ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.7.10 あまりにも高い代償

2015-07-10 21:17:29 | 日記
 新幹線での焼身自殺や自宅放火など、火にまつわるショックな事件が続く。
 単身赴任中で毎週末に帰宅していた夫が、自宅にガソリンをまいて放火し、寝ていた子供たち4人が焼け死んでしまった。

 なぜ、そんなことを・・・と思うが、あっという間に猛火に飲まれた4人の子供たちはもう決して帰ってはこない。
 真実はわからないけれど、報道によれば、妻が見送りに出てくれなかった、かまってほしかったというのが、その夫の弁。数年来の単身赴任でストレスも溜まっていたのだろうが、40歳はもはや“不惑”の歳ではなくなっているのだとつくづく思う。

 それにしても、少子高齢時代の今の世の中で、18歳を筆頭に15歳、14歳、12歳、9歳、7歳、 5歳、3歳の8人兄弟。10人家族だったというから驚いた。更には、近所でも評判の仲の良いご家族だったということも。そのうちの14歳、9歳、7歳、5歳の女の子2人、男の子2人が亡くなってしまった。あろうことか、寝ているところに他でもないお父さんが放った火で。
 逃げ遅れるも何も、まさか火が放たれるなんて想定外で、一体何があったのか分からないうちに息絶えてしまったのだろうか。子どもたちにとって一番安全である筈の自宅の寝室で・・・。
 やるせない。

 妻は42歳だという。40代初め、まだまだ若いといっても24歳から39歳までの間、8人の子どもをほぼ2年おきに出産し、身体が休まる暇もなかっただろう。しかも、夫は単身赴任。一人で8人の面倒を見ていれば、それはもう目が回るほどの忙しさだったのではないか。食べ盛りの子どもたちの食事の準備だって半端な量ではないし、洗濯だってしかり。一日中家事に明け暮れたとしても、軟弱な私にはとてもこなす自信がない。
 協力してくれる祖父母と同居しているわけでなし、頼みの夫が単身赴任。毎週末に帰宅するとはいえ、ウィークデーは不在なのだから、夫からの家事の協力は基本なし。大変さはなおさらだ。両手両足を使ったってとても間に合わない。
 もちろん、上のお兄ちゃんお姉ちゃんの協力がなくては日々が回らなかったのだろうけれど。手伝ってもらいたい、自分だってケアしてもらいたい、と言いたかったのは妻のほうではなかったか。

 カッとして火をつけた・・・それが自宅全焼と4人の子どもの焼死という顛末である。
 ここまで育ててきて、本当に大変なことも多かっただろうけれど、いろいろ楽しませてくれ、喜びや希望、活力を与えてくれたに違いない何物にも替えがたい4つの命を奪ってしまった父。これからこの家族はどうなっていくのだろう。
 その代償はあまりに大きい。

 奇しくも押川剛さんの「『子どもを殺してください』という親たち」(新潮文庫)を読み終え、なんだか複雑な気分になってしまった。

 さて、7月に入ってからの東京の日照時間は僅か30分にも満たなかったと聞き、びっくり。2006年以来、9年ぶりだそうだ。今日はようやくお日様を見ることが出来た。明日明後日の週末も久しぶりに良いお天気で、気温があがるという。良い週末でありますように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする