昨夜は仕事から戻って夫と夕食を摂り、洗濯物やら何やらもろもろ片づけてから病院最寄り駅に移動、前泊した。いつのまにか通院前泊がデフォルトになった。私の中では、これは体力温存のための必要経費ということになっている。
今日から治療変更である。昨日が寒さの底だったというが、今朝も寒い。夫にモーニングコールをしてから、熱めの浴槽足湯を済ませる。焼きたてクロワッサンの朝食を摂り、少しだけマインドフルネスの鐘の音の瞑想をしてから病院へ向かった。
今月3回目の病院だ。月初めと同じ時間に到着したのだが、今朝は自動再来受付機が列をなしている。採血受付でも若干並び、電光掲示板を見ると、25人ほど待っていて13分待ちと出ている。荷物を整理して態勢を整えて待つ。ようやく番号が出て採血室へ入る。寒さで皆血管が出ないと見えて、ホットパックで温めたりしながら1人1人に時間がかかっている模様。今日は腫瘍マーカー測定もあるので4本の採取。
初めての女性看護師さんだったが、殆ど痛まずラッキーだった。やはりこう寒いと普段から細い人はより血管が細くなり、患者さんのルート確保に時間がかかるらしい。夏と違って冬はどうしても水分を摂るのを控えるので、ますます取りにくいと仰っていた。
冬はあっという間に脱水になるという。心して水分補給に努めなければと思った。私は足湯効果もあり、右腕の正中血管が元気だったのですんなり。
止血しながら腫瘍内科受付に。定位置の待合椅子が空いていたので、読書を開始。
今日は文庫本を2冊持って行ったが、2冊目は読み切れなかった。治療本文と合わせるとかなり長くなりそうなので読書記事は明日に回したい。
1時間ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出た。本に夢中だったので慌てて血圧測定。100-66、脈拍は77。
中待合に入って、30分ほどして先生がお顔を出された。
「さて、ご様子は?」と問われ、概ね元気でした、とお答えする。「胸痛でロキソニンを飲んだのは1日、頭痛で飲んだ方が多かったこと、痺れも悪化していないし、鼻血も頻繁に出ないし、空咳も気になりません。ただ、やはり投与後3日間は気持ち悪くドンペリドンを飲みました。」とお話する。
採血の結果は、白血球が3400で低めだが、好中球がいつもより多めで1500あるので問題ないでしょうとのこと。そして、ずっと上がり続けていたCA15-3は上げ止まってほんの4%だが減少していた。「うーん、よくわかりませんね、悩ましい。」と先生が首を傾げられる。そして、先週撮影した造影CTは相変わらずとのこと。先生が両肺の画像をスクロールしながら説明される。
左のここはあまり変わっていない、こちらも同じように見える、右のこれは、こっちはあっちは、と(いったい幾つあるのか、だんだんわからなくなってくる)、そして唯一、一番大きい右の影がやはりまた大きくなっています、とのこと。うーん、これは大きいと測ってみたら3か月前から比べて2,3ミリ程度の増大なのだそうだ。つまり急に増大している、というわけではなさそう。
確かに2年前T-DM1(カドサイラ)開始直前に比べれば、今一番大きなものは相当大きくなっている(2つあったものがおそらく繋がってくっついたものと思われる)ものの、他の複数のものを殆ど押さえていたということは、進行がとてもゆっくりのペースだとのこと。この2年間、T-DM1(カドサイラ)は実に素晴らしい働きをしてくれた、とのことだ。本当に有難いことだ。新しい臓器転移もなく、ほっとした。骨も不変ですか、と訊いたところ、鎖骨の転移部が少し濃くなっているとの読影コメントがあったとのこと。
いずれにしても今日から治療変更である。今後のことも含めていくつか質問をする。「ネラチニブはどうですか。」と問うと、タイケルブの改良型なのでいずれ使うこともあるかもしれないとのこと。「パージェタもまだ使っていないではないですか」と仰るので、「先生がパージェタは最後の手段で、と仰いましたが、タキサン(タキソテールかタキソール)と組むと間違いなく痺れも悪化するし、何より棺桶に入る時に禿げ頭は辛いので、出来ればパージェタとハーセプチンだけでやって頂きたいと思っているのですが、無理でしょうか」と訊いてみる。
すると「2回脱毛経験があり、また脱毛するなら生きている意味がないので、どうしてもやりたくないという患者さんがいて、ではパージェタとハーセプチンで、とそれでやっているケースはあります。」との答えをゲットした。「同じです。わかります。私も3度目の脱毛イコール生涯脱毛ということなので、正直、戦意喪失です。とはいえ、本当に土壇場になってその状況になったら延命を選ぶのかもしれませんが、今のところは出来れば避けたいです。」と甘えたことを言いまくってしまった。
ジェムザールの次の手と言われているハラヴェンも脱毛は避けられない。「好中球減少症も辛いし、治療がスケジュール通りに出来ないのは」と言うと、「確かにタキソテールのように、3週に1度ドカンと投与する薬だと後からどうしようもないですが、ハラヴェンは2週目に減量調整することも出来るので、そう酷いことにはなりません。今はグラン(白血球を上げる注射)の代わりのいい薬もありますから」とのこと。
とりあえず気持ちを伝えることが出来たので、薬を処方して頂く。これまでどおりランマーク治療は続行なので、前回同様デノタスチュアブルを3週間分、ロキソニンも通常通り。T-DM1(カドサイラ)による痺れ対策の2種類の漢方は、現在痺れが残っていると、ジェムザールに変えても出る方が多いようなので、そのまま飲んだ方が良いとのこと。内服薬のみ3種類の処方となった。ご挨拶をして診察室を後にした。診察室での検温は6度7分。
化学療法室へ移動。待ち時間はいつものように夫やお友達に報告LINEやメールを打つ。入院中のお友達は今日が手術の日。どうか上手くいきますようにと願う。
混んでいるとみえて、なかなか声がかからない。30分ほど待って、今や私にとって第二の針刺し名人になったSさんから内側のリクライニング椅子に案内される。10分ほどして針刺しに来てくださったのは、そのSさん。思わず「Sさんで良かったです」と呟いてしまった。「よく眠れましたか。」と気を遣ってくださる。有難い。初回治療ゆえ心臓モニターの装着もあり、なんだか物々しい雰囲気。
座ったものの、なかなか薬が届かない。30分近く待ってようやく今やベテランの仲間入りをしたKrさんが「薬が届きました。」と見える。水曜日は最近特に混んでいて皆さんをお待たせして、とのこと。今日はハーセプチン、デキサート(吐き気止めのステロイド)、ジェムザール、生理食塩水の4本。久しぶりに点滴台にこんなに複数の点滴パックが吊り下げられた。ハーセプチン単独は3年ぶりだ。1時間かけて問題なく投与。続いてデキサートは15分、ジェムザールは30分、最後の生理食塩水は15分でスムーズにチェンジが行われれば2時間コースという説明があった。
途中、主任薬剤師のTさんが様子見に来てくださる。あれこれ10分くらい、質問やらなにやら時間を取って頂いた。有難い。ジェムザールは吐き気等の自覚症状はマイルドだが、好中球と血小板が下がる方が多いという。2回目以降に特に下がるようだ。この血小板の低下は、投与後1か月ほどして出現する人とそうでない人がいるとのこと、これも人体実験よろしくやってみないとわからないそう。
もともとジェムザールは膵臓等消化器系の薬で、3投1休で1000ミリだが、再発乳がんは2投1休で1250ミリなので、一般的には血小板低下のために投与中止するほどではないらしい。が、私のように前治療がもろもろあると、その組み合わせの影響も受けることがあるようだ。痺れが出るかどうかもやってみないとわからないという。また、多くは血管痛が出るが、ポートなので問題もなし。
吐き気止めはデキサートが規定量入っているそうなので、「今晩は恐らくステロイドハイで目がギンギンにさえて不眠だろうと思う。」と言うと、「吐き気がそれほどでなければ次回から減らしましょう。」とのこと。ステロイドが切れた時にどのくらい吐き気が出るかわからないが、ドンペリドンをお守り替わりに出してもらうようにお願いした。まあ9年も治療をしていれば、いろいろあらあな、ということだ。
初回ということで、ジェムザールが始まって15分で検温、血圧測定、終了時にもう一度検温、血圧測定、となかなか落ち着かなかった。体温はもろもろ点滴薬を入れたからかどうか、当初診察室で測ったよりも少しずつ下がって最終的には6度3分。血圧は朝より若干上がったが正常。2時間半弱で無事終了した。抜針はMさん。衝撃はあったが、まだ経験が浅いのでやむなしだろう。
看護師さんたちにご挨拶して化学療法室を後にする。計算時間を見計らって自動支払機へ移動。採血と点滴、3割負担5万円強をカード支払い。これまでずっと10万円を優に超える支払が続いていたので、思わず、安い!と思ってしまう。金銭感覚がマヒしているな、と苦笑い。がん治療には1万円イコール1000円の雰囲気がある。病院は会計待ちの人たちで溢れている。
外に出ると、朝より気温が上がっており、風がなく暖かい感じ。空が済み切って青く、気持ちが良い。前泊して早い到着だったけれど、今日はあれこれ待ったし、点滴も長かったのでここまでで既に5時間半以上。家から出かけていたら、夕方になっただろうな、と思う。
薬局に入ると、そこそこの混雑。やはり順番を抜かされて小一時間待った。
病院の薬剤師のTさんがくださった点滴薬のシールをお薬手帳に貼ったところ、手帳が満杯になった。薬局では何種類か新しいものを見せてくださったが、気に入っていたパステルカラーの動物シリーズはもうない、とのこと。それではと、地味な幾何学模様を選んだところ、薬剤師さんは「大人の方でもせめて楽しいものを、と可愛いものを選ばれるのですよ」と仰る。だが、さすがにアラカン女性が、りらっくまはどうもと躊躇してお断りした。「化学療法後、食事の支度は大丈夫ですか。宅配を利用したり、何度かに分けて食べられるものを・・・」と気遣ってくださった。前回同様2,000円弱の現金払い。
病院と薬局の滞在時間は合わせて6時間半。ランチタイムぎりぎりに駅ビルに滑り込んだ。あまりお腹が空いていなかったが、夜は夫が不要だし、多分いい加減になってしまうだろうということで、頑張ってゆっくり和風のパスタを頂いてきた。
冬至から1か月余り。以前は夕方5時と言えば真っ暗だったが、随分日が長くなった。マジックアワーの空がとても美しい。気持ち悪いというよりもだるい。
帰宅後は最低限の片づけ。夫が帰ってきたが、何もしてあげられない。食欲がなくお茶を飲んでアイスクリームを食べただけ。夫から「何か作ろうか」と言われたけれど、ノーサンキュー。うーん、忘れていたこの感じ。今日は眠れるだろうか。
明日は午後講習会もある。眠れるかどうかは別にして、早めにお風呂に入ってベッドにゴーの予定である。
昨日届いた今月2回目のお花は、ピンク、オレンジ、黄色のガーベラが合わせて8本、カスミソウが1本、菜の花が2本、アカメヤナギが1本。花言葉は「神秘」、「清い心」、「快活」だそうだ。ガラスの花瓶に投げ入れたら、ここだけぽっと春が来た。
今日から治療変更である。昨日が寒さの底だったというが、今朝も寒い。夫にモーニングコールをしてから、熱めの浴槽足湯を済ませる。焼きたてクロワッサンの朝食を摂り、少しだけマインドフルネスの鐘の音の瞑想をしてから病院へ向かった。
今月3回目の病院だ。月初めと同じ時間に到着したのだが、今朝は自動再来受付機が列をなしている。採血受付でも若干並び、電光掲示板を見ると、25人ほど待っていて13分待ちと出ている。荷物を整理して態勢を整えて待つ。ようやく番号が出て採血室へ入る。寒さで皆血管が出ないと見えて、ホットパックで温めたりしながら1人1人に時間がかかっている模様。今日は腫瘍マーカー測定もあるので4本の採取。
初めての女性看護師さんだったが、殆ど痛まずラッキーだった。やはりこう寒いと普段から細い人はより血管が細くなり、患者さんのルート確保に時間がかかるらしい。夏と違って冬はどうしても水分を摂るのを控えるので、ますます取りにくいと仰っていた。
冬はあっという間に脱水になるという。心して水分補給に努めなければと思った。私は足湯効果もあり、右腕の正中血管が元気だったのですんなり。
止血しながら腫瘍内科受付に。定位置の待合椅子が空いていたので、読書を開始。
今日は文庫本を2冊持って行ったが、2冊目は読み切れなかった。治療本文と合わせるとかなり長くなりそうなので読書記事は明日に回したい。
1時間ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出た。本に夢中だったので慌てて血圧測定。100-66、脈拍は77。
中待合に入って、30分ほどして先生がお顔を出された。
「さて、ご様子は?」と問われ、概ね元気でした、とお答えする。「胸痛でロキソニンを飲んだのは1日、頭痛で飲んだ方が多かったこと、痺れも悪化していないし、鼻血も頻繁に出ないし、空咳も気になりません。ただ、やはり投与後3日間は気持ち悪くドンペリドンを飲みました。」とお話する。
採血の結果は、白血球が3400で低めだが、好中球がいつもより多めで1500あるので問題ないでしょうとのこと。そして、ずっと上がり続けていたCA15-3は上げ止まってほんの4%だが減少していた。「うーん、よくわかりませんね、悩ましい。」と先生が首を傾げられる。そして、先週撮影した造影CTは相変わらずとのこと。先生が両肺の画像をスクロールしながら説明される。
左のここはあまり変わっていない、こちらも同じように見える、右のこれは、こっちはあっちは、と(いったい幾つあるのか、だんだんわからなくなってくる)、そして唯一、一番大きい右の影がやはりまた大きくなっています、とのこと。うーん、これは大きいと測ってみたら3か月前から比べて2,3ミリ程度の増大なのだそうだ。つまり急に増大している、というわけではなさそう。
確かに2年前T-DM1(カドサイラ)開始直前に比べれば、今一番大きなものは相当大きくなっている(2つあったものがおそらく繋がってくっついたものと思われる)ものの、他の複数のものを殆ど押さえていたということは、進行がとてもゆっくりのペースだとのこと。この2年間、T-DM1(カドサイラ)は実に素晴らしい働きをしてくれた、とのことだ。本当に有難いことだ。新しい臓器転移もなく、ほっとした。骨も不変ですか、と訊いたところ、鎖骨の転移部が少し濃くなっているとの読影コメントがあったとのこと。
いずれにしても今日から治療変更である。今後のことも含めていくつか質問をする。「ネラチニブはどうですか。」と問うと、タイケルブの改良型なのでいずれ使うこともあるかもしれないとのこと。「パージェタもまだ使っていないではないですか」と仰るので、「先生がパージェタは最後の手段で、と仰いましたが、タキサン(タキソテールかタキソール)と組むと間違いなく痺れも悪化するし、何より棺桶に入る時に禿げ頭は辛いので、出来ればパージェタとハーセプチンだけでやって頂きたいと思っているのですが、無理でしょうか」と訊いてみる。
すると「2回脱毛経験があり、また脱毛するなら生きている意味がないので、どうしてもやりたくないという患者さんがいて、ではパージェタとハーセプチンで、とそれでやっているケースはあります。」との答えをゲットした。「同じです。わかります。私も3度目の脱毛イコール生涯脱毛ということなので、正直、戦意喪失です。とはいえ、本当に土壇場になってその状況になったら延命を選ぶのかもしれませんが、今のところは出来れば避けたいです。」と甘えたことを言いまくってしまった。
ジェムザールの次の手と言われているハラヴェンも脱毛は避けられない。「好中球減少症も辛いし、治療がスケジュール通りに出来ないのは」と言うと、「確かにタキソテールのように、3週に1度ドカンと投与する薬だと後からどうしようもないですが、ハラヴェンは2週目に減量調整することも出来るので、そう酷いことにはなりません。今はグラン(白血球を上げる注射)の代わりのいい薬もありますから」とのこと。
とりあえず気持ちを伝えることが出来たので、薬を処方して頂く。これまでどおりランマーク治療は続行なので、前回同様デノタスチュアブルを3週間分、ロキソニンも通常通り。T-DM1(カドサイラ)による痺れ対策の2種類の漢方は、現在痺れが残っていると、ジェムザールに変えても出る方が多いようなので、そのまま飲んだ方が良いとのこと。内服薬のみ3種類の処方となった。ご挨拶をして診察室を後にした。診察室での検温は6度7分。
化学療法室へ移動。待ち時間はいつものように夫やお友達に報告LINEやメールを打つ。入院中のお友達は今日が手術の日。どうか上手くいきますようにと願う。
混んでいるとみえて、なかなか声がかからない。30分ほど待って、今や私にとって第二の針刺し名人になったSさんから内側のリクライニング椅子に案内される。10分ほどして針刺しに来てくださったのは、そのSさん。思わず「Sさんで良かったです」と呟いてしまった。「よく眠れましたか。」と気を遣ってくださる。有難い。初回治療ゆえ心臓モニターの装着もあり、なんだか物々しい雰囲気。
座ったものの、なかなか薬が届かない。30分近く待ってようやく今やベテランの仲間入りをしたKrさんが「薬が届きました。」と見える。水曜日は最近特に混んでいて皆さんをお待たせして、とのこと。今日はハーセプチン、デキサート(吐き気止めのステロイド)、ジェムザール、生理食塩水の4本。久しぶりに点滴台にこんなに複数の点滴パックが吊り下げられた。ハーセプチン単独は3年ぶりだ。1時間かけて問題なく投与。続いてデキサートは15分、ジェムザールは30分、最後の生理食塩水は15分でスムーズにチェンジが行われれば2時間コースという説明があった。
途中、主任薬剤師のTさんが様子見に来てくださる。あれこれ10分くらい、質問やらなにやら時間を取って頂いた。有難い。ジェムザールは吐き気等の自覚症状はマイルドだが、好中球と血小板が下がる方が多いという。2回目以降に特に下がるようだ。この血小板の低下は、投与後1か月ほどして出現する人とそうでない人がいるとのこと、これも人体実験よろしくやってみないとわからないそう。
もともとジェムザールは膵臓等消化器系の薬で、3投1休で1000ミリだが、再発乳がんは2投1休で1250ミリなので、一般的には血小板低下のために投与中止するほどではないらしい。が、私のように前治療がもろもろあると、その組み合わせの影響も受けることがあるようだ。痺れが出るかどうかもやってみないとわからないという。また、多くは血管痛が出るが、ポートなので問題もなし。
吐き気止めはデキサートが規定量入っているそうなので、「今晩は恐らくステロイドハイで目がギンギンにさえて不眠だろうと思う。」と言うと、「吐き気がそれほどでなければ次回から減らしましょう。」とのこと。ステロイドが切れた時にどのくらい吐き気が出るかわからないが、ドンペリドンをお守り替わりに出してもらうようにお願いした。まあ9年も治療をしていれば、いろいろあらあな、ということだ。
初回ということで、ジェムザールが始まって15分で検温、血圧測定、終了時にもう一度検温、血圧測定、となかなか落ち着かなかった。体温はもろもろ点滴薬を入れたからかどうか、当初診察室で測ったよりも少しずつ下がって最終的には6度3分。血圧は朝より若干上がったが正常。2時間半弱で無事終了した。抜針はMさん。衝撃はあったが、まだ経験が浅いのでやむなしだろう。
看護師さんたちにご挨拶して化学療法室を後にする。計算時間を見計らって自動支払機へ移動。採血と点滴、3割負担5万円強をカード支払い。これまでずっと10万円を優に超える支払が続いていたので、思わず、安い!と思ってしまう。金銭感覚がマヒしているな、と苦笑い。がん治療には1万円イコール1000円の雰囲気がある。病院は会計待ちの人たちで溢れている。
外に出ると、朝より気温が上がっており、風がなく暖かい感じ。空が済み切って青く、気持ちが良い。前泊して早い到着だったけれど、今日はあれこれ待ったし、点滴も長かったのでここまでで既に5時間半以上。家から出かけていたら、夕方になっただろうな、と思う。
薬局に入ると、そこそこの混雑。やはり順番を抜かされて小一時間待った。
病院の薬剤師のTさんがくださった点滴薬のシールをお薬手帳に貼ったところ、手帳が満杯になった。薬局では何種類か新しいものを見せてくださったが、気に入っていたパステルカラーの動物シリーズはもうない、とのこと。それではと、地味な幾何学模様を選んだところ、薬剤師さんは「大人の方でもせめて楽しいものを、と可愛いものを選ばれるのですよ」と仰る。だが、さすがにアラカン女性が、りらっくまはどうもと躊躇してお断りした。「化学療法後、食事の支度は大丈夫ですか。宅配を利用したり、何度かに分けて食べられるものを・・・」と気遣ってくださった。前回同様2,000円弱の現金払い。
病院と薬局の滞在時間は合わせて6時間半。ランチタイムぎりぎりに駅ビルに滑り込んだ。あまりお腹が空いていなかったが、夜は夫が不要だし、多分いい加減になってしまうだろうということで、頑張ってゆっくり和風のパスタを頂いてきた。
冬至から1か月余り。以前は夕方5時と言えば真っ暗だったが、随分日が長くなった。マジックアワーの空がとても美しい。気持ち悪いというよりもだるい。
帰宅後は最低限の片づけ。夫が帰ってきたが、何もしてあげられない。食欲がなくお茶を飲んでアイスクリームを食べただけ。夫から「何か作ろうか」と言われたけれど、ノーサンキュー。うーん、忘れていたこの感じ。今日は眠れるだろうか。
明日は午後講習会もある。眠れるかどうかは別にして、早めにお風呂に入ってベッドにゴーの予定である。
昨日届いた今月2回目のお花は、ピンク、オレンジ、黄色のガーベラが合わせて8本、カスミソウが1本、菜の花が2本、アカメヤナギが1本。花言葉は「神秘」、「清い心」、「快活」だそうだ。ガラスの花瓶に投げ入れたら、ここだけぽっと春が来た。