hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

マイクル・クライトン『マイクロワールド』を読む

2012年10月14日 | 読書2
マイクル・クライトン&リチャード・プレストン著、酒井昭伸訳『マイクロワールド 上下』早川書房発行、を読んだ。

ピーター・ジャンセンは生物学を専攻する大学院生。マサチューセッツ州ケンブリッジの大学で、個性的な院生達と先端研究に邁進していた。その若き科学者7人が、新薬開発のベンチャー企業Nanigen(ナニジェン)マイクロテクノロジーズ社のハワイの研究所に招待される。
Nanigenの犯罪を知ってしまった7人は、強磁界で次元変換を可能とする装置「テンソル・ジェネレーター」によって百分の一の身体にされ、ハワイの密林に放り込まれる。48時間以内にもとの身体に戻らないと死に至るという。

超小型な身体にとっては昆虫でさえ大怪物だ。若き科学者たちは、植物から毒を抽出し、ヤスデから青酸をかき集め、専門知識のみを武器にどう猛なジャングルでのサバイバル、そして脱出を図る。

クライトンの死後パソコンから発見された未完の遺稿(全体の4分の1ほど)を、練達のサイエンス・ライターが書き継いだ。原書名は“MICRO”。

さまざまの昆虫、植物や、毒に関する知識がひけらかされる。
17mmになった人間には、肉食の昆虫、甲虫、狩りバチ、アリ、クモ、ムカデ、カなどは危険で、雨粒さえも危険。空気抵抗が相対的に大きいので高いところから飛び降りることができる。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

次々といろんなことが起きるので飽きることはないのだが、なにしろ長すぎる。上下で600頁を超える。600頁読んでもブログ1回にしかならないので効率が悪い??
話が昆虫に偏るので、クライトンの博識ぶりにびっくりしにくい。



マイクル・クライトン Michael Crichton
1942年、イリノイ州シカゴ生まれ。ハーバード大学で人類学を専攻後、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。
1968年『緊急の場合は』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞
1969年『アンドロメダ病原体』が世界的なベストセラー
その後、『ジュラシック・パーク』『タイムライン』など次々と話題作を創りだす。
また、人気TVドラマシリーズ『ER』の製作者。
2008年死去。

リチャード・プレストン Richard Preston
1954年、マサチューセッツ州生まれ。プリンストン大学で英文学を専攻。
ジャーナリストとして活躍。
1994年エボラ・ウイルスの脅威を描いたノンフィクション『ホット・ゾーン』は世界的なベストセラー。その他『コブラの眼』『夢のボート』『世界一高い木』など。

酒井昭伸(さかい・あきのぶ)
1956年生れ。1980年早稲田大学政治経済学部卒。英米文学翻訳家。
訳書に、『ジュラシック・パーク』以降のマイクル・クライトン作品、他。



登場人物

7人の院生
ピーター・ジャンセン コブラ毒の研究者、リーダーで主人公だが、・・・
リック・ハター    民族植物学専攻、決して意見を曲げない
カレン・キング    クモ学専攻、武術愛好家、女性
エリカ・モル     昆虫学、ドイツからの留学生、男好き
アマール・シン    植物ホルモン研究、インド系移民
ジェニー・リン    動植物のフェロモン・コミュニケーション研究、アジア系
ダニー・マイノット  心理学・社会学の博士課程、意気地なし

Nanigen社(ナノスケールのノボットを開発)
ヴィン・ドレイク   CEO最高経営責任者
エリック・ジャンセン CTO最高技術責任者、ピーターの兄
アリスン・ベンダ   CFO最高財務責任者
ジャレル・キンスキー テンソル・ジェネレーターの操作員
ドン・マケレ     セキュリティ・チーフ
ジョンストン     セキュリティ要員
ティリアス      セキュリティ要員
ベン・ローク     テンソル・ジェネレーターの開発者
エドワード・カテル  出資団体からのアドバイザー

ホノルル市警
ダン・ワタナベ警部補 本事件を捜査
マーティ・カラマ   ワタナベの上司
ドロシー・ガート   科学捜査研究所の主任検視官


コメント
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