― 線路を渡る猫、名古屋近郊にて ―
飼い猫らしい。鈴がついている。
■ 瑕疵を見つける;
週末は、のんべんだらりんと、銭理群、『毛沢東と中国(上) ある知識人による中華人民共和国史』(Amazon)を読んだ。 日本語として読みやすい。銭理群って知らなかった。北京大学の「名物」教授なのだそうだ。1939年生まれ。74歳。
平川祐弘さんが書いている;
今、文明世界で棟梁の材は試験と投票で淘汰(とうた)され抜擢(ばってき)される。一党専制の大陸は変則で、党政治局クラスの子弟で優秀な者を取 り立てるか(太子党)、学校や党の試験の合格者(共青団出身者)で現支配者の眼鏡に適(かな)った者を指名する。当然コネがものをいう。そんな中国の党幹 部の収賄・蓄財・資産の海外移転、「以権換銭」(権力をカネに換える)という構造的腐敗は遂に世界周知となった。
そんな風潮を見かねて北京大の名物教授、銭理群が最近の学生気質を痛罵した。「北京大も清華大もえり抜きの人材を集めているが、大学で培養される 学生は計算高い利己主義者に過ぎない。世故(せこ)に長(た)け周囲の動きに敏感で、体制に迎合し体制を利用して自らの利益を図ろうとする。問題はこうい う連中が一番成功してすでに現体制の権力継承人になっていることだ。これこそ民族の未来にとり大きな『隠患』となるに違いない」
「隠患」は、「隠れた不安」と訳されているが、私は「死にいたる病患」と訳したい。 (ソース:「死に至る病」中国の構造的腐敗)
銭理群、『毛沢東と中国(上) ある知識人による中華人民共和国史』は、自分の経験を織り込んだ、中共戦後史だ。これまで、紅衛兵体験を語った本は読んできた。この銭理群の自分の経験を織り込んだ、中共戦後史は、文革ばかりでなく、中共建国直後の国民党系残党と共産党の闘争から始まり、大飢饉を招いた大躍進での著者の体験(虫瞰的視点)と、鳥瞰的歴史が書かれている。そして、毛沢東についても極めて冷静に分析・批判(ただの批難ではない)している。かなり踏み込んで、「自由」に書いているので、おいらは少し驚いた。余華の『ほんとうの中国の話をしよう』(Amazon)が、中国で出版禁止という状況を考えると、この『毛沢東と中国』がなぜ出版禁止にならないのか?中国当局の検閲基準が不明である。
その銭理群、『毛沢東と中国(上) ある知識人による中華人民共和国史』では、詩人たる、つまりは夢想家たる毛沢東が、政治的権力を握り、詩的に、夢想のために、世の中を動かすことによって、どれだけの厄災が生じたか!と指摘している。
*ぬっぽずんでよかった@明治時代。
支那における毛沢東現象って、日本で喩えていえば、詩人で夢想家(アタマの中お華ばたけ)の吉田松陰が総理大臣になるみたいものだろう (愚記事;松陰は玄瑞にアメリカ使節など、元寇の北条時宗にならい、切り捨ててしまえという)。 夢想を理解しない、実際派の伊藤博文(@才劣り学幼くも、質直にして華なし、)が政府を経営したから、日本は破滅しなかったのである(愚記事;伊藤は英国の文明の進歩と国力が強大であるのに感服し、すぐに攘夷の考えを捨てた)。
*ぬっぽずんでよかった?@昭和時代。 中国化していた日本!
詩人と夢想家が軍事・政治に跋扈した時代。愚記事;米英撃滅国民大会; デマゴーグ宣言!朝日新聞
○それにしても、なぜ、こういう本って、誤字脱字、そして事実誤認とかがないのだろう?と思っていた。誤字脱字、そして事実誤認の本を性懲りもなく、連続して、たくさん出している人もいるのに。
でも、みつけたよ。 まつがい。 437ページ。
葉剣英の生没年が、一八九七 - 一九六六、となっている。
まつがい。 葉剣英は1986年まで生きていた (wiki)。 もちろん、ただの誤植だろう。
▼ そして、知ったさ、詐欺師・葉剣英;
「華僑の大物」を自称していた葉剣英こと畑隆氏容疑者(65歳)が、農事組合法人アジア・アグリ連合会での架空の投資話で、富山県の会社役員らから現金数億円を騙し取ったとして、詐欺容疑で逮捕された。 (ソース)
息の長い「謎の中国人」だったが、普通の常識を備えていれば、1時間でおかしな人間であることに気づき、2回も会えば詐欺師を疑うはずである。本人もそれを承知で数千億、数兆円と話を大きく膨らませ、それでも自分を信じる1割と付き合えばいいと考えているようだった。
騙された人たちは、中国共産党の十大元帥(wiki)の葉剣英を知らないのだ。もし、知っていれば、この(自称)華僑と会ったとき、「あの葉剣英元帥と同じお名前ですね?」、「偶然ですか?」からはじまり、どうでもいい支那ヲタ的教養を備えていれば、3分でおかしな人間であることに気づくはずだ。