ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.1.2 羽田後泊を経て、無事帰宅

2017-01-02 21:27:37 | 日記
 昨夜、母は「では私は寝ます」と言ったかと思うと、次の瞬間寝息を立てていた。よほど疲れたのだろう。4年半前に父も一緒にヴェトナム旅行に出かけて以来、昨年の夏に箱根1泊旅行に行くまでどこにも行っていなかったという。つまり、こんな複数泊の旅行をしたのはそれ以来、飛行機に乗ったのもそれ以来ということだ。小さい身体でよく頑張ったと思う。
 夫も褒めてくれたようで、嬉しそうだった。

 途中2度ほどお手洗いに起きたけれど、しつこく寝なおして、遅い起床。飛行機の離着陸を見ながら、レストランでお節料理やお雑煮も並ぶビュッフェの朝食をゆっくりのんびり摂った。レストランのエントランスでは振る舞い酒をしており、寿の枡をお土産に頂いた。

 帰りのリムジンバスのチケットを買って、チェックアウトぎりぎりに部屋を出た。お正月イベントで、似顔絵サービスがあり、母は記念に描いてもらいたかったようだが、バスの出発時間まで予約が埋まっており、残念そうだった。

 母は終点の一つ前の停車駅でリムジンバスを降りたら、路線バスで実家最寄り駅まで。私たちは終点の自宅最寄り駅まで。首都高速はそれほど混むことなく順調だったが、一般道路に出てからが渋滞。結局、2時間近くかかってしまった。
 駅前で簡単に昼食を摂り、最低限の買い物をしてタクシーで帰宅。その30分ほど前に母から、無事帰宅しました、ありがとう、お世話になりましたという留守電が入っていた。

 荷物を片付け、3回洗濯機を廻し、あっという間に夕食の時間。お正月料理は外で食べ尽くしたということにして、もうごくごく当たり前の普段通りのメニューで勘弁してもらった。

 早くも明日一日で年末年始休暇は終了。4日は通院日、息子も下宿に帰る日である。
 

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2017.1.1 旅行3日目、初日の出を拝み、初春の旅を満喫して帰京

2017-01-02 21:15:46 | 
 大晦日。ホテルで供された年越し蕎麦は薩摩揚げや椎茸、鶏肉が入った甘い味付けのもの。七味ではなく柚子胡椒で頂いた。部屋に戻り、再び一人で温泉を愉しんで部屋に戻ると“ゆく年くる年”の時間。まったく実感がないまま、2016年が暮れ、そのまま床に入る。

 昨日より30分早い出発。日の出はその1時間15分前。朝起きてもまだ真っ暗だけれど、一刻一刻と山々の稜線が赤く色づいてくる。7時のニュースでは、上空4000mから中継しているという富士山と初日の出が映し出されていた。東京も快晴、穏やかな元旦だ。

 レストランに出向くと、エントランスに昨夕砂風呂に入った時の記念写真が並んでいる。砂の中から顔だけニョッキリ出ていて、なんとも奇妙な写真である。さすがに元旦、焼酎でなく杯に御神酒が振る舞われる。席にはめいめいのお膳にお節料理が並んでいる。

 お雑煮を頂いているうちに、だんだんあたりが明るくなってくる。日の出時間になってもまだ太陽は姿を見せない。遠くの山々の間から太陽が顔を出したのは日の出から15分ほど後のこと。眩い光で目を開けていられないほどだ。皆、席を立って、ベランダで2017年の初日を拝んでいる。フェニックスの木々と山々の輪郭がオレンジに染まった珍しい写真を撮ることが出来た。

 ホテルをチェックアウトすると、大きな垂れ幕と旗で盛大なお見送り。すっかり調子に乗って家族揃ってスタッフの方たちと記念写真。ハイテンションのままバスに乗り込んだ。
 旅行最終日。今日は一番後方の席で、4人とも1人1席でゆったり座らせて頂く。

 最初の観光スポットは薩摩半島最南端の長崎鼻。鼻というのは岬の意味だそうで、同じ九州の長崎県とは全く無関係だそうな。雲一つない快晴に聳える開聞岳が見事だ。薩摩富士と呼ばれるのに納得する。
 この後に訪れる知覧基地の特攻隊員たちが、この山を2,3回旋回しながら別れを告げて沖縄へと飛び立って行った、とのガイドさんの説明を聞き、胸が締め付けられる。

 浦島太郎伝説が残る龍宮神社を参拝。こちらの感覚でいえば、片瀬江ノ島駅舎に似ているね、という感じ。母は坂道の昇り降りが大変なので、途中の売店で休んでいてもらう。私たち3人は灯台まで足を延ばす。青い海、青い空、白い波。絶景である。浦島太郎はここから大きな亀に乗って竜宮城に赴いたというのも、まんざらおとぎ話とは思えない風景だ。

 続いてバスは九州最大の湖、池田湖へ向かう。ここにはネッシーならぬイッシーもいるとかいないとか。息子はイッシーのレプリカとツーショット。全長1.5mもあるグロテスクな姿をした大ウナギの水槽を拝み、ちょっと腰が引ける。このあたりでは8日に菜の花マラソンが開催されるというが、お正月から既に菜の花が満開である。青い空、群青色の水面が日差しを浴びてキラキラと美しい。優美な姿の開聞岳、黄色の絨毯のような菜の花畑。ポカポカ陽気でコート要らずである。

 3つ目の目的地は、今回どうしても外せなかった知覧特攻平和会館。以前水口文乃さんの「知覧からの手紙」を読み、是非一度訪れたい、息子にも見てほしいと思っていた場所だ。聞けば、10年以上前、父の希望で母も一緒に訪れたことがあるという。昭和3年生まれの父は終戦時17歳だったから、まさしく少年兵たちと同じ年回り、色々思うことがあったのだろう。当時食い入るように館内を回っていたとのこと。

 館内の壁という壁は、沖縄戦で特攻戦死された1036名の若き隊員たちの遺影で埋め尽くされている。息子のプラスマイナス3歳くらいの歳の方たちが殆どで、あまりに若く真っ直ぐで澄んだ瞳に一斉に見つめられているような錯覚に陥って、胸が苦しくなってくる。

 遺書や絶筆等がケースに展示されているが、その達筆さにも恐れ入る。一つ一つ読んでいると、知らないうちに目の前が曇ってきて、よく見えなくなってくる。とても前に進めなくなって立ちすくむ。視聴覚室ではビデオも上映されていたが、明日出撃するという10代の少年たちの屈託ない笑顔の裏にどれほどの葛藤があったかと思うと、いたたまれなくなる。ふと夫を見ると、目が真っ赤でハンカチを手にしている。

 1時間弱の滞在時間では全く時間が足りなかった。集合時間を気にしながら、後ろ髪をひかれつつ、はて、あまりに夢中になりすぎて母の姿が見えないことに気づく。3人で手分けしながら探して慌てて駐車場に戻ると、草臥れたので、一足先に戻って売店でお茶を頂いていたという。一言声をかけてくれればよいのに、人騒がせなことである。

 ちょっとぐったりしてバスに乗り込み、再び昨日と同じ道に戻って鹿児島市内へ向かう。お昼は奄美大島の郷土料理・鶏飯の昼食。お正月ということで、黒糖焼酎や芋焼酎が振舞われる。ここでも夫と息子は嬉しそうに飲み比べ。ブーゲンビレア、蘇鉄など南国情緒溢れる常緑の亜熱帯、奄美の島を表現した庭園を見ながら、コラーゲンたっぷりなスープをかけて頂くお料理を堪能した。

 お腹一杯になったところで、今回最後の観光地、仙巌園を目指す。それにしてもびっくりするほど暖かい。コートはすっかりバスの座席に置きっぱなし。ストールも必要なく、まるで春のような陽気だ。
 初詣の車で渋滞が予想されるから、と添乗員さんがかなり余裕をもってスケジュールを組んでくださったのと、ツアーの方たちが常に時間5分前には集まるという優秀な方たちだったこと、ドライバーさんの道の選択が良かったことなどから、予定より一時間早く到着。  うーん、結果論だけれど、これなら知覧でせめてあと30分時間が欲しかったと思う。

 薩摩藩第2代当主島津光久が築造した別邸、仙巌園は15年前の夏、家族3人で赤い観光バスで廻った際に訪れたところ。桜島を築山に、錦江湾を池に見立てた雄大な庭園だ。桜島は昨日にも増してクッキリとその姿を見せている。2015年に世界遺産登録されたとのことで、エントランスあたりは当時と雰囲気が変わっている。

 2時間近くも滞在できるとのこと、ガイドさんのピンポイントの説明の後は自由散策だ。坂道を歩くとちょっと汗ばむほどの紫外線の強さに辟易する。お正月で、餅つきイベントがあり、黄な粉餅とお汁粉、ここでしか頂けないという焼酎が振舞われていた。つきたてのお餅と、小豆がほろほろと柔らかく煮込まれたお汁粉の美味しかったこと。

 帰りの飛行機は、当初案内されていたより1時間以上早い便になった。それでもまだ時間に余裕があるとのこと、空港近くの種麹工場も見学し、時間調整。
 空港でチケットを頂き、添乗員のWさんにご挨拶して、チェックインを済ませる。夕食を調達し、離陸を待つ。定刻より若干遅れたものの、殆ど揺れることもなく到着は予定時刻より若干早かった。

 そのまま帰ろうと思えば十分帰れる時間ではあったが、母の体調や疲れ具合も考え、大事をとって空港ビル隣接のホテルを予約していた。
 飛行機を降りて荷物を受け取り、わずか数分でチェックイン。足が伸ばせてほっとした。
無理して帰宅しても、そのまま片づけなどを始めてしまう貧乏性だから、きっと日付が変わるまで休むことも出来ず、翌日グッタリで使い物にならないというのが目に見えていた。

 夫と息子は機内で頂いた空弁では不足だったようで、荷物を置いて軽食を取りに(ついでに酒盛りもやった模様)出かけた。母と私は、もうグッタリで、簡単に片づけをした後は早々に入浴してバタンキュー。
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