生き生き箕面通信

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2418 ・戦後70年間の検証④ 安倍談話で「中国、韓国と真の和解ができるか」

2015-08-07 09:23:01 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2418(150807)をお届けします。

・戦後70年間の検証④ 安倍談話で「中国、韓国と真の和解ができるか」

 「先の大戦は日本の『侵略』であり、政府および軍の指導者の責任は誠に重いと言わざるを得ない」という報告書が昨日8月6日、安倍首相の私的懇談会から提出されました。安倍首相はこれをもとに14日に閣議決定して発表する「安倍談話」をつくる段取りです。

 この安倍談話は、戦後70年間の日本の歴史を総括するとともに、侵略した国々に対する心からの謝罪とお詫びを示して真の「和解」を実現するべきはずのものです。

 しかし、安倍首相は、先の大戦が「侵略戦争」だったとは認めたくなく、したがってお詫びもしたくない「安倍らしいもの」にしたい意欲をのぞかせてきました。それが感じられるだけに、中国や韓国から牽制する動きが示されました。

 安倍談話が安倍首相の狙い通り、村山談話や河野談話を実質的に否定するものなら、中韓との真の和解は遠のきます。そんなことが戦後70年経った今日許されるでしょうか。

 ところが現在の日本には、歴史修正主義ともいえる「先の大戦の評価を再評価しよう」とする人々が多く出てきているのも事実です。「先の大戦は、西欧列強の植民地支配からアジアを解放する“正義の戦争”だった」というものです。日本は悪いことなんかしていない。謝るなんてとんでもない、のです。

 大勲位と異称を奉られる中曽根康弘・元首相は本日の読売新聞に寄稿し、「アジアとの戦争は『侵略戦争だった』と認め、『やるべからざる戦争であり、誤った戦争』と総括。こうした否定的な歴史を直視しなければ、近隣諸国から信頼をえることはできない」と指摘しました。

 さらに、「東京裁判」は連合国側が日本の戦争犯罪を一方的に裁いたもので認められないとしたうえで、「本来は、当時の指導者の戦争責任を『日本人自らの責任で決着をつけるべきだった』と述べました。

 一度参拝した後とりやめた靖国参拝については、「アジア周辺国との信頼関係構築こそ最優先すべき国益」と強調。

 この中曽根機構のなかには、安倍首相よりもずっと大人らしい落ち着いた保守の論理が見て取れます。つまり、安倍首相が進める政治は、保守の側からも(?)がついています。

 それでは、リベラルが談話を出すとすれば、どうなるか。戦後70年間を検証し、その上に立ってこれからの日本が取るべき道を提示するとすれば、村山談話を忠実に引き継いでアジア周辺諸国との真の和解を実現し、新しい友好善隣関係構築をめざす決意を示すべきではないでしょうか。

 いずれにしても、戦後70年も経ちながら、いまだに日本人の手で先の大戦の総括ができていないルーズさに顔が赤くなります。恥ずかしい。

 いまからでも大戦の総括をして、中国や韓国とも真の和解を達成したいものです。