hiyamizu's blog

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今野敏『夕暴雨』を読む

2024年03月19日 | 読書

 

今野敏著『夕暴雨(ゆうばくう) 東京湾臨海署安積班』(ハルキ文庫こ3-35、2012年4月18日角川春樹事務所発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

東京湾臨海署管内で大規模イベントへの爆破予告がネット上に流れた。安積警部補率いる班と相楽班は警戒警備にあたるが、爆破は狂言に終わる。だが再び、翌週のコミックイベントへの爆破予告がネット上に書き込まれた。前回と違う書き込みに、予告の信憑性を訴える須田刑事。須田の直感を信じた安積は、警備の拡大を主張するが、相楽たちの反発をうけてしまう。迫り来るイベント日。安積班は人々を守ることができるのか? 異色のコラボが秘められた大好評シリーズ、待望の文庫化。(解説・細谷正充)

 

本作品は、安積班シリーズ12作のうちの一つ。

 

再度の爆破予告は、須田の感からも本物臭く、安積は思い切って警備課・下沢課長に体制強化をお願いするが、逆に刑事課も体制強化を求められた。安積班も全員で警備応援にあたるが、東京ビッグサイトは広かった。

イベントが終了する17時前、ずんという震動を感じた。男子トイレの個室でごく小規模の爆発が起こり、会場の人は出口に殺到した。このとき、地面をゆらして巨大なものが近づいてきて、人々は立ち止まり、混乱は収まった。

 

犯人捜査が始まり、容疑者(個室男)が、爆発があった「個室が故障している」と4名に言って出ていった。安積たちはこの証言の矛盾を追及し始める。

 

 

台湾では、ゲリラ豪雨のような夕立のことを夕暴雨(ゆうばくう)という。

 

 

安積警部補:主役。東京湾臨海署強硬犯第一係長。45歳。部下には絶対の信頼があり、上司には言うべきことははっきりと言う。決して信念を曲げない。娘との関係は良好で、元の妻とは微妙。

村雨部長刑事:安積に忠実に仕事し、部下を厳しく指導する。堅苦しいほど基本に忠実。嫌われ役。
桜井:村雨に厳しく指導されている。安積班で一番若い。
須田部長刑事:村様と対照的で、ぽっちゃり体型で機敏でなく、簡単に他人に同情してしまう。しかし、勘は人一倍鋭い。本人は勘の根拠が乏しく自信がないが、捜査が行き詰った時には頼りになる。
黒木:須田と組む。常にキビキビと動き、整理整頓している。
速水警部補:安積と同期。交通課で飄々働く白バイ野郎。事件を斜め上から眺めるなどして、視界が狭まりがちな安積に有効なアドバイス

を送る。
相楽:本庁捜査一課から強硬犯第二係長へ異動。40歳前。安積をライバル視し、意地を張るタイプ。

 

本作品は2010年1月に角川春樹事務所から単行本として刊行。

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

読みどころは、イベントでの爆破予告が本物かどうか、イベントの警備、爆破予告犯人の逮捕だが、いずれも、地味過ぎて熱中して読むほどではない。

警察内部の主導権あらそい、成果を上げ続ける安積への対抗心も、雰囲気は盛り上げるが、メインテーマではない。

本庁警備部の別部隊が開発中の巨大な特車が秘密めいて登場するが、詳細は語られずにそのまま終わるので消化不良だ。

 

今野敏の略歴と既読本リスト

 

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