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コーネル大学のGeorge T. Milkovichは人的資源管理論(HRM)の中でもcompensation(報酬)領域に特化した研究者だ。
特に職務分析、職務評価、そして職務給、パフォーマンス・アプレイザルに至るまでの全プロセスに深い造詣を有している。コーネル大学にはIndustrial and Labor Relationsと呼ばれる産業労使関係に特化した学部、大学院があり、彼はそこで長年教鞭をとっている。
日本人留学生で彼の授業に出入りしたのは初めてだということで、たいそう面白がられた。なにせ、留学してた当時は、日本的経営の浮名が華やかかりし頃で、なぜ日本人のオマエが米国流のHRMに興味がるのか?と執拗に質された。
当時アメリカでは日本特殊論が旺盛で、年功賃金、終身雇用(長期安定雇用)、企業内組合、集団的意志決定、全社的品質管理などが、さかんに喧伝されていた。
そんなプロパガンダ風の経営論に胡散臭さを感じてたし、共同体から機能体に転換してゆく過程で、年功賃金、終身雇用などの、いわゆる日本的制度なるものは換骨奪胎されてゆくだろう。そして、国際志向が強い企業ほど、メリットクラシーの方向へ変化するだろう。だから、国際基準のHRMを学びたいんですよ・・といったことをたしか説明した。
大学院を終えてHayからコンサルタントとしてJob offerをもらった時にMilkovichに相談に行った。実は、彼はHayの顧問をやっていたのである。コンサルタントが生き残るための処世訓をもらった。
1)ビリング(請求書)の発行がすべてだ。
2)自分でデカいクライアントを持ってこれるようにしろ。
3)勉強を怠るな。
4)自分でコンサルティング手法を開拓しろ。
5)プロフェッショナルとして認められるためには本を出版しろ。
プロフェッショナル・ファームに対してコンサルティングをしているだけのことあって、彼の教訓は金言だったと思う。
時を経てなんの因果か、大学院でHRMの講座を担当している。コンサルティング・ファームを志望する大学院生にも、助言を求められたら上の5項目にふたつ加えておこう。
6)就業規則に触れないように知的な副業(講演、執筆)をやるべし。
7)プロとしての力量を体得したら独立すべし。
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