香港人が台湾で北京語アルバムを出すのはよくあるが、これは台湾人が香港で出した広東語アルバム。シンガポールやマレーシア出身の歌手には元々広東語を話す人も多いが、生粋の台湾人がわざわざ広東語を学んで、しかも1曲だけでなくフルアルバムを出すのは珍しい。しかし、張信哲は98年にもちゃんとした広東語アルバムをリリースしていて、香港にもしっかりファンがいる。9年ぶりのアルバムは、その期待を裏切らない出来だ。
いきなりジャジーなサウンドの「寧靜雪」で始まる。Sylvain Gagnonのアップライトベースが響き、Ted Loのピアノが彩る。香港らしいバラード「算」、軽やかなボサ「微風掠過」、馮翰銘(アレックス・フォン)作曲の「轉機」は力強いゴスペル。韓国ポップスのカバーらしい「雨霖鈴」は二胡を使ってしっとりと。かと思えばイントロを聴いた瞬間はSolerの声が聴こえそうな「亂世佳人」は恭碩良(ジュン・コン)のドラムでバリバリロック! 最後の2曲はフォーク系で優しく歌ってくれる。
歌唱力は元々文句をつけるところがないジェフ、広東語の発音もとてもネイティブでないとは思えないくらい。一番難しい入声も、弦を爪弾くように丁寧に発音している。丁寧すぎて不自然だと香港のファンは思うのかもしれないが、香港人だって海外育ちで広東語が母語かどうか微妙だったり、香港育ちでも入声が流れやすい最近の若い人の発音より美しいくらいだ
プロデュースは主に舒文。ミュージシャンは上記のほかにDanny Leung、賢仔(ギター)、傑仔、單立文(パル・シン)(ベース)、Anthony Fernandez(ドラム)など、今香港で第一線の人々。コーラスのPatrick Lui(雷有輝、太極のボーカル)、細May、Jackie Cho、May Chanの4人はいつもながら“いい仕事”してる。どんな曲調もばっちりこなすし、特にパトリックのメロディに影のように寄り添うバックボーカルは曲に深みを与えている。
歌詞カードのほかに、楽器やマイクやアンプについて詳しく説明する冊子がついている。それによると、使用時間に制限がある一般のスタジオでなく、プライベートなスタジオでじっくり作ったとのこと。マスターはアメリカで、上質な紙の歌詞カードはオーストリアでプリント。パッケージにもお金かかってる~。
Twinsなど、どちらかというとアイドル路線と思われがちなレーベルEEGから、大人の鑑賞に堪えるこのアルバム。実は香港ヒットチャート第3四半期集計作業をしながら聴いたら、聞き惚れてしまって捗らなかった こういうアルバムこそ売れるべきだ。これが売れるような香港マーケットになってほしいと、切に願う
最初に香港にいた頃は、同じマンションの子どもたちが、日本人だけでなく香港人も西洋人もお菓子もらいに来てたけど。知らない家でもダメ元でピンポン押してみるって感じ。こっちもほどほど対応して、時間が遅くなったら無視

二度目の香港のときは、同じマンションに住む日本人家庭でグループを作り、誰かお母さんがつきそって、日本人の家だけ回ってた。こちらでは香港人その他の子どもたちは全然来なかった。実は規則で禁止されてたのかな

日本に帰ってきたら、ハロウイーンなんてすっかり忘れたけど、お店にカボチャのディスプレイだらけで、“ハロウイーンはカボチャを食べる日”と思ってる子どももいたりして?(日本でカボチャを食べることになってるのは冬至だよ~)
1位 433点 古巨基(レオ・クー)
2位 427点 李克勤(ハッケン・リー)
3位 405点 張敬軒(ヒンズ・チョン)
4位 384点 楊千[女華](ミリアム・ヨン)
5位 355点 何韻詩(デニス・ホー)
6位 327点 容祖兒(ジョーイ・ヨン)
7位 302点 鄭融(ステファニー・チェン) 環球
8位 293点 許志安(アンディ・ホイ)
9位 290点 劉徳華(アンディ・ラウ)
10位 287点 Twins
(次点 280点 側田(ジャスティン)
1曲だけで10位に入ったのはTwinsだけで、あとはみんな大ヒットのほかに続くヒットがあっての高得点。古巨基は曲と歌手の両方で1位。曲の最高が19位とそれほど高くなかった楊千[女華]だが、4曲のチャートインで積み上げた。
曲ではTOP20に入った陳奕迅(イーソン・チャン)、梁漢文(エドモンド・リョン)は歌手別では10位に入れず。泳兒(ヴィンシー)も惜しいところ。新人の梁雨恩(キャシー・リョン)、洪卓立(ケン・ホン)、小肥(テレンス・シウフェイ)が18位から20位と頑張っている。
このあとの第4四半期と年間の集計でどんな結果が出るか? すごくヒットしたような気がした曲がそれほどでもなかったり、あまり上位までいかなかった曲が長い間に積み上げて最終的にかなりのポイントになったり、印象と違う結果が出たりするので面白い。お楽しみに

続きです。
11位 217点 舞林群英 EO2 TVB 歌詞・試聴 Snazz(最下列一番右を除く4人)
12位 195点 紙婚 李克勤(ハッケン・リー) TVB 歌詞・試聴 <My Cup Of Tea>
13位 183点 童夢 衛蘭(ジャニス)/光良(マイケル・ウォン) TVB 歌詞・試聴 東亞
14位 174点 怎麼怎麼 梁雨恩(キャシー・リョン) TVB 歌詞 <Under The Sun>
15位 171点 迷失表參道 張敬軒(ヒンズ・チョン) TVB 歌詞・試聴 <酷愛>
16位 156点 自作聰明 梁漢文(エドモンド・リョン) TVB 歌詞・試聴 <梁漢文集 2007>
17位 149点 無心戀唱 泳兒(ヴィンシー) TVB 歌詞 EEG <Close To You>
18位 148点 空前絶後 許志安(アンディ・ホイ) TVB 歌詞・試聴 <空前絶後>
18位 148点 集體回憶 楊千[女華](ミリアム・ヨン) 歌詞・試聴 <Meridian>
20位 147点 苦行僧 洪卓立(ケン・ホン) TVB 試聴 歌詞 EEG <愛 無膽>
(次点 145点 前程錦繡 許志安(アンディ・ホイ) TVB 歌詞・試聴 <東亞萬歳>
EO2が大健闘。新人・梁雨恩のデビュー曲がヒット、同じく新人の洪卓立は第2四半期に続いてTOP20に入るヒット。張敬軒は7位と15位にランクイン。次点の許志安「前程錦繡」は第2四半期では1位、これも年間の成績が楽しみ?!
2007年7月~9月のヒットチャート集計です。7月4日(水)~7日(土)の週から13週、チャートインしが曲は130曲、歌手は91組でした。
1位 363点 愛回家 古巨基(レオ・クー) TVB 歌詞 <Moments>
2位 288点 木紋 何韻詩(デニス・ホー) TVB 歌詞・試聴 <What Really Matters>
3位 287点 愛情突撃 Twins TVB 歌詞 <Twins Partyジリアン版><Twins Partyシャーリーン版>
4位 279点 東京百貨 鄭融(ステファニー・チェン) TVB 歌詞 環球 <Super Girl>
5位 243点 逃 容祖兒(ジョーイ・ヨン) TVB 歌詞
5位 243点 一句 側田(ジャスティン) TVB 歌詞
7位 234点 酷愛 張敬軒(ヒンズ・チョン) TVB 歌詞・試聴 <酷愛>
8位 232点 花落誰家 李克勤(ハッケン・リー) TVB 歌詞・試聴 <My Cup Of Tea>
9位 230点 Crying In The Party 陳奕迅(イーソン・チャン) TVB 歌詞 <Listen to Eason Chan>
10位 218点 一(國) 劉徳華(アンディ・ラウ) 歌詞 <一隻牛的異想世界>
古巨基「愛回家」がダントツの1位。第2四半期で11位だった李克勤「花落誰家」が第3四半期でも8位、年間で高得点になりそう。何韻詩、劉徳華は第2四半期に続いてTOP10入りのヒットを出した。鄭融も大健闘。