はたして人間(人的資源)とは「管理」できるものなのだろうか?
ビジネススクールなどで講じられる人的資源管理論(Human Resources Management)は、もちろん人間を管理下に置くという大前提を敷いている。
管理下に置く、支配するというのは苛烈な発想だ。むしろ、多様な人的資源に対していかに支援し、開発し、ケアし、助けていくのか、という課題の立て方のほうが明るいし、すがすがしい。
この本のスタンスは管理ではなく活用。恩師ブランチャードの本。日本では"One Minute Manager"などで有名だが、この本ははるかに学術的でかつ網羅的。
ブランチャード先生はコーネル大学で熱弁をふるっていた。留学しているときは、リーディング・アサインメントとして英語バージョンをわずか1週間で読まされ悶絶。人的資源は行動を通して成果が生み出されるわけなので、表題のようになっている。
最新の日本語版は、さらに充実。マズロー、マグレガー、アージリス、マクレランド、シャインなど、基本セオリーやモデルをキチンと説明。最後の方のSituational Leadershipの増補版にはさすがに力が入っている。
伝統的=本流的な理論、モデルを説明した「行動科学の展開」に対するアンチテーゼのような本。シンクロニシティは、実は現在サイエンスの鬼門のような位相にある。因果関係でなかなか説明できない現象だからだ。
「行動科学の展開」と合わせて読み、視点の違いを堪能するような読み方がいい。シンクロニシティに関する雑感などはこちら。
3冊目は、苦しみではなく楽しみの社会学。あのチクセント・ミハイ。キー・コンセプトはFlow Experience。マズローのPeak Experience(至高体験)との比較が面白い。さらには、コリン・ウィルソンの超越意識にまで繋がるテーマだ。
年間三万人以上もの自殺者がでる日本。物質的に富んでも、心には乾いた寒い風が吹いている。日本には楽しみの社会学が必要なのだ。そして会社や仕事には、もっと楽しさがあっていいんじゃないか。もちろん人生にも。そんな文脈でキラリと光るのがこの本。
本質的な楽しさ、そしてフロー体験はどのようにしてもたらされるのか。フロー体験を、シンクロニシティやセレンディピティ(serendipity)との関係で考えてみるのも面白い。
ついでにあげるのならば、"Managing Flow - A Process Theory of the Knowledge-Based Firm" だろう。野中郁次郎らの作。目のつけどころがいい。Flowが疎外されている組織にはイノベーションなんか創発するわけがない。もちろん、この本はチクセント・ミハイのフロー理論を下敷きにしている。
ビジネススクールなどで講じられる人的資源管理論(Human Resources Management)は、もちろん人間を管理下に置くという大前提を敷いている。
管理下に置く、支配するというのは苛烈な発想だ。むしろ、多様な人的資源に対していかに支援し、開発し、ケアし、助けていくのか、という課題の立て方のほうが明るいし、すがすがしい。
この本のスタンスは管理ではなく活用。恩師ブランチャードの本。日本では"One Minute Manager"などで有名だが、この本ははるかに学術的でかつ網羅的。
ブランチャード先生はコーネル大学で熱弁をふるっていた。留学しているときは、リーディング・アサインメントとして英語バージョンをわずか1週間で読まされ悶絶。人的資源は行動を通して成果が生み出されるわけなので、表題のようになっている。
最新の日本語版は、さらに充実。マズロー、マグレガー、アージリス、マクレランド、シャインなど、基本セオリーやモデルをキチンと説明。最後の方のSituational Leadershipの増補版にはさすがに力が入っている。
伝統的=本流的な理論、モデルを説明した「行動科学の展開」に対するアンチテーゼのような本。シンクロニシティは、実は現在サイエンスの鬼門のような位相にある。因果関係でなかなか説明できない現象だからだ。
「行動科学の展開」と合わせて読み、視点の違いを堪能するような読み方がいい。シンクロニシティに関する雑感などはこちら。
3冊目は、苦しみではなく楽しみの社会学。あのチクセント・ミハイ。キー・コンセプトはFlow Experience。マズローのPeak Experience(至高体験)との比較が面白い。さらには、コリン・ウィルソンの超越意識にまで繋がるテーマだ。
年間三万人以上もの自殺者がでる日本。物質的に富んでも、心には乾いた寒い風が吹いている。日本には楽しみの社会学が必要なのだ。そして会社や仕事には、もっと楽しさがあっていいんじゃないか。もちろん人生にも。そんな文脈でキラリと光るのがこの本。
本質的な楽しさ、そしてフロー体験はどのようにしてもたらされるのか。フロー体験を、シンクロニシティやセレンディピティ(serendipity)との関係で考えてみるのも面白い。
ついでにあげるのならば、"Managing Flow - A Process Theory of the Knowledge-Based Firm" だろう。野中郁次郎らの作。目のつけどころがいい。Flowが疎外されている組織にはイノベーションなんか創発するわけがない。もちろん、この本はチクセント・ミハイのフロー理論を下敷きにしている。
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