alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

パリのカフェ

2010年08月17日 | パリのカフェ文化




 今回のパリ滞在は カフェを見に来たという
わけではないけど やっぱり当然私は
カフェに行く訳で フランス人たちに
「えー またー?もうやめてよ」という
顔をされながら まあでもいいもん
一人でいくもんと 1日3回、
多くて4回カフェに行く。

 この何年かで撮りためたカフェの写真も
もう700枚近くになるらしいので
そろそろ次の本作成に向けて
力をいれていくころなのだろう。


 パリのカフェ

 パリのカフェ ねえ


 その良さって なんなのだろう?





 おそらくそれは、かなり素敵なカフェが
ちょっと歩けばみつかることで
こんなカフェ 日本だったら東京で
広尾に行ったり 代官山のミケランジェロや
京都だったらオーバカナルにわざわざいかないと
見つからない、、、 
(私なんてそのカフェ恋しさにわざわざ京都から
新幹線に乗ってそれから代官山まで行くんだから
あほらしいといったらない)




 そんなカフェ が パリには
一分も歩けばまたあって かなり沢山
席もあるから 長居しててもたいていは
何も言われない し 店員さんも
午後の時間とか暇そうだから
一人くらいいた方がいいんじゃない?と
勝手に思ってゆっくり過ごしてみたりする。


 パリのカフェのよさっていうのは

 どこにでもあることと



 ある程度おしゃれなカフェが最近は
かなりの頻度で存在していることと




 エスプレッソが2ユーロ程度しかしないこと と




 カウンターがあることと
(カウンターではほとんどエスプレッソは1ユーロ)




 エスプレッソが美味しいことと

 カフェクレームが美味しいことと
(でも本当に美味しい店は少ないかも、、、)

 ご飯のおいしい店も増えて来た?
お昼はだいたい1000円から1500円くらいで
食べられます。もちろんパンつき
でもコーヒーは別料金。




 ある程度広い店が多いこと?
だから自分が何をしてても まあいいだろう
そんな気持ちになれたりもする。





 基本的には フランス人からは
いわゆる有名カフェはちょっと馬鹿にされてて
フロールもドゥマゴもモンパルナスのカフェたちも
行ってみたら そこまで悪くはないと思うけど
私は結局行ってしまうけど 彼らは
冷たい目で見てる。そんな彼らはどこに
行くかといえば こちらからしてみたら
まあどおってこともないような 街角の
カフェだったりもするわけで
人それぞれ お気に入りのカフェがあり
そこのテラスでちょっと一服
だれも私ほど長居しないけど
のんびりと街行く人を眺めながら
気もちいい時間をすごしてる。


 このちょっと 喉が乾いたときに
 日本だったら自動販売機にいくのだけれど

 パリには自販機がほとんどなくて
 そのかわり山ほどカフェが存在してて
カフェなら椅子に座れるし まあ
ちょっと行こうか そんな感じでいけるのがいい。
彼らはたいていは飲み物をのんだらすっと
お勘定して すっと出て行ってしまうのだけど


 私の場合は カフェに入るなり
ノートを開いて 考えたことを読み直したり
万年筆を取り出して 考えたことを書いてみたり
たまにスケッチしてみたり 記録用に
ちょこまか写真をとってみたり
勉強もしなきゃというわけで さっき買った
新聞とにらめっこをしてみたり。
でもたいていは 結局考え事に使われていて
すこしずつそれが進んだりする。





 昨日は有名なL'autre cafe(ロートルカフェ)
というところにいって ここは前にも
一度来たことがあったのだけど その時は
かなり人がいて 昨日はまだ6時だったから
(パリでは夕飯が9時くらいだったりするので
まだまだ夕飯時ではないらしい)
人もまばらにしか来ていなくって
しかもここでは 珍しいことに
私みたいに一人で来ている人が多かった。


 たいていはカフェっていうのは
一人だとカウンターには行ったりするけど
席に座るのは誰かと一緒のことが多くて
お隣では誰かが誰かとしゃべってて
というのが普通なんだけど
ここではなんだか雰囲気が違い
三条スタバのようだった。
マックのパソコンを持ち込んで何かを
している人もいて なんだか昔の私みたい。
(しかも私と同じ型だった)




 私もその奥の席の1つに陣取って
考えてみたり、新聞を読んでみたり。
ここは他のカフェとは違ってそこまで
音楽もうるさくないし 店員さんと
お客さんも大声で話してないから
なんだか作業がやりやすい。
それにかなり店がひろくて 2階もあるし
なんだかかつての「秩序のいい勉強部屋」
とボーヴォワールが言っていた
フロールみたいな雰囲気だ。
勉強部屋で 図書館で しかもおいしい
カフェが飲めて仕事を進められるなら
こんなに嬉しいことはない。


 ここなら私もできるかも
私もいつしかここに通って
カフェで仕事ができるかも、、、
なんだか一筋の希望を感じた
そんなカフェの 奥の席。





 パリはカフェ で 満ちている
モンパルナスに行ってみたって
オペルカンフに行ってみたって
パリはカフェで満ちている。

 そこに一人で座ってみても
カフェの威力はわからないけど
そこに誰かといくことで
じんわりと カフェという場がもつ力 が
わかってしまうことがある。






 パリのカフェ では なにかが起こる

なにが起こるか 起こらないかは
行ってみないとわからないけど
偶然性に 心を開いてみたときに
何かは起こるものなのだろう


 カフェではいつも なにかが起こる
予期せぬ何か が 待っている
それが カフェでの出会いであって
それが 人生 なのかなあ?
Qu'est-ce que c'est la vie?
C'est la vie?
Mais la vie,,, c'est comment?



結局空が灰色だって
パリは一歩外に出たなら
予期せぬ何かが待っていて
それが私の心を浮き立たせてくれ
沈んだ気持ちも知らない間に
すうっと消えていってしまう

 


 結局のところ やっぱり私はパリが好きで
パリのカフェ が 大好きで
それがないと 生きられないほど
あのカフェの味が好きなのだろう
エスプレッソのあのほろ苦い味は
人生にとても似ていて 
甘いけど ちょっと苦くて
でも後味がものすごく濃くて
結局のところ やめられない。





 パリにはカフェが山ほどあって
まだまだまわりきれないけれど
いつの日か すべてのカフェを
記録に残してみたいと思う。


追記

パリのカフェの歴史や今については
Paris-Bistro.com日本語版をご覧下さい
来年くらいには「カフェを選ぶ」をもっと
もっと増やせたらなと思っています。
移住できたらいいのですが、、、

追記2 パリのおすすめカフェ

 最近「パリのカフェ」という検索で引っかかるように
なったみたいなので、おすすめも簡単にのせておきます。
ブログのリンクに貼ってある「パリのカフェたち」という
サイトには写真も載っています。お時間あったらご覧下さい。

 あとパリのカフェの良さといったらテラスですね!
隣の人と目を合わせ続けなくても会話ができる、
偶然となりになった人とちょっとした会話ができる
風を感じながらお茶がのめる 街の一部に溶け込んでいる
そんな気持になれる場所、日本にはなかなかないんですよねえ。。



 カフェドフロール(サンジェルマンデプレ)

 フランス人からバカにされても私には思い入れのあるカフェです。
サルトルとボーヴォワールが通ってたカフェです。
フロールは今でも独特の空気がただよっています。
ここで朝カフェクレームとクロワッサン頼むと最高。
2階で月に一度開催される英語の哲学カフェもかっこいいです。



 ヴューコロンビエ(サンシュルピス)

 サンジェルマンデプレから歩いてすぐのアールヌーヴォー調のカフェ。
留学時代に通っていました。ここの半分テラスみたいな室内から
ぼーっと外を眺めるのが私の習慣でした。ここでカフェでの
出会いというものを体感したので忘れられないカフェです。
この狭さがなんともいえない。大好なカフェ。
駅降りてすぐ目の前の緑のカフェです。


 カフェシャルボン(オベルカンフ)

 何故かシャルボンではいつも何かが起こります
そこでの会話で人生が変わってしまったり
勇気をもらって人生を後押しされたり、、、
どうしてなのかはわかりませんがいつも
とても熱く、深い会話ができます。音がうるさいから
会話に感情がこもるのでしょうか?
ここのカウンターはとても味わい深いです。



 ドーム(モンパルナス)

 ここも留学時代によく行っていました。
しっかりと道路からさえぎられたガラス張りのテラスは
目の前の景色はみえてもうるさくなくてとても静か。
ここで文筆業ができたらどんなに幸せだろう と思います。
ここのカフェクレームもおいしいです。
ドームはボーヴォワールがフロールに通う前に行き着けだった店。
ドームを舞台にした小説もありますよ。



 ロワイヤルペレール(17区 ペレール)

 Paris-Bistroの事務所の近くのカフェ。
普通のカフェといえばカフェですが、ここに夕陽の
あたる時のかっこよさといったら文字通りまばゆい!!
あまりにキラキラしていてとても入りたくなってしまいます。
おそらく近隣の人がなんとなく待ち合わせにつかうカフェ。
まさに目の前を行く知人と声かけあったり
だべっていた高校生が通りがかったお母さんに怒られたり。
まさにパリ!!って感じがします。みんなかっこいい。



 シェプリュンヌ(サンマルタン)

 ここもまばゆい光をはなっています。
いつもだいたい満員だけとたまに入れます。
ご飯もとてもおいしくて、目の前は運河。
ゆるいけどセンスのいい店内でここもまさにパリ!
こんなの日常にある暮らし、うらやましすぎる。。。



 ビストロドパントル(バスチーユ)
 
 有名なポーズカフェの向かいにあるカフェ。
いつもどっちにしよう??と迷ってだいたい
結局こちらにいってしまいます。ここは
カウンターに椅子があるので、はじめての
カウンター経験もしやすいかも?アールヌーヴォー
調の内装がめちゃかっこよく、こんなとこ
今でも日常に使ってるんだ!というのがまた素晴らしい。
店員さんもきさくな感じです。ブログのトップの
写真はこの店の写真です。


 カフェデファールの哲学カフェ(バスチーユ)

ここのテラスで何人の人と出会ったことでしょう!
哲学カフェは毎週日曜の10時半から(たしか)
開かれています。とても興味深いですがとても難かしいです。
よく満員になっているので入れずにテラスにいると
そこで誰かとの会話が始まったりして、結局
その方が私には面白かったりもします。
このカフェでの出会いから私の人生は予期せぬ方向に
流れて行ってしまったのかも、、、わからなくても
哲学カフェ、フランスの議論のすごさを感じる
素晴らしい機会なので一度行ってみてください!


最後に、パリのカフェの歴史?何が起こっていたの?
作家達が通ってたっていうけど何してたの?
という方におすすめの本、、、(手前味噌ですが)
『cafeから時代は創られる』(いなほ書房)よかったら読んでみてください。
当時のカフェで起こっていたダイナミックな変化を描いた本です。
よくある「誰々と誰々がいた」と書き記してある本や
写真だけのガイドとは違います。「何故カフェなのか?」
「一体なにがどのように起こっていたのか?」
「カフェが磁場になるとはどういうことなのか?」
というような、「カフェとはいったいどんな場だったのか」に
向き合った本です。これを読んでパリのカフェに行ったら
もっと面白くなると思いますよ。
まだ本屋さんで注文したら手に入ります!!


 パリのカフェやフランス語に興味のある方へ
最近はカフェで学ぶフランス語講座も開催しています。
フランス語?やってみたけど頭が痛い!という方におすすめです。









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