生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信756 ・元旦の各社社説に見る狼少年の「大変だ大変だ」

2011-01-01 06:38:08 | 日記
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。「断捨離」の名人、高峰秀子さんが亡くなられました。夫の松山善三・監督が「僕も捨てるのかと思った」というほど、身辺を身軽にする「断捨離」に徹し、心豊かに晩年を生きた「生き方の名人」でもありました。ご冥福をお祈りします。
生き生き箕面通信756(110101)をお届けします。

・元旦の各社社説に見る狼少年の「大変だ、大変だ」

 朝日や読売など各新聞社の元旦の社説は、その社の「1年の計」を示すものです。いま、「日本丸」はどこへ向かうともなく漂流し、気がつけば目の前に大氷山が立ちふさがり、まさに激突・沈没もという瀬戸際まできています。ところが今朝の元旦社説は、「大変だ、大変だ」と狼少年よろしく呼ばわるだけで、真の危機感に裏付けられた必死の生き延びる策を考えようとする迫力に欠けたものでした。

 朝日の社説は「今年こそ改革を 与野党の妥協しかない」。読売は「世界の荒波にひるまぬニッポンを
大胆な開国で農業改革を急ごう」でした。両社の社説は、日本の危機を指摘し、危機脱出の処方箋を書いています。

 先進国最大の財政危機をあげ、その中での経済政策や社会福祉政策、安全保障政策の重要性を指摘する点でも共通しています。その処方箋として、TPP(朝日は環太平洋パートナーシップ協定、読売は環太平洋経済連携協定)による”平成の開国”を上げる点でも共通しています。しかし、そのために超えなければならない「食料自給率をどう確保するか」という農業振興策には思考停止です。

 驚くべきことに、思考停止の末に出てきたのが、両社とも「大連立のすすめ」。

 読売の元旦社説は毎年、ナベツネこと渡辺恒雄・本社会長兼主筆が書く習わしですが、持論の大連立を「1年、ないしは2年の期限を切った、非常時の『救国連立政権』とし、懸案処理後に、衆院解散・総選挙で国民の審判を問えばいいのだ」と主張しています。

 朝日は、現在取るべき政策は民主党も自民党も「さして変わらない」と指摘したうえで、「だとすれば、政権交代の可能性のある両党が強調する以外には、とるべき道はないではないか」と、大連立を示唆しています。

 しかし、今一度立ち止まって考えてみましょう。目指すべき日本丸の進路は明確なのでしょうか。進路が明確でないままの大連立は「政治の暴走」以外の何物をももたらさないことは歴史が示すところです。政治が「大政翼賛会」体制になって、どんな結末となったか。当時も「救国の政治体制」のはずでした。

 進路が明確になりません。しかし、元旦社説は「日本国憲法」には1行も触れていません。憲法には、平和主義が明確に規定され、国民の生きる権利、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が保障されているはずなのです。それを実現することが、政治の果たすべき役割です。

 いま、この憲法の重要さを真に理解している政治家で、小沢一郎氏の右に出る者はいないのではないでしょうか。今年1年も憲法の完全実施を求める運動が急務です。時間は本当に限られています。この「大変だ」という思いは狼少年ではないつもりです。ただ、「なるようにしかならない」「明日は明日の風が吹く」のも、まぎれもない事実です。となれば、今年も「ままよ、風の吹くまま」で行きますか。

 「うしろ姿のしぐれていくか」(山頭火)


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