アンチ

　私は子どもの頃から、アンチ巨人だ。
　年齢的には、「巨人・大鵬・卵焼き」の世代にぎりぎり入る。東京に近い千葉県で、いわゆるベッドタウンに育ったから、同級生の男の子たちはたいていジャイアンツの野球帽を被っていた（そのころはまだ千葉ロッテマリーンズとかなかったのだ）。それなら巨人ファンになってもよさそうなものだが、なぜか母が徹底してアンチ巨人だった。
　「いつも同じチームが勝つのはおかしい」というのが母の持論だったと記憶する。巨人のV9時代は野球のルールがよくわからなくて、プロ野球中継を見ても面白いと思えなかった時期だったので、どこが勝とうが関心はなかったのだが…
　小学校高学年のころから、体育の授業でキックベースボールなどを経験してようやく野球のルールが理解できるようになり、巨人の連覇が止まって“巨人以外のチームも勝つことがある”とわかってからは、野球中継を楽しめるようになった。
　大人になってからは、“空白の一日”の江川騒動、大学進学と言いながらドラフト指名を受けて入団した桑田投手の騒動などを見て、「なんでそこまでして巨人・・・？」と思っていた。潤沢な資金で他チームの有力選手をかき集める様子もいい感じじゃないし、FA制度ができてからは権利を行使して巨人に入りたがる選手が多いことも不思議。巨人戦ならテレビに映るから？！
　若手が育ちかかっても、どこからか大物が来てポジションを奪われがち。トレードされて他チームで主力になった選手は少なくない。（最近はじっくり育てた若手が活躍するチームになったが）
　母の刷り込みだけでなく（笑）、なんとなく好きになれないチームカラーで、やっぱり今でもアンチ巨人だ。

　常勝を目標にする強豪チームの優勝を阻むには、対抗できるチームが出てこなければならない。首位チームとの試合に勝てても、2位以下のチーム同士で星を食い合っていると、結局首位チームの逃げ切りを許してしまう。
　アンチ巨人の私は、結局どこかをずっと応援するファンになりきれず、ついつい“巨人を押さえて優勝しそうなチーム”を年変わりで応援してしまったりする。今年はどこを応援することになるかな
　野球はただ応援するだけだから気楽だが、選挙は自分の生活に直結することだからちょっと深刻だ。東京都知事は一都道府県の長だが、日本の首都の顔。現職は政策にも問題は多いが、その発言や態度に首都の顔を託せると思えず、なんとかしてお引き取りいただきたいと前から思っていた。
　しかし、3連覇中のストーン・フィールド、すごく強いという前評判。“アンチ”としては、なんとかして4連覇を阻止したい。じゃ勝てるのは？　一応行政の経験があるイースト・カントリー、経営者としての実績が売りのコットン・ビューティ、どっちなら勝てる？　スモール・ポンドは主張に共感できる部分が多いが、ストーン・フィールドに勝てるか、となると・・・
　野球の応援というより、株の投資に近い。「自分が一番美人だと思う人ではなく、みんなが一番美人だと思う人に投票する美人コンテスト」なんて譬えがあるように、みんなが評価しなければ株は値上がりしない。なけなしの金で買える株は1つだけ。。。どうしよう。。。
　夕方まで悩んだ挙句、美人コンテストじゃないけれど、知名度に賭けてみた。負けた

　明らかに、2位と3位で星をつぶしあってしまった戦い。得票数を見ると、2位と3位を足したらほぼ1位に匹敵。どっちかに絞れてたら、、、口惜しい