拝読している押川勝太郎先生のブログ「がん治療の虚実」で、とても嬉しい記事を見つけた。以下、かいつまんで転載させて頂く。
※ ※ ※(転載開始)
有用記事の紹介: 乳がん再発して10年たっても元気(2017-02-13 21:50:05)
(前略)
さて、当初の予定はどんどん遅れて恐縮だが、有用情報は優先すべきだという精神に従って、今回は乳がん再発患者さんの長期治療成功例を紹介する。
がんそのものあるいはがん治療でひどい目に遭ったという証言は広がりやすく、テレビドラマなどでも選択的に悲惨な例ばかりが紹介されている(その方が視聴率が取れるからだ、困ったことに)。
こういった「がん」に対する世間的な悪いイメージの刷り込み現象を改善するには、がん治療でうまくいっている人がもっと発言すべきなのだろう。
しかし、ひどい目に遭った人のような怨念的な動機付けがないために、治療成功者が広く発言することは少ない。
近藤誠氏のがん放置療法関係本が一般的に売れていても、医療関係者にあまり賛同が得られていないのは、がん治療がうまくいっていないケースを見てはいるが、うまくいっている例も多数見聞きしているからだ。
一方民間療法でがん治療がうまくいったという記事が多いのは、その関係施設が商売用広告のために意図的に証言を公開しているため。(ただし、医師から見ると信憑性に疑問符が付くことが少なくない)
保険診療でできるがん標準治療は、もっとも可能性の高い治療法だが、個々の患者さんの治療がうまくいくかどうかは
①運
②本人の努力
③治療環境
の順で決まる(と自分は感じている、身も蓋もないが)。
よって、ゆがんだがん治療のイメージを是正するためには、治療がうまくいった人はもっと積極的に体験談を世に発言すべきだろう。
こういった趣旨で、高橋 裕恵さんという、乳がん再発して10年以上の患者さんの有用記事を紹介するに至った。
https://runforthecure.org/feature/pink-magazine/
P4〜7 生きる力はひととのつながり
2003年12月「乳がん」が見つかって
2005年12月鎖骨リンパ節転移
2014年5月肝臓多発転移
いろいろ苦悩し、大変な思いをしたが、それを乗り切って
現在もこれからも元気に治療中という人生の紹介。
(以下略)
※ ※ ※(転載終了)
ということで、先生も仰っているとおり、再発して10年経っても元気な方は少なからずおられるということ、そういう患者さんはもっともっと声を上げていくべきなのではないか、と常々思ってきた。
闘病ブログは今や数え切れないほどあり、様々な治療や副作用について報告されるけれど、そうした治療が残念ながら効を奏せず、更新が途絶えたかと思うとご家族やご友人が、旅立たれたという報告をされることが多々ある。
けれど、今も元気にやっているという方は、それに比べてあまり発信がないように感じている。
ここで紹介されている乳がんサバイバー・高橋さんの記事をオンラインで拝読したが、以前患者会からの紹介でPiNK Beauty Partyに参加させて頂いたおりに配布されていたオールカラーの季刊無料冊子だ。
高橋さんは私と同い年でおられる。再発から10年ということなので、私のようにステージ4歴が10年か!と心強く思ったが、実際はそうではなかった。
2年でリンパ節転移されているが、この段階ではいわゆるステージ3、その後10年近く経って多発肝転移されているので、ここでステージ4。ステージ4歴としては3年弱でおられる。それでも今は寛解状態というのだから、素晴らしい。まだまだ元気に発信を続けて頂きたいと思う。
私が今回先生の記事を拝読して、一番嬉しかったのは
“保険診療でできるがん標準治療は、もっとも可能性の高い治療法だが、個々の患者さんの治療がうまくいくかどうかは
①運
②本人の努力
③治療環境
の順で決まる(と自分は感じている、身も蓋もないが)。”
の部分だ。
これ迄私はおかげさまで数々の治療が功を奏してこうして9年間再発治療を続け、フルタイムの職も辞さずに生き長えることが叶っている。
このことについて、運が良かったんでしょうとか、職場環境が恵まれているんでしょうとか言われることも少なくない。努力ということについては決して触れられずに。
もちろん、声高に「私、こんなに頑張っているんです!認めてください!」と頼んでいるわけではないし、そんなつもりもない。あくまでも私なりに真面目に病気に向き合って、治療をさぼることなく続けてまだ生きていたいと思うから当然のことだ。
けれど、本当に幸運だったら、ステージ1の段階で出来る治療は全て行った後に、3年経たずして両肺、骨等多発転移のステージ4にはならずにそのまま卒業できたと思うし、そもそも病気にすらならなかったのではないだろうかとも思う。
病を得、さらにはこうしてステージ4の患者としてエンドレスの治療をすることになったことで、色々手放さざるを得なかったこと、諦めざるを得なかったこともある。
それでも細く長くしぶとく、とこれまで自分に活を入れてやってきた。そういうことを努力、と言って頂けるなら本当に嬉しいのだ。
もちろん再発した段階で転院出来、今の主治医と出会え、治療環境にもとても恵まれていると思うし、こうして支えてくれる家族がいて、仕事を続けさせてくれている職場の環境にも恵まれているのは紛れもない事実。このことには、日々心から感謝している。
けれど、どんな環境であれ、本人がさぼらず諦めずきちんと治療を続けるという努力はやはり必要不可欠なのではないかと思う。
それを認めて頂けたのが、素直に嬉しく、また前を向く力を頂いた。これからもこのブログで発信することが続けられれば良い、と心から思う夜である。
※ ※ ※(転載開始)
有用記事の紹介: 乳がん再発して10年たっても元気(2017-02-13 21:50:05)
(前略)
さて、当初の予定はどんどん遅れて恐縮だが、有用情報は優先すべきだという精神に従って、今回は乳がん再発患者さんの長期治療成功例を紹介する。
がんそのものあるいはがん治療でひどい目に遭ったという証言は広がりやすく、テレビドラマなどでも選択的に悲惨な例ばかりが紹介されている(その方が視聴率が取れるからだ、困ったことに)。
こういった「がん」に対する世間的な悪いイメージの刷り込み現象を改善するには、がん治療でうまくいっている人がもっと発言すべきなのだろう。
しかし、ひどい目に遭った人のような怨念的な動機付けがないために、治療成功者が広く発言することは少ない。
近藤誠氏のがん放置療法関係本が一般的に売れていても、医療関係者にあまり賛同が得られていないのは、がん治療がうまくいっていないケースを見てはいるが、うまくいっている例も多数見聞きしているからだ。
一方民間療法でがん治療がうまくいったという記事が多いのは、その関係施設が商売用広告のために意図的に証言を公開しているため。(ただし、医師から見ると信憑性に疑問符が付くことが少なくない)
保険診療でできるがん標準治療は、もっとも可能性の高い治療法だが、個々の患者さんの治療がうまくいくかどうかは
①運
②本人の努力
③治療環境
の順で決まる(と自分は感じている、身も蓋もないが)。
よって、ゆがんだがん治療のイメージを是正するためには、治療がうまくいった人はもっと積極的に体験談を世に発言すべきだろう。
こういった趣旨で、高橋 裕恵さんという、乳がん再発して10年以上の患者さんの有用記事を紹介するに至った。
https://runforthecure.org/feature/pink-magazine/
P4〜7 生きる力はひととのつながり
2003年12月「乳がん」が見つかって
2005年12月鎖骨リンパ節転移
2014年5月肝臓多発転移
いろいろ苦悩し、大変な思いをしたが、それを乗り切って
現在もこれからも元気に治療中という人生の紹介。
(以下略)
※ ※ ※(転載終了)
ということで、先生も仰っているとおり、再発して10年経っても元気な方は少なからずおられるということ、そういう患者さんはもっともっと声を上げていくべきなのではないか、と常々思ってきた。
闘病ブログは今や数え切れないほどあり、様々な治療や副作用について報告されるけれど、そうした治療が残念ながら効を奏せず、更新が途絶えたかと思うとご家族やご友人が、旅立たれたという報告をされることが多々ある。
けれど、今も元気にやっているという方は、それに比べてあまり発信がないように感じている。
ここで紹介されている乳がんサバイバー・高橋さんの記事をオンラインで拝読したが、以前患者会からの紹介でPiNK Beauty Partyに参加させて頂いたおりに配布されていたオールカラーの季刊無料冊子だ。
高橋さんは私と同い年でおられる。再発から10年ということなので、私のようにステージ4歴が10年か!と心強く思ったが、実際はそうではなかった。
2年でリンパ節転移されているが、この段階ではいわゆるステージ3、その後10年近く経って多発肝転移されているので、ここでステージ4。ステージ4歴としては3年弱でおられる。それでも今は寛解状態というのだから、素晴らしい。まだまだ元気に発信を続けて頂きたいと思う。
私が今回先生の記事を拝読して、一番嬉しかったのは
“保険診療でできるがん標準治療は、もっとも可能性の高い治療法だが、個々の患者さんの治療がうまくいくかどうかは
①運
②本人の努力
③治療環境
の順で決まる(と自分は感じている、身も蓋もないが)。”
の部分だ。
これ迄私はおかげさまで数々の治療が功を奏してこうして9年間再発治療を続け、フルタイムの職も辞さずに生き長えることが叶っている。
このことについて、運が良かったんでしょうとか、職場環境が恵まれているんでしょうとか言われることも少なくない。努力ということについては決して触れられずに。
もちろん、声高に「私、こんなに頑張っているんです!認めてください!」と頼んでいるわけではないし、そんなつもりもない。あくまでも私なりに真面目に病気に向き合って、治療をさぼることなく続けてまだ生きていたいと思うから当然のことだ。
けれど、本当に幸運だったら、ステージ1の段階で出来る治療は全て行った後に、3年経たずして両肺、骨等多発転移のステージ4にはならずにそのまま卒業できたと思うし、そもそも病気にすらならなかったのではないだろうかとも思う。
病を得、さらにはこうしてステージ4の患者としてエンドレスの治療をすることになったことで、色々手放さざるを得なかったこと、諦めざるを得なかったこともある。
それでも細く長くしぶとく、とこれまで自分に活を入れてやってきた。そういうことを努力、と言って頂けるなら本当に嬉しいのだ。
もちろん再発した段階で転院出来、今の主治医と出会え、治療環境にもとても恵まれていると思うし、こうして支えてくれる家族がいて、仕事を続けさせてくれている職場の環境にも恵まれているのは紛れもない事実。このことには、日々心から感謝している。
けれど、どんな環境であれ、本人がさぼらず諦めずきちんと治療を続けるという努力はやはり必要不可欠なのではないかと思う。
それを認めて頂けたのが、素直に嬉しく、また前を向く力を頂いた。これからもこのブログで発信することが続けられれば良い、と心から思う夜である。