hiyamizu's blog

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東野圭吾『回廊亭殺人事件』を読む

2020年11月13日 | 読書2

 

東野圭吾著『回廊亭殺人事件 新装版』(光文社文庫ひ6-22、2020年10月20日)

 

裏表紙にはこうある。

一ヶ原高顕(いちがはらたかあき)が亡くなった。妻子のない高顕の莫大な遺産を巡り、一族が「回廊亭」に集まった。「回廊亭」は、半年前に心中事件が起こり火事が発生したいわくつきの旅館だ。誰もが高顕の遺産を狙うなか、そこには相続関係にない菊代(きくよ)という老婆の姿が。彼女の目的は、心中事件の真相を明らかにすること、そして――真犯人を殺すことだった。事件に隠された衝撃の事実とは⁉

 

70歳の女性を老婆と表現するのは30年前の作品でもいけません!

 

旅館・回廊亭には、一ヶ原の一族と一人の年とった女性が集まっていて、莫大な資産を持つ一ヶ原高顕の遺言状が公開されようとしていた。

半年前に回廊亭で放火により恋人・里中二郎を失い自身も大火傷を負った桐生枝梨子は偽装自殺して、70歳の本間菊代に変装し、一ヶ原一族に加わって回廊亭に宿泊する。彼女は恋人を殺した犯人を探し出して復讐したいという一念で潜入したのだった。しかし、そこで遺産を巡る新たに殺人が起こり、枝梨子は警察の目をかいくぐり、本当に犯人を見つけ出し、復讐することができるのか?

 

本作品は、1991年7月カッパ・ノベルス『回廊亭の殺人』を改題、1994年11月光文社文庫

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:お好みで)(最大は五つ星)

東野圭吾の約30年前の作品で、話に膨らみが無く、面白さが限定される。舞台は旅館に限られほぼ密室状態で、登場人物も10数人に限られ、楽しみは謎解きだけに限られる。

32歳の女性が70歳に化けるのは可能ではあるが、まじかでジロジロ見られる環境では現実的とは思えない。その他、多少現実味に疑問を抱く点もあり、「仮想環境での謎解き」といった小説に近く、私には面白味が少なかった。

 

東野圭吾の略歴&既読本リスト

 

桐生枝梨子:主人公。高顕の秘書、32歳。不美人。火事で顔に火傷し、病院から脱出し偽装自殺した。殺された恋人・里中二郎の復讐のため、70歳の本間菊代に化けて回廊亭を訪れる。

里中二郎:桐生枝梨子の8歳下の恋人。自動車修理サービス会社の社員。里中は枝梨子の首を絞め心中しようとし、火事で焼死したと考えられている。
一ヶ原高顕(いちがはら・たかあき):実業家。故人。莫大な遺産についての遺言書を回廊亭で公表するよう指示していた。
一ヶ原蒼介(そうすけ):高顕の弟。大学教授。選挙出馬を狙う。息子は演劇関係の仕事をしている一ヶ原健彦。
一ヶ原直之(なおゆき):高顕の異母弟で、高顕の事業を継ぐ。40歳間近。なかなかの慧眼。
一ヶ原紀代美(きよみ):高顕の弟(故人)の妻。尊大な女性。娘は由香

藤森曜子:高顕の異母妹。40歳過ぎ。夫は不動産業。娘は加奈江
本間重太郎:高顕の親友。本間菊代の夫。

古木:弁護士。助手は鯵沢弘美。
小林真穂:回廊亭の女将。元々は高顕の愛人。
矢崎:警部。50歳前。若い相棒は高野


スキットル:ウイスキーなどを入れる小型の携帯用水筒。外国映画などで胸の内ポケットから水筒を出して酒を飲むシーンがある。

 

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