ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.2.24 “真打”投与前夜に思う

2015-02-24 20:07:20 | 日記
 明日からいよいよ・・・というか、とうとう・・・というかカドサイラ(T-DM1)投与が始まる。
 1年ほど続けてきたビックサイズの内服薬・タイケルブは、昨夜就寝前に服用したのがとりあえず最後になった。規定量の4割に減量されてはいるがといいながら、いまだに昼食を摂った途端にお腹の調子が悪い。今夜は明け方お腹が痛くて目覚めることなく、良く眠れるかしら、と取らぬ狸の皮算用をしている。

 カドサイラ(T-DM1)は、私たちHER2陽性乳がん患者にとって、待ちに待った夢の薬である。一昨年秋、認可されたものの薬価が決まるのに時間がかかり、発売が年を越え春までずれ込んだこともあった。
 ブログがきっかけで交流させて頂いた方たちの中には、「この薬を使う迄は死ねないわ」と言いつつもそれが叶うことなく天に召された方、治験に参加したものの1回投与しただけで旅立たれた方がいる。その方たちの思いを胸に抱きながら、明日から満を持しての投与開始である。

 そもそもこの薬は、抗HER2陽性の分子標的薬であるハーセプチンにエムタンシン(DM1)という強力な抗がん剤が結合されている。そのため、HER2陽性遺伝子を持つ乳がん細胞に“腫瘍選択的”に届いてHER2抗体依存性細胞障害作用(ADCC)を活発化させ、更にDM1が細胞障害活性により抗腫瘍効果を発揮するという仕組み。つまり、薬剤が持つ有害反応を最小限に抑えながら(無駄に元気な細胞を殺傷することがないので、副作用がきつくない。白血球減少も脱毛もしない!)、悪い細胞だけを叩いてくれる(抗腫瘍効果を発揮する)、謂わば“いいとこどり”の有難い薬なのである。

 とはいえ、ガイドブックを見れば、それなりに副作用はありそうだ。承認時までの国内臨床試験では、91.8%に何らかの副作用が認められているという。主な副作用は、倦怠感(43.8%)、鼻出血(41.1%)、悪心(39.7%)、発熱(31.5%)などであり、重大な副作用として、間質性肺疾患、心障害、過敏症、Infusion reaction、肝機能障害、肝不全、血小板減少症、末梢神経障害に注意が必要とのこと。

 実際、現在使用中の患者仲間がいるけれど、血小板が下がってなかなか3週に1度という予定通りの投与は出来ないと聞く。もちろん、4週に1度、5週に1度でも奏功してくれるなら、何より有難い薬ではあるには違いないけれど。

 まあ、案ずるより産むが易し。まずは自分の身体で試してみなければわからない。悪い細胞には上手いこと大人しくして頂いて、副作用がマイルドでありますように、そして、欲張りついでに出来るだけ長くこの薬の恩恵に預かれますように、と祈りたい。

 今夜は、タイケルブ服用の為に夜遅くまで頑張って起きている必要もないし、明日、体調万全で投与が出来るように、出来るだけ早く休みたいと思う。
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2 コメント

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Unknown (ラブ)
2015-02-24 22:00:20
ロッキングチェアさん、こんばんは!
カドサイラって、初めて聞きましたが悪いやつだけやっつけて副作用は最小限に留めてくれるなんて、私たちがん患者にとっては夢のようなお薬なんですね!
どうかうたい文句通りの作用を発揮してくれますように
今夜はゆっくりぐっすり休まれてくださいね。

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ありがとうございます (ロッキングチェア)
2015-02-25 20:07:32
ラブさん、こんばんは。

そうですね。カドサイラ、昨年の4月に発売されたばかりで、もろもろの薬に耐性がついた患者さん向けの新しいお薬です。HER2陽性対象の薬ですし、ハーセプチンほど有名ではありませんね。

うたい文句通り、悪い奴だけやっつけて副作用が最小限であってくれるように祈りつつ投与してきました。
ぴよちゃんと一緒にお願いして頂いて、どうもありがとうございます。

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