![](http://www.inkcinct.com.au/Web/CARTOONS/2008/2008-646--US-Treasury-piggy-bank.gif)
一時的にダウは反発しているが、いずれは落ちる。またドルの為替レートも落ちてくる。そして米国債が下落すれば、株、為替、国債の3点セットが暴落し、不況を通り越えて恐慌となる。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日、米国の「AAA」格付けについて、現時点では満足、と表明した。なるほど、国策機関による米国救済のための捏造的格付けである。
ここでしっかりと思いだすべきは日本が金融危機に陥った1998年11月のことだ。日本の長期債務が増加していたことを受けて、ムーディーズは日本国債の格付けをトリプルAからワンランク下のAa1に格下げした。その後、2002年5月にはA2に落ちた。そしてほどなく日本の金融業界は米国投資銀行などの草刈り場となった。
その後、日本国債は一時、世界最貧国のひとつであるボツワナ並みに格下げされて騒ぎにもなった。しかし、米国債が現下の状況で「AAA」を維持しているのは、ダブルスタンダード(二重規範)であるとしかいいようがない。
二重規範は共同体の常。米国政府と格付け会社は共同体である、ということが再確認された。客観的な評価?中立的な評価?すべて虚偽である。
このことに対する日本の市場関係者の共通の見方は、「米国債は、いったん下げると歯止めが利かなくなり暴落リスクが顕在化する。米国政府が格付け会社に必死に協力をあおいでいる、あるいは政治的な圧力をかけている」というもの。
ただし表だって公式に批判することを意図的に避けているようだ。オモテのマスコミは、ブタフル騒ぎにばかり加担していて、米国債格付け捏造を伝えない。
![](http://www.forexblog.org/wp-content/uploads/2009/03/china-forex-reserve-composition.gif)
実態は、米国債の格付けは粉飾されたうえに捏造されている。
しかし、限度というものがある。中国が日本を抜いて米国債保有残高は世界一。中国が米国債の売りに転じるときがターニング・ポイントになるだろう。
「米国債の売り」が現下経済情勢の真のキーワード。過去、その素振りを見せた日本の政治家は失脚の憂き目になっているので、なかなか言い出せない。
次の選挙では、「国益とはいったい何なのか」、「日本人の資産を米国から取り戻す方策」をそろそろ争点にしなければいけない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます