生き生き箕面通信

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2197 ・私たちはポピュリズムを脱皮できるでしょうか――戦後70年の一つの総括

2014-12-29 08:49:10 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2197(141228)をお届けします。

・私たちはポピュリズムを脱皮できるでしょうか――戦後70年の一つの総括

 年の瀬に日本の近現代史を振り返ってみると、日本人の全体的な空気を特徴づけてきたものとして「ポピュリズム」があげられるそうです。劇作家の山崎正和氏が「知識社会論的観点から戦後七十年をみる」という論考(中央公論)で指摘している、と本日12月29日の読売新聞が朝刊(文化欄・9面)で報じていました。

 ポピュリズムとは、「意図も計画も責任者も不明確なままに、一つの『空気』が生まれて民衆が相互扇動を起こす」ことと定義づけたうえで、満州事変から太平洋戦争までの政治的崩落は、まさにポピュリズムによって起きた、と分析。

 戦後は、二つの例外を除いて、ポピュリズムをほぼ封じることができた。二つの例外とは、小泉内閣の「郵政選挙」と、民主党の「政権交代」。

 実は、戦後はポピュリズムを抑え込むことができていたのです。それができたのは、山崎氏によると「戦前の教育を受けたエリートの存在や、職人が実直・勤勉な技術者に変身したこと、自民党が社会民主主義的な政策を堅持し、知識人の政権への助言が慣例化したこと」などだそうです

 ところが、現代は教育が衰退し、またぞろポピュリズムが拡大する心配が強まっている。「今、ぜひ必要なのは政治に知性の安全弁を設けることだ」と、強調しています。

 それはその通りかもしれませんが、その政治のリーダーが安倍晋三というような類の男だと、まず真の知性をそばに置くことを拒否すると思われます。

 結局、政権交代を果たし、政治の中枢に真の知性を据えるようなリーダーを引っ張り出すことではないでしょうか。

 熊さん、八っさんの床屋談義は別として、日本でまともな政治を続けるには、私たち自身がポピュリズムから脱皮することが必要です。そのためにも、何がポピュリズムであるか見極める力が必要です。

 少なくとも「人権を大切にするとは、日常生活の中でどう振る舞うことか」であるとか、「平和を実現するには、普通の生活のなかで、どう声をあげればいいか」を考えましょう。そして、できることから少しでも実践するようにしたいものです。そして、ポピュリズムに流されないリーダーを見つける力も養いたい。

 ポピュリズムの風や空気に流されない、地に足のついた政治を取り戻す努力を、新しい年には一歩踏み出すよう誓って一年をq締めくくることにします。