おはようございます。今日は今年の漢字が発表になります。どんな漢字が選ばれるのでしょう。ボクは感じではないけれど、日本の国柄を変えることになるTPPの「T」を選びたいのですが、そんなことにはなりませんよね。
生き生き箕面通信1099(111212)をお届けします。
・TPPに大義はあるのでしょうか
興味深い鼎談を見つけました。文藝春秋の最新号(新春特別号)に掲載された「TPP大論争 『日本の希望』か 『米国の陰謀』か」です。鼎談したのは、ノンフィクション作家の保阪正康、外交評論家の岡本行夫、京都大学准教授の中野剛志氏の3人。TPP(環太平洋経済連携協定)について考える場合、きちんと論争ができる識者の”直接対決”がほしいと思っていたところでした。しかも、賛成派の岡本氏、反対派の中野氏の組み合わせは最上の選定と思われます。そこへ歴史的な視点を持つ保阪氏が加わる。総合誌ならではの手厚い企画です。
肝心の内容はどうか。結論は、どうぞご自分でお読みになってご判断を。ただ、ボクの印象をいうと、中野氏の反対論が岡本氏の賛成論を論破した、と納得しました。
中野さんは、TPPの交渉に参加すべきでない理由として二つあげました。「政府の言うメリットのほとんどには根拠がなく、想定されるデメリットが非常に多いのがひとつ。二つ目は、そのへんの議論が非常に甘いまま物事が進んでいることです」。さらに、「TPPの大義とは、一体何でしょう?」と根本的な疑問を出しています。
保阪氏は『日本の国益について政治家も国民も新聞世論も、きちんと整理してないんじゃないか。だから論争が賛成か、反対かという性急さを伴うのだろうと思うんですね」と。
岡本氏は「日本が仲間外れになってはいけないと思うんです。日本に不利はルールがつくられてからFTAAPのような自由貿易圏に入るとなると、もう手遅れになりますからね」と、ともかくアメリカについていくのが「日本のため」という議論です。この論は、ぼくには「対米従属路線こそ日本のため」というように受け取れます。
岡本氏は、「グローバリゼーションの危険性についてはその通りですね」と、アメリカが強力に進める政策には一定の警戒を要すると認識しています。さらにTPPについても、「日本抜きで進むとマイナス10になってしまうルール作りを交渉に参加してマイナス3に食い止めても、依然としてマイナス協定だと言われてしまうこと」と、デメリットを認めています。ただし、「メリットは『10年後の貿易活性化』」と、分かったような分からないような理由を挙げています。
TPPの本質は、中野氏が「非関税障壁の撤廃と称して、アメリカに都合のよい国内制度を押しつける。これがグローバル化の正体ですよ」と喝破しているところに尽きると思います。
日本の本当の国益を考え、国民生活のことを真剣に考えるなら、野田首相は今からでも交渉からの撤退を表明すべきです。野田首相は自分の考えをほとんど表明しないまま、ずるずるとアメリカの主張を受け入れて、官僚ともどもアメリカ追随路線を現実化していっています。極めて卑怯な、ずるがしこい政治手法をとっています。日本の10年先は、アメリカ型の社会に変えられてしまい、裕福な者はさらに裕福に、貧乏なものはさらに貧乏になっていきます。そして「われわれは99%だ」と、プラカードを掲げなければならなくなります。
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