hiyamizu's blog

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中山七里『能面検事の奮迅』を読む

2022年07月03日 | 読書2

 

中山七里著『能面検事の奮迅』(2021年7月30日光文社発行)を読んだ。

 

光文社による紹介

学校法人荻山学園に対する大阪・岸和田の国有地払い下げに関し、近畿財務局職員の収賄疑惑が持ち上がり、大阪地検特捜部が捜査を開始。ところがその特捜部内の担当検事による決裁文書改竄疑惑が浮上。最高検から調査チームが派遣され、大阪地検一級検事の不破俊太郎は検察事務官の惣領美晴と調査に乗り出し、信じがたいものを発見するのだが……                                                   
能面検事」再び! 現実の事件を彷彿させる物語に、能面検事・不破の鋭いメスが冴えわたる!

 

 

惣領(そうりょう)美晴:語り手。大阪地方検察庁の不破検察官付き検察事務官。昨年採用。

不破俊太郎:実質主人公。大阪地検のエース、表情を変えないので能面検事とも呼ばれる担当検事。

榊:次席検事。大阪地検のナンバー2。不破の上司。

高峰仁誠:大阪地検の主任検事。特捜部のエース。元ラグビー部の偉丈夫。決裁文書改ざん容疑がかかる。

仁科睦美:大阪地検の事務局総務課。情報通。

 

岬恭平:東京地方検察庁次席検事。高峰の改ざん容疑で大阪地検へ派遣。

折伏検事:最高検刑事部。大阪地検に派遣。次期刑事部長の噂。部下は當山と桃瀬。

 

萩山理事長:荻山学園の小学校開校用地として岸和田市向山の国有地を評価額の4割で購入。

安田啓輔:近畿財務局の担当調整官。根の暗そうなひょろっとした秀才タイプ。

金森小春:京阪大学の<寺井寮>の近くの定食屋<一膳>の看板娘。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

森共学園問題そのもののとしか思えない展開に、わかりやすいのだが、「これってどうなの?」と思う。途中から違う展開となり納得。

 

能面検事の不破が立身出世はもちろん、庁内勢力、同僚への配慮、人情など全く考慮せず、検察の正義まっしぐらに、能面のまま突っ走る。単純すぎ、あり得ないとは思いながら読み進めてしまう。

しかし、信じられないために不破へ毎回問いただしたりする事務官美晴が、まったく学ばないまま同じことを繰りかえすのは、不破の徹底ぶりを際立たせるためとはいえ、邪魔だ。ワトソン役の美晴の存在が小さすぎる。

 

不破も一目置く高峰検事が決裁文書改ざんを行った(?)謎が意外な闇を見せる所が意外性がある。しかし、中山七里、お定まりの最後のどんでん返しがあるのだが、たいした意味があるとは思えず、付け足し感が残る。

 

 

中山七里(なかやま・しちり)の略歴と既読本リスト

 

 

秋霜烈日(しゅうそうれつじつ):日本の検察官が付ける記章の名前。検事の職務とその理想像は、秋の厳しく冷たい霜と夏の強い日差しのように、刑罰・権威・節操・意志などが極めて厳しく、厳かなことのたとえ。

 

 

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