KONA WIND-南の風- iBS学院長・南 徹ブログ

アメリカ人に英語を教えていた日本人が外語学院を作った。その学院長が、日本を、世界を斬るブログ!!

鏡の中の日本人

2005-04-13 20:02:01 | インポート
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あなたの宗教は何かと問われても答えようがない。新渡戸稲造は武士道と答えた。たいていの日本人は神道と答える。なんとなくそんな気がするからだ。神道の全ては大自然と共にある。日本人は、遺伝子的に、自然と共存しないと生きてはいけない民族だ。森も川も、海も空も、神々で溢れている。八百万(やおろず)の神々である。春夏秋冬と季節の移り変わりが、生きることに疲れ果てた心の曇りを洗い流してくれる。神々の力をして、大自然の息吹が心を癒してくれるからだ。「吾妻鏡」や「大鏡」と、歴史の世界の中でも、遠い昔から鏡はしっかりと生きていた。神々を追い出してはいけない。自然を破壊してはいけない。冒涜だ。神々の怒りに触れる前に、神棚の鏡を覗いてみよう。本当の日本人の心が見えるかもしれない。本当の自分の姿が見えるかもしれない。僕自身も特別な宗教を信じているわけではないが、紫式部(源氏物語:少女の巻)が教えてくれた大和魂という考え方の中に生きている日本人の美しい心を信じて生きたい。鏡の中に見える大和魂は、あの戦争の時代の忌まわしい過去の大和魂とは異なる。


知恵ある人と知恵のない人

2005-04-08 20:32:28 | インポート
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教養という当たり前の学問がなぜ日本に普及しないのか?形だけの教養部はあっても、教養だけを徹底して学ぶという大学は日本には皆無と言っていい。大学を職業技術研修所化してしまう方が、経済立国日本が一番豊かになる道だと思い込んでいる。迷信だ。高校で、理系か文系かに分けられて、ロボットのように選別された学生は、知恵のない人間になるために努力する。哲学は職業選択においては、何の役にもならないからである。勉強すればするほど、知恵のない人になる。こんな愚かな話はない。知恵ある人は人を信用できる。教養があるからだ。自分で責任を持つ覚悟があるからだ。知恵のない人は人を信用できない。教養がないからだ。自分に自信がないからだ。怖いご時勢だ。人を見たら犯罪者と思えと教えられている。知恵ある人の知恵は、教養ある人の知恵は増幅していく。新しい時代の学校は、先進国が頂上を極めたその先は、徹底して教養を磨ける学校を創造することだ。これからの日本が採るべき道は、ギリシャのアテネに始まったように、原点に帰って、多くの哲学者を輩出できる学校を創ることだ。



フォルケホイスコーレン

2005-04-07 19:45:54 | インポート
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「みんな」の学校として、北欧デンマークに150年前に誕生した全寮制の民間の学校である。18才以上であれば、誰でも入学でき、健常者と障害者が何の違和感もなく開放的な環境の中で学んでいる。諸経費の75%は国が負担する。デンマークには、100校近くあるそうだ。今回は、エグモント・ホイスコーレン(1956年創立)の30名の皆さんが来鹿した。_009
在籍130名の学生のうち50%は障害者で、10数名は重度の障害を持っている。自分らしく、楽しく、普通に、一緒に生活する。校則はほとんどない。資格もいらない。全てが、自己決定、自己責任、そして自立を目標とする。人間が一番人間らしく生きていける学校。そんな気がした。学生も先生も全て前向きだ。悲壮感など欠片もない。資本主義社会が、途上国から先進国へと進化の過程を越えて、さて次はどこへと悩むとき、ホイスコーレンの教育の在り方が答えかもしれない。本学院の学院生と彼らとの交流を眺めながらそう思った。



イラク日本大使館一等書記官

2005-04-05 19:51:13 | インポート
_00315年ぶりの再会であった。学院第11期卒業生胡摩窪淳志氏である。学院を卒業してから20年、僕がフランスで会ったのが15年前、時の流れがこんなにも速いとは。学院生の間では、マックスのニックネームで通っていた。司馬遼太郎の『竜馬が行く』を愛読書とし、音楽はビートルズを語り、どんなに苦しいときも冷静さを失わない、いつも笑顔青年のマックス。学院が企画する課外授業では、いつも率先して大型バスの運転を引き受けてくれた。20年昔が昨日のことのように思い出される。フランス、セネガル、マダガスカル、そして今、イラク日本大使館一等書記官である。外務省叩きがマスコミを賑わしている昨今、こんなに素晴らしい外務省職員がいるのだと、日本全国に伝えたい。そんな思いに駆られた。戦争の傷跡が未だ癒えないイラクの滞在は、恐ろしいほどの重責があるはずだ。でもそんな姿は微塵も現さない。40を過ぎる彼だが、20代の頃と何ら変わらないオーラがある。「求めて止まぬ青春の心」で満ち溢れていた。これからも日本のために、古里のために頑張って欲しい。心からエールを送りたい。



古本喫茶SHII

2005-04-05 18:40:17 | インポート
鹿児島市は谷山中央の住宅街の一角に、何の変哲もない人家がある。戸を開けると、「いらっしゃいませ」と、元気な笑顔の店主が現れる。長島郷文(さとみ)さんである。長島さんが醸し出す不思議な空間は、働きに疲れた人々をストレスの世界から解放してくれる。お店を訪れる老いも若きも、時を忘れて、年齢を超えて、安らぎの世界にタイムスリップしていく。遠い昔に旅をして、峠の一軒屋に招かれてご馳走になる。そんな風景を連想しそうな、心温まる手料理と長島さんのエネルギッシュな対話が、世間の苦痛を、面白おかしい物語に進化させてくれる。「みんなちょっと立ち止まって、深呼吸をしようよ。」そんな憩いのひと時のランチタイムであった。