hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

伊集院静『大人の流儀』を読む

2011年11月30日 | 読書2
伊集院静著『大人の流儀』2011年3月講談社発行、を読んだ。

講談社の内容紹介にはこうある。
こんなとき、大人ならどう考え、どう振る舞うのだろう。
「本物の大人」になりたいあなたに捧げる、この一冊。
大好きな人に手紙を書きたくなったとき。上司に意見をしなければならないとき。人を叱らなければならないとき。大切な人を失ってしまったとき。嫌でもケンカをしなければならないとき。とてつもない悲しみに包まれたとき。(以下略)


大人の流儀とは誇大宣伝だ。普通のことが書いてあるだけ。内容は、「職場ではダメなものはダメとどんどん叱りなさい」「何をやれば良いか分からない若者は旅をしろ」「女は不良の男が好き」など言いたいこといい放題。短い文なのに最初と終りのつながりが悪く、流れがない。さすが、週刊誌の連載物。

いつもは星をつけた評価の前は、あらすじを紹介するに留めるのだが、紹介する内容がない。

初出:「週刊現代」2009年7月18日号~2011年1月15・22日号
単行本化にあたり抜粋、修正。



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

週刊誌に連載していた読み物なので、そこらの酔っぱらいの講釈のような内容だ。ところどころに、阿木燿子、井上陽水、長嶋茂雄、松井秀喜など有名人を登場させるサービスがあるが。
内容も普通の大人なら当たり前のことが多い。一部だが、怒りの内容も野球部で鍛えられただけあって、タカ派であり、軟弱な私には受け入れがたいものが多い。古いタイプの男性で矜持があり、男臭いとお好みの女性もいるのだろうが。

最後の「愛する人との別れ~妻・夏目雅子と暮らした日々」だけが、心を打つ。夏目雅子の無邪気さ、ひたむきさ、明るさが。自分を制御できず、ギャンブルや酒に溺れる人を私は全く評価しないが、そんな彼女に愛された伊集院さんは、単純な私には理解できない良いところを持った人なんだろうとは思う。



伊集院静(いじゅういん・しずか)
1950年山口県防府市生れ。立教大学文学部卒。
CMディレクター、作詞家などとして活躍
1981年「小説現代」に『皐月』を発表し、文壇レビュー
1991年『乳房』で吉川英治文学新人賞受賞
1992年『受け月』で直木賞受賞、女優篠ひろ子と再婚
1994年『機関車先生』で柴田錬三郎賞受賞
2001年『ごろごろ』で吉川英治文学賞受賞
その他『駅までの道をおしえて』、『なぎさホテル』など。
二番目の妻が夏目雅子、現妻は篠ひろ子。






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