ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.1.18 母に振り回された日、造影CT(頸部から骨盤)無事終了

2017-01-18 23:01:09 | 治療日記
 今日は3か月ぶりの母の通院付き添い日。私も午後に治療薬変更直前の造影CT撮影を予約していたので、1日休暇を頂いた。
 夫を送り出してすぐに家を出る。私鉄とJRを乗り継いで、バスに乗り換える。乗換駅で電光掲示板を見ると気温3度。寒い。バスは順調で約束時間の5分前には病院に入ることが出来た。

 けれど、エントランスで待っている筈の母の姿がない。もしや先に採血室にでも行っているのだろうか、と見に行ってみたがここにもいない。まさか外科診察室前で待っているのかとエスカレーターで2階に上がってみたが、ここにも姿が見えない。どうしたものかと携帯を鳴らすが、鳴り続けるだけ。もう一度同じコースを行ったり来たり。約束の時間を過ぎる。再度2階の外科待合を覗くと、母らしき姿が。

 近づいて「どうしたの?」と訊くと、「約束の20分前に来たら、採血がなくて1番だった。もう終わったの」と言う。は?診察だけだったのか。
 3か月経って採血があるというのは母の思いこみだったようで、予約表には採血のさの字もなかったようだ。「先生が転勤されるので、(転院)どうしますかと訊かれたけれど、遠いので通えませんと言った」という。「娘が来るはずですが、バスが遅れていて」とも言ったようだ。は?私は約束時間に遅れていませんけれど、という声のない声を上げる。

 診察ではかかりつけクリニックでの貧血検査の結果や食事、睡眠、排せつの様子を訊かれただけで、特に傷口を見せることもなかったという。問題ないということなのだろう。
 そうならば、私は何のために仕事を休んで、来たのだろう。一人で動けるのならば、最初から付き添いはなくてもよいではないか。けれど、検査の同意書や問診票を書けない(細かくて読むのも書くのもしんどい)ので、紙ばさみに挟んだまま、私を待っていたようだ。

 記入を終え、看護師さんに事情を話して先生にご挨拶だけ出来るようにお願いする。中待合で待つように言われ、ほどなくして他の方の合間に先生から呼んで頂ける。
 行き違いで遅れたことを詫びると、先生から「私が3月末で異動になりまして」と仰る。「伺いました。本当なら追いかけていければよいのですが、遠くて通えないので、残念ですが」と返す。「私と同じくらいの年回りの女医ですから、あまり変わらないと思います。しっかり申し送りをしますし、3月までは私がいますので、何かあったら遠慮なくどうぞ」と言って頂き、これまでのお礼を言って診察室を後にした。

 会計を済ませ、頓服に処方して頂いた眠剤を頂きに向かいの薬局に移動する。病院と薬局の所要時間はあわせて1時間足らず。さすがにこのまま午後の検査に行くには早すぎる。かといっていったん自宅に戻る元気もない。
 行きつけのカフェもまだオープンしていない。折角ここまで来たのだから、とデイサービスセンターへケアマネのSさんにご挨拶に伺う。あいにく今日はお休みを取られているとのこと。同僚の方に状況を報告して、よろしくお伝え願う。

 ひとまずもう開いているファミレスに入る。まだモーニングサービスの時間。私は昼抜きで検査だからお茶だけ。軽く食べられるという母に付き合うこと1時間。その間、税務署から郵便物が届いたので持ってきたけれど、というのでそれもチェック。
 とにかく役所からの書類は見ただけで怖気づいてしまうようで、端から読む元気もなさそう。相続税納付のご案内で、これから先日税理士さんから用意して頂いた納付書を持って払い込むつもりなので、もう必要ない書類だと説明する。

 銀行に移動する。混んでいたらと早めに行ったが、ガラガラで待つことなくあっという間に払い込みが無事終了。「心配するから言わなかったのだけれど、実は年末に転んでしまった」という事後報告があったので、くれぐれも足元に注意するように言い置いて銀行の前で別れた。

 当初乗る予定だった電車よりも20分早い電車に乗ることが出来て、病院最寄り駅に到着したのは予約時間より1時間も早かった。
 病院に到着すると、お昼を回っているので午前中の診察が終わり、会計を待つ人でごったがえしていた。自動再来受付機は待つことなくスムーズ。

 先日の通院日、次回から治療薬変更なので身長体重を測っておくようにと先生から指示があったのだけれど、化学療法室の看護師さんも私も忘れてしまっていたのを思い出し、腫瘍内科受付で事情をお話して測定をお願いする。
 ほどなくして化学療法室の看護師Sさんが出ていらして、あいにく計測室が今使用中で、すぐにご案内出来ませんが、予約時間までに間に合えばそこで、ダメならCTが終わって帰りに寄って頂けますか、と言われる。

 もうダメかな、と諦めたところでクラークの方がお待たせしました、と見えて計測。身長165.8cm、風袋ごとで体重47.5㎏。お礼を言って腫瘍内科を後にする。
 エスカレーターで2階の放射線受付へ向かう。数人が待合椅子に座っている。順番通りに受け付けて頂いた後はCT準備室の前廊下へ移動する。こちらにも3組ほど待っている。

 15分ほどして名前を呼ばれ、着替えを済ませ造影剤注入のためルート確保の針刺し。前々回にお世話になったKさんは、テキパキしていてとても気持ちの良い方だ。針刺しは右からと腕を出すと、正中にいい血管が出ていて(刺しやすくて)いいですね、と褒めて頂く。ポートにして腕に針を刺す機会が減っているので、血管が長持ちしているのだろう。
 ハーセプチン投与が長くなったので肌がかぶれやすくなって、もう9年になります、と話しているうちにあっという間の早業。生理食塩水のパックが下がった点滴棒に繋がれながら、CT撮影室前で待つこと20分。予約時間5分遅れでスタートした。

 造影CT撮影は、ふつうは概ね半年に1度だが、薬のチェンジを先延ばしにしてきているので、ここのところ3ヶ月に一度が続いている。今日は女性の検査技師さん。ソフトな雰囲気でスカートのホックを外すのもリラックス出来た。

 ベッドに寝て万歳の姿勢をとり、最初は造影剤なしで、次に造影剤を入れて2回の撮影の所要時間は僅か10分ほどだ。いつものことながら造影剤が注入されるや否や、薬液のツーンとする匂いが鼻を突いて、むせそうになる。瞬く間に血液とともに体中を駆け巡る。体の中心部がカーッと熱くなる感じにも慣れっこになったけれど、やはり気分のいいものではない。
 「息を吸って。止めて下さい・・・。」を繰り返して無事終了。再びKさんに布テープできつく止血をしてもらい、ご挨拶をして部屋を出た。

 1階に降りて、会計を待つ。待合椅子では相変わらず沢山の人で溢れていた。会計番号はトリプルスリーの良い番号。30分ほど待って自動支払機で1万円弱をお支払。本日の病院滞在時間は2時間弱。

 病院を出て、母に無事終わったと電話をかけたのだけれど、留守電になっていないので、メッセージを吹き込めない。今日は昼からヘルパーさんが来るとは聞いていたけれど、どこかに出かけるという話はなかったので、気を揉む。
 そのまま駅ビルへ移動して3時近くに遅いお昼を摂った。
 結局、帰宅したのはいつもより30分ほど早かったが、朝出かけた時間も早かったので外出していた時間はいつもより長いくらいだった。

 食事の支度をしていると夫が帰ってきた。帰宅後も母に電話を入れたが、電話に出ない。携帯は繋がらない。何かあったのだろうかと心配になる。夫が「気になるなら契約している高齢親見守りサービスの警備会社に電話してみたら」と言う。すぐに確認してくれて、夕方外出した記録があるという。それでも2時間半ほど経っている。母の普段の行動とは違うパターンだ。

 ヘルパー派遣会社に電話をして、午後に来て頂いたヘルパーさんに何か言っていなかったか、担当の方に聞いて頂くようにお願いした。折り返し連絡があり、担当者がつかまらないので(行ってしまった方が早いと)今、家の前まで来ていますが、お出かけのようです、との返事。うーん、なんとも申し訳ない。けれど、あれだけ言ったのに携帯も不携帯なのだろう。いくら鳴らしても空しく呼び出し音が続くだけ。我が家よりずっと早い時間に夕食を摂るのにどうしたのだろう、と気が気ではない。

 夕食がどこに入ったかわからない感じで食事を終えると、その後30分ほどして実家から電話が入った。
 お友達と出かけて、こんなに遅くなる予定はなかったのだけれど、と言う。思わず、どれだけ心配したか、ヘルパーさんや警備会社にも電話してしまい、ご迷惑をかけたと声を荒げて叱ってしまった。

 父が居た時にはできなかったお友達との付き合いを愉しんでくれるのはウエルカムだけれど、所在不明で連絡もとれないのでは困りものだ。お願いだから出かける時は携帯を持って、留守電は聞いたら必ず留守のボタンを押しなおすようにと念を押した。

 そんなわけで一日母に振り回されてグッタリ。
 明日は会議デーだ。あと2日、頑張らなくては。

 実はもう一つグッタリのことが。この原稿を書き終えたのにいきなり消えてしまって、今記憶をたどりながらもう一度書き直した次第。本当に同じことを繰り返すということの徒労といったら、ない。早く寝よう。
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