ユニバーシアード2019、フィギュアスケートの男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
ビュン・セジョン(韓国) SP:50.89(22) FS:106.62(15) 合計:157.51(17)
「レジェンド・オブ・フォール」♪ 薄水色。確か、韓国の先輩も誰かこの曲で滑っている。3アクセルは転倒になったが、3トウ+2トウや3フリップなどは安定していた。
リュウ・ルンチー(劉潤奇、Runqi LIU)(中国) SP:54.38(19) FS:104.46(17) 合計:158.84(16)
「グリーン・デスティニー」♪ ターコイズブルー。2アクセル+3トウから入り、4トウに挑戦して両手をついた。3フリップ+オイラー+2サルコウなど、持てる力は出せた感じ。
中国が舞台の映画サントラで中国選手が滑るので、観客は雰囲気を楽しめていた。
リー・ユゥハン(李宇恒、Yuheng LI)(中国) SP:48.79(23) FS:89.16(23) 合計:137.95(23)
「Dream」「Demons」♪ 黒にストーンで模様。冒頭の3ルッツはこらえたが、3回転予定のルッツやフリップが次々2回転になってしまい、終盤は2アクセルで転倒。まだ18歳、これから体力をつけないと!
マルコ・クレポク(スロバキア) SP:53.82(21) FS:97.86(19) 合計:151.68(20)
「Rock You Like A Harricane」♪ 黒にゴールド。アップテンポのロックでスピードにのる。3フリップ+2トウ、3サルコウ+2トウ+2ループなど頑張る。最後のジャンプで転倒したのが惜しい。わりときっちりしたスピン。
ハリー・ハウイン・リー(李厚賢)(香港) SP:43.69(24) FS:78.00(24) 合計:121.69(24)
「レ・ミゼラブル」♪ 白半袖に黒ベスト、得意の白手袋。3フリップ+2トウ頑張り、2本目のフリップはシングルに。なかなか3回転は入らないが、2アクセル+2トウなど転倒せずに跳びきった。
スピンやステップでレベルが取れないが、ジュニアの頃に比べるとスケートらしくなったかな
キス&クライには、女子シングルに出場するジョアンナ・ソーが付き添った。
ユエン・ラップカン(袁立勤)(香港) SP:54.04(20) FS:94.32(21) 合計:148.36(22)
「ゾロ」♪ グレーのシャツ。曲は「ノートルダム・ド・パリ」だったような 3ルッツなど、多少クリーンでなくても頑張って下りる。最後に転倒が惜しかったが、イナバウアーやバレエジャンプのコレオで終盤盛り上がった。
<G2>
ブラク・デミルボガ(トルコ) SP:60.13(15) FS:117.09(14) 合計:177.22(14)
「Raise Me Up」♪ 黒とグレー。グループ2でいきなりジャンプのレベルが上がって3アクセルが決まる。3ルッツ+3トウ、3フリップ+2トウなども入った。
ステップの途中で不意に転倒、びっくり もったいなかったが、全体としては曲の世界観をしっとり表現して、いいプログラム。
アルトゥール・パニーヒン(カザフスタン) SP:54.82(17) FS:105.51(16) 合計:160.33(15)
「The Famine」♪ ブルー、袖と裾に緑。振付はルスラン・ジガンシン。3アクセルはオーバーターン、3ルッツ+2トウ+2ループは最後少し乱れた。しかし後半3ループと3ルッツが美しく決まって、印象がぐっとよくなった。
ロマン・ガライ(フィンランド) SP:60.33(14) FS:94.65(20) 合計:154.98(19)
「パールハーバー」♪ グレー系。3アクセルに挑戦して転倒、2本目も乱れたがなんとかコンビネーションにしようと頑張る。クリーンに下りられたジャンプが少なかったが、力強い曲に負けないように力を振り絞っていた。
イ・ジュンヒョン(韓国) SP:60.68(13) FS:126.57(12) 合計:187.25(13)
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」♪ ブルーのシャツ。3アクセル、1本目はステップアウト、2本目は転倒。3フリップ+3トウ、3ルッツ+2トウ+2ループはビシッと決まる。
有名なメロディの世界を端正な滑りで表現。いいプログラムなので、ジャンプがはまった完成形を見たい。(ただ、衣装の背中が透けて見えるのがちょっと落ち着かない)
ガイスカ・マデホン・カンブラ(スペイン) SP:54.82(18) FS:93.55(22) 合計:148.37(21)
「Grande Amore」イル・ヴォーロ♪ 黒に赤をあしらう。3トウ+2トウ、2アクセル+オイラー+1フリップなど。パンクもあったが、リンクをいっぱいに使うコレオがよかった。情熱的な曲には合っていた。
ティム・フーバー(スイス) SP:55.38(16) FS:101.00(18) 合計:156.38(18)
「Sonic Riots」「White Nights」♪ 黒系にストーンで飾り。3アクセルは軸がはずれてしまった。3フリップ+2トウ、3ルッツ+2トウ、3サルコウなどが決まったジャンプ。
曲が淡々としてる感じなので、プログラム全体も淡泊に見えてしまったかな。最後にもってきたステップは、少し曲に遅れてフィニッシュ。
<G3>
アドリアン・テソン(フランス) SP:66.17(11) FS:134.92(11) 合計:201.09(10)
「Amber Run - I Found」♪ 白に黒手袋。4トウ、片手をついたが下りる。3アクセル+2トウも入った。パンクもあったが、後半も崩れず頑張る。全身をしなやかに使えていて、ステップやコレオも見応えがあった。
マッティア・ダッラ・トーレ(イタリア) SP:63.14(12) FS:135.94(9) 合計:199.08(11)
「エクソジェネシス交響曲」♪ 白に紫。冒頭の3アクセルが決まって波にのり、3ループ+2トウ、3トウ+オイラー+3サルコウなど全体に安定。滑りもなめらかで、曲調とよく合っている。品もあるし、なかなかいい選手
ダニエル・アルベール・ノーリツ(エストニア) SP:70.91(10) FS:118.60(13) 合計:189.51(12)
「Chris de Burgh - Natasha Dance」♪ グレー系。きれなピアノのメロディでいい雰囲気。1本目のアクセルはパンクしたが、2本目は軽いオーバーターンで止めた。3回転予定が2回転になるのはあったが、同じメロディを繰り返しながら終盤盛り上がる曲でステップ。
中村優 SP:73.39(9) FS:141.11(8) 合計:214.50(8)
チャイコフスキー「ロミオとジュリエット」♪ 黒に青を重ねて。3アクセル+3トウ、少しだけ乱れたが大丈夫。3アクセル単独はちょっとステップアウト。3ルッツ2本目がコンビにできず+REPになったのはもったいなかった。2アクセル+オイラー+3サルコウが決まったのは大きい。
テンポが上がる終盤、物語のクライマックスを疾走感のあるステップで表現。悪くなかったんじゃない?
スラヴィク・ハイラペティアン(アルメニア) SP:78.73(8) FS:135.57(10) 合計:214.30(9)
「God Bless Armenia」♪ 濃い紫。素晴らしく高さのある3アクセル2本で高得点を得た。ルッツのパンクが1つあった以外は、3回転ジャンプはほぼ安定。祖国に捧げられた曲で、強さを見せたプログラム。
友野一希 SP:81.16(7) FS:151.75(6) 合計:232.91(6)
「Reel Around the Sun」「Caoineadh Cu Chulainn」「Riverdance」♪ 緑。4サルコウ、なんとか下りて2トウをつける。2本目の4サルコウ、弾かれたが耐えた。3アクセル+オイラー+3サルコウ、決まった 2本目のアクセルがパンク でも終盤3フリップ+3トウが入った
たたみかけていく曲でステップ、パッションを込めたコレオ。シーズン締めくくりのフリー。
<G4>
佐藤洸彬 SP:84.92(4) FS:145.05(7) 合計:229.97(7)
「交響曲第5番」♪ ワインカラーから黒。見事な4トウが決まり、3アクセルもちょっと乱れたが下りる。2本目の質の高い3アクセルに2トウをつけた。後半転倒が惜しいが、最後の3サルコウからスピン、重厚な曲をパワフルに滑り切った。
アレクサンデル・サマリン(ロシア) SP:82.41(6) FS:163.79(4) 合計:246.20(4)
「グレイティスト・ショウマン」♪ 赤に紺とゴールドのジャケット。4ルッツ、ステップアウト。4トウは3回転になった。2本目の4トウ、+2トウ+2ループにした。後半3アクセル+2トウも入る。
なんだかんだ言って、基礎点の高いジャンプを持ってる人は強い。勢いで最後まで持って行った。
モリシ・クヴィテラシヴィリ(ジョージア) SP:82.71(5) FS:175.31(2) 合計:258.02(3)
「モーツァルト・ロペラ・ロック」♪ 薄紫ブラウスに黒ベスト。4サルコウ、軽くステップアウト。3アクセル+3トウ頑張る。3フリップ+オイラー+3サルコウ、さらに4トウ2本決まった
今日はスケーティングも伸びやかで、危なげない。終わってガッツポーズ、トップに立つ。
マクシム・コフトゥン(ロシア) SP:91.74(1) FS:167.75(3) 合計:259.49(2)
ビゼー「カルメン」♪ 黒とゴールド。スムーズな4トウに高いGOEがついた。4サルコウで痛そうな転倒 3ルッツ+2トウ、3アクセル+2トウも入る。終盤」3ルッツ+オイラー+3サルコウが入るのはさすがだが、ループのパンクも。
ステップは実況の人が「ハイライト」と褒めていた。フリーはクヴィテラシヴィリに及ばなかったが、SPの貯金でトップに。
マッテオ・リッツォ(イタリア) SP:90.78(2) FS:182.76(1) 合計:273.54(1)
クイーン・メドレー♪ 黒と白。4トウ、しっかり高さが出て余裕。短い構えで3アクセル+両手上げ2トウも決まった。3ルッツ+3トウ、3フリップ+オイラー+3サルコウなど、全部のジャンプにプラスのGOE。
ゆったりした流れの前半、心地よく彼の世界に誘う。後半ノリノリのステップは自由自在。完璧!そして得点と順位に大喜びの親子 4回転1本でも、全体の完成度が高ければこれだけの点が出せるのだ。
アンデレイ・ラズキン(ロシア) SP:88.63(3) FS:157.10(5) 合計:245.73(5)
チャイコフスキー「ロミオとジュリエット序曲」♪ 黒とグレー。4トウ+3トウが完璧に決まった。が、アクセルでパンクとか、2回転とか それでも後半立て直してきた。
盛り上がりそうで盛り上がりきらない曲のような気がする
結果、リッツォが優勝、2位コフトゥン、3位クヴィテラシヴィリ。開催国ロシアの表彰台独占とはならなかった。それでも4位サマリン、5位ラズキンとやはり上位はロシア勢。
友野6位、佐藤7位、中村8位と日本勢3人とも入賞 9位ハイラペティアン、10位テソンまでが200点越え。
表彰式で、ロシア国旗のフックが片方外れて、だらんと下がったまま掲揚されてしまった そしてユニバーシアード賛歌が壮大な合唱で流れたが、優勝のリッツォがきょとんとしている。ユニバでは国歌が流れないことを知らなかったのかな
個人的には、香港の2人の演技がフリーまで見られて嬉しかった大会だった