ここ数年来、涙目が続いている。何の治療薬の副作用か定かではない。それが昨朝はやけに酷く、職場で席に着くと両目が痛くてPCを前に目を開けられない。
目薬を差してみたり、眉間やこめかみを圧迫したりとあれこれ試したけれど全然改善する気配がない。どうしたものかと案じたが、1時間ほどでなんとか落ち着き、胸をなでおろした。
何やらフラフラフワフワして怠さもある。そんな調子でだましだまし仕事を片付けながら、夕方までなんとか持ち堪えた。冷や冷やの1日だった。
帰宅後、夫と夕食を摂り、洗濯物やら何やらもろもろ片づけた後、病院近くのホテルに前泊した。
今日はジェムザール1クール2回目である。夫にモーニングコールをしてから、熱めの浴槽足湯を済ませる。先週の治療後の食欲不振からようやく脱し、2キロ減った体重を戻すべくビュッフェの朝食をしっかり頂く。美味しく食べられるということがどれほど有難いことか。チェックアウト前にマインドフルネスの鐘の音の瞑想をしてから病院へ向かった。
今日から如月2月。月初めはいつも混雑しており、今朝も自動再来受付機では数人が列を作っている。採血受付でも若干並び、電光掲示板を見ると、20人ほど待っている。15分待ち。荷物を整理しながら態勢を整えて待つ。番号が出て採血室へ入る。自分が採血台に腰掛けるまでに15分。なるほどと思わせるお見事な見込みである。今日は予定通り治療が出来るかどうかの最低限のチェックだから1本のみ採取。初めての女性看護師さんだったが、1本だけだったから一番小さい容器を使い、あっという間だった。
止血しながら腫瘍内科受付に移動。月初めの保険証チェックの後、定位置の待合椅子が空いていたので、読書を開始。
今日は文庫本を2冊読めた。読書記事は明日以降に回したい。
30分もしないで、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出た。診察中の方が終われば、すぐに私が診察の順番だ。びっくり。こんなに早いのは初めてだ。本に夢中だったので血圧測定もせずに中待合へ入った。
中待合に入って、5分ほどで先生がお顔を出された。
「さて、どうでしたか?」と問われ、「思いのほかきつかったです。気持ち悪さが続き、毎食前にドンペリドンを飲んでも日曜日の朝までろくに食べられませんでした。ただ水分は摂れ、便秘も下痢もなく熱も出ませんでしたが2キロ体重が減り、フラフラして怠いです。制吐剤ステロイドの副作用で、不眠はそれほど出なかったのですが、顔がほてって熱っぽく、ムーンフェイスが気になりました。」とお答えする。
「いや~、採血の結果に出ていますよ。」と仰る。白血球がうんと下がっていますとのこと。PCの画面を見ればなるほど2,700とある。確かに低めではあるが、前回1,500あった好中球が1割弱の260しかないのだ。
「これで抗がん剤治療は出来ませんから今日は中止ですね」とのこと。トホホ、初回からこれである。なんと薬に反応しやすい単純な身体だろう。先生には「素直ですね、効いているといいですが」と言われる。確かに副作用だけ出て、効いていないのでは哀しすぎる。
好中球は細菌等の異物が体内に侵入したときに第一線の防御機構として働き、1,000を切ると発熱する頻度が増し、500以下では更に増加、100以下では発熱・感染症は必発であるとされる。
一番最初に使った抗がん剤タキソテールの初回投与で白血球1,100、好中球が5.5まで下がり、好中球減少症による高熱で緊急入院。ECでも初回に白血球1,300、好中球65に下がり、悪夢再び緊急入院をしたという苦い思い出がある。化学療法に伴う有害事象の重症度をグレード1から4に分類した時、1,500が正常下限のグレード1、1,000以上あればグレード2で化学療法を実施して概ね問題なしとされているが、1,000以下はグレード3で実施不可。さらに500以下はグレード4であり、当然最も危ない状態である。
「うーん、これは怠かったでしょう?」と言われる。食事が摂れなかったからフラフラすると思っていたのだが、好中球がここまで下がっていたとは。それでも3週間に1度ドンと入れる薬でなくてよかった、と思う。こうして翌週に状況を把握して休薬したり、減量したりと調整が出来るからだ。
今週はお休み、来週も予定通り休んで、再来週からの2クール1回目は8割に減量して様子を見ましょう、ということになった。
吐き気も当日直ぐではなく夜から出て数日間続いたので、ステロイドはやめて持続性のアロキシ等に変更してくださるとのこと。今回治療を休むので、これ以上数値が悪化することはないと思うが、お守りのために、と抗生剤クラビットを出してくださった。毎朝ロキソニンを飲んでいるし、熱っぽい時には頓服しているので、その状況で発熱したとするなら7度5分を超えたら飲んでよいそうだ(一般には8度以上で内服)。
心配だった血小板も16万あるので問題なし、赤血球も大丈夫だそうだ。次回は久しぶりに心エコーの予約が入った。心毒性のハーセプチンをこれからまた延々と使うことになるためだ。
診察室での検温は6度8分。予想より大分早く呼ばれたので血圧は測る時間がありませんでした、と正直に言うと、いつも問題ないので特に良いでしょうとのこと。「とにかく体重を戻して元気になってまた参ります。」とお礼を言って診察室を出た。
化学療法室へ移動せずに、中待合でランマークが届くのを待つ。待ち時間はいつものように夫やお友達に報告LINEやメールを打つ。入院中のお友達は術後1週間、どうしているだろうと心配である。
なかなか声がかからない。小一時間ほど待って、ようやく名前を呼ばれる。遊軍の看護師さんが来てくださったが、「ゆっくりお願いします」と言ったら手でよく温めて話し相手になりつつ刺してくださったので、殆ど痛まずラッキーだった。次回の心エコーの予約表を頂き、会計へ向かう。
計算時間を見計らって自動支払機へ移動。採血とランマーク注射の筈が、なんと1,000円と出る。ランマークが加算されていない。ひとまず支払を終えて、窓口に申し出て確認して頂く。化学療法中止にチェックが入っていたので、全てキャンセルで計算したとのこと。次回は2週間後に来ますというと、その時にまとめてお支払いをお願いします、ということになった。
外に出ると、風はないし日差しはたっぷりで暖かい。快晴だ。まさか1クール2回目で治療が出来なくなるとは思わず、午前中に病院を後にするなんて想定外。
また、前回3週間分の薬を頂いているので、何もなければ今日は薬局には行かない筈だったが、急きょ3日分の抗生剤が処方されたので、予定変更。薬局に入ると、相変わらずの混雑。やはり順番を抜かされて30分ほど待った。
「お熱があるのですか」と訊かれ、「いえ、熱はないのですが、好中球が低すぎて治療中止になりました。水分は摂れていますし、食事も摂れるようになっています。」とお答えする。こちらでは700円ほどの支払い。
病院と薬局の滞在時間は合わせて3時間ちょっと。夫にLINEで「牛肉も鰻も食べて精をつけなければだめだ」と言われたので、途中駅のレストランで普段は頂かないことにしている牛肉が入ったランチをゆっくり頂き、夕飯には奮発して鰻を買って帰宅した。
帰宅後は最低限の片づけや実家の母にもろもろの事務連絡。今日はおそらく食欲がなく草臥れているだろうから、夫の分だけお弁当を買って帰る予定だった。ところが、予定変更で休薬になったので、一緒にモリモリと頂く。
明日は午後から臨時の都心会議。フラフラヨレヨレの状態で出かけることにならなくて本当にほっとした。あと2日、しっかり食べてぐっすり寝て、体力回復に努めれば、きっと元気になる筈である。
目薬を差してみたり、眉間やこめかみを圧迫したりとあれこれ試したけれど全然改善する気配がない。どうしたものかと案じたが、1時間ほどでなんとか落ち着き、胸をなでおろした。
何やらフラフラフワフワして怠さもある。そんな調子でだましだまし仕事を片付けながら、夕方までなんとか持ち堪えた。冷や冷やの1日だった。
帰宅後、夫と夕食を摂り、洗濯物やら何やらもろもろ片づけた後、病院近くのホテルに前泊した。
今日はジェムザール1クール2回目である。夫にモーニングコールをしてから、熱めの浴槽足湯を済ませる。先週の治療後の食欲不振からようやく脱し、2キロ減った体重を戻すべくビュッフェの朝食をしっかり頂く。美味しく食べられるということがどれほど有難いことか。チェックアウト前にマインドフルネスの鐘の音の瞑想をしてから病院へ向かった。
今日から如月2月。月初めはいつも混雑しており、今朝も自動再来受付機では数人が列を作っている。採血受付でも若干並び、電光掲示板を見ると、20人ほど待っている。15分待ち。荷物を整理しながら態勢を整えて待つ。番号が出て採血室へ入る。自分が採血台に腰掛けるまでに15分。なるほどと思わせるお見事な見込みである。今日は予定通り治療が出来るかどうかの最低限のチェックだから1本のみ採取。初めての女性看護師さんだったが、1本だけだったから一番小さい容器を使い、あっという間だった。
止血しながら腫瘍内科受付に移動。月初めの保険証チェックの後、定位置の待合椅子が空いていたので、読書を開始。
今日は文庫本を2冊読めた。読書記事は明日以降に回したい。
30分もしないで、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出た。診察中の方が終われば、すぐに私が診察の順番だ。びっくり。こんなに早いのは初めてだ。本に夢中だったので血圧測定もせずに中待合へ入った。
中待合に入って、5分ほどで先生がお顔を出された。
「さて、どうでしたか?」と問われ、「思いのほかきつかったです。気持ち悪さが続き、毎食前にドンペリドンを飲んでも日曜日の朝までろくに食べられませんでした。ただ水分は摂れ、便秘も下痢もなく熱も出ませんでしたが2キロ体重が減り、フラフラして怠いです。制吐剤ステロイドの副作用で、不眠はそれほど出なかったのですが、顔がほてって熱っぽく、ムーンフェイスが気になりました。」とお答えする。
「いや~、採血の結果に出ていますよ。」と仰る。白血球がうんと下がっていますとのこと。PCの画面を見ればなるほど2,700とある。確かに低めではあるが、前回1,500あった好中球が1割弱の260しかないのだ。
「これで抗がん剤治療は出来ませんから今日は中止ですね」とのこと。トホホ、初回からこれである。なんと薬に反応しやすい単純な身体だろう。先生には「素直ですね、効いているといいですが」と言われる。確かに副作用だけ出て、効いていないのでは哀しすぎる。
好中球は細菌等の異物が体内に侵入したときに第一線の防御機構として働き、1,000を切ると発熱する頻度が増し、500以下では更に増加、100以下では発熱・感染症は必発であるとされる。
一番最初に使った抗がん剤タキソテールの初回投与で白血球1,100、好中球が5.5まで下がり、好中球減少症による高熱で緊急入院。ECでも初回に白血球1,300、好中球65に下がり、悪夢再び緊急入院をしたという苦い思い出がある。化学療法に伴う有害事象の重症度をグレード1から4に分類した時、1,500が正常下限のグレード1、1,000以上あればグレード2で化学療法を実施して概ね問題なしとされているが、1,000以下はグレード3で実施不可。さらに500以下はグレード4であり、当然最も危ない状態である。
「うーん、これは怠かったでしょう?」と言われる。食事が摂れなかったからフラフラすると思っていたのだが、好中球がここまで下がっていたとは。それでも3週間に1度ドンと入れる薬でなくてよかった、と思う。こうして翌週に状況を把握して休薬したり、減量したりと調整が出来るからだ。
今週はお休み、来週も予定通り休んで、再来週からの2クール1回目は8割に減量して様子を見ましょう、ということになった。
吐き気も当日直ぐではなく夜から出て数日間続いたので、ステロイドはやめて持続性のアロキシ等に変更してくださるとのこと。今回治療を休むので、これ以上数値が悪化することはないと思うが、お守りのために、と抗生剤クラビットを出してくださった。毎朝ロキソニンを飲んでいるし、熱っぽい時には頓服しているので、その状況で発熱したとするなら7度5分を超えたら飲んでよいそうだ(一般には8度以上で内服)。
心配だった血小板も16万あるので問題なし、赤血球も大丈夫だそうだ。次回は久しぶりに心エコーの予約が入った。心毒性のハーセプチンをこれからまた延々と使うことになるためだ。
診察室での検温は6度8分。予想より大分早く呼ばれたので血圧は測る時間がありませんでした、と正直に言うと、いつも問題ないので特に良いでしょうとのこと。「とにかく体重を戻して元気になってまた参ります。」とお礼を言って診察室を出た。
化学療法室へ移動せずに、中待合でランマークが届くのを待つ。待ち時間はいつものように夫やお友達に報告LINEやメールを打つ。入院中のお友達は術後1週間、どうしているだろうと心配である。
なかなか声がかからない。小一時間ほど待って、ようやく名前を呼ばれる。遊軍の看護師さんが来てくださったが、「ゆっくりお願いします」と言ったら手でよく温めて話し相手になりつつ刺してくださったので、殆ど痛まずラッキーだった。次回の心エコーの予約表を頂き、会計へ向かう。
計算時間を見計らって自動支払機へ移動。採血とランマーク注射の筈が、なんと1,000円と出る。ランマークが加算されていない。ひとまず支払を終えて、窓口に申し出て確認して頂く。化学療法中止にチェックが入っていたので、全てキャンセルで計算したとのこと。次回は2週間後に来ますというと、その時にまとめてお支払いをお願いします、ということになった。
外に出ると、風はないし日差しはたっぷりで暖かい。快晴だ。まさか1クール2回目で治療が出来なくなるとは思わず、午前中に病院を後にするなんて想定外。
また、前回3週間分の薬を頂いているので、何もなければ今日は薬局には行かない筈だったが、急きょ3日分の抗生剤が処方されたので、予定変更。薬局に入ると、相変わらずの混雑。やはり順番を抜かされて30分ほど待った。
「お熱があるのですか」と訊かれ、「いえ、熱はないのですが、好中球が低すぎて治療中止になりました。水分は摂れていますし、食事も摂れるようになっています。」とお答えする。こちらでは700円ほどの支払い。
病院と薬局の滞在時間は合わせて3時間ちょっと。夫にLINEで「牛肉も鰻も食べて精をつけなければだめだ」と言われたので、途中駅のレストランで普段は頂かないことにしている牛肉が入ったランチをゆっくり頂き、夕飯には奮発して鰻を買って帰宅した。
帰宅後は最低限の片づけや実家の母にもろもろの事務連絡。今日はおそらく食欲がなく草臥れているだろうから、夫の分だけお弁当を買って帰る予定だった。ところが、予定変更で休薬になったので、一緒にモリモリと頂く。
明日は午後から臨時の都心会議。フラフラヨレヨレの状態で出かけることにならなくて本当にほっとした。あと2日、しっかり食べてぐっすり寝て、体力回復に努めれば、きっと元気になる筈である。