生き生き箕面通信

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1969 ・明日5月15日は、憲法が棺桶に入れられる日です――野党が手を貸す憲法殺し

2014-05-14 09:01:36 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信1969(140514)をお届けします。

・明日5月15日は、憲法が棺桶に入れられる日です――野党が手を貸す憲法殺し

 日本という国は68年掲げてきた「平和国家」の看板を、惜しげもなく引きずり下ろす決断をすることになりました。明日、安保法制懇という名の安倍政権の「隠れ蓑審議会」が、”なれあい答申”を出して、憲法を根本からひっくり返す動きを本格化させるからです。

 安倍首相は、「日本をめぐる安全保障環境が様変わりした。国民の安心安全を守るためには、憲法解釈を変える必要がある」と強調します。本当に国民の安心安全が危機に直面する予想があるなら、それこそ堂々と憲法9条を改定を国民に問うのが、政治の王道のはずです。

 なによりも、憲法の根幹に関わる事項を変更しようとするなら、まず国民各層の議論を広く行い、意見を集約する手続きを踏むのが筋です。

 しかし、安倍首相がやっていることは、自分の意見と同じ路線のメンバーだけを選んで恣意的な私的懇談会をつくり、お好みの「答申」を出させて、それをいかにも権威ある有識者の「答申」として通用させようとするまやかしをやっています。安保法制懇のメンバー14人は、全員が「行使容認」の立場で、安倍氏の”お友だち”ばかりです。そして、国民各層の広い議論は、やらせない。

 我が国をめぐる安全保障環境は確かに大きく変化しています。国際情勢は時代の移り変わりにつれて、変化するものです。現在は、中国や韓国との醜い角突き合わせが目立っています。中国とは尖閣諸島の”領有権問題”、韓国とは従軍慰安婦問題がにっちもさちいもいかない状態です。

 しかし、これらがにっちもさっちもいかないのは、主として安倍政権の対処の仕方の誤りから生じたものと言えます。

 尖閣諸島問題は先の民主党政権から安倍政権へ政権交代した時が軌道修正するチャンスでしたが、チャンスを活かすどころか、逆に靖国神社にも参拝して、「中国への挑戦状」を突き付ける愚を犯しました。

 安倍政権の政策は、口では「国民の安心、安全を守る」と言いつつ、やっていることは国民を危険の淵に立たせるものです。

 しかも、歴代政権が守ってきた憲法を順守する対場からの「集団的自衛権は憲法解釈上、行使できない」という判断を、あっさりひっくり返し、時の首相のお好みで憲法解釈を変更できるというとんでもない”悪例”をつくることを意味します。

 かつて悪名高いヒトラーは、当時最も民主的と評判だったワイマール憲法はそのままに、別の法律を作って「ワイマール憲法を棺桶に入れた」前例があります。

 麻生副総理兼財務相は先日、「ヒトラーのように気付かれないようにやったらどうか」と言い放ちました。まさしく気付かれないように最高法規の憲法を骨抜きにし、単なるお飾りにしてしまう政治を進めています。

 しかし、野党が自民党寄りになってしまい、国会がブレーキの役割を果たせません。野党第一党の民主党は、党内が真っ二つに割れたまっまだから、党内議論さえもできず、集団的自衛権に対する賛否すら明らかにできない体たらくです。民主党は議論を進め、結論を出す義務があります。結論を先延ばしするだけなら、高い議員報酬を受け取る資格はありません。つまり議員の資格はないはずです。

 民主党の議論先延ばしは、選挙での棄権と同じく、政権党の動きを黙認する機能となります。民主党は有害な老廃物存在ということになります。

 憲法が氏の淵をさまよっているというのに、のんびりと先送りを決めこむ民主党。野党が全く機能しない、大政翼賛政治の実態が立ち現われてきました。

 かくしてワイマール憲法の死と同じ道をたどる日本国憲法。明日5月15日は、日本が戦争に突っ込んでいく布石となった犬養首相殺戮のクーデター「5・15事件」(昭和7年)から82年。憲法を殺すのは安倍首相です。南無阿弥陀仏、なみあむだぶつ。