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いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

今日の看猫 2011/11/22,; 親水、あるいは遺伝子が大規模に被曝するまで

2011年11月22日 20時12分32秒 | ねこ

■ヨタ話。 親水、遺伝子、ウラン

親水性という言葉がある。科学の業界用語。hydrophileの支那文字使用の日本語訳。

hydrophileは、hydro=水 (ハイドロスプロール現象とかのハイドロ)、phileは、好き。philosophyのソフィア好きの好き。

hydrophile=水が好き。 

ちなみに、日常語で親水というのがあった。親水公園の親水。水にしたしむ。

親水公園をhydrophilic parkと訳しては変だろう。でも結構ある→google。日本語のページが多い。なんか典型的日本人的英語という感じ。でも、中国のページもある。 water parkというとまた少しイメージが違う。人造的、遊園地的。日本語のあの「親水公園」ではない。

でも、hydrophilic parkっていつでも浸水公園ってイメージ。

●今日のヨタは、「遺伝子が大規模に被曝するまで」。 

「遺伝子が大規模に被曝するまで」という現象は水の惑星ならではと気付いた。

よく宇宙科学関連のニュースで、生命存在の可能性!とかいう記事を見ると、ただ水の存在の可能性のことだったりする。いつのまにか、生命の存在が水の存在とすり替わっているのだ。水があれば生命が発生するわけでもなかんべ。ただ、生命の起源と維持、存続には水が不可欠だということだ。

さて、ウラン。ウランって宇宙の視点からみるとその存在度は低い。以前愚記事で地球で一番多い元素は酸素で、次がシリコンだ!と書いた(愚記事;石ころの半分は酸素であり、残りの半分以上はシリコンだ)。そのシリコンの存在度を100万とした場合、ウランの太陽系での存在度は0.23なのだ。つまりシリコンの100万分の0.23しか、ウランは存在しないのだ。つまり、1億に2.3だ。日本人のなかの二人くらいの稀な存在度ということだ。

ウランというのはそれくらい太陽系には少ない元素である。その元素を集めて、さらにその中のウラン235を集めて燃やしているのが原子力発電に他ならない。そして爆発させるのがゲンバクだ。ウラン235はウランの中の0.7%である。だから、上記の「1億に2.3」のさらに約100分の1である。100億の中の2.3がウラン235同位体だ。まぁ、とにかく存在度が異常に低いといいたいのだ。

で、その存在度がそもそも低いウランをぬんげん様がなぜ手に入れられるかというと、最後のウラン235と238を分離する技術はホモ・サピエンスさまのたまもの[1]としても、そもそもウランがこの地球のある局所には異常に濃集しているのだ。濃集しすぎて核分裂をしていた天然原子炉の話は以前書いた(愚記事; 太陽の下に新しきことなし; 原子炉、ダイヤモンド、そしてGE。 天然と人工の間で... )。

で、なぜ地球のある局地にウランが濃集しているかというと、ウラン鉱床があるからだ。じゃーなぜウラン鉱床がそこにあるのか?なぜお月さまや火星にはウラン鉱床がない「はず」なのか?それは水の有無である。

たとえ話。コーヒーを入れる。豆を引いて、フィルタ―に入れ、お湯を注ぐ。コーヒーが落ちる。このコーヒーは、お湯がコーヒー粉のある種の物質を溶かしこんで、かつ、コーヒー粉から分かれて生じたものである。お湯=高温の水がコーヒーの成分を抽出したのだ。

ウランは地球の中でその存在度は異常に低いが、いろいろな作用の累積の結果、濃集する。ウラン鉱床。このウラン鉱床とは地中でウランを溶かしこんだ高温の水が地表でウランを"吐き出した"結果できた。つまり、水の役割は地中でウランを溶かしこんで来ては地表に運び、集めたのだ。

以上、おとぎばなし的ではあるが、とにかく、地球は水があるからウラン鉱床があるのだ。もちろん、水があればウランが濃集するわけでもなかんべ、というわけではある。しかし、水の惑星地球には水の条件にあわせて地球が断続的に冷えることで熱を放出しているので、高温高圧の水(蒸気・超臨界H2O)が地殻をかけめぐっているのだ(⇒こういうイメージ)。

20億年前は、地球の局地でわずかにできたそのウラン鉱床も昔は勝手に核連鎖反応をしていたのだ。

そして、遺伝子。タンパク質という生体高分子。水なしに遺伝子が生成、発達することは考えられないことは、自明。

生物が多細胞として本格的に地球上で繁茂しだしのは5-10億年くらい前らしい。つまり地球ができて45億年という時間スケールからみて、かなり最近だ。

その理由の一つが放射線の減少との説。放射能が減衰して、ぼくらは生まれた。

もちろんずーっと、遺伝子は自然の放射線を浴びてきている。

それを、ひっくりかえしたのが、ぬんげんさまのウラン235の濃縮と、非自然核分裂の実行にほかならない。

そして、遺伝子が、最近5億年の間で、最も被曝した。マリアさまもだ。

せっかく、減衰している放射線を増大させているのだ。

真に「反動的」である。ぬんげん、マンセー!

■まとめ;  水は舟を載せ、又舟を覆す 

恐るべし、水!

 


 

[1] 大日本帝国陸海軍は原子爆弾の開発を実施した。実行者は仁科芳雄や荒勝文策、湯川秀樹らである。彼らは、ウランの同位体分離を全くできず、母国が核攻撃で壊滅するのを木偶の坊のように見送っていた。でも、彼らは幸せだったのであろう。なぜなら、大日本帝国の瓦解後、栄達を得たからである。