生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信592 ・「さらば日米同盟」(天木リポート①)

2010-07-18 07:33:42 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信592(100718)をお届けします。

・「さらば日米同盟」(天木リポート①)
 外務省を解雇された駐レバノン特命全権大使の天木直人さんが「さらば日米同盟」という題名で、やむにやまれぬ気持ちを記し講談社から出しました。

 天木さんは03年8月までの2年あまり中東レバノンに特命全権大使として駐在し、あまりにもひどいアメリカの中東政策に接した体験から、当時の川口順子外相、小泉純一郎首相に「日本はアメリカのイラク攻撃を許してはならない。少なくとも支持してはならない」と、公式の意見を公式な形で具申したのですが、それが小泉首相の逆鱗に触れ、解雇されたのです。当時のブッシュ米大統領に尻尾を振る忠犬ポチの小泉さんには「許せん」だったのです。

 天木さんはこの本の序章で「民主党への政権交代によって、それまで考えられなかったような事態が起こっているが、決して変わりそうもないことがあり、それが日本の対米従属関係である」と指摘しています。天木さんは特定のイデオロギーに染まった人ではありません。学生時代はノンポリの常識的な人間です。

 こう書いています。「なぜ日米同盟は我々を苦しめるのか」。それは「日米同盟が憲法9条を正面から否定するからだ。その違憲性を隠すために政府や官僚はうそをつき、詭弁を弄し続けなければならない」のだというわけです。

 また「日米同盟は日本を危険にさらす」と、明快に暴いています。アメリカの意図は、日本の憲法を改定しないでも日米共同声明などで事実上何でもできるようにするという戦略に切り替え、ほとんど仕上げました。あとは、時がくれば、アメリカに自衛隊を「出動させる」ところまで、日米共同歩調で準備はととのってきています。今年中にアフガンへの出動を迫られるはずです。

 これまで自衛隊の海外派兵には強固な規制がかかっているはずでした。ところが5年前の2005年10月に出された共同声明「日米同盟 未来のための改革と再編」では、日米軍事協力の適用範囲が世界に及ぶように拡大されました。1960年の安保条約審議の過程では、政府統一見解は「フィリピン以北、日本およびその周辺地域で、韓国、台湾地域を含む」とされ、多くの人はいまもそう信じているはずです。違うのです。

 安保条約の本格的な改定や、まして憲法改定は厄介だから、「『共同声明』で片付けてしまえ」という乱暴なやり方で押し通すのが当たり前になってきました。ここでもマスメディアは問題提起もほとんどしていません。マスメディアのアメリカのポチ化もここまで進んできています。

 岡田克也外相は就任の記者会見で「私は日米安保体制という言葉は使わない。これからは『日米同盟』という言葉を使う」とわざわざ断りましたが、それは自衛隊の出動できる範囲を日本周辺から世界全体へ広げたことを意味していました。

 この国の形としての安全保障のあり方を、私たちは真剣に考えないと、事態は大変なスピードで変化しています。気がついたときにはすでに「時遅し」となりかねないほどです。



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