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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1978 ・「金持ちの時代(ベル・エポック)に入った」と、ピケティの「21世紀の資本論」

2014-05-24 08:32:17 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信1978(140524)をお届けします。

・「金持ちの時代(ベル・エポック)に入った」と、ピケティの「21世紀
の資本論」

 「21世紀の資本論」というお堅い著作が、ヨーロッパやアメリカで
ベストセラー入りしているそうです。日本ではまだ翻訳されていない
のですが、斎藤精一郎さんがその本の肝を自分のブログで紹介し
ていました。

 それによると、「現代は第2の『ベル・エポック』(良き時代)に入った。
ITと世襲制がベル・エポックをもたらし、格差社会の時代にならざるを
得ない」というものです。この場合の「良き時代」というのは、金持ちに
とってのことです。

 第一のベル・エポック時代は、19世紀後半から20世紀初頭にかけ
てで、クリミア戦争や普仏戦争のあと第一次大戦まで、この時代は珍
しく大きな戦争がなく、パリではエッフェル塔が完成し、印象派が大き
な潮流になった。アメリカでも南北戦争の後遺症を修復し平和な時代
が訪れ、「金ぴか時代(Gilded Age)」と呼ばれたそうです。T型フォード
が誕生し、ロックフェラーが台頭した。

 しかしこの時代は、富と所得が一部の階層に集中し、格差が拡大
した時代でもあった。

 1980年代以降の現代も、世界的に富と所得が一部の階層に集中し、
格差が拡大しています。

 現代の格差の根本原因は何か。ピケティは、「ITやロボット技術の
急速な発達と世襲制の復活が原因」と指摘しているのだそうです。

 ITやロボット技術の発達で、生産性が上がったが、その成果は一般
労働者にはもたらされなかった。経営者や株主などの富裕層が独り占
めしたのです。

 また、富裕層は相続税などを大幅に軽減させ、世襲による財産(資産)
の継承をうまうまとやってのけた。100年ぶりに復活した世襲制は、経済
界ばかりでなく、政界、学会、芸能界などで幅広く行きわたり、体制側と
言う階級(かつてのブルジョア階級に相当)として復活した。

 ピケティは、この状態を、資本収益率(r)>経済成長率(g)、という不等
式で説明しました。

 だから、この状態を解消するための方策としてピケティは、グローバル
累進課税(一種の富裕税)を年0.3%(最大10%)を資本に課税する。次に
年間所得50万ドル(日本円換算約5000万円)以上に、最高80%(限界税
率)をグローバルに課税する、を提唱しています。

 税率などにはいろいろ議論のあるところでしょうが、世界的に不平等
社会を解消していく考え方としては、大いに有用と賛成します。

 現代は、世界的な格差社会です。これを解消する道は、グローバルに
適用される方策が必要です。そのためにも日本は率先して、「国際連合」
の機能回復に力を尽くすべきではないでしょうか。

 国連中心主義に思いを致しましょう。地球はひとつです。世界も一つと
認識しましょう。広大な宇宙のなかで生物の存在が確認されているのは、
地球だけです。宇宙規模からみれば、米粒ほどにも認識できないちっぽ
けな地球。その中で、「オレは金持ちだ。私は権力を握っている」と、肩を
怒らすことに、いかほどの値打ちがあるでしょう。

 仲良くする努力を必死で実行しましょう。