よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

Sense of Coherence あるいは生き抜く力

2008年06月23日 | No Book, No Life
溌剌として健康な人もいれば病気がちな人もいる。面白そうに生きている人もいれば、なにかつまらなそうに生きている人もいる。クリエイティブに前向きな変化やイノベーションを起こす人もいれば、いわれたことをそのまましかやらない人もいる。いろんな人がいる。

なにがこのような違いをもたらすのか?

そのこたえの一つがSense of Coherence。

人生の当事者として身の回りの世界に首尾一貫した意味のある一体感を保持し、人生を手中にしている感覚。そして、世界と自分との間に目的を見出し自分が選び出した世界と仲良く親密になれる感覚。首尾一貫して新しい世界との対話を楽しみ、そこに前向きな意味を紡ぎだしていけるおおっぴらな楽観的感覚。世界にほのぼのとした光をみいだし、レンズでその光を集めて退屈な紙を焼いてしまうような集中する感覚。

ちなみに預言者コヘレトは、「なんという虚しさ、なんという虚しさ、すべては虚しい」と言った。抑鬱と倦怠こそが人生の敵だと、コヘレトは警鐘を鳴らした。コヘレトはヘブライ語で説教師という意味だ。(Colin Wilson, The Search for Power Consciousness)。なるほど、コヘレント感覚は人生の教師かもしれない。

コヘレント感覚を持つ患者は早くなおるという。またコヘレント感覚を持つ人は前向きだという。また身の回りをみても、起業家の多くにはコヘレント感覚を持つ人が多いように見える。

フッサールじゃないが、思考は志向的だ。Michael Polanyiは、ゲシュタルト(形態)は認識を求めるときに能動的に経験を編集するプロセスで形づくられ、その形成と統合こそが「暗黙の力」である、そして、その暗黙の力が進化の動因でさえあると意味深なことを言った。なのでひとりひとりの個人には、たぶん宇宙的な原理として、より高い位相に向かう志向性があるということを想定するのは、なるほど希望に満ちている。

でも言葉で書けそうもないのでせいぜい暗黙知というほかない。でなければウィトゲンシュタインでも引っぱってきて、「語りえないことについては人は沈黙せねばならない」とでも言うほかない。

さてMaslowは、その高い位相のことをSelf Actualizationと言ったが、彼と熱心に意見交換したColin Wilsonはそれを宇宙意識とも言った。至高体験のさらに上には春の意識、魔法の意識、そしてX意識があるという。

このような志向性に、新機軸への契機が埋め込まれているとしたら、根っこのところでイノベーションはMagicalな香を帯びてくる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿