ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.2.18 採血後診察、ランマーク6回目、頭部造影MRI撮影

2015-02-18 22:11:13 | 治療日記
 先週のCT撮影に続き、2週連続の通院である。家を出た時はそれほど酷い雨降りではかったが、今日は雨から雪になると脅され、長靴と耐風傘の重装備で出動。
 普段はいない筈の息子がのんびり鎮座しているので、朝がテキパキ動けない。私が出かける直前だというのに、いつの間にかお手洗を占拠しているし・・・。ということで、あわや最寄駅で電車を乗り過ごしそうになる。乗換駅ではなんとか滑り込みで始発電車に乗れた。座れずにがっかりしていると、ラッキーにも2つ先の駅で確保出来たので、落ち着いて読書続行。
 今日のお伴は、林真理子さんの「アスクレピオスの愛人」(新潮文庫)。相変わらずの上手い出だしにスルスル読めて、あっという間に病院最寄駅に到着。
 
 自動再来受付機前ではそれほど待たず、採血受付へ移動する。受付カウンター前の椅子も採血室前の椅子も大混雑で座る席がないくらいだ。ピンクの採血番号表を受け取って電光掲示板を見ると、“待ち時間13分”とあるが、30人待ち。飲み物を買ったり、お手洗でうがいをしたり、と体制を整える。今日は刺す時も、抜く時も殆ど痛まずストレスフリーで幸先良し。腫瘍マーカー等全て測定なので3本の採血。思わず「今日はツイています!」と御礼を言って席を立つ。 
 今日は先週のCT結果を聞くことになっているのでレントゲンはなしで、採血後、腫瘍内科受付へ直行する。病院に入ってからここ迄で30分ほど。順調である。

 いつものように採血結果が出る迄の時間、なるべく快適に読書が出来るように場所を決めて環境整備する。合間に自動血圧測定機で計測すると、108-71、脈拍は91。私にしてはしっかり上がっている。今日も「中待合へどうぞ」と私の番号が点滅するまで、たっぷり2時間弱待つことになった。が、とにかく本が面白くて待ち時間が全く気にならない。
 中待合に入ってからも読書を続けていると、40分ほどで先生が診察室からお顔を出された。今日も病院に入ってから、先生のお顔を見るまでに3時間弱かかる。あっという間にお昼である。

 診察室に入ってご挨拶と同時に「さて、その後、頭の方はいかがでしたか。」と訊かれ、「おかげさまで、その後視野欠損や目の前チカチカの症状は出ません。お騒がせしました」とご報告。続けて1か月の様子を問われる。相変わらずの胸痛や下痢があること、そして先週インフルエンザA型に罹ってしまったが、ごく軽く済んだこともご報告する。診察室での検温は6度7分。

 採血の結果、先生はPCの数字を見ながら、こちらは特に何もない、と仰る。腫瘍マーカーCA15-3は、先月に比べて0.3の増(殆ど誤差範囲)。そして、CTの画像は前回8月と今回の2枚が並んでいる。左右で比べると明らかに大きくなっている方がある。先生から「やや大きくなっているんですよ。」と画像をスクロールさせながら見せてもらう。普段、レントゲンは2次元の画像なので、右左それぞれ大きな腫瘍茎や影しかわからないのだが、こうして輪切りになると、あっちにもこっちにもここにもそこにも、と指摘されて毎度落ち込む。6か月弱経過していることを考えれば早い増悪ではないようだが・・・。そして(薬のチェンジを)「迷う」と仰る。
 この状況で薬を変えると言う医者もいるだろうし、粘ってもいいと言う医者もいるだろうが、変えないで行くならCTの頻度を2か月に1度に上げなくてはならないと思う。粘るとしても、どこかで踏ん切りをつけなければならない、とのこと。
 そして、白く変色した胸骨の部分は「8月は中も白くミッチリ濃くなっているが、今回は中が少し透き通ってきている」そうだ。白く見えるのはがんによる造骨の所為で、色が抜けているのは溶骨の所為だそう。つまり、がん細胞の性質が変わってきているため、胸骨の痛みが出ている可能性が高いらしい。
 CT画像上で影が大きくなっていることに加え痛みがある、ということで薬の替え時だということを理解する。「次は・・・カドサイラ(T-DM1)ですか?」と問うと、「そうですね。カドサイラがいいと思う。」とのこと。
 「ならば、来週からですか?」と問うと「それで大丈夫です。」と。第二選択でパージェタ+ハーセプチン+タキソテールもあるが、タキソテールは既に酷い目に遭っているので厳しい。その場合、タキソテールの代わりにタキソールでも良いというが、毎週の点滴となることと、痺れが気になる。今でも手足の痺れが残っているのでその状態で重ねると、QOLに支障が出そうという話しもする。
 実際には、やってみた上で、前回のタイケルブ+ゼローダの時のように、ゼローダ打ち切りのようなことが出来るようなので、選択肢として捨てる必要もなさそうで、少しほっとする。
 一度タイケルブを投与した後にハーセプチンを投与すると、HER2抗体の感受性が増し、再び効きやすくなるそうだ。というわけで、直前までタイケルブは飲み続けましょうということに。

 そして、気になっている脳転移もこの際検査しておきましょうと、頭部造影MRIをお願いすることになった。なんと、今日の最後の時間が空いているとのこと。40分くらいかかり、造影剤を使うのでそれまで食事は出来ないと聞き、お昼抜きか・・・と食いしん坊の心の声がブーイングをするが、また休暇を取って出直すよりも今日お願いします、とその場で同意書にサインする。
 来週はその読影結果も聞き、初回カドサイラの点滴を終えたら、翌週は(カドサイラの)副作用として血小板減少があるのでそのチェックの為に、2週連続で通院することになる。

 MRI撮影の為、簡単に質疑応答。「金属は入れていませんか?」「ポートを入れています」。「チタンなら問題ないですが・・・確認してください」と一緒に診察室に入ってくださっていた針刺し名人Oさんに指示される。最初に入っていたものはチタンだったようだが、抜去して再度入れたものはポリウレタンだそうで、全くノープロブレムらしい。続けてお茶目な先生は「刺青はしていないですか」と訊かれる。「?!していません」と言うと、「いや~、結構いるんですよ」とのこと。そうなんだ・・・。
 「では、また身長体重を測っていってくださいね。」と言われ、タイケルブ6日分、その他の漢方、整腸剤、低カルシウム血症対策薬、ロキソニン等を14日分処方して頂き、診察室を後にする。

 再び中廊下に出て待つこと30分ほど。針刺名人Oさんから向いの処置室に呼ばれ、身長体重測定。165.8cm、風袋ごとで46.5kg。来週からまたポートが活躍することになるため、今日はポートフラッシュはなし。ランマーク注射をOさんに丁寧に刺して頂き、お喋りしながらなので殆ど痛むこともなし。今日は針刺しラッキーデーである。
 フェソロデックス注射、タイケルブ内服+ランマーク注射と続いた4週に1度、5週に1度の通院が、来週からは3週おきカドサイラ点滴+ランマーク注射の4~5週おきの組み合わせとなる。

 地下の放射線受付へ行き、朝食を摂った時間を訊かれ、予約の20分前に再度来るように言われフリータイム。まだたっぷり3時間ある。
 こういう時には、と思い出しずっとご無沙汰していた9階のメンタルヘルスヘンターへ上がる。この階のラウンジは知る人ぞ知るなのか、他の階と異なりガラガラで、読書には適しているし、携帯も使える。とにかく、夫やお友達に報告のメールやLINE。それから読みかけの文庫を読み終えてもまだ1時間たっぷり残っている。
 2年半ぶりにリラクゼーションルームでα波によるリラックスチェアで仮眠。脳MRIの前にリラックス時に出る脳波状態にしておいてもらえて良かったのでは、と独り満足する。

 そして、30分前に地下1階に降り、予約10分前にMRI室に案内される。この病院には再発以来足かけ8年通っている中で、CTと骨シンチは経験があるが、MRIは初めて。MRI自体撮影するのはどのくらいぶりだろうか。初発の病院で撮影した以来かもしれない。しかも造影MRIは初めてである。MRIもリニアックと同じ待合で3人くらいお待ちだった。結局、呼ばれたのは一番後で予約時間から10分ほど経っていた。検査着に着替え、再び待つ。それにしてももう読む本も持っていないし、待つことが苦手だと病人なんてやっていられないよな、とちょっとやさぐれた気持になる。

 ようやく部屋へ案内される。ポップなオレンジ色の耳栓を頂き、両耳に詰めて台に横になる。造影CTではいきなり点滴を引きずっていくが、今回はまずそのまま撮影した後、そのままの姿勢で注射で造影剤(ガドリニウム製剤)を入れるようだ。
 閉所恐怖症や騒音が苦手な人は嫌だろうな、と思うけれど、α波が出ている所為か、ヨガで深呼吸をコントロール出来るようになって、リラックスが自由自在になっている所為か、全くノープロブレム。太鼓のバチの掛け合いのような剽軽な音が続いたかと思うとブザーだったり、工事音だったり、色々な騒音が続いてなかなか面白くもある。ずっと動けないまま、20分+20分はちょっと長かったけれど、途中で造影剤を刺してくれたドクターも上手だったし、造影CTの針よりずっと細いということでこちらもノープロブレム。カーッと身体が熱くなることもなく、ごくごく順調に終了した。部屋から出ると、もう外来での検査の患者は私がラストで誰もいない。

 放射線科受付もシャッターが閉まっており、会計は救急受付か、ととりあえず1階に上がってみると、閑散としているが、何とか最後から何人目、で滑り込めた。
 それほど待たずに会計終了。今日は25,000円弱の支払い。それにしても1,2分で終わってしまう注射1本が50,000円で1時間以上多くの人の手を煩わすMRIが20,000円弱とは何とも納得がいかない、というか、やはりがんの薬が高いということだろう。

 既に外は暗い。小雨が降っている程度で雪にはなっていない。
 飲まず食わずであまりにくたびれ果てて、院内のカフェでお茶だけ一杯飲んで薬局へ。こちらも最後の客となる。いつもどんどん抜かれて1時間の待ち時間はくだらないのだが、今回は私だけの為に調剤してくれたせいか30分で済んだ。

 薬剤師さんから「今回お薬の量が少ないですけれど・・・」と言われ、「薬チェンジになりました。来週からです」とお答えする。久しぶりに1万円以下のお支払。

 というわけで、本日の病院と薬局の滞在時間は合わせて9時間。流石に顎が出る。
夫からLINEで何時頃帰宅になりそう?と連絡があったので、まだ病院にいるので、○時頃・・・と応え、通勤電車では当然ずっと立ちん坊。自宅最寄駅で合流して食事を済ませて帰宅した。

 今日は、息子が実家の母と都心までお芝居とショーを観に出かけたので、夫と2人だけの夕飯だったのがラッキーだった。

 昨日届いた今月2回目のお花のこと。
 白いカラー3本に赤いカーネーション2本、黄色い菜の花2本に青紫のデルフィニウムが1本。花言葉はそれぞれ「清純」、「女の愛」、「快活」、「清明」だそう。
 カラーの白い部分は、葉が変化したホウと呼ばれるもので、本当の花はホウの中から突き出ている黄色い芯の部分だそうだ。なるほど、一見茎から花が伸びているだけのように見えるけれど、ちゃんと花も葉もあるわけだ。

 さて、今週もあと2日。明日も午後から都心出張。長い1週間であるが頑張らないと。
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