ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.6.6 青紅葉と紫陽花を追いかけて~洛西の旅に大満足

2015-06-06 22:25:13 | 
 昨夜はコンサートが退けた後、乗換駅の駅ビルで和食レストランに入り、掘りごたつで足を延ばしてほっと一息。再び新快速で京都まで戻ってきたが、結局なんだかんだと日付が変わってからの就寝となった。

 そして今日。息子は、今日は授業代講日ということで、1限から4限までミッチリの一日。そんなわけで夕方まで付き合えないとのつれない返事。ならばと夫と2人、のんびり出発の観光バスに乗ることにした。
 朝食は、連続テレビ小説を視てハラハラドキドキした後、部屋で軽く済ませる。
 気がかりだった雨は止んだかにみえたが、日が差したかと思うと、またぽつぽつ降り出す感じ。お天気は右上がりで改善するとの予報を信じて出かける。

 今日は善峯寺と洛西の里を訪ねる、22人限定小型バスの旅に参加。実際の参加者は13名で、車内はゆったりほぼ1人2席勘定で恵まれたツアーである。
 最初に訪れた松尾大社は「松尾さん」と呼ばれる洛西総氏神かつ醸造祖神。大山咋神(おおやまぐいのかみ)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る京都最古の神社だそうだ。平安神宮に次ぎ、京都で2番目に大きな鳥居を持ち、社殿の背後、松尾山を含む約12万坪が境内だ。止んだ筈の雨が再び降り出して、傘を差して歩くが、ちょっと肌寒い。
 重森三玲氏作庭の平安風・曲水の庭、磐座風・上古の庭の説明を受けながら一旦解散して自由散策。社務所裏の渓流・御手洗川の後ろに霊亀の滝があり、この傍に湧き出た亀の井の霊水は、延命長寿、よみがえりの水としても有名だそうで、飲めば病も治るという。しっかり口をゆすいできた。これでまた寿命が延びること請け合いである。
 ここは酒の神としても信仰が厚く、神輿庫横には全国の酒造家から奉献された酒樽がずらりと並ぶ。3つ目の鎌倉風・蓬莱の庭では池の鯉たちが、今か今かと口を開けて餌を待っている。紫陽花苑ではどの株もまだ蕾でちょっと残念。

 続いて勝持寺へ。ここは、西行法師が出家して庵を結んだゆかりの寺だという。西行が一株の桜(西行桜)を植えて愛したことから「花の寺」と呼ばれている。瑠璃光殿に入り、宝物についてご住職からお話を伺う。本尊・薬師如来像は重要文化財で、左手の薬壺から右手で薬を摘み取る日本で唯一の珍しいお姿をしておられる。とても優しいお顔立ちで癒される。ここでも一病息災を願う。
 応仁の乱の兵火を免れたという仁王像や茅葺の庫裡の建物も趣深く、雨上がりの境内は苔が滴に光っており美しい。残念ながら、自慢のお花たちは端境期と言った感じ。サツキは終わっており、紫陽花にはまだ早い微妙なタイミングだった。
 お一人で参加されている、私の母と同い年という男性が、雨に濡れた手すりのない石階段で降りることが出来ず、夫がバスまで手を貸して差し上げたところ、御礼に、とご自身の趣味で作られたという写真集を頂く。それにしても、そのお歳で一人旅(明日も定期観光バスに乗られるという!)とは、気も張っておられるのであろうが、凄い!の一語に尽きる。

 お待ちかねのお昼は明治14年創業の、長岡天満宮近くにある会席料理の店で。この近辺は竹林が多く、筍の名産地だという。八条が池の上に数寄屋造りのお屋敷が水上コテージのように並び、そこで筍の天ぷらや筍ご飯等筍尽くしの竹御膳に舌鼓。名物の筍の佃煮をお土産に購入し、満足してお店を後にする。

 本日3か所目の善峯寺へ向かう。すっかり青空になり、山々の稜線もくっきりと美しく、爽やかな風が何とも気持ち良い。小型のバスのため、かなり上の方まで上がることが出来た。大型バスだと大型用の駐車場で降りてから階段を上って頂くのですが、とガイドさん。見上げれば、とても顎が出そうな石段だ。後一条天皇より鎮護国家の勅願所として「良峰寺」の寺号を賜っており、ご本尊は十一面千手観音で西国三十三か所観音二十番札所である。腰痛神経痛への霊験あらたかであり、落ちないお守りでも有名なところだという。
 桂昌院手植えの枝垂れ桜は樹齢300年。そして、なんといっても素晴らしかったのは国指定天然記念物、長さ50メートル余りの“遊龍の松”。圧倒されるの一言に尽きる。金閣寺の“陸舟の松”と並ぶ京都3大松の一つだというが、断然こちらに一票!である。
 所有地36万坪、急な坂道の境内地3万坪の中に点在する多くの堂塔伽藍に舌を巻きながら、森林浴を兼ねてどんどん歩みを進め、薬師堂まで頑張る。そこからの眺望は本当に素晴らしく、またも寿命が延びた!と実感する。およそ3,000坪という白山紫陽花苑では白、青紫、ピンクと紫陽花が咲き始めている。苑を見下ろす幸福地蔵様でもお参りし、大満足で山門まで下りてきた。

 今日最後の訪問地は大原野神社。ここは桓武天皇による長岡京遷都の際、鷹狩に訪れた藤原家の人々が、氏神である奈良春日大社の分霊を祀ったのがその起こりとされる。猿沢の池を真似て作ったという鯉澤の池には睡蓮が花開き、境内には牡丹や紫陽花の花々が咲き誇っている。
 さすが、定期観光バス!の対応で、御一行様皆で普通は入ることが出来ない神前まで導かれて一斉に二礼二拍手一礼をした後、神主さんからのお話を興味深く伺うことが出来た。帰路には参拝記念として赤と紫の可愛らしい幸せ守りを頂く。狛犬ならぬ狛鹿とツーショットの写真を撮り、これまた幸福開運の紅白鹿の土鈴を頂いてきた。

 帰路のバスは極めて順調で、予定より30分早く到着。その間すっかり爆睡して元気になった。
 綺麗になったホテルの部屋でお茶をして態勢を立て直し、息子の下宿へタクシーで移動。

 先月に比べてやや足の踏み場があったことに安堵したが、気になるとはいえ、これから掃除洗濯を始めるとまた遅くなるから・・・ということで冬物の衣類の受け取りだけにとどめて、夕食に繰り出した。
 今のシーズン、どのレストランも川床での営業をしている。さすがにまだ寒そうだけれど・・・。結局、3人揃って好きなタイ料理のコースを愉しんだ後、カフェでお茶。バス停まで送ってくれた息子と別れ、駅まで帰ってきた。

 今日も1日フル回転。体調が落ち着いて痛みが治まっているので何よりだ。明日は、息子はまた別のホールで合唱祭だそうだが、私たちは月曜日に備えて帰京である。

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