hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

岩貞るみこ『青い鳥文庫ができるまで』を読む

2012年10月22日 | 読書2

岩貞るみこ著『青い鳥文庫ができるまで』2012年7月講談社発行、を読んだ。

架空の『白浜夢一座がいく!』という青い鳥文庫人気シリーズの第14巻を12月発売に間に合わせるための編集者の奮闘を描いたお話ししたてのノンフィクション。

作家先生の原稿は遅れに遅れ、編集者は後工程に無理をお願いしまくる。原稿を受取ってから通常3ヶ月のところ、今回は発売まで2ヶ月しかない。イラストレーター、校閲や販売、印刷所、取次、書店など、本が書店に並ぶまでのプロセスを描く。本は実在のものではないが、内容はほぼ実際の話になっているという。
児童向けの本で、すべての漢字がルビ付き。

校閲
講談社にはセント・ワーズという原稿校閲システムがあり、例えば、アタマを頭に、数字は漢数字になど機械的にできる校閲は自動的にやってくれる。例えば「シュミレーション」は「シミュレーション」なので赤字となり、登録されていない言葉、例えば「おめえさんには、わかるめえ」などは黄色字として出力される。
校閲者は、国語辞典、漢字辞典、送り仮名辞典、既刊シリーズ本、日本地図、江戸歴史事典などを揃え、ゲラを読むのではなく、一文字ずつ「見る」。したがって、内容は頭に入ってこない。

下版
本は大きな紙の両面に印刷してそれをたたんで32頁や16頁、8頁の「折り」作る。この「折り」を束ねて本を作る。また、印刷機は、何万部も印刷するときは輪転機、数千部なら平台(ひらだい)を使う。輪転機で印刷するときはひと折り=32頁、平台はひと折り=16頁か8頁であり、折りたたんだときにちょうど頁が続くように複雑だが決まった順序で印刷する。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

私は、本を作る過程をほとんど知らなかったので、面白く読めた。原稿を仕上げるまでの細かな過程、本として仕上げる様々な工程。多くの人の多くの創意、作業で本が出来上がるのがわかる。感謝だ。
子供向けなので分かりやすいのもありがたい。もちろん、まどろっこしいところはあるし、話の展開は予想通りで進む。



岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
1962年横浜市生れ。ノンフィクション作家、モータージャーナリスト
『しっぽをなくしたイルカ』『ハチ公物語』、青い鳥文庫の『ドクターヘリ物語』『フライトナース ハナ』など。


コメント
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