hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

菊つくり(1)

2007年03月21日 | 趣味


昔々、職場の先輩が数十年にわたり、見事な大輪の菊を作っていました。私はそれまで動物や植物に全く興味がなかったし、当時は、東京のはずれの鉄筋アパートの3階に住んでいたのに、毎日そのすばらしさと、うんちくを聞いているうちにだんだんその気になって自分でもアパートのベランダで菊作りを始めました。

菊作りは、時期を逃さず、きちんと決まった作業を重ねて行けば、確実に自分でも驚くほどの大輪の菊の花を咲かせることができます。まさに、磨きぬかれた伝統技術とも言うべきものです。もちろん展覧会に出展するようなできばえにするには、高度なノウハウが必要でしょうが、素人が見て驚くくらいの花は誰でも簡単、確実に咲かせることができます。実際のところは多少手を抜いたり、時期がずれてもけっこうそれなりの大きな花は咲いてくれます。
横須賀で庭を持ってからは、畑作りに専念し、菊作りは止めてしまいましたが、結局10年近く作り続けて、菊作りは「ゲイジュツだ」と思いました。

細かいことを書くときりがないので、以下、思い出しながら、2回に分けて、菊作りの概要だけ述べます。



土作り
何事も土台作りが重要で、「菊作りは土作り」といわれるように、まず土作りから始めます。
腐葉土は園芸店などで買うこともできますが、条件が許せば自分で作りたいものです。菊自慢はつまるところ土自慢になるのですから。
落ち葉を集め、積重ねて水をかけ、油粕を少々混ぜます。これを何層も重ねて踏み固めます。落葉はケヤキが理想ですが、固めの葉が良いと思います。一ヶ月ほどしたら混ぜて(切り返しと言います)発酵を促進させます。このとき、上手くいっていれば、葉の形は残っていますが、焦げたように黒色になっています。切り返すと湯気がでるほど高温になっているはずです。何回か切り返して、半年ほどして葉の形がほとんどなくなり、褐色になり、手でつまむとボロボロになったら腐葉土の出来上がりです。
底を水抜きした発泡スチロールの箱で、ベランダでもできますが、臭いがして近所に迷惑をかけるのを心配して、私は実家の庭で腐葉土を作り、大きな袋に入れて電車に持込みアパートまで運びました。これを何回も繰り返しました。ご苦労なことでした。

菊作り用の土は腐葉土のほかにも、排水性の調節や、栄養分補給、土壌改良、あるいは密にして根を張りやすくするなどのために鹿沼土などいろいろ混合し、工夫するのが普通ですが、腐葉土と普通の土だけでも一応の菊は作れます。



さし芽
菊は種からでなく、苗を育てます。昨年秋に咲いた菊が枯れ、4月に古い株から芽が出てきます。この出てきた芽のうち、元の株からなるべく離れた芽を切り取って、プランターなどに入れた鹿沼土に挿し、さし芽します。発根促進剤をつかう人もいます。
大菊と呼ばれるのは花の直径は18mm以上のものを言います。大きな花を咲かせるような菊は自然の摂理から外れているので、世代を繰り返すと、元の小さな花に戻る力が働きます。そこで、元株は使わず、さらになるべく離れた芽を採るのだと思います。それでも、何代も経ると花がどんどん小さくなってしまいます。
私は、毎年半分の苗は郵送で業者から購入し、新しい血を入れていました。ネットでさっと眺めると最近は園芸店などでも大菊の苗は売っていないようです。菊花展などで買い求める以外ないのでしょうか。それぞれの苗には「国華○○」「泉郷○○」のような名前がついているので、プラスチックに記銘して土に挿して区別できるようにしておきます。

次回「菊つくり(2)」

コメント
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