ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.7.1 採血後診察、カドサイラ(T-DM1) 7回目

2015-07-01 21:06:23 | 治療日記
 今日から7月。職場では7月1日付異動者の着任挨拶もあるが、何はともあれ通院日である。
 あいにくの雨。レインコートを着込み、大きな傘で出かけた。点滴の時に脱ぐのが大変だし、とちょっと迷ってレインブーツは止めておく。帰路は雨が上がり、まるでサウナのように蒸し暑く、レインコートはエコバックに仕舞うことに。レインブーツを止めたのは、結果的に良い選択だった。

 最寄駅でも乗換駅でも電車は順調。乗換駅で始発電車を待ち、端の席を確保。本日のお伴は朝井リョウさんの「何者」(新潮文庫)。直木賞受賞作で、単行本発売の折から是非読みたいと思い、文庫化を心待ちにしていたので、今月の新刊に入っていたのを見つけてガッツポーズ。
 帯には“<就活>が、いちばん汚い感情を暴き切る”とあるが、本当に前のめりになって一気読み。キーワードは「想像力」だろうか。いつもながらの朝井さんの観察力に脱帽。胸がズキンとするくだりが散りばめられている。それにしてもイマドキの大学生、ES(エントリーシート)からSNSから、裏アカウントから本当に大変だ。来年の夏には息子もインターンシップ生?と思うと、こちらの心臓にも悪そう。

 予定時間に病院到着。自動再来受付機にIDカードを通し、今日は取り忘れのないように気を付けて、採血の自動受付へ。掲示板には7分待ちとあり、お手洗を済ませ、身支度を整えて呼ばれるのを待つ。初めての女性技師さんが2本の採取。針刺も抜針もちょっと痛むがまずまず。
 今日もレントゲンなしで、そのまま腫瘍内科へ移動し、月初めの保険証チェックを終える。待合椅子で読書に没頭できる定位置を確保。 

 1時間ほど待って「中待合へどうぞ」に番号が出た。自動血圧測定機での計測は104-66、脈拍は80。先月と殆ど変わらない。その後30分ほどで、先生がお顔を出された。
 ご挨拶の後、「さて3週間、どうでしたか。」と問われる。「おかげさまで特に困っていることはなく、痛みもほぼ朝1度のロキソニンで凌げています。3週間のうち1日に2回以上ロキソニンを飲んだのは5日程度です。」とご報告。気になると言えばやはり涙目だが、それについては話しそびれてしまった。診察室での検温は6度7分。
 採血結果は、特に異常なし。マーカーは3週間後に、ということで今日の採血は2本。さて、気になる造影CTの結果だが、モニターには前回2月に撮影した、タイケルブからカドサイラ(T-DM1)変更前の画像も並んでいる。両肺の腫瘍影は少し薄く小さくなっているように見えるものあり、不変なものあり、横に広がっているように見えるものあり、で「概ねいいと思う」とのこと。ほっとする。
 また、胸骨は、スカスカだったところに中身がついてきたように見えますね、とのこと。確かに透明に映っていた部分が白く濃くなっているように見える。これもカドサイラのおかげだろうとおっしゃる。「頭の方は特に症状は出ていませんよね?」と確認され、「疲れている時は注意していますが、大丈夫です。血圧も朝晩計測を続けているが、安定しています」と申告。
 ということで、治療続行、カドサイラ(T-DM1)7回目とあいなった。
 今日もロキソニン、3週間分のデノタスチュアブルの2種類のみの処方。次回3週間後はレントゲンなしで採血のみ予約して頂く。席を立つ時、昨日お誕生日を迎えられた先生にお祝いを言いながら「では、夏休みは旅行をしても大丈夫ですよね?」と確認すると「全然問題ありません」とお墨付きを頂き、ニンマリして診察室を出た。

 化学療法室へ移動し、いつものように、待ち時間に夫やお友達に報告LINEやメール。窓側の一番端のリクライニング椅子に案内される。長く通っているが、この席は初めて。お手洗を済ませ、体勢を整えてポートの針刺しを待つ。今日はKbさんが刺してくださる。曰く、私のポートはピカイチなのだそうだ。最近のものは形状がフラットになっており、皮膚の上からポッコリと見えないため、なかなか刺し辛いとのこと。確かに私のポートは「ここにあります!」を主張して丸くこんもりと出っ張っているので、誰が見ても一目瞭然だ。「看護師さんたちに刺して頂くのには都合がよいのですが、バッグのストラップ等が擦れたり当たったりするとそれなりに痛いし、人混みなどでぶつかられるのはとても怖いのです」という話もする。ごく普通の痛みで刺して頂き、逆血も問題なし。
 20分程待って薬が届く。Okさんが「足の痺れはどうですか」とお顔を出される。「足の裏は相変わらずですが、酷くなってきている感じはありません。気になると言えば涙目ですね」と言うと、「あまり酷くならないうちに眼科に通うのも手です」とのこと。他県のがんセンターでは、院内連携で副作用の流涙症の治療をしているところもあるようだが、ここでは眼科でそうした治療はしていないので、ご近所でご相談されてくださいとのこと。今は、近所のクリニックで頂いた眼軟膏で凌いでいるが、これから長期間続けることになれば、それもまた考えなくてはならないと思う。
 そして、やはり数パーセントの確率ではあるが、カドサイラ(T-DM1)でも脱毛があるようだ。髪の毛はそうでもないが、睫毛と鼻毛が相変わらず生えてこなくて、というと、ハーセプチンと抗がん剤のDM1を繋ぐ端子の部分で脱毛するのだという。まあ、カツラのお世話になるわけではないので、これはもう受け容れるしかない。
 ハーセプチンにカバーされているから酷いダメージが出ないけれど、実際DM1はとてつもなく強力な抗がん剤であることは間違いない、と改めて思う。というのも、ハーセプチンだけの時には看護師さんたちがゴーグルをせずに、そのまま点滴パックを落とすのに比べ、カドサイラ(T-DM1)の時にはしっかりゴーグルをして、まずは生食で点滴チューブを満たしてからカドサイラ(T-DM1)を始める。この念入りな曝露対策を見ると、なるほどと気付かされることだ。いつものように最初に生食を落とした後、1時間10分ほどでカドサイラ(T-DM1)を投与し、再び15分の生食で流して終了。終了後の血圧は113-59、脈拍は65。抜針もKbさん。やはり衝撃が大きい。針刺名人のOさんはお忙しそうでご挨拶も出来ずじまい。
 
 会計で、採血、点滴の3割負担で15万円弱のお支払をカードで済ませようとすると、今日は自動支払機からIDカードが出てこない。前回に引き続き、またしてもIDカードトラブルで事務の方を呼ぶことに。磁気に何か不具合でもあるのかと不安になったが、リセットして頂き、隣の支払機ではノープロブレムで支払完了。

 外に出ると、雨はパラパラと小降りになっている。薬局へ移動すると相変わらずの混雑だ。本日の2冊目、湊かなえさんの「母性」(新潮文庫)を読み始めていたが、これまた面白くてたまらない。今日の2冊は大当たりだ。待ち時間は全く気にならず、30分程して名前を呼ばれた。
 前回同様、薬は少ないからそのままバッグに入れて、お支払いはロキソニンの錠数が若干違って1,000円ちょっと。

 本日の病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間半弱。駅ビルで遅いランチをして、読みかけの本をひたすら読み続けた。
 とりあえず今回のCT撮影により、今後、症状が出たり何か大きな変化がなければ、あと半年後のCT撮影までカドサイラ(T-DM1)が続けられそうだ。このまま病巣を不変にしてくれて、少しでも長く続けることが出来ますように、と願いたい。
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