶりにロキソニンを飲んだ。
 ようやくお腹が開通して、少しスッキリ。しっかり厚着をして出勤した。
 母はこの寒さに震えることなく暖かく快適に過ごしている様子。ほっとした。あとは乾燥しているので脱水にならないように、喉が渇く前にこまめに水分を摂るようにとしつこく言っている。大きな加湿器があったのに、タンクの水を取り替えるのが(持ち上げる力がなく)出来ないようで、捨ててしまったようだ。うーん。

 仕事が一段落したので、2時間早退して、映画館に行った。来月末日まで有効のチケットが2枚あって、せめて今月中に1回観ておかなければ、無駄にしそうだったので・・・。
 今日観たのはちょっと気になっていた「おとなの事情 スマホをのぞいたら」。観客は私を含めて5人だった。映画館も大変なことである。コロナの影響ですっかりシニア層が映画館に戻ってこないそうだ。
 もちろん家でも新作が観られる時代だけれど、大きな劇場で観るのは映画好きとしてはやはり外せないのだけれど。

 その後、珍しく日曜日から4連荘でヨガスタジオへ。今日も頑張って苦手なお腹引き締めヨガのクラスに参加した。男性2人、女性9人の11人。映画終了時間の関係で到着が遅れ、レッスン前10分ヨガは参加しなかったけれど、相変わらずハードな腹筋をやっていた。
 なんとか落ちこぼれずに最後まで頑張れた。汗が滴るほど身体が温まったおかげで、シャワーから出てもなかなか汗が退かなかった。それでもポカポカして帰途に就いた。

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2021.1.17 エンハーツ9クール目 さらに減量5回目投与後11日目のこと オンラインフォーラム参加とヨガクラスあれこれ

2021-01-17 22:02:19 | 日記

 昨日は、夫も私も実家詣で思いのほか疲れてしまい、今朝はなかなか起きられず。目覚ましが鳴ってからもしっかり二度寝をしてしまった。昨日の暖かさと打って変わってかなり寒い。
 朝食を終え、母にエアコンが上手く動いているか状況を訊く。夜は寝室を、朝はキッチンが暖かくなるようにタイマーを設定したおかげで無事暖かく過ごせたようだった。セーター一枚で過ごせるとのこと、一体今までどれだけ重ね着をしていたやら。昨日廃棄に出したこれまでのエアコンでも、何度もタイマー設定をしてあげていた筈なのに、何故か「うまくいかない・・・。」と、あちこちのボタンを押していつの間にかリセットしてしまっていた。

 朝起きてから冷え切った部屋(なんと4℃だったそうだ。)を一から暖めるのでは、それは大変な話である。エアコンの温度設定もかなり低めにしていたようだ。だから、きちんと適正に設定をすればまだ買い替える必要もなかったのかもしれないけれど、壊れてからでは手配が大変だったし、今回2室同じものに出来たし、我が家のものとリモコンもほぼ同じレイアウトなので、電話で色々指示するのも楽なので良しとしたい。

 遅く起きたのでブランチを摂って、程なくするとあっという間にお昼である。
 今日は午後からNHK厚生文化事業団主催の「神奈川発オンラインフォーラム がんと生きる」を申し込んでいた。東京、長野、そして今回は神奈川。それぞれリアルの開催だったらどれも参加することなど叶わなかった。オンラインだからこその我が家のリビングで聴講できる。贅沢なことである。全部参加すると3時間ほどの長丁場である。

 第一部はスペシャル対談“堀ちえみ×町永俊雄”で「舌がんを超えて~治療・暮らし・家族への思い」が30分ほど。堀さんがステージⅣの舌がんを公表し、大手術後のリハビリも頑張り、歌手としての復帰も目指されていることはなんとなく知っていたけれど、実際にライブで話をされる姿を見て本当に励まされた。
 どれだけのリハビリを頑張られて今があるのだろう、と。そしてどれだけ家族に愛されているのだろう、と。
 
 休憩後、第二部前半は「高齢期のがん治療~LECS と高齢者機能評価~」で、パネルディスカッションを1時間ほど聴講した。高齢者でも術後5年の生存率は高いことに改めて見入った。
 後半の「ひとりでがんと向き合う時~自分らしく生き切る力」は時間切れで聴講が叶わなかったのはちょっと残念。いずれにせよ、自分で納得いくように生きることこそ、コロナ禍の今も重要なことなのだろうと思う。

 治療から11日目、昨日も実家詣ででヨガスタジオに行けなかったので、今日は夕方最後のお腹引き締めヨガのクラスに参加した。男性5名、女性7名の12名。クラス前に10分ヨガがあったが、これも腹筋。この10分だけで既にヨレヨレ。このクラスは強度3だけれど、きついので毛嫌いして殆ど参加したことがなかった。けれど、今はクラス数が1日4つしかなく、選り好みをしていると何にも出られなくなってしまう。とりあえずきつかったらリタイアのつもりで参加した。

 インストラクター2年生のIさんは「今日はきつめに強度4くらいでやりますのでついてきてください。」と仰る。4点プランクでは「お腹が下がってきた人を見つけたら、あと5回追加します!」等とまるで体育会の合宿のよう。治療後の復帰クラスにしてはかなりきつかったけれど、なんとかリタイアせずに最後まで持った。久しぶりにたっぷり汗をかいてシャワーでスッキリした。

 終了後は夫と待ち合わせしてアウトレットモールをふらふら。ヨガで身体が芯まで温まっているので、ジャケットの前を開けていてもポカポカ。緊急事態宣言中といっても4月と違って店舗は営業中なので、日中はかなり混んでいるが、さすがに夜は空いていてゆったり回れる。気になっていたスカートとニットを購入して帰宅した。どこにお出かけをするわけでもないのに・・・。

 帰宅後は夕食中に母からの携帯着信でまたひと悶着。携帯にかけて、と言ってもなぜか携帯から家電にかけてきたりする。今はお子様ケイタイを使ってもらっている。何度か教えたけれど、ショートメールも打てない(打つ気もないらしい)。スマホでLINEの操作が出来て(たとえ文字を打たなくても)、ビデオ通話だけでも出来たら本当に安心だと思う。だが、父が亡くなった時に使い始めて4年以上経つお子様ケイタイでもなぜかやたらミスタッチが多く、いまだに自分からうまくかけることが出来ない。無理かもしれないと思いながらも、どうにかせねばと思い悩む、87歳の一人暮らし、不安は尽きないものである。
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