alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

夕飯断食

2016年05月20日 | 私の人生
 5月に入ってからなんとかして自分の体調不良を
克服しようと試みて 新聞の広告をみてすぐに
「これだ!」とピンときた『血流がすべて解決する』を買い
まさにこれだよこれ、この症状、そうか血が足りなかったのか・・・
ということで、書かれていることは全て実践しようと決意した。

 この本には血がつくれない、だから血がうまくまわらない
という流れが書いてあり、兎にも角にも、はじめは
血をつくれる身体になること!その順番だけは間違うな、と
書いてある。さて、いろんな方法論が述べられている中、
だれでも熟読すればよくわかるのは、この本の著者が
一番すすめているのは「1週間夕食断食」だということだ。
そのことによって胃腸がしっかり休まり、本来の力を
発揮できるようになり、血もつくられ、身体全体が若返る。
実際にこれを実践してから46歳、47歳で妊娠した人までいるという。
この本の理論はこうだ。血をつくらないと流れない。
血がちょろちょろとしか流れていない状態で、どんな改善法を
試みてもうまくはいかない。そして血をつくるには・・・
鶏肉がよいとか、朝ごはんがいるとか、ちょこまか書いてはあるものの、
「だからつまり、1週間夕飯断食に挑戦してください」
と読者に訴えていると思う。

 ところが必死な思いで島根県のこの漢方薬局まで訪れた人ならともかく、
千円ちょっとの本を購入しただけの読者にとっては
「1週間夕食断食」のハードルはあまりに高い(と私は思う)
主治医に勧めらたわけでもないのに断食か。しかも1週間。
病気でご飯が喉に通らないというわけでもないのに・・・
(でも朝ごはんと昼ごはんは普通に食べていいんですよ~と書いてある)

 うーんと思いながら立ち寄った本屋で平積みにされている
健康関連の本を読んでいくと、とどのつまりは、現代の
多くの病のもとは「食べ過ぎ、とりすぎ」だというのがわかる。
過食による病、それを直すための抗生物質、そしてよけいに
腸がダメージを受け、原因不明の不調がつづく(そしてまた医者に行き
抗生物質を渡される・・・)
そんな状態でヨーグルトやらサプリやらをとってみたって
もとの腸内環境が最悪な状態に陥ってるならば、効果もなにもないでしょう、と
こうした本を書いた先生方は強く訴えたいようだ。

 とはいえただそれらの本を手に取った、つまり
必死の思いでその先生とコンタクトをとり、何がなんでも
実践します!という人ほどの勢いがない読者にとっては
「えー、そんなこと言われても・・・」になってしまう。
それでもそれがないとすすめないなら、健康のために
とにかく頑張る、と決意したではないか・・・と
昨日は2日前からの夜ご飯ヨーグルトのみに続き、
ついに本格的な夕飯断食に挑戦することにした。

 何かを断つ、というのは本当に簡単じゃない。
私は砂糖断ちもお茶を極力減らすのも、小麦断ちもしたことがある。
お茶は中毒性はないかもだけど、砂糖と小麦はしっかりと
中毒性があるらしい。
(気づかないけど結構すごく、禁煙できない人や清原さんを笑えない)
砂糖断ちをはじめてしたとき、2日間はかなり辛かった。
甘いものが欲しい!!欲しい!と思った時に
とにかく水を飲んで我慢。ああこんな時に飴が食べたい、
そこも口寂しいだけだ、と水を飲んでただ我慢。
砂糖より中毒性が強いのは小麦なのかもしれない。
小麦は本当に禁断症状があり、パンを食べてわりとすぐ
お腹が減り、また食べたい!と思ってしまうのは、
パンの腹持ちが悪いからではなくって禁断症状によるらしい。
そしてその禁断症状の時はいわゆる「お腹がすいてイライラ!」がある。
でもこれも小麦をやめてみると、お腹が減ったからといって
必ずしもそうならないことがわかって驚いてしまう。

 私が小麦をやめたとき、本当にそれは辛かった。
クロワッサンにパンオショコラ、パスタにラーメン、
焼きそば、クッキー、成城石井に行った時、どれほど
愕然としただろう。この店にあるもののほとんどは
食べられないのかと思っってしまった。(実際はそんなことはない)
食べれない!と思うほど、食べたい!食べたい!
こんなに全てを我慢して一体何が幸せなのか?と思ってしまい
結局2日目くらいに家族にピザの食べ放題の店に誘われて
つい自分を許し、あれよこれよと食べてしまったら
頭をガツンとなぐられたようにそのあとなにもできなくなった。
そして小麦やグルテンの恐ろしさを身をもって知り、
もう絶対にピザ屋だけは行くもんかと決意した。
(ピザやパスタを食べた後の午後にフランス語の翻訳なんて
絶対できないほど頭がまわらない。ちなみに私は
小麦を極力さけることにしたのは健康のためではなく
脳みそが働かないと実感したからで、仕事の効率のためだった)

 そんな禁断症状は、あまり笑えるものではなくて、
はじめてやめた人にはつきものなのだろう。
そして昨晩。私の頭の中はこれから食べられないご飯のことで
いっぱいだった。漢方の先生は書いていた「別に
一生食べられないわけじゃありません。一生のうちの
1週間だけのことです。それに朝と昼は普通に食べていい・・・」
でも私の頭の中はまたしてもパスタやらケーキやら
子供のころに絵本で憧れた美味しそうなものたちで
いっぱいだった。どうして私、一人だけ食べられないんだろう・・・
みんなは普通に食べているのに?
そしてついにその「激しい空腹」は訪れて、しばらく
まともに激しい空腹を感じたこともなかった私は途方にくれた。
肉が食べたい!ステーキが欲しい。
こんなにも私にとって食べるのは大事だったのか・・・
なんだか何かに別れを告げるような深刻さだった。
たった一食、我慢するだけなのに・・・

 それでもなんとかやり通し、仕方がないので
いつもより早く寝ることにして朝を迎えた。
朝は夕飯をぐっと減らしてからずいぶんと楽になり、
朝日のおかげもあって最近5時半すぎに自然に
目がさめるようになってきた。身体が軽いのは
夕飯がヨールグトだけのときからかわらないけど、
こんなことして、何かいいことあったのかしら・・・・?

 朝はわからなかったけど、今日1日いつものように朝から
晩まで働いて、あれ、なんだか金曜の晩なのに身体が軽い、
と不思議に思った。いつもならもうグデグデで、帰るころには
相当疲れ果てているのに。なんだか今日も
チカチカする信号を見ながら走れそうな気分になった。
人生がこんな軽かったなら・・・絶対人生は違うはず・・・
今週私の仕事量はいつもより少なかったのだろうか?
それはよくわからない。でもなんだか軽やかに終わってしまい、
帰ってから着替える間もなく、明日のご飯の準備もできた。
これが断食効果だろうか?
「断食とはメスを使わない手術である」
「断食で治せない病気は何をしても治せない」
そんな言葉もあるらしい。

 断食はとてもこわかった。でも2日目の今日は
なんだかそこまでこわくない。何かを断つのに
一番つらいのは初めの2日。あとはだんだん慣れてくる。
もっと軽やかに、もっとミニマムに、生きていけたらどんなに
人生が違うだろう。何のおかげかわからないけど、
今まで気になっていた他人の目やどう思われるかも
だんだんどうでもよくなってきた。
いくら人に「もっと自信持ちなよ!」と力説されても
そういう類の本をいくら読んでもできなかったのに、身体に入れるものを
断っていくことでこんなに気持ちが変わっていく。
どう頑張っても子供にイライラしてしまう、
優しい気持ちになれないというお母さんに
是非一度小麦断ちやら砂糖断ちやら夕飯断食やらを
試してみて欲しい。薬局の薬よりはよっぽど早く
驚くような効果が現れると思う。(しかも全部タダ!)

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