いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

新しい街でもぶどう記録;第477週

2024年01月06日 18時00分00秒 | 草花野菜

▲ 今週のみけちゃん
▼ 新しい街でもぶどう記録;第477週

■ 今週の武相境斜面


除夜の鐘

■ 今週の草木花実

■ 今週の炭水化物

お正月なのでお餅を焼いた。去年買ったトースターで焼いた。

■ 今週の何十年ぶりか? パンの「みみ」

めったにパンは食べない。疑似お武家さまだからだ。お米を食べているのだ。パンを食べるとしても、1年に数回、スーパーの大量生産品の食パンを買って食べる。ヤマザキだ。したがって、パンのみみは、はなから入っていない。最後にパンのみみを食べたのは成人前だ。今週、パン屋さんで食パンを買った。もっとも、別に買ったのはおいらではなくて、<荊の簪を挿した御方>さまだが。おいらが子供の頃はパンのみみだけを集めて売っていた。成人してからはそんなのは見たことはない。


300円

■ 今週の繕い

 

■ 今週の動物

こどもの国線「ひつじ電車」運行中!

■ 今週の旧住民に関する告知


Google

■ 今週の購書:新刊

ルシオ・デ・ソウザ、岡美穂子、『大航海時代の日本人奴隷』(Amazon)

Amazonの解説: 
戦国時代の日本国内に、「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人が海外に連れ出していたことは知られていた。しかし、その実態は不明であり、省みられることもほとんどなかった。ところが近年、三人の日本人奴隷がメキシコに渡っていたことを示す史料が見つかった。「ユダヤ教徒」のポルトガル人に対する異端審問記録に彼らに関する記述が含まれていたのだ。アジアにおける人身売買はどのようなものだったのか。世界の海に展開したヨーロッパ勢力の動きを背景に、名もなき人々が送った人生から、大航海時代のもう一つの相貌が浮かび上がる。
増補にあたっては、豊臣秀吉の朝鮮出兵によって大量に連行された朝鮮人捕虜、その捕虜たちの扱いに直面したイエズス会、さらに、長崎に連れて来られたアフリカ人奴隷など、アジアにおける奴隷貿易の実態をさらに深く紹介する。

▼ 購入動機

平川新、『戦国日本と大航海時代』をもってて、まだら読みをしていた。当初、読みはじめた理由は伊達政宗のこと。でも、この本は豊臣秀吉の朝鮮出兵が明の征服を目指したもので、その根本的動機はポルトガス、スペインのキリスト教&帝国主義勢力への対抗にあるとの指摘をしている。何より本書では宣教師に導かれたポルトガル、スペインは日本征服の意図を持っていたことを明瞭に記している。さらに、イエズス会が関わるポルトガルの日本との貿易に日本人奴隷が取引され海外に連行されたことが書かれている。これは従来の歴史書より踏み込んでいるといえよう。Amazonでレヴューが400を超えている。よく読まれているらしい。

対照的に、佐藤彰一、『宣教のヨーロッパ』(平川新、『戦国日本と大航海時代』と同じ中央公論新書!)日本人奴隷のことは書かれていない。(1989年と古いが)『バテレン追放令』には、人身売買のことが言及されている。秀吉とコエリヨ[wiki]の人身売買についての応答が書かれている。しかし、つっこんだ日本人奴隷認識はない。最近、グローバルヒストリーで「日本銀」という用語が周知となった。一方、大西洋奴隷貿易に準ずるような人身売買/奴隷貿易が日本で行われ、「日本人奴隷」が広く海外に連行されたのだ。長崎は世界的に記録に残る奴隷貿易の拠点だったことになる。そして、その長崎を支配していたのがキリスト教徒であり、日本人を捕まえて奴隷として売った日本人はキリシタン大名領の日本人なのだ。キリスト教支配下での、人身売買と奴隷貿易である。

実は、日本人奴隷の認知は最近、2017年以降のことだからだ。事実、平川新、『戦国日本と大航海時代』ではこのルシオ・デ・ソウザ、岡美穂子、『大航海時代の日本人奴隷』が日本人奴隷の史実の根拠として言及されている。

興味深いのは、なぜ最近まで日本人奴隷の認知が遅延していたかである。これは明瞭で、従来の歴史学者がキリスト教、イエズス会を恐れているからである。ルシオ・デ・ソウザはイエズス会の人身売買への関与を示している。イエズス会は奴隷廃止を謳っていたことも史実だが、実際には人身売買への関与を辞めなかった。奴隷廃止を騙っていたのだ。これはキリスト教徒の常套手段である。愛を謳い、戦争をする。これらを明らかにすると、「炎上」するからとルシオ・デ・ソウザは云っている。

佐藤彰一、『宣教のヨーロッパ』にはキリスト教宣教師の日本での布教が書かれているが、イエズス会の人身売買/奴隷貿易への関与は書かれていない。なお、佐藤彰一は大学時代イエズス会のフランス人に塾で教えを受けていた。

さて、日本人奴隷の認知がなされた現在から見て、日本人奴隷に言及した歴史研究は存在している。岡本良知、高瀬弘一郎の成果。そもそも、天正遣欧少年使節の日記に日本人奴隷のことが書かれている。しかし、歴史家たちは見て見ぬふりをしていたのだろう。恰好の言い訳は「史料がない」だ。でも、史料は自分で探すのが歴史家の使命だろうに。ルシオ・デ・ソウザさんはイエズス会の人身売買/奴隷貿易への関与の史料を探し、解読している。その成果の一部が『大航海時代の日本人奴隷』。でも、原著の一部を翻訳したもの。なお、同書では下記に述べる高瀬弘一郎、岡本良知の研究成果に言及している。

▼ 高瀬弘一郎、『キリシタン時代の研究』

高瀬弘一郎の業績は「殉教にいろどられた布教史のイメージを転換し」たとされる。先駆的な仕事だ。

一六世紀半ば以降,イエズス会のキリスト教布教を支えた経済活動を厖大な同会機密文書により分析.従来の公文書に基づく,殉教にいろどられた布教史のイメージを転換し,キリシタン研究に新段階を画した名著. (ソース)

海外に所在するカトリック教会の同時代史料を博捜し、教会が一翼を担った海上貿易、商人、通貨、送金、為替、利子、教会と権力者に焦点をあて、キリスト教教会の本音と建て前を徹底解明。ソース

一方、日本人奴隷に言及したおそらく初の研究者は、1936年の岡本良知 [wiki]、『十六世紀日欧交通史の研究』。この文献については上記『バテレン追放令』に文献として言及されている。しかし、本文では著者はキリスト教徒による日本人奴隷売買について言及、評価はしていない。

■ 今週の購書:古本

ブックオフのお正月セール。全品20%引き。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。